TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025104189
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-09
出願番号
2024059146
出願日
2024-04-01
発明の名称
熱伝導性シリコーングリース組成物及びその製造方法
出願人
富士高分子工業株式会社
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C08L
83/06 20060101AFI20250702BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】良好な粘度、熱伝導率を有し、かつ長期間使用した際のポンピングアウト現象が抑制された熱伝導性シリコーングリース組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】マトリックス樹脂成分と熱伝導性無機粒子を含み、前記マトリックス樹脂成分は(A)25℃における動粘度が100~10,000mm
2
/sの非反応性の液状ジメチルポリシロキサン:X(X=50~99.9)質量部と、(B)下記化学式(但し、Meはメチル、n-Buはノルマルブチル、n=5~1000)で示される直鎖状ポリジメチルシロキサン:(100-X)質量部を含み、前記熱伝導性無機粒子は50~3000質量部含み、前記シリコーングリース組成物は非硬化物である。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025104189000006.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">18</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
マトリックス樹脂成分と熱伝導性無機粒子を含むシリコーングリース組成物であって、前記マトリックス樹脂成分は、下記(A)及び(B)を含み、
(A)25℃における動粘度が100~10,000mm
2
/sの非反応性の液状ジメチルポリシロキサン:X(X=50~99.9)質量部、
(B)下記化学式(化1)で示される直鎖状ポリジメチルシロキサン:(100-X)質量部、
TIFF
2025104189000005.tif
18
170
(但し、Meはメチル、n-Buはノルマルブチル、n=5~1000)
前記熱伝導性無機粒子は50~3000質量部含み、
前記シリコーングリース組成物は非硬化物であることを特徴とする熱伝導性シリコーングリース組成物。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記熱伝導性無機粒子(C)全量に対して、体積基準による累積粒度分布のメジアン径D50が1μm未満の熱伝導性無機粒子が0~30vol%、1μm以上10μm未満の熱伝導性無機粒子が15~55vol%、30μm以上が5~55vol%の熱伝導性無機粒子で構成する請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項3】
前記熱伝導性無機粒子(C)全量に対して、体積基準による累積粒度分布のメジアン径D50が1μm未満の熱伝導性無機粒子が3~30vol%、1μm以上10μm未満の熱伝導性無機粒子が15~55vol%、10μm以上30μm未満の熱伝導性無機粒子が10~50vol%、30μm以上が5~55vol%の熱伝導性無機粒子で構成される請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項4】
前記熱伝導性無機粒子(C)は、メジアン径D50が1μm未満の熱伝導性無機粒子を含み、前記D50が1μm未満の熱伝導性無機粒子は、アルミナ及び窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項5】
前記熱伝導性無機粒子(C)として、メジアン径D50が70μm以上のアルミナ及び窒化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項6】
前記熱伝導性シリコーングリース組成物は、回転粘度計で測定した25℃での動粘度が200~30,000Pasの範囲である請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項7】
前記熱伝導性シリコーングリース組成物は、熱伝導率が1.0W/m・K以上30W/m・K以下である請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項8】
前記熱伝導性シリコーングリース組成物は、2枚のプレート間に面積300mm
2
、厚さ2.0mmに圧縮挟持した試験片をヒートショック試験機にて水平方向に設置し、-40℃と125℃で30分ずつ保持し、100サイクル経過させるポンピングアウト試験において、隙間1mm以上のクラックが2か所以上、あるいは長さ10mm以上のクラックが2箇所以下である請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項9】
前記熱伝導性シリコーングリース組成物は、前記ポンピングアウト試験において、試験後の外観を確認した際に隙間1mm以上のクラックが2箇所以下であり、かつ直径0.3mm以上のボイドが9個以下である請求項8に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
【請求項10】
前記熱伝導性無機粒子は、メジアン径D50が1μm以下の粒子を含み、前記メジアン径D50が1μm以下の粒子はアルキルアルコキシシランにより表面前処理されている請求項1に記載の熱伝導性シリコーングリース組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子部品等の発熱部と放熱体の間に介在させるのに好適な熱伝導性シリコーングリース組成物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年のCPU等の半導体の性能向上はめざましく、それに伴い発熱量も膨大になっている。そのため発熱する電子部品には放熱体が取り付けられ、半導体などの発熱体と放熱体との密着性を改善する為に熱伝導性シリコーングリースが使われている。しかし熱伝導性シリコーングリースは、長期間使用した際に、半導体素子の熱衝撃によって、放熱部位より流出し、放熱部位に空隙が生じ、いわゆるポンピングアウト現象が発生するという問題がある。
特許文献1には、特定の環状オルガノポリシロキサンを含み、架橋させた熱伝導性シリコーングリースが提案されている。特許文献2には、マイクロカプセル構造を有するヒドロシリル化触媒微粒子を使用し架橋させた熱伝導性シリコーングリースが提案されている。特許文献3には、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用し架橋させた熱伝導性シリコーングリースが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-026788号公報
特開2021‐147591号公報
特開2021‐098804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来技術の熱伝導性シリコーングリースは、未だ長期間使用した際のポンピングアウト現象が起こりやすいという問題がある。
【0005】
本発明は前記従来の問題を解決するため、熱伝導性シリコーングリースとして良好な粘度、熱伝導率を有し、かつ長期間使用した際のポンピングアウト現象が抑制された熱伝導性シリコーングリース組成物及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様は、マトリックス樹脂成分と熱伝導性無機粒子を含むシリコーングリース組成物であって、前記マトリックス樹脂成分は、下記(A)及び(B)を含み、
(A)25℃における動粘度が100~10,000mm
2
/sの非反応性の液状ジメチルポリシロキサン:X(X=50~99.9)質量部、
(B)下記化学式(化1)で示される直鎖状ポリジメチルシロキサン:(100-X)質量部、
TIFF
2025104189000002.tif
18
170
(但し、Meはメチル、n-Buはノルマルブチル、n=5~1000)
前記熱伝導性無機粒子は50~3000質量部含み、
前記シリコーングリース組成物は非硬化物である熱伝導性シリコーングリース組成物に関する。
【0007】
本発明方法の一実施態様は、前記の熱伝導性シリコーングリース組成物の製造方法であって、前記A,B,C成分を混合攪拌する熱伝導性シリコーングリース組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の熱伝導性シリコーングリース組成物は未硬化状態であり、良好な粘度、熱伝導率を有し、かつ長期間使用した際のポンピングアウト現象が抑制された熱伝導性シリコーングリース組成物を提供できる。すなわち、前記B成分は熱伝導性無機粒子のカップリング剤として作用し、 前記化学式(化1)の化合物の一端のメトキシ基が熱伝導性無機粒子の表面と化学反応して共有結合し、他端のオルガノシロキサン基はマトリックス樹脂と親和性が高い。そのため、長期間使用してもクラック又はヒビ等のポンピングアウト現象が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A-Bは本発明の一実施例における試料の熱伝導率の測定方法を示す説明図である。
図2は、本発明の一実施例のポンピングアウト試験でクラック又はヒビが入った状態を示す試料の表面写真である。
図3は本発明の一実施例で使用する不定形アルミナ(D50(メジアン径)が0.3μm)の走査電子顕微鏡(SEM)写真(倍率5000倍)である。
図4は本発明の一実施例で使用する球状アルミナ(D50(メジアン径)が2.0μm)のSEM写真(倍率3000倍)である。
図5は本発明の一実施例で使用する球状アルミナ(D50(メジアン径)が20μm)のSEM写真(倍率1000倍)である。
図6は本発明の一実施例で使用する球状アルミナ(D50(メジアン径)が105μm)のSEM写真(倍率100倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者らは、熱伝導性シリコーングリース組成物を長期間使用すると、なぜポンピングアウト現象が発生するのかを検討した。その結果、マトリックス樹脂と熱伝導性無機粒子の界面が剥離し、クラック又はヒビ等のポンピングアウト現象に繋がるのではないかとの着想を得た。とくに、熱伝導率を高くするために大粒子の熱伝導性無機粒子を含む場合にこの現象は多くみられた。
本発明はマトリックス樹脂とともに、前記化学式(化1)で示される化合物を含むことにより、前記化学式(化1)化合物の一端のメトキシ基が熱伝導性無機粒子の表面と化学反応して共有結合し、他端のオルガノシロキサン基はマトリックス樹脂と親和性が高い。そのため、長期間使用してもクラック又はヒビ等のポンピングアウト現象が抑制される。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
東ソー株式会社
摺動部材
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
東レ株式会社
CPUソケット
2か月前
東レ株式会社
CPUソケット
2か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
6日前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
東ソー株式会社
加飾フィルム
2か月前
ユニチカ株式会社
ビスマレイミド
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
13日前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
3か月前
花王株式会社
樹脂組成物
6日前
愛知電機株式会社
加熱処理設備
28日前
東ソー株式会社
ハロゲン含有ポリマー
3か月前
アイカ工業株式会社
光硬化性樹脂組成物
1か月前
富士フイルム株式会社
組成物
27日前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
6日前
日本製紙株式会社
樹脂組成物
2か月前
株式会社クラベ
耐摩耗性絶縁組成物及び電線
1か月前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
2か月前
東亞合成株式会社
硬化性組成物
7日前
株式会社クラレ
水性エマルジョン及び接着剤
16日前
東レ株式会社
プリプレグおよびその製造方法。
7日前
株式会社イーテック
組成物
2か月前
東ソー株式会社
セルロース樹脂含有樹脂組成物
2か月前
大日精化工業株式会社
樹脂成形品
2か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
1か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
東ソー株式会社
クロロプレンラテックス組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
圧電デバイス用ポリマー材料
2か月前
住友化学株式会社
ブロック共重合体
2か月前
東洋紡株式会社
熱収縮性ポリエステル系フィルム
1か月前
横浜ゴム株式会社
ゴム組成物およびタイヤ
1か月前
サンエス護謨工業株式会社
プラスチックフィルム
9日前
ユニマテック株式会社
アクリルゴム組成物
8日前
株式会社カネカ
メタクリル樹脂組成物
28日前
続きを見る
他の特許を見る