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公開番号2025102103
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219334
出願日2023-12-26
発明の名称大気中の二酸化炭素回収方法及び二酸化炭素回収用多孔体、並びに炭酸ナトリウムの合成方法
出願人国立大学法人 名古屋工業大学
代理人
主分類B01D 53/18 20060101AFI20250701BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
低エネルギーかつ簡便な方法で、例えば特に炭酸ナトリウムを合成し(炭酸ナトリウムの合成方法)、大気中の低濃度CO2を回収する方法(CO2回収方法)と、CO2を回収する多孔体(CO2回収用多孔体)を提供すること。
【解決手段】
気孔と、アルカリ水に濡れうる部分と、を有する耐アルカリ性である多孔体の少なくても一部分を、アルカリ性溶液に浸漬し、気孔の毛管現象と、多孔体の表面の少なくても一部分が大気中に含まれるCO2に接することを利用して、大気中(大気雰囲気)から、アルカリ性溶液とCO2との反応により発生する塩として大気中のCO2を回収することを備える、CO2の回収方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
気孔と、アルカリ水に濡れうる部分と、を有する耐アルカリ性である多孔体の少なくても一部分を、アルカリ性溶液に浸漬し、前記気孔の毛管現象と、前記多孔体の表面の少なくても一部分が大気中に含まれるCO

に接することを利用して、前記大気中から、前記アルカリ性溶液と前記CO

との反応により発生する塩として前記大気中のCO

を回収することを備える、CO

の回収方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記塩は炭酸塩を含む請求項1に記載のCO

の回収方法。
【請求項3】
前記炭酸塩はナトリウムを含む炭酸塩である請求項2に記載のCO

の回収方法。
【請求項4】
前記ナトリウムを含む炭酸塩は炭酸ナトリウムを含む、請求項3に記載のCO

の回収方法。
【請求項5】
前記アルカリ性溶液にさらにCO

ガスを溶解させることを含む請求項1~4の何れか1項に記載のCO

の回収方法。
【請求項6】
気孔と、アルカリ水に濡れうる部分と、を有する耐アルカリ性である多孔体であって、前記多孔体の表面の少なくても一部分をアルカリ性溶液に浸漬し、前記気孔の毛管現象と、前記多孔体の少なくても一部分が前記大気中に含まれるCO

に接することを利用して、前記大気中から、前記アルカリ性溶液と前記CO

との反応により発生する塩として前記大気中のCO

を回収する、CO

回収方法のための多孔体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中の二酸化炭素(CO

)回収方法及び二酸化炭素(CO

)回収用多孔体、並びに好ましくは炭酸ナトリウムの合成方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
大気中のCO

を固定するする方法は各種提案されているが、大気中に僅か300ppmしか存在しないため、エネルギー収支を考えると実用的な方法は存在しない。一方、例えば炭酸ナトリウムの合成法としてはソルベー法(アンモニアソーダ法)が主力であるが、熱の利用が必要である。
【0003】
特許文献1には、多孔質部材と、多孔質部材の一方の面に設けられた無機繊維を含む膜とを備える全熱交換素子用シートであって、膜に含まれる無機繊維の一部は、多孔質部材との界面から多孔質部材の開孔内に0.15μm以上50μm以下の深さで存在し、無機繊維を含む膜は、無機繊維間に細孔が作られるため、外気等に含まれる水蒸気はケルビンの毛管凝縮理論により凝縮されて細孔内に満たされ、ウェットシールを形成して室内の二酸化炭素等の排出を行う全熱交換素子用シートが記載されている。
【0004】
特許文献2には、負の電極の間に、第1のバイポーラ膜、中間バイポーラ膜、陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、第2のバイポーラ膜が配置された電気透析槽を備え、電気透析槽が硝酸ナトリウム溶液を受け入れて硝酸と水酸化ナトリウムとを生成し、溶解槽に硝酸を供給して第2族元素を含む被溶解物を溶解して、第2族元素の硝酸塩溶液を生成し、ガス吸収塔に水酸化ナトリウムを供給し、二酸化炭素を吸収して炭酸ナトリウム溶液を生成し、第2族元素の硝酸塩溶液と炭酸ナトリウム溶液とを反応槽に供給して第2族元素の炭酸塩を生成し、二酸化炭素を固定化するとともに、反応で生じた硝酸ナトリウム溶液を電気透析槽に循環させる二酸化炭素固定化装置が記載されている。
【0005】
非特許文献1には、吸収工程とストリッピングという二つの工程からなるアミンスクラビング法が記載されている。吸収工程では低い温度かつ高圧でアミンにCO

が触れることで吸収する。ストリッピングはアミンに捕捉したCO

を除去する工程で、高温にすることでCO

放出を促す。アミン水溶液としては、ジエタノールアミン(DEA)、モノエタノールアミン(MEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)などが使われる。アミンスクラビングの課題として、プロセス中における溶媒の損失、溶媒再生に伴う大量のエネルギー、毒性の強さ、システムを運転する為のエネルギーがあることが記載されている。
非特許文献2には、NaOHを用いた直接CO

回収が記載されている。具体的にはCO

にNaOHスプレーを吹きかけて回収する方法である。噴霧状になるため表面積が大きくなりCO

吸収効率は高い。実験室のスケールでは可能だが,実用的に利用する為にはかなり大掛かりな設備が必要となることが問題であることが記載されている。
【0006】
非特許文献3には、空気を充満させNaOH液滴を垂らす方法でCO

を回収する方法が示されている。簡便な方法であるが、非特許文献2の様なスプレー式に比べ効率は劣る。また、設備も大掛かりになることが記載されている。
非特許文献4には、NaOH溶液内に空気を吹き込む方法が記載されている。簡便な方法であるが、空気を集めて吹き込む必要がある。飽和溶解濃度以上に回収することは難しいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-37066号公報
特開2012-96975号公報
【非特許文献】
【0008】
Amine Scrubbing for CO2Capture , G. T. Rochelle, Science, 2009, 325, 1652-1654.
Carbon Dioxide Capture from Atmospheric Air Using Sodium Hydroxide Sprey , Joshuah K. Stolaroff , David W. Keith , Gregory V. Lowry ,Environmental Science and Technology , 42 , 8 , 2728-2735 , (2008)
CO2 capture from ambient air: An example system , Joshuah K. Stolaroff , Gregory V. Lowry , David W. Keith , (2005)
吹き込みによるCO2ガスのNaOH水溶液への吸収,後藤佐吉,朝木善次郎,小川修,平尾真,日本鉱業会誌,101 , 1173 , 733-738 , (1985)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、エネルギー収支を満たす実用的な大気中のCO

回収方法は存在せず、炭酸ナトリウムの主力な合成法であるソルベー法(アンモニアソーダ法)は、熱の利用が必要という問題があった。そこで、本発明では、低エネルギーかつ簡便な方法で、例えば好ましくは炭酸ナトリウムを合成し(炭酸塩の合成方法)、大気中の低濃度CO

を回収する方法(CO

回収方法)と、CO

を回収する多孔体(CO

回収用多孔体)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
[1]気孔と、アルカリ水に濡れうる部分と、を有する耐アルカリ性である多孔体の少なくても一部分を、アルカリ性溶液に浸漬し、前記気孔の毛管現象と、前記多孔体の表面の少なくても一部分が大気中に含まれるCO

に接することを利用して、前記大気中から、前記アルカリ性溶液と前記CO

との反応により発生する塩として前記大気中のCO

を回収することを備える、CO

の回収方法である。
なお、「CO

に接すること」は「CO

に接する工程」、「CO

を回収すること」は「CO

を回収する工程」と言い換えることもできる。
[2]前記塩は炭酸塩を含む[1]に記載のCO

の回収方法である。
[3]前記炭酸塩はナトリウムを含む炭酸塩である[2]に記載のCO

の回収方法である。
ナトリウムを含む炭酸塩とはNa

CO

・NaHCO

・2H

OやNaHCO

などNaとCO

が関係する塩類のことである。
[4]前記ナトリウムを含む炭酸塩は炭酸ナトリウムを含む、[3]に記載のCO

の回収方法である。
[5]前記アルカリ性溶液にさらにCO

ガスを溶解させることを含む[1]~[4]のいずれか1つに記載のCO

の回収方法である。
[6]気孔と、アルカリ水に濡れうる部分と、を有する耐アルカリ性である多孔体であって、前記多孔体の表面の少なくても一部分をアルカリ性溶液に浸漬し、前記気孔の毛管現象と、前記多孔体の表面の少なくても一部分が前記大気中に含まれるCO

に接することを利用して、前記大気中から、前記アルカリ性溶液と前記CO

との反応により発生する塩として前記大気中のCO

を回収する、CO

回収方法のための多孔体である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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