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公開番号2025100758
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2025068108,2020098002
出願日2025-04-17,2020-06-04
発明の名称大気有害物質の付着抑制方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所,弁理士法人大谷特許事務所
主分類A61K 8/29 20060101AFI20250626BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】大気有害物質に対する高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚へ塗布した後の感触、とりわけさらさら感に優れる、大気有害物質の付着抑制方法を提供する。
【解決手段】外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気有害物質の付着抑制方法である。
成分(A):平均一次粒子径dAが800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径d
A
が5nm以上50nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
B
が1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(A)が、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、かつ表面を疎水化処理したものであり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)、及び多孔質粒子(B2)から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気有害物質の皮膚への付着を抑制するための外用剤。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、請求項1に記載の外用剤。
【請求項3】
複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤。
【請求項4】
複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなる、請求項1又は2に記載の外用剤。
【請求項5】
複合粒子(B1)を構成する無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の外用剤。
【請求項6】
下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径d
A
が5nm以上50nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
B
が1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(A)が、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、かつ表面を疎水化処理したものであり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)、及び多孔質粒子(B2)から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気有害物質付着抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大気有害物質の付着抑制方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スギ、ヒノキ等の花粉、ばい煙、粉じん等の大気汚染物質、黄砂などの大気中に浮遊する有害物質(以下、「大気有害物質」ともいう)が、人体へ様々な健康被害をもたらすため問題となっている。大気有害物質の中でも、PM2.5と呼ばれる直径2.5μm以下の粒子状物質は、その成分が炭素成分、硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩等から構成されており、PM2.5や黄砂は吸入により循環器系や呼吸器系の疾患を引き起こすことが知られている。また、PM2.5や花粉、黄砂は、皮膚に付着又は浸透することにより肌トラブルの原因となることが指摘されている。例えば、非特許文献1には、PM2.5が肌にダメージを与えることに関する学術報告がある。そのため、大気有害物質から肌を保護する化粧料への要望が強くなっている。
例えば、特許文献1には、大気汚染物質等の外的刺激から肌を保護するスキンケア化粧料として、特定量のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、特定量の紫外線防御剤とを含有するスキンケア化粧料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2014/136993号
【非特許文献】
【0004】
Shiraiwa他、ネイチャー ケミストリー(Nature Chemistry)3,291-295(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムがその吸着能により大気汚染物質を吸着して肌に到達させず、酸性物質が付着してもpH緩衝能によって中和することができ、これらの外的刺激による肌ダメージを軽減することが記載されている。また、紫外線防御剤は皮膚を紫外線から有効に防御することが記載されている。このような技術は、大気汚染物質が皮膚へ及ぼす影響を軽減させることができるが、大気汚染物質の皮膚への付着を防ぐものではなく、改善の余地がある。また、紫外線防御剤として酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粉体を外用剤に配合する場合、該外用剤を皮膚に塗布した後の感触、とりわけさらさら感に劣る場合がある。そのため、塗布後の良好な感触も求められる。
本発明は、大気有害物質に対する高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚へ塗布した後の感触、とりわけさらさら感に優れる、大気有害物質の付着抑制方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特許文献1に示すように大気汚染物質を吸着させるのではなく、平均一次粒子径が所定の範囲である金属酸化物と平均粒子径が所定の範囲である非崩壊性粒子とを所定の質量比で含有する外用剤を皮膚に塗布し、ナノサイズの凹凸を皮膚表面に形成することにより、皮膚へ塗布した後の感触を悪化させることなく、大気有害物質の皮膚への付着を抑制できることに着目し、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を提供する。
[1]外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気汚染物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径d
A
が800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
B
が1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
[2]下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径d
A
が800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
B
が1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、外用剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、大気有害物質に対する高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚へ塗布した後の感触、とりわけさらさら感に優れる、大気有害物質の付着抑制方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
大気有害物質の付着抑制効果の評価方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[大気有害物質の付着抑制方法]
本発明の大気有害物質の付着抑制方法は、外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である。
成分(A):平均一次粒子径d
A
が800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
B
が1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
なお、本発明において「大気有害物質」とは、スギ、ヒノキ等の花粉;硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物等のばい煙、粉じん、自動車排出ガス、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有害大気汚染物質、揮発性有機化合物(VOC)等を含む粒子などの大気汚染物質;黄砂などの大気中に浮遊する有害物質(PM2.5を含む)を意味する。
【0010】
本発明の付着抑制方法は、大気有害物質、とりわけ微粒子状の大気有害物質に対する付着抑制効果が高く、かつ皮膚へ塗布した後の感触(さらさら感)に優れる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明においては、平均一次粒子径が所定の範囲である金属酸化物を皮膚に塗布することにより、皮膚表面にナノサイズの凹凸が形成されるため、大気有害物質が金属酸化物に接触したときの接触面積を低減させることができ、大気有害物質の付着を効果的に抑制できると考えられる。
また、本発明に用いる外用剤は前記金属酸化物と平均粒子径が所定の範囲である非崩壊性粒子とを特定の質量比で含有する。皮膚表面上に付与される非崩壊性粒子は、擦過しても崩壊し難く所定の大きさの粒子径を維持することができるため、良好な感触(さらさら感)を発現すると考えられる。
なお、以下の記載において、本発明における大気有害物質に対する付着抑制効果を単に「付着抑制効果」と表記し、本発明における感触(さらさら感)を単に「感触」と表記する。
(【0011】以降は省略されています)

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