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公開番号2025100242
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217463
出願日2023-12-22
発明の名称歯ブラシ
出願人サンスター株式会社
代理人弁理士法人柳野国際特許事務所
主分類A46B 5/00 20060101AFI20250626BHJP(ブラシ製品)
要約【課題】従来より確実に喉突きを防止可能な歯ブラシを提供する。
【解決手段】柄部4が、ネック部3と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部5と、第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により芯材部5を被覆するように形成された被覆体6とを有し、被覆体6の外面が把持部として機能する歯ブラシであり、被覆体6を形成する第二の硬質樹脂は、収縮率が1.0%以下の硬質樹脂であり、芯材部5及び被覆体6は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間し、前記相対移動を許容するように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、
前記柄部が、前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであり、
前記被覆体を形成する第二の硬質樹脂は、収縮率が1.0%以下の硬質樹脂であり、
前記芯材部及び被覆体は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間し、前記相対移動を許容するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の前記突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、
前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は前記係合突部が折れることで係合状態が外れ、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されている請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項3】
毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、
前記柄部が、前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであり、
前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の基端側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、
前記係合突部は、前記被覆体の幅が最も大きくなる位置より基端側の領域内に設けられ、
前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間することで係合状態が外れ、前記相対移動を許容するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項4】
前記被覆体の軸方向に直交する断面の外形が、幅方向の長さが該幅方向に直交する前後方向の長さよりも大きい横長の形状であり、
前記係合突部が、前記被覆体の周壁の前後方向の面に形成されている、
請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項5】
前記係合突部は、前記被覆体の前記領域内の周壁を略コ字状に切り抜いた内側残部からなる形状の係合片の先端部に形成されている、
請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項6】
前記係合片が、前記被覆体の軸方向基端側に延びる厚み1~3mmの片持ち片である、
請求項5記載の歯ブラシ。
【請求項7】
前記被係合部として前記芯材部の外周面に前記係合突部が係合する深さ0.5~1.5mmの凹溝部が設けられている、
請求項3記載の歯ブラシ。
【請求項8】
前記凹溝部が、前記芯材部の軸方向の先端側および基端側にそれぞれ傾斜面を有する略三角柱形状の溝である、
請求項7記載の歯ブラシ。
【請求項9】
毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、前記柄部が、前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであって、
前記被覆体の基端部に、前記芯材部の基端よりもさらに基端側に突出し、内側に前記芯材部が存在しない余剰空間を有する突出部を備え、
該突出部は、前記芯材部の基端縁の全周のうち一部の所定範囲からのみ突設されており、
前記芯材部及び被覆体は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間し、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されている歯ブラシ。
【請求項10】
前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の前記突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、
前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は前記係合突部が折れることで係合状態が外れ、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されている請求項9記載の歯ブラシ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備えた歯ブラシに係り、とくに、喉を突いた際に衝撃を緩和できる歯ブラシに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
この種の歯ブラシとしては、従来、柄部の基端側に熱可塑性エラストマーで成形された緩衝部を設け、喉を突いた際の衝撃を緩和する幼児用歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来のものは、エラストマーという素材の屈曲で衝撃を緩和するものであるため、エラストマーが硬めだと喉を突いた際の緩和効果が低く、柔らかすぎると通常の操作の際の操作性や清掃性が著しく低下することとなり、両立が難しく、素材も高価で、成形が難しいという課題があった。
【0003】
これに対し、本発明者は既に、ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により芯材部を被覆するように形成された被覆体とで柄部を構成し、被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであり、芯材部および被覆体に、互いに係合して芯材部が被覆体の基端側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は係合突部が折れることで係合状態が外れ、相対移動を許容するように構成された歯ブラシを提案している(特許文献2)。
【0004】
このような歯ブラシによれば、エラストマーからなるものに比べて衝撃の緩和効果と通常使用時の操作性、清掃性の両立を容易に実現することができるとともに、高価な特定のエラストマーを使用する必要がなく、比較的材料選択の幅が広いためコスト削減が可能であり、さらに複数部品の組付けでなく二色成形等により容易に効率よく製造できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-202004号公報
特開2023-084286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の構造を有する歯ブラシを用いて、被覆体を把持して芯材部と被覆体とを相対移動させようとしたところ、芯材部と被覆体とが相対移動を開始するときの力がばらつき、最悪の場合は、両者が相対移動しない場合があり、喉突き防止機構が適切に機能しない場合があることが判明した。そこで、その要因を鋭意検討したところ、以下の状況が観察された。
芯材部をインサートして被覆体を二次成形した後、芯材部と被覆体とは接合していないものの被覆体が芯材部を強力に締め付けており所定の力を負荷しても両者を相対移動させることが困難な場合があること、被覆体を握った状態で歯ブラシの先端に所定の力を負荷した際に、握る力の大きさや把持位置などによっては係合突部と被係合部とを離間させることが困難になる場合があることが観察された。
【0007】
また、特許文献2に記載の突出部を有する歯ブラシのように、歯ブラシの突出部の基端において、歯ブラシの長さ方向の中心軸を中心にした略環状の基端部が形成されている場合、歯ブラシの基端が机や床に衝突した際に、歯ブラシの先端が喉に突き当たると、衝撃を緩和できるものの、その程度には限界があり、喉に突き当たる可能性を低減することが望ましいことも判明した。
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、従来より確実に喉突きを防止可能な歯ブラシを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、かかる現況に鑑み鋭意検討した結果、(i)被覆体を形成する第二の硬質樹脂として、収縮率が1.0%以下の硬質樹脂を用いることで、被覆体が芯材部を強力に締め付けることがなく、所定の力を負荷することで両者を離間させることが可能であること、(ii)係合突部と被係合部が、所定の力を超える力が作用したときに互いに離間することで係合状態が外れ、芯材部と被覆体との相対移動を許容するように構成されている場合に、係合突部を被覆体の幅が最も大きくなる位置より基端側の領域内に設けることで、被覆体を使用者が把持したときに、係合突部と被係合部との係合部分が把持されないか、係合部分に手がかかっても当該部分に負荷される把持力が小さくなり、係合突部と被係合部との離間が妨げられることを防止可能であること、(iii)被覆体の突出部を、芯材部の基端縁の全周のうち一部の所定範囲からのみ突設させることで、歯ブラシの基端が机や床などに衝突したときに、歯ブラシの軸方向が傾き易くなり、歯ブラシの先端が喉の方向に直進することを回避しやすくなること、を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の基端側に連設されたネック部と、該ネック部の基端側に連設された持ち手となる柄部とを備え、
前記柄部が、前記ネック部と一体に形成された第一の硬質樹脂からなる芯材部と、前記第一の硬質樹脂に対して低密着の性質を有する第二の硬質樹脂により前記芯材部を被覆するように形成された被覆体とを有し、前記被覆体の外面が把持部として機能する歯ブラシであり、
前記被覆体を形成する第二の硬質樹脂は、収縮率が1.0%以下の硬質樹脂であり、
前記芯材部及び被覆体は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間し、前記相対移動を許容するように構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
(2)前記芯材部および前記被覆体には、互いに係合して前記芯材部が前記被覆体の前記突出部内側の余剰空間側へ相対移動することを阻害する係合突部又は被係合部が設けられ、
前記係合突部及び被係合部は、所定の力を超える力が作用したときに、互いに離間又は前記係合突部が折れることで係合状態が外れ、前記余剰空間側への相対移動を許容するように構成されている前項(1)記載の歯ブラシ。
(【0011】以降は省略されています)

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