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公開番号
2025089175
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-12
出願番号
2023204230
出願日
2023-12-01
発明の名称
ニオブ94の分析方法及びニオブ94の分析システム
出願人
国立大学法人福島大学
,
ジーエルサイエンス株式会社
代理人
個人
主分類
G01N
27/62 20210101AFI20250605BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ニオブ94を簡便かつ高精度で分析することができる、ニオブ94の分析方法を提供する。
【解決手段】ニオブ94の分析方法は、シリカゲルが充填されたカラムに試料溶液を導入し、前記カラムに前記試料溶液に含まれるニオブ94(
94
Nb)を吸着させる工程と、溶離液を用いて、前記カラムでニオブ94を分離し、前記カラムからニオブ94を溶出させる工程と、前記カラムからの溶出液を誘導結合プラズマ質量分析装置により測定し、ニオブ94を定性及び/又は定量する工程とを含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
シリカゲルが充填されたカラムに試料溶液を導入し、前記カラムに前記試料溶液に含まれるニオブ94(
94
Nb)を吸着させる工程と、
溶離液を用いて、前記カラムでニオブ94を分離し、前記カラムからニオブ94を溶出させる工程と、
前記カラムからの溶出液を誘導結合プラズマ質量分析装置により測定し、ニオブ94を定性及び/又は定量する工程と、を含む、
ニオブ94の分析方法。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記試料溶液を調製するための水溶液は、塩酸水溶液及び硝酸水溶液の内の少なくとも1種を含む酸性水溶液である、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項3】
前記試料溶液を調製するための水溶液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液である、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項4】
前記試料溶液は、ニオブ94、ジルコニウム94(
94
Zr)、及びモリブデン94(
94
Mo)を含む、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項5】
前記溶離液は、0.01mol/L以上のシュウ酸濃度を有するシュウ酸水溶液である、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項6】
前記吸着させる工程後、且つ前記溶出させる工程前に、前記ニオブ94を吸着させたカラムを洗浄液により洗浄する工程を更に含み、
前記洗浄液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液である、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項7】
前記シリカゲルの平均細孔径が10nm~50nmである、請求項1に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項8】
前記定性及び/又は定量する工程は、前記カラムからの溶出液と共にアンモニアを含む反応ガスを前記誘導結合プラズマ質量分析装置に導入し、ニオブ94のアンモニア付加体を検出する、請求項1~7のいずれか1項に記載のニオブ94の分析方法。
【請求項9】
ニオブ94(
94
Nb)の分析方法に用いられる、ニオブ94の分析システムであって、
シリカゲルが充填されたカラムと、
複数種類の溶液を供給する溶液供給装置と、
前記溶液供給装置から供給される、試料溶液を調製するための水溶液にニオブ94が含まれた試料を注入することにより、試料溶液を調製する試料注入装置と、
前記溶液供給装置から供給される複数種類の溶液を、あらかじめ定めた流量および順番で前記カラムに導入するように流路を切り替える流路切替装置と、
前記ニオブ94を分析する誘導結合プラズマ質量分析装置と、を備え、
シリカゲルが充填されたカラムに試料溶液を導入し、前記カラムに試料溶液に含まれるニオブ94を吸着させ、
前記ニオブ94を吸着させたカラムに洗浄液を供給し、前記カラムを洗浄し、
洗浄後の前記カラムに溶離液を供給し、ニオブ94を分離し、前記カラムからニオブ94を溶出させ、
前記カラムからの溶出液を誘導結合プラズマ質量分析装置により測定し、ニオブ94を定性及び/又は定量する、
ニオブ94の分析システム。
【請求項10】
前記試料溶液を調製するための水溶液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液であり、
前記洗浄液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液であり、
前記溶離液は、0.01mol/L以上のシュウ酸濃度を有するシュウ酸水溶液であり、
前記シリカゲルの平均細孔径が10nm~50nmである、
請求項9に記載のニオブ94の分析システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニオブ94の分析方法及びニオブ94の分析システムに関する。特に誘導結合プラズマ質量分析装置を用いて、ニオブ94の分析を可能にする分析方法及び分析システムに関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
放射性同位体は、その濃度により人体の健康や環境に対する潜在的なリスクを持っていることから、その放射線量や放射能を把握し、人々や環境に与える潜在的影響の推定が重要である。放射性同位体の定量は、放射線計測方法が主流である。しかし、分析目的物質が微量になると、土壌、海水、海底土などの環境試料に含まれる他の様々な物質により分析が妨害される弊害が生じる。誘導結合プラズマ質量分析装置は、試料をプラズマ中でイオン化し、イオン化された分析目的物質を質量電荷比毎に分離して検出することによって迅速な定量が可能である。しかし、同重体が存在する場合、目的物質と同重体が同時に検出されるため、これらを検出器に到達する前に分離する必要がある。
【0003】
放射性同位体の中でもニオブ94(
94
Nb)は、2.03万年の長い半減期を有することからモニタリングが必要である。しかし、放射性同位体の測定に通常用いられる放射線計測では、コバルト60(
60
Co)などが
94
Nbの測定を妨害することが知られている。また、質量分析においては、天然同位体比17.4%のジルコニウム94(
94
Zr)及び天然同位体比9.2%のモリブデン94(
94
Mo)などが、
94
Nbと同重体の関係であるため、測定を妨害することが知られている。そのため、放射線計測及び質量分析、いずれの分析を実施するにしても
94
Nbの単離は必要不可欠となる。更に、
94
Nbに対して干渉物質は自然界に過剰に存在していることから、予め
94
Nbを高効率に分離可能な多検体分析システムの構築が求められている。
【0004】
そこで、熱中性子照射したジルコニウムワイヤーおよびウラン核分裂生成物からの放射性ニオブを放射性ジルコニウムと分離する技術が研究されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
RADIOISOTOPES, 1990, Vol.39, p.547-552
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら非特許文献1に示す方法は、放射線計測により分析しており、1)小型化が可能、2)高速走査が可能、3)比較的安価、4)放射性物質取扱資格を取得することが不要、5)操作が容易など多くの利点を有する、質量分析装置により分析したものではなかった。また、非特許文献1に示す方法では、試料中に混合核種として
94
Nbと同重体の関係となる
94
Moが含まれておらず、ニオブとモリブデンとの分離が達成されているかは確認されていなかった。さらに、非特許文献1に示す方法は、ニオブの回収率が80%程度であり、自動分析システムではないため、多検体分析の観点からは未だ改善の余地があった。
【0007】
本発明は、ニオブ94を簡便かつ高精度で分析することができる、ニオブ94の分析方法及び分析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、シリカゲルを充填したカラムを用いて所定の方法により前処理し、誘導結合プラズマ質量分析装置の測定技術を応用すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0009】
(1)シリカゲルが充填されたカラムに試料溶液を導入し、前記カラムに前記試料溶液に含まれるニオブ94(
94
Nb)を吸着させる工程と、
溶離液を用いて、前記カラムでニオブ94を分離し、前記カラムからニオブ94を溶出させる工程と、
前記カラムからの溶出液を誘導結合プラズマ質量分析装置により測定し、ニオブ94を定性及び/又は定量する工程と、を含む、
ニオブ94の分析方法。
(2)前記試料溶液を調製するための水溶液は、塩酸水溶液及び硝酸水溶液の内の少なくとも1種を含む酸性水溶液である、(1)に記載のニオブ94の分析方法。
(3)前記試料溶液を調製するための水溶液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液である、(1)又は(2)に記載のニオブ94の分析方法。
(4)前記試料溶液は、ニオブ94、ジルコニウム94(
94
Zr)、及びモリブデン94(
94
Mo)を含む、(1)~(3)のいずれかに記載のニオブ94の分析方法。
(5)前記溶離液は、0.01mol/L以上のシュウ酸濃度を有するシュウ酸水溶液である、(1)~(4)のいずれかに記載のニオブ94の分析方法。
(6)前記吸着させる工程後、且つ前記溶出させる工程前に、前記ニオブ94を吸着させたカラムを洗浄液により洗浄する工程を更に含み、
前記洗浄液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液である、(1)~(5)のいずれかに記載のニオブ94の分析方法。
(7)前記シリカゲルの平均細孔径が10nm~50nmである、(1)~(6)のいずれかに記載のニオブ94の分析方法。
(8)前記定性及び/又は定量する工程は、前記カラムからの溶出液と共にアンモニアを含む反応ガスを前記誘導結合プラズマ質量分析装置に導入し、ニオブ94のアンモニア付加体を検出する、(1)~(7)のいずれかに記載のニオブ94の分析方法。
(9)ニオブ94(
94
Nb)の分析方法に用いられる、ニオブ94の分析システムであって、
シリカゲルが充填されたカラムと、
複数種類の溶液を供給する溶液供給装置と、
前記溶液供給装置から供給される、試料溶液を調製するための水溶液にニオブ94が含まれた試料を注入することにより、試料溶液を調製する試料注入装置と、
前記溶液供給装置から供給される複数種類の溶液を、あらかじめ定めた流量および順番で前記カラムに導入するように流路を切り替える流路切替装置と、
前記ニオブ94を分析する誘導結合プラズマ質量分析装置と、を備え、
シリカゲルが充填されたカラムに試料溶液を導入し、前記カラムに試料溶液に含まれるニオブ94を吸着させ、
前記ニオブ94を吸着させたカラムに洗浄液を供給し、前記カラムを洗浄し、
洗浄後の前記カラムに溶離液を供給し、ニオブ94を分離し、前記カラムからニオブ94を溶出させ、
前記カラムからの溶出液を誘導結合プラズマ質量分析装置により測定し、ニオブ94を定性及び/又は定量する、
ニオブ94の分析システム。
(10)前記試料溶液を調製するための水溶液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液であり、
前記洗浄液は、0.5mol/L~7mol/Lの塩酸濃度の塩酸水溶液であり、
前記溶離液は、0.01mol/L以上のシュウ酸濃度を有するシュウ酸水溶液であり、
前記シリカゲルの平均細孔径が10nm~50nmである、(9)に記載のニオブ94の分析システム。
(11)前記誘導結合プラズマ質量分析装置は、質量電荷比(m/z)をニオブ94の質量数である94に設定した前段四重極と、質量電荷比(m/z)をニオブ94のアンモニア付加体の質量数である175に設定した後段四重極と、前記前段四重極と前記後段四重極の間に配したコリジョン・リアクションセルとを有する、(9)又は(10)に記載のニオブ94の分析システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ニオブ94を簡便かつ高精度で分析することができる、ニオブ94の分析方法及び分析システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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