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公開番号2025088309
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202934
出願日2023-11-30
発明の名称窒化ケイ素質メディア及びその製造方法
出願人株式会社ニッカトー
代理人弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
主分類C04B 35/587 20060101AFI20250604BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】バラツキが抑制され、耐摩耗性及び耐久性を向上した窒化ケイ素質メディア及びその製造方法を提供する。
【解決手段】(a)メディアの直径がメディアの直径の平均値に対して92%以上108%以下の範囲内であり、(b)1個のメディアにおいて最大径に対する最小径の直径比(最小径/最大径)の100個のメディアの最小の直径比が0.8以上であり、(c)メディア表面からメディア直径方向の30%から50%を研磨したメディア断面において、メディア断面積100%に対する長さ2μm以上の欠陥の合計の面積の比率である内部欠陥率が0.5%以下であり、(d)みかけ密度が3.0g/cm3以上であり、(e)ビッカース硬さが1450HV0.1以上であり、(f)平均結晶粒径が0.2μm以上0.7μm以下の範囲内であり、前記(a)から(f)の要件を満たす、窒化ケイ素質メディアである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(a)メディアの直径がメディアの直径の平均値に対して92%以上108%以下の範囲であり、
(b)1個のメディアにおいて最大径に対する最小径の直径比(最小径/最大径)の100個のメディアの最小の直径比が0.8以上であり、
(c)メディア表面からメディア直径方向の30%から50%を研磨したメディア断面において、メディアの断面積100%に対する長さ2μm以上の欠陥の合計の面積の比率である内部欠陥率が0.5%以下であり、
(d)みかけ密度が3.0g/cm

以上であり、
(e)ビッカース硬さが1450HV0.1以上であり、
(f)平均結晶粒径が0.2μm以上0.7μm以下の範囲内であり、
前記(a)から(f)の要件を満たす、窒化ケイ素質メディア。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
(g)圧壊強度の平均値が500MPa以上である、請求項1に記載の窒化ケイ素質メディア。
【請求項3】
(h)圧壊荷重値のワイブル係数が8以上である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素質メディア。
【請求項4】
(i)全体量に対して、アルミニウムを酸化物換算で3.0質量%以上6.0質量%以下の範囲内で含有し、イットリウムを酸化物換算で3.5質量%以上6.0質量%の範囲内で含有し、アルミニウムとイットリウムの酸化物換算の合計が酸化物換算で6.0質量%以上11.0質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素質メディア。
【請求項5】
(j)メディアの直径の平均値が2.0mm以下である、請求項1又は2に記載の窒化ケイ素質メディア。
【請求項6】
(m)全体量に対して、3.0質量%以上6.0質量%以下の範囲内の酸化アルミニウム粉体と、3.5質量%以上6.0質量%以下の範囲内の酸化イットリウム粉体と、窒化ケイ素粉体と、を含み、前記酸化アルミニウム粉体及び前記酸化イットリウム粉体の合計量が6.0質量%以上11.0質量%以下の範囲内である、原料粉体を混合して、混合粉体を得ることと、
(n)前記混合粉体を粉砕及び/又は分散して、レーザー回折法で測定した体積基準の粒度分布における累積50%粒径の平均粒子径が0.3μm以上0.7μm以下の範囲内であり、BET法で測定した比表面積が10m

/g以上15m

/g以下の範囲内である、酸素の含有量が5.5質量%以上6.0質量%以下の範囲内である成形用粉体を得ることと、
(o)前記混合粉体を使用して形成した成形用粉体を、得られる焼結体の直径の平均値が2.0mm以下となるように造粒成形し、成形体を得ることと、
(p)前記成形体を、不活性ガス雰囲気において、1600℃以上1800℃以下の温度で、焼成して、焼結体を得て、前記焼結体の表面を研磨して、前記焼結体からなる窒化ケイ素質メディアを得ること、を含む、窒化ケイ素質メディアの製造方法。
【請求項7】
前記焼結体を得た後、(q)前記焼結体の表面を研磨すること、を含む、請求項6に記載の窒化ケイ素質メディアの製造方法。
【請求項8】
前記成形体を得ることにおいて、(o-1)転動造粒成形法、撹拌造粒法、噴霧造粒成形法又は液中造粒成形法のいずかの方法によって、前記成形用粉体を造粒成形する、請求項6又は7に記載の窒化ケイ素質メディアの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ケイ素質メディア及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、セラミックス積層コンデンサ等の電子部品材料は、小型化や高性能化が進んでいる。原料として使用される無機粉体の製造には、微粉化、高分散化、及び、高純度化が重要視されている。このような粉体の微粉化工程には、より微小な無機焼結体からなるメディアを媒体としたビーズミルによる粉砕、分散処理が行われる。ミル内で、微小メディアは、高効率な粉砕及び分散処理を行うために、高速撹拌することで処理を行っている。そのため、使用するメディアに与えられる負荷が大きく、耐衝撃性や耐摩耗性に優れた微小なメディアが求められている。
【0003】
ナノ粉体のように、微小な粉体は、粉体表面において粉体を構成する結晶構造にダメージが生じると、粉体表面が活性化し、凝集しやすくなる。サブミクロンサイズの粉体を処理する際は、粉砕により微粉化しその後分散処理を行うが、ナノ粉体のような微小な粉体を処理する際は、凝集した一次粒子を一個ずつに解砕する分散処理が主となる。そのような分散用メディアには、粉体表面の結晶構造に与えるダメージを最小限とするために、運動エネルギーの小さい軽量なものを使用することが望まれる。
【0004】
窒化ケイ素質焼結体は、比較的軽量であり、機械的強度が高く、高い耐摩耗性を有する。窒化ケイ素質焼結体は、機械的強度、靭性、及び耐摩耗性が高いことから耐摩耗部材、例えば軸受け等の摺動装置に組み込まれるベアリングボールに用いられている。例えば特許文献1には、3a族元素の酸化物又は窒化物と、2a族及び4a族の酸化物又は窒化物と、炭化物を含有し、窒化ケイ素結晶及び粒界層からなり、例えばハードディスク用ベアリング部材に使用することができる窒化ケイ素セラミックス焼結体が開示されている。
【0005】
しかしながら、ベアリング部材に用いられる窒化ケイ素質焼結体は、サイズが大きく、微小な粉体を分散するメディアとして用いることが難しい。ベアリング部材に用いられる窒化ケイ素質焼結体は、金型プレスによって成形されており、金型プレスによって成形される場合は、ナノ粉体のような微小な粉体を分散が可能となるサイズまで小さく成形することは難しい。さらに、ベアリングボールに使用する焼結体は高温での焼結やHIP処理により高い機械的特性を得ているが、粉砕及び/又は分散用のメディアは、ベアリングボールに使用する焼結体よりもより微細な結晶構造を有し、高い耐摩耗性を必要とするために、より低温で焼結する必要があり、ベアリングボールに使用される粉体とは異なる材料特性が必要となる。また、メディアは、ベアリングボールと異なり、真球加工を行わない。緻密で欠陥の無い真球形状のメディアを作製する必要があるため、成形性のよい粉体を使用してメディアを製造することが必要となる。
【0006】
特許文献2には、Al



、Y



を含有する窒化ケイ素質焼結体からなり、かさ密度、ビッカース硬さ、圧壊強度が特定の範囲であり、メディアサイズがφ3mm以下であり、メディアの円形度係数が0.9以上である、原料粉砕・分散用のメディアが開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献2には、個々のメディアの特性のバラツキを抑制することは言及されておらず、個々のメディアにバラツキがあると、例えばミル内で高速撹拌されることにより高負荷がかかり、僅かに強度の低いメディアに割れや欠け等が発生すると、粉砕及び/又は分散の対象となる粉体に異物等が混入する不都合が生じる場合がある。
【0008】
特許文献3には、窒化ケイ素を75~95重量%、Y及び希土類元素のうち少なくとも1種を酸化物換算量で1~12重量%、アルミニウムを酸化物換算量で0.01~5重量%、不純物的酸素を酸化ケイ素換算量で10重量%以下の割合で含み、密度を3.20g/cm

以上、気孔率を3%以下、平均ボイド径5μm以下であり、且つ、ラマン分光分析法により検出されるSiの521cm
-1
のピーク強度の窒化ケイ素の206cm
-1
のピーク強度に対する比が0.2~3である窒化ケイ素質焼結体からなる、粉砕機用部材が開示されている。特許文献3には、窒化ケイ素質焼結体内には、ボイドを均一に点在させることで、破壊源であるクラックが発生した場合においても、クラックの進展により破損や欠損及び割損が生じても、クラックの進展を防止できることが記載されている。
しかしながら、微小粉体を分散するメディアをビーズミル内で使用する際に、メディア内に気孔(ボイド)が存在すると、メディア内の気孔に高負荷が集中し割れや欠けに繋がり、耐摩耗性及び耐久性の低下に繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2001-335369号公報
特開2000-319071号公報
特開平11-100272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、形状のバラツキや機械的特性のバラツキを抑制し、耐摩耗性及び耐久性に優れる窒化ケイ素質メディア及びその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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