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公開番号2025087161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-10
出願番号2023201613
出願日2023-11-29
発明の名称精製剤及びその製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社,ジーエルサイエンス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01J 20/26 20060101AFI20250603BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】イオン捕集性能が高い精製剤を提供する。
【解決手段】カーボンの表面にキレート剤の重合体が結合された精製剤。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
カーボンの表面にキレート剤の重合体が結合された精製剤。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
カーボンの表面に、キレート剤を導入し、
前記キレート剤を重合させる、精製剤の製造方法。
【請求項3】
カーボンの表面を親水処理し、
キレート剤に反応性官能基を導入し、
前記反応性官能基を導入した前記キレート剤を、前記親水処理した前記カーボンの表面上で重合し、前記カーボンの表面に、前記キレート剤を結合する、精製剤の製造方法。
【請求項4】
カーボンの表面を親水処理し、
キレート剤に反応性官能基を導入し、
前記反応性官能基を導入した前記キレート剤を重合し、
前記親水処理した前記カーボンの表面に、前記重合した前記キレート剤を導入し、前記カーボンの表面に、前記キレート剤を結合する、精製剤の製造方法。
【請求項5】
前記親水処理は、前記カーボンの表面に親水性基を導入し、前記親水性基を導入した前記カーボンを重合することにより、前記カーボンの表面に親水性膜を形成する、請求項3又は4に記載の精製剤の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、特定成分を除去できるキレート剤をカーボンに導入した有害化合物や反応阻害成分を除去するための精製剤の構成に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
生活環境に悪影響を及ぼす成分の除去や反応減退の要因となる反応阻害成分の除去は、化学的手法として、重要な手段である。環境水や反応溶液などに入れて、不要成分と結合させ、そのまま回収除去する所謂精製剤は、広く使われている。
不要成分としては、金属や疎水性化合物などが挙げられる。
キレート錯体を形成する配位子を導入し、金属を捕集して、除去を行うキレート剤が種々検討され、市販されている。中性領域の水廃液の金属除去などには、安価で、物理的に安定なシリカゲルやアルミナや珪藻土などの無機物を担体としたキレート剤が市販されている。
しかし、アルカリ性や酸性などの溶液には不安定で、中和工程など必要になり、手間が増える。また非特異吸着の影響もあり、使用範囲が制限されてしまう。
そのため、シリカゲル表面に、スチレン-ジビニルベンゼン樹脂やメタクリレート樹脂などの樹脂膜を形成し、金属の非特異吸着を抑えて、キレート剤を導入するなどの工夫も行われている。
固相抽出用カートリッジにも応用されている(特許文献1)。
より化学的に安定性が高いポリマー樹脂、例えばポリスチレン樹脂やメタクリレート樹脂などを担体とする配位子導入方法も種々検討され、ポリマーベースのキレート剤が広く使用されている(特許文献2~4)。
さらに、物理的安定性が高いシリカゲルと化学的に強いポリマーとの複合体を担体として、配位子を導入したキレート剤も提案されている(特許文献5)。
しかし、ポリマーは、耐熱性も低く、温度が上がると膨潤してしまい使えなくなる。一般的に精製剤として有効な多孔質ポリマーでは、60℃から壊れる物があり、安心して使用できる温度は、60℃未満である。
そのため、温泉源泉や冷却用廃水などの60℃以上になる温水の直接精製には使用できなかった。
また、有機溶媒が混在する場合では膨潤収縮が生じて、導入された配位子の効果が変わり、回収できなくなるという問題点があり、有機溶媒が含まれる溶液の精製には使用できなかった。
そのため、従来からあるポリマーや無機物質との複合体では、使用できる条件が限定されてしまう。
有機溶媒中や60℃から120℃の温度でも膨潤せず、安定して使える新規の精製剤が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-316002号公報
特開2017-176946号公報
特開2005-213477号公報
特開2006-328203号公報
特開2014-25779号公報
特開2018-196854号公報
特開2020-26512号公報
特開2013-103179号公報
特開2013-103174号公報
特開2005-248041号公報
特開2020-023417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それらの問題を解決するためには、有機溶媒中で膨潤せず、70℃以上の温度でも膨潤収縮がなく、金属の非特異吸着を生じない担体を用いる必要がある。
主に炭素からなる固体炭素材料は、化学的に不活性で、非特異的吸着も無く、担体として適している。
従来、この固体炭素材料は、触媒などには、広く使われており、表面処理も種々検討されている。
白金触媒用担体(特許文献6)、多孔質樹脂にカーボンを埋め込んだ複合体(特許文献7)、親水処理したシリカを活性炭に添着させた親水化吸着材(特許文献8)、疎水処理したシリカを活性炭に添着させた疎水化吸着材(特許文献9)、カーボン材料表面に直接イオン交換基を導入したイオン交換能を有する材料(特許文献10)などが公開されている。
カーボンナノチューブを酸化し、イミノジ酢酸を導入した酸化グラフェンの研究も行われ、キレート剤としての報告もある。
しかし、それらの炭素材料の目的は、触媒や吸着材やイオン交換材などであり、有害化合物や不要成分の除去には、負荷量が小さく精製剤として満足できる物ではない。
負荷量を高めるため、表面処理したシリカをカーボンに添着する場合では、シリカのシラノール活性による非特異吸着が生じてしまい、吸着性マトリクスの影響を受けて、再現良く不要成分を捕集できない。たとえ捕集できたとしても、強く吸着してしまい、簡単に洗浄除去する事はできない。再生も不可能である。
直接カーボンにイオン交換基を導入した物では、イオン性化合物を捕集する事はできるが、疎水性化合物は捕集できない。カーボンの疎水保持の特性を生かせず、また、イオン交換相の導入量もカーボンの表面積などの物性に絞られてしまうので、成分負荷量が少なくなってしまう。
種々のマトリクスが混在してしまう場では、その影響を受けてしまい、不要成分を吸着除去する事ができない。
多層化した酸化グラフェンにイオン交換基を導入した機能性炭素素材やカーボンナノチューブ表面にポリアミンを重合させた機能性炭素素材などの研究も行われているが、取り扱いや安価多量合成は、難しい。
精製素材としての実用化には、まだ道のりが長い。
また、金属酸化物を構成する金属成分および有機キレート剤を含む金属キレート溶液をカーボン基材に塗布して熱処理する、カーボン基材上に金属酸化物が固定化された複合体の製造方法も提案されている(特許文献11)。
しかし、上記技術はカーボン基材上に金属酸化物を添加しただけであり、カーボンと化学的に結合したキレート材が求められている。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、イオン捕集性能が高い精製剤を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本開示には、以下の態様が含まれる。
<1> カーボンの表面にキレート剤の重合体が結合された精製剤。
【0007】
<2> カーボンの表面に、キレート剤を導入し、
前記キレート剤を重合させる、精製剤の製造方法。
【0008】
<3> カーボンの表面を親水処理し、
キレート剤に反応性官能基を導入し、
前記反応性官能基を導入した前記キレート剤を、前記親水処理した前記カーボンの表面上で重合し、前記カーボンの表面に、前記キレート剤を結合する、精製剤の製造方法。
【0009】
<4> カーボンの表面を親水処理し、
キレート剤に反応性官能基を導入し、
前記反応性官能基を導入した前記キレート剤を重合し、
前記親水処理した前記カーボンの表面に、前記重合した前記キレート剤を導入し、前記カーボンの表面に、前記キレート剤を結合する、精製剤の製造方法。
【0010】
<5> 前記親水処理は、前記カーボンの表面に親水性基を導入し、前記親水性基を導入した前記カーボンを重合することにより、前記カーボンの表面に親水性膜を形成する、上記<3>又は<4>に記載の精製剤の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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