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公開番号2025083124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196831
出願日2023-11-20
発明の名称電力変換装置
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02M 7/48 20070101AFI20250523BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】制御中に生じる電源電圧の変化によりインバータ回路からの出力電流にオーバーシュートが生じ、スイッチング素子に不具合が生じる恐れがある。
【解決手段】直流端子間に2つ以上のスイッチング素子が交流端子を介して接続された回路を1つ以上有して構成された電力変換回路と、交流端子の電流を検出する電流検出手段と、直流端子の電圧を検出する電圧検出手段と、スイッチング素子を出力指令値に基づきオン、オフ制御する制御部と、を備えた電力変換装置に、さらに電圧検出手段で検出された電圧の変化を出力する電圧変化検出手段、電圧変化検出手段から出力された電圧変化に応じて交流端子から出力される交流電流のオーバーシュートを抑制するように出力指令値を補償する出力指令値補償手段、を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
直流端子間に２つ以上のスイッチング素子が交流端子を介して接続された回路を１つ以上有して構成された電力変換回路と、
前記交流端子の電流を検出する電流検出手段と、
前記直流端子間の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記スイッチング素子を出力指令値に基づきオン、オフ制御する制御部と、
を備えた電力変換装置であって、
前記電圧検出手段で検出された電圧の変化を出力する電圧変化検出手段、
前記電圧変化検出手段から出力された電圧変化に応じて前記交流端子から出力される交流電流のオーバーシュートを抑制するように前記出力指令値を補償する出力指令値補償手段、を備えた電力変換装置。
続きを表示（約 770 文字）【請求項２】
前記出力指令値補償手段は、前記出力指令値の上限値を制限するリミッタであることを特徴とする請求項１に記載の電力変換装置。
【請求項３】
前記出力指令値補償手段は、前記電圧変化検出手段が検出した電圧変化の変化量が大きいほど前記出力指令値の上限値を小さくするように制限することを特徴とする請求項２に記載の電力変換装置。
【請求項４】
前記電圧変化の変化量は、電圧の時間変化による傾きであることを特徴とする請求項３に記載の電力変換装置。
【請求項５】
前記出力指令値補償手段は、前記制御部が出力した電流指令値の変化量が大きいほど前記出力指令値の上限値を小さくするように制限することを特徴とする請求項２に記載の電力変換装置。
【請求項６】
前記出力指令値補償手段は、前記出力指令値に補償値を追加する補償器であることを特徴とする請求項１に記載の電力変換装置。
【請求項７】
前記出力指令値補償手段は、前記制御部の制御ゲインに補償値を追加する補償器であることを特徴とする請求項１に記載の電力変換装置。
【請求項８】
前記制御ゲインは、電流制御系の比例積分制御のゲインであることを特徴とする請求項７に記載の電力変換装置。
【請求項９】
前記出力指令値補償手段は、前記電圧変化検出手段が検出した電圧変化の変化量が大きいほど補償値を大きくすることを特徴とする請求項６または７に記載の電力変換装置。
【請求項１０】
前記出力指令値補償手段は、前記制御部が出力した電流指令値の変化量が大きいほど補償値を大きくすることを特徴とする請求項６または７に記載の電力変換装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、電力変換装置に関するものである。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
交流モータはエアコンあるいは冷蔵庫といった家電、産業用ロボットアーム、および電気自動車などの駆動力源として広く使用されている。また、交流モータは電力変換装置であるインバータ回路により直流電源から変換された交流電力により駆動することで、高効率で高応答な駆動を実現している。インバータ回路は、ＩＧＢＴ（ＩｎｓｕｌａｔｅｄＧａｔｅＴｒａｎｓｉｓｔｏｒ）、あるいはＭＯＳＦＥＴ（Ｍｅｔａｌ－Ｏｘｉｄｅ－ｓｅｍｉｃｏｎｄｕｃｔｏｒｆｉｅｌｄ－ｅｆｆｅｃｔｔｒａｎｓｉｓｔｏｒ）といったスイッチング素子を２つ以上直列に接続されたレグが１組以上並列に接続された回路からなり、このインバータ回路にバッテリなどの直流電源を接続し、インバータ回路のスイッチング素子を制御部によりオン・オフ制御することで各レグのスイッチング素子の接続点に接続された配線から交流モータの各相に交流電力が送電される。
【０００３】
交流モータとインバータ回路が接続された回路において、駆動条件および動作異常などが生じた場合、インバータ回路に接続された直流電源の電圧（電源電圧）が急峻に変化することがある。この結果、電源電圧の変化が外乱となるため、インバータ回路が適切に出力しない事象が生じる。特に、駆動条件によっては電源電圧の変化により、交流モータに流れる電流を変化させるようインバータ回路の制御部が動作することがあり、この場合、電源電圧の変化による外乱の影響は更に大きくなる。
【０００４】
特許文献１には、インバータ制御装置に波形データ設定器および基準波発生器を新たに設けることで、電源電圧の変化に応じてインバータ回路のスイッチング素子を制御することで、電源電圧の変化による外乱の影響を抑制する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開平５－２０７７５１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１では、インバータ制御装置に波形データ設定器および基準波発生器を新たに設けることで、電源電圧の変化による外乱の影響を抑制しているが、特許文献１が電源電圧の変化として想定しているのは、インバータ回路の出力電流の極性が反転したときのみであり、駆動条件および動作異常などに起因する電源電圧の変化による外乱の影響を抑制できない恐れがあった。
【０００７】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電源電圧の変化を情報源とした出力指令値補償器を新たに追加し、これを用いて出力指令値を補償することによって、電流のオーバーシュートを低減することが可能な電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本開示の電力変換装置は、直流端子間に２つ以上のスイッチング素子が交流端子を介して接続された回路を１つ以上有して構成された電力変換回路と、交流端子の電流を検出する電流検出手段と、直流端子の電圧を検出する電圧検出手段と、スイッチング素子を出力指令値に基づきオン、オフ制御する制御部と、を備えたものであって、電圧検出手段で検出された電圧の変化を出力する電圧変化検出手段、電圧変化検出手段から出力された電圧変化に応じて交流端子から出力される交流電流のオーバーシュートを抑制するように出力指令値を補償する出力指令値補償手段、を備える。
【発明の効果】
【０００９】
本開示の電力変換装置によれば、電源電圧の変化により電流制御系に外乱が重畳した場合でも、電圧変化検出器が検出した電圧変化量または電流指令値の変化量に基づき、出力指令値補償手段が電圧指令値に制限をかけることで外乱により増加した電圧指令値を、外乱を考慮しない電圧指令値の範囲内に収束させ外乱の影響を補償するため、電流のオーバーシュートを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
比較例の電力変換装置のブロック構成図である。
比較例の電力変換装置の電流制御系のブロック線図である。
比較例の電力変換装置の電源電圧の変化を考慮したときの電流制御系のブロック線図である。
実施の形態１に係る電力変換装置のブロック構成図である。
実施の形態１に係る電力変換装置の制御部のハードウエアの一例を示す図である。
実施の形態１に係る電力変換装置の電流制御系のブロック線図である。
実施の形態１に係る電力変換装置の図６のブロック線図により制御を行った電流または電圧の波形図である。
実施の形態２に係る電力変換装置の電流制御系のブロック線図である。
実施の形態２に係る電力変換装置の図６のブロック線図により制御を行った電流または電圧の波形図である。
実施の形態３に係る電力変換装置の電流制御系のブロック線図である。
実施の形態３に係る電力変換装置の図６のブロック線図により制御を行った電流または電圧の波形図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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