TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025077116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189065
出願日2023-11-06
発明の名称原子力発電および揚水発電の協調制御システム並びに方法
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール弁理士法人
主分類H02J 3/46 20060101AFI20250512BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】高効率かつ安定的に電力を供給可能な原子力発電および揚水発電の協調制御システムを提供する。
【解決手段】原子力発電所と揚水発電所が接続された電力系統における原子力および揚水発電の協調制御システムであって、中給からの発電出力指令を入力し、原子力発電所に発電指令を与え、揚水発電所に発電指令と充電指令を与える統括制御装置と、統括制御装置からの発電指令に応じて原子力発電所の発電出力を制御する原子力制御装置と、統括制御装置からの発電指令と充電指令に応じて揚水発電所の発電出力と揚水動力を制御する揚水発電制御装置を備え、統括制御装置は、中給からの発電出力指令が出力上げ時には揚水発電所から発電するための発電指令を揚水発電所に与え、中給からの発電出力指令が出力下げ時には原子力発電所の電力を用いて揚水発電所へ充電するための充電指令を揚水発電所へ出力するとともに、揚水発電所の充電量が充電可能容量へと到達した場合には、原子力発電所の出力を下げて運転するための原子力発電指令補正値を原子力発電所へ出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原子力発電所と揚水発電所が接続された電力系統における原子力発電および揚水発電の協調制御システムであって、
中給からの発電出力指令を入力し、前記原子力発電所に発電指令を与え、前記揚水発電所に発電指令と充電指令を与える統括制御装置と、前記統括制御装置からの発電指令に応じて前記原子力発電所の発電出力を制御する原子力制御装置と、前記統括制御装置からの発電指令と充電指令に応じて前記揚水発電所の発電出力と揚水動力を制御する揚水発電制御装置を備え、
前記統括制御装置は、中給からの前記発電出力指令が出力上げ時には前記揚水発電所から発電するための発電指令を前記揚水発電所に与え、中給からの前記発電出力指令が出力下げ時には前記原子力発電所の電力を用いて前記揚水発電所へ充電するための充電指令を前記揚水発電所へ出力するとともに、
揚水発電所の充電量が充電可能容量へと到達した場合には、前記原子力発電所の出力を下げて運転するための原子力発電指令補正値を前記原子力発電所へ出力することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに太陽光発電所が接続された電力系統における請求項1に記載の原子力発電および揚水発電の協調制御システムであって、
前記統括制御装置は、電力市場における太陽光発電の買取価格を入力し、前記揚水発電の充電に用いる電力の調達先を電力市場における太陽光発電の買取価格に基づき決定することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の原子力発電および揚水発電の協調制御システムであって、
前記統括制御装置は、将来の気象情報のうち翌日の天候、翌日の日照量、当日夜間の気温、当日の気候(季節)を入力し、前記揚水発電所の発電に用いる電力の充電計画および発電計画を決定することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御システム。
【請求項4】
原子力発電所と、揚水発電所が接続された電力系統における原子力発電および揚水発電の協調制御方法であって、
原子力および揚水発電の協調制御を実行する計算機は、中給からの発電出力指令を入力し、前記原子力発電所に発電指令を与え、前記揚水発電所に発電指令と充電指令を与えるとともに、
前記計算機は、中給からの前記発電出力指令が出力上げ時には前記揚水発電所から発電するための発電指令を前記揚水発電所に与え、中給からの前記発電出力指令が出力下げ時には前記原子力発電所の電力を用いて前記揚水発電所へ充電するための充電指令を前記揚水発電所へ出力するとともに、
前記揚水発電所の充電量が充電可能容量へと到達した場合には、前記原子力発電所の出力を下げて運転するための発電指令を前記原子力発電所へ出力することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御方法。
【請求項5】
さらに太陽光発電所が接続された電力系統における請求項4に記載の原子力発電および揚水発電の協調制御方法であって、
前記計算機は、電力市場における太陽光発電の買取価格を入力し、前記揚水発電の充電に用いる電力の調達先を電力市場における太陽光発電の買取価格に基づき決定することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の原子力発電および揚水発電の協調制御方法であって、
前記計算機は、将来の気象情報のうち翌日の天候、翌日の日照量、当日夜間の気温、当日の気候(季節)を入力し、前記揚水発電所の発電に用いる電力の充電計画および発電計画を決定することを特徴とする原子力発電および揚水発電の協調制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電および揚水発電の協調制御システム並びに方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
余剰電力を用いて下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池)へと水を汲み上げ、電力需要増加時に上池から下池へと水を落とすことで発電する揚水発電は、大容量の電力貯蔵手段として電力需要・供給の平準化に活用されている。
【0003】
揚水発電は、深夜や休日の昼間の電力を用いて水を汲み上げ、社会活動の活発化により電力需要が増大する昼間や夜間に発電することが知られている。大電力の貯蔵が可能である揚水発電は、電力需要増加時の予備力や、大規模停電発生時の発電設備の復旧用電源として活用されている。また短時間に揚水・発電を切り替えることが可能であることから、電力の供給と需要を一致させる調整力としても利用している。
【0004】
かかる揚水発電に関して特許文献1では、建設コストおよび運転コストを低減することができる複合発電所を提供することを目的として、「原子炉を有する原子力発電プラントを、揚水ポンプにより揚水される貯水池を有する揚水発電プラントの近傍に設けて、両プラントの発電機を所内送電系統を介して送電ケーブルに接続すると共に、この所内送電系統を介して原子力発電プラントの発電機に接続された揚水発電プラントの少なくとも1台の揚水ポンプを、原子力発電プラントの余剰電力により駆動する構成とし、揚水発電プラントの少なくとも1箇所の貯水池を原子力発電プラントの水源に構成したことを特徴とする複合発電所。」とすることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭63-198707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、原子力発電と同じ敷地内に揚水発電を建設することで、原子力発電の余剰電力を揚水の動力に用いる複合発電システムが示されており、日中の電力需要の増大に対し、原子力発電、水力発電および揚水発電がそれぞれ出力を増加することで電力の需要と供給を一致させるよう運用する。
【0007】
ただし特許文献1では、同じく日中に増加が見込まれる太陽光発電の影響を考慮していない。太陽光発電は、地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素を排出することなく電力を得る手段として風力発電とともに導入が進められている。太陽光発電は、太陽高度の高い日中に発電出力が増大することが知られているが、発電出力は天候や気候によっても変動する。そのため電力系統に対して電力の需要と供給のバランスを崩す外乱として作用する。従来、電力の需要と供給のバランスは火力発電の出力変動によって維持されているが、火力発電は二酸化炭素の主たる排出源であることから順次廃止が見込まれており、将来の調整力不足が懸念されている。
【0008】
一方で、揚水発電には揚水に用いる電力の確保に課題がある。夜間の電力需要増加に揚水発電の電力を用いる場合、上池に十分な水量が保持されている(すなわち十分な電力が貯蔵されている)必要がある。しかし太陽光発電からの電力をもちいて揚水する場合、天候によって揚水量(電力の貯蔵量)が変化することから、夜間に供給可能な電力量が不足する場合が生じる。
【0009】
本発明は上述した事柄に基づいてなされたものであって、その目的とするところは、高効率かつ安定的に電力を供給可能な原子力発電および揚水発電の協調制御システム並びに方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のことから本発明においては「原子力発電所と揚水発電所が接続された電力系統における原子力および揚水発電の協調制御システムであって、中給からの発電出力指令を入力し、原子力発電所に発電指令を与え、揚水発電所に発電指令と充電指令を与える統括制御装置と、統括制御装置からの発電指令に応じて原子力発電所の発電出力を制御する原子力制御装置と、統括制御装置からの発電指令と充電指令に応じて揚水発電所の発電出力と揚水動力を制御する揚水発電制御装置を備え、統括制御装置は、中給からの発電出力指令が出力上げ時には揚水発電所から発電するための発電指令を揚水発電所に与え、中給からの発電出力指令が出力下げ時には原子力発電所の電力を用いて揚水発電所へ充電するための充電指令を揚水発電所へ出力するとともに、揚水発電所の充電量が充電可能容量へと到達した場合には、原子力発電所の出力を下げて運転するための原子力発電指令補正値を原子力発電所へ出力することを特徴とする原子力および揚水発電の協調制御システム。」としたものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日立製作所
設計支援装置
3日前
株式会社日立製作所
鉄道車両用台車
4日前
株式会社日立製作所
回路設計支援装置
5日前
株式会社日立製作所
設計支援装置及び方法
6日前
株式会社日立製作所
外転型回転電機及び巻上機
6日前
株式会社日立製作所
電力授受システム及び電力授受方法
2日前
株式会社日立製作所
情報処理システム及び情報処理方法
4日前
株式会社日立製作所
検索式作成装置および検索式作成方法
4日前
株式会社日立製作所
設計変更支援装置および設計変更支援方法
6日前
株式会社日立製作所
無人店舗販売装置および無人店舗システム
6日前
株式会社日立製作所
距離測定システムおよびこれを搭載した車両
3日前
株式会社日立製作所
電力系統管理システム及び電力系統管理方法
9日前
株式会社日立製作所
移動体の運転制御システムおよび運転制御方法
6日前
株式会社日立製作所
水運用計画支援装置、および水運用計画支援方法
6日前
株式会社日立製作所
水電解制御装置、水電解システムおよび水電解方法
6日前
株式会社日立製作所
指標関係解析支援装置、及び指標関係解析支援方法
4日前
株式会社日立製作所
プログラムの監視システム及びプログラムの監視方法
3日前
株式会社日立製作所
イベント分析装置,イベント分析方法およびプログラム
9日前
株式会社日立製作所
原子力発電および揚水発電の協調制御システム並びに方法
6日前
株式会社日立製作所
データクエリのプロンプトを最適化するための強化された方法
4日前
株式会社日立製作所
計画作成支援装置、計画作成支援システム、及び計画作成支援方法
4日前
株式会社日立製作所
情報処理装置、保護制御装置、及びウォッチドッグタイマ運用方法
4日前
株式会社日立製作所
依存関係把握システム、依存関係把握方法、及び依存関係把握プログラム
6日前
株式会社日立製作所
バイオマーカ算出装置、粒子線治療システム、およびバイオマーカ算出方法
2日前
株式会社日立製作所
公共安全停電(PSPS)のための最適負荷制限方法、コンピュータ読み取り可能な記録媒体および装置
3日前
個人
発電機
27日前
個人
発電システム
10日前
ニデック株式会社
モータ
23日前
マグネデザイン株式会社
ロータ
3日前
西芝電機株式会社
回転電機
13日前
株式会社豊田自動織機
モータ冷却装置
3日前
株式会社ダイヘン
充電装置
5日前
日産自動車株式会社
発電機
9日前
住友電装株式会社
電気接続箱
10日前
マツダ株式会社
電力変換装置
10日前
トヨタ自動車株式会社
充電システム
12日前
続きを見る