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公開番号2025076160
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187939
出願日2023-11-01
発明の名称牽引装置
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類F16L 55/34 20060101AFI20250508BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ワイヤーを牽引方向で前方へ牽引する場合に、円滑な牽引を継続的に実行しながらも、牽引の効率性を向上する。
【解決手段】第1チャック機構C1と第2チャック機構C2とを、牽引方向の前方から後方へ向けて記載の順に備え、シリンダSと第2チャック機構C2とは、牽引装置本体KHに固定され、第1テーパー形状部C1b1、C1b2の第1テーパー形状面とワイヤーWのワイヤー軸心W1とのなす角である第1角度αが、第2テーパー形状部C2b1、C2b2の第2テーパー形状面とワイヤー軸心W1とのなす角である第2角度βよりも小さい。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
埋設された既設管の管軸に沿う牽引方向に沿って後方から前方へ、前記既設管の管内壁を前記牽引方向に沿って切断して前記既設管を拡径する切欠開裂治具を、ワイヤーにより牽引する牽引装置であって、
前記牽引方向に沿って伸長移動と引退移動とを繰り返すシリンダ軸を有するシリンダを備え、
前記シリンダ軸と一体移動可能に設けられ、前記シリンダ軸の前記伸長移動において前記ワイヤーの外周面を挟持する第1挟持姿勢と前記シリンダ軸の前記引退移動において前記ワイヤーの前記外周面を挟持しない第1非挟持姿勢とを切り換え可能な第1チャック機構と、
前記第1チャック機構が前記第1挟持姿勢にあるときに前記ワイヤーの前記外周面を挟持しない第2非挟持姿勢となると共に、前記第1チャック機構が前記第1非挟持姿勢にあるときに前記ワイヤーの前記外周面を挟持する第2挟持姿勢となる第2チャック機構とを、前記牽引方向の前記前方から前記後方へ向けて記載の順に備え、
前記シリンダと前記第2チャック機構とは、牽引装置本体に固定され、
前記第1チャック機構は、前記シリンダ軸に固定される第1チャック基部と、当該第1チャック基部に設けられる第1摺動面に沿って摺動自在で且つ前記前方から前記後方へ向けて徐々に縮径する第1テーパー形状面を有すると共に前記ワイヤーの前記外周面を外囲する第1外囲面を有する第1テーパー形状部を有すると共に、前記第1挟持姿勢は、前記第1外囲面が前記ワイヤーを挟持する姿勢であり、
前記第2チャック機構は、前記牽引装置本体に固定される第2チャック基部と、当該第2チャック基部に設けられる第2摺動面に沿って摺動自在で且つ前記前方から前記後方へ向けて徐々に縮径する第2テーパー形状面を有すると共に前記ワイヤーの前記外周面を外囲する第2外囲面を有する第2テーパー形状部を有すると共に、前記第2挟持姿勢は、前記第2外囲面が前記ワイヤーを挟持する姿勢であり、
前記第1テーパー形状部の前記第1テーパー形状面と前記ワイヤーのワイヤー軸心とのなす角である第1角度が、前記第2テーパー形状部の前記第2テーパー形状面と前記ワイヤー軸心とのなす角である第2角度よりも小さい牽引装置。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記第1角度は、5°以上9°以下である請求項1に記載の牽引装置。
【請求項3】
前記第2角度は、12°以上15°以下である請求項1又は2に記載の牽引装置。
【請求項4】
前記牽引装置本体に固定された状態で、前記牽引方向において前記第1チャック機構と前記第2チャック機構との間で延設され、内径が前記ワイヤーの外径よりも大きく内部に前記ワイヤーを挿通可能な屈曲防止治具が設けられている請求項1又は2に記載の牽引装置。
【請求項5】
前記牽引方向において、前記第1チャック機構の前記第1テーパー形状部の前記第1外囲面の長さは、前記第2チャック機構の前記第2テーパー形状部の前記第2外囲面の長さよりも長い請求項1又は2に記載の牽引装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、埋設された既設管の管軸に沿う牽引方向に沿って後方から前方へ、前記既設管の管内壁を牽引方向に沿って切断して前記既設管を拡径する切欠開裂治具を、ワイヤーにより牽引する牽引装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、既設管を新設既設管に置き換える工法として、ワイヤーブレード工法が知られている。当該ワイヤーブレード工法では、例えば、特許文献1に示されているように、交換対象の既設管の内部にワイヤーを送り込み、当該ワイヤーの先端に既設管を切断して拡径するための切断拡径治具を接続し、ワイヤーの他端を牽引装置により牽引することで、既設管の内部で切断拡径治具を管軸に沿って牽引方向へ移動させ、既設管を管軸に沿って切断して拡径する(特許文献1を参照)。
当該特許文献1に開示のワイヤーブレード工法では、ワイヤーを牽引する牽引装置として、シリンダ機構を備えたものが開示されている。このようなシリンダ機構を備えた牽引装置は、通常、シリンダ軸を牽引方向で伸縮動作させると共に、当該シリンダ軸の伸長動作に伴って、チャック機構によりワイヤーを挟持する挟持状態でワイヤーを牽引方向へ牽引する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5279100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示のワイヤーブレード工法では、ワイヤーを牽引する牽引装置としてシリンダ機構を備えた牽引装置が示されているが、当該牽引装置に関し、シリンダ機構を用いて、どのようにワイヤーを牽引するのかについて開示されていなかった。特に、シリンダ軸の伸長動作毎にチャック機構等によりワイヤーを挟持し、シリンダ軸の引退動作毎にチャック機構等によるワイヤーの挟持を解除する形態で、ワイヤーを順次牽引する場合、ワイヤーが牽引方向と逆の方向へ引き戻されたり、ワイヤーが弛んだりして、牽引の効率が悪化することが考えられる。しかしながら、引用文献1には、当該課題について開示されておらず、当該観点から改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤーを牽引方向で前方へ牽引する場合に、円滑な牽引を継続的に実行しながらも、牽引の効率性を向上できる牽引装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための牽引装置は、
埋設された既設管の管軸に沿う牽引方向に沿って後方から前方へ、前記既設管の管内壁を前記牽引方向に沿って切断して前記既設管を拡径する切欠開裂治具を、ワイヤーにより牽引する牽引装置であって、その特徴構成は、
前記牽引方向に沿って伸長移動と引退移動とを繰り返すシリンダ軸を有するシリンダを備え、
前記シリンダ軸と一体移動可能に設けられ、前記シリンダ軸の前記伸長移動において前記ワイヤーの外周面を挟持する第1挟持姿勢と前記シリンダ軸の前記引退移動において前記ワイヤーの前記外周面を挟持しない第1非挟持姿勢とを切り換え可能な第1チャック機構と、
前記第1チャック機構が前記第1挟持姿勢にあるときに前記ワイヤーの前記外周面を挟持しない第2非挟持姿勢となると共に、前記第1チャック機構が前記第1非挟持姿勢にあるときに前記ワイヤーの前記外周面を挟持する第2挟持姿勢となる第2チャック機構とを、前記牽引方向の前記前方から前記後方へ向けて記載の順に備え、
前記シリンダと前記第2チャック機構とは、牽引装置本体に固定され、
前記第1チャック機構は、前記シリンダ軸に固定される第1チャック基部と、当該第1チャック基部に設けられる第1摺動面に沿って摺動自在で且つ前記前方から前記後方へ向けて徐々に縮径する第1テーパー形状面を有すると共に前記ワイヤーの前記外周面を外囲する第1外囲面を有する第1テーパー形状部を有すると共に、前記第1挟持姿勢は、前記第1外囲面が前記ワイヤーを挟持する姿勢であり、
前記第2チャック機構は、前記牽引装置本体に固定される第2チャック基部と、当該第2チャック基部に設けられる第2摺動面に沿って摺動自在で且つ前記前方から前記後方へ向けて徐々に縮径する第2テーパー形状面を有すると共に前記ワイヤーの前記外周面を外囲する第2外囲面を有する第2テーパー形状部を有すると共に、前記第2挟持姿勢は、前記第2外囲面が前記ワイヤーを挟持する姿勢であり、
前記第1テーパー形状部の前記第1テーパー形状面と前記ワイヤーのワイヤー軸心とのなす角である第1角度が、前記第2テーパー形状部の前記第2テーパー形状面と前記ワイヤー軸心とのなす角である第2角度よりも小さい点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、まずもって、ワイヤーを挟持しつつ牽引方向の前方へ牽引可能な第1チャック機構と、第1チャック機構がワイヤーを挟持しているときにワイヤーを非挟持とし第1チャック機構がワイヤーを挟持していないときにワイヤーを挟持する第2チャック機構とを、ワイヤーの牽引方向で前方から後方にかけて記載の順に設けているから、第1チャック機構が第1挟持姿勢となってワイヤーを牽引方向の前方へ牽引し第1非挟持姿勢に切り換っている期間に、第2チャック機構によりワイヤーを挟持するから、第1チャック機構の第1非挟持姿勢において、ワイヤーが弛むことを防止でき、牽引方向の後方へ引き戻されることを防止できる。
更に、本発明に係る牽引装置は、第1チャック機構の第1テーパー形状面とワイヤー軸心とのなす角である第1角度が、第2チャック機構の第2テーパー形状面とワイヤー軸心とのなす角である第2角度よりも小さく構成されている。
これにより、ワイヤーを挟持して牽引する必要があり比較的大きい力が加わる第1テーパー形状面とワイヤー軸心とがなす角度を、比較的小さくすることで、第1チャック機構が第1挟持姿勢から第1非挟持姿勢へ切り換るときに、第1外囲面がワイヤーに噛み込み過ぎることを防止して、円滑な姿勢変更を実現できる。換言すると、第1チャック機構が第1挟持姿勢から第1非挟持姿勢へ切り換るときに、第1外囲面がワイヤーに噛み込み過ぎて、第1非挟持姿勢へ切り換らなくなる事態が発生することを防止でき、円滑な牽引を継続的に実行できる。
更に、第2チャック機構の第2テーパー形状面とワイヤー軸心とのなす角である第2角度を比較的大きくすることで、ワイヤーの牽引状態から牽引停止状態となったときに、第2チャック機構の第2外囲面がワイヤーを挟持する方向(牽引方向と直交する方向)へ迅速に移動してワイヤーを挟持するから、ワイヤーが弛んで牽引方向の後方へ戻ろうとするときに、ワイヤーを第2外囲面により素早く挟持して、牽引方向と逆方向へのワイヤーの戻り量を十分に小さくできる。
以上より、ワイヤーを牽引方向で前方へ牽引する場合に、円滑な牽引を継続的に実行しながらも、牽引の効率性を向上できる牽引装置を実現できる。
【0008】
牽引装置の更なる特徴構成は、
前記第1角度は、5°以上9°以下である点にある。
【0009】
発明者らは、10m以上60m以下の長さで直径が20mm程度の一般的に牽引に用いられるワイヤーを牽引して既設管を切断して拡径させる場合に、第1角度を5°以上9°以下とすることで、第1チャック機構が第1挟持姿勢から第1非挟持姿勢へ切り換るときに、第1テーパー形状部が第1チャック基部に噛み込み過ぎることを良好に防止できることを確認している。ちなみに、第1角度が5°未満となれば、牽引時にワイヤーと第1テーパー形状面との間で滑りが生じる場合があり、良好な牽引ができない。一方、第1角度が9°を超える場合、比較的大きい力が加わる第1チャック機構の第1挟持姿勢から、第1非挟持姿勢へ円滑に切り換えできない場合がでてくる。
【0010】
牽引装置の更なる特徴構成は、
前記第2角度は、12°以上15°以下である点にある。
(【0011】以降は省略されています)

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