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公開番号2025072395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2025006357,2024546059
出願日2025-01-16,2023-01-26
発明の名称熱到達を強化させるシステムおよび方法
出願人エックスジーエス、エナジー、インコーポレイテッド,XGS Energy, Inc.
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E21B 43/00 20060101AFI20250430BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】熱到達を強化させた地熱坑井が提供する。
【解決手段】地熱坑井10は、上面14から地層16中の目標位置まで延びる坑井12を含む。地熱坑井10はさらに、目標位置から地層16内へと遠位方向に延び、圧縮された高熱伝導性材料20で少なくとも部分的に充填された複数の亀裂18を含む。圧縮された高熱伝導性材料20は、坑井の目標位置の近位端で終端し、高熱伝導性グラウトまたはスラリーに熱的に結合され、このグラウトまたはスラリーに埋め込まれた閉ループ作動流体導管のケーシング13に収容された作動流体に熱が伝導される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
地熱坑井の熱到達を強化する方法であって、
地層中の目標位置まで坑井に流体を圧送する工程、
前記目標位置における前記流体の圧力を、前記地層中の前記目標位置で複数の亀裂を開くのに十分な破砕圧力まで上昇させる工程、
前記破砕圧力または前記破砕圧力より高い圧力で、キャリア流体中に分散された高熱伝導性材料を含むスラリーを前記坑井に圧送し、前記スラリーで前記亀裂を少なくとも部分的に充填する工程、及び
前記目標位置および前記亀裂における圧力を低下させ、それにより前記亀裂を部分的に閉鎖して、前記亀裂内の前記スラリーから前記キャリア流体の少なくとも一部を排出し、それにより圧縮された高熱伝導性材料を含む亀裂を形成する工程であって、前記圧縮された高熱伝導性材料は、前記坑井の近位端で終端し、かつ前記地層内の末端まで延びる、工程、
を含む、方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記流体が水である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標位置が、少なくとも地下500フィートである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標位置が、少なくとも300℃の目標温度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記亀裂が、少なくとも3フィートの距離にわたって前記坑井から遠位に延びている、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記高熱伝導性材料が、グラファイト粉末、フレーク状グラファイト、熱分解グラファイト、脱硫石油コークス、グラフェン、フライアッシュ、銅粉末、窒化アルミニウム及び炭化ケイ素からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スラリーが、水、前記高熱伝導性材料、及び任意に可塑剤、界面活性剤、有機ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記圧縮された高熱伝導性材料が、少なくとも10体積%の固形分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記圧縮された高熱伝導性材料が、少なくとも25体積%の固形分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮された高熱伝導性材料が、少なくとも20W/m°Kの熱伝導率を有する、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、2022年2月1日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第63/305,658号の優先権を主張するものであり、該米国仮出願は、参照により本明細書中に組み込まれる。
続きを表示(約 2,600 文字)【0002】
本発明の分野は、地中熱回収における採熱(heat harvesting)のためのシステムおよび方法であり、特に、坑井を超えて亀裂に延びる高熱伝導性材料を介して到達範囲を拡大するシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
背景の説明には、本発明を理解する上で有用な情報が含まれている。 本明細書で提供される情報のいずれかが先行技術であること、または現在特許請求される発明に関連すること、あるいは具体的または暗黙的に参照される刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
本明細書におけるすべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参照により組み込まれる。組み込まれた参考文献における用語の定義または使用が、本明細書において提供されるその用語の定義と矛盾または反する場合、本明細書において提供されるその用語の定義が適用され、参考文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0005】
地熱井戸は、地中との間で熱を移動させる冷暖房システムを提供するために使用されてきた。典型的な垂直井戸閉ループシステムでは、連続したケーシングを形成する、底部のU字型コネクタで結合された2本のパイプが、地中に掘削された坑井に垂直に設置される(米国特許出願第2012/0247766号明細書参照)。この種のシステムは一般に、住宅や商業ビルの冷暖房に使用される。このようなシステムにおいて、従来のグラウト混合物は典型的には粘土ベースであり、ケーシングと地層との間の環状空間を充填するために坑井に圧送される。その結果、該グラウトは、地下水の汚染を防ぐとともに、地上からの地下の汚染を防ぐためのシールを形成する。該グラウト混合物はさらに、ケーシング内の作動流体と目標位置との間の熱伝達を補助する熱伝導性材料を含むことがある。例えば、作動流体は、地表の熱交換器との間で熱を伝達するために坑井ループ内を循環することがある。残念なことに、これらのシステムのすべてではないにせよ、ほとんどは発電に十分な量の採熱には適していない。
【0006】
実際、従来の地熱井戸の垂直方向の設計は、発電のための熱エネルギー抽出に好適な地層内の目標位置に到達する能力を制限することが多い。採熱を増やすためには、地熱井戸の長さや幅を大きくして、地層と接する表面積を増やさなければならない。しかし、このような解決策は一般的に高価であり、技術的にも困難である。
【0007】
例えば、米国特許第11,220,882号明細書には、既存の亀裂内で貯留層流体を置換する高熱伝導性プロパント材料を使用して、炭化水素生産のために以前に仕上げされた井戸を再仕上げ(recompletion)することが記載されている。この目的のために、キャリア流体および熱伝導性材料としてのグラファイトを含むスラリーが、プロップされた亀裂に注入され、キャリア流体が周囲の貯留層に流れ込むにつれてスラリーが脱水し、その結果、再仕上げされた坑井の近傍に多孔質グラファイト固体が生じることが期待される。同様に、米国特許出願第2020/0191444号明細書は、再仕上げされた坑井における熱伝導性材料として、炭素ベースの高熱伝導性材料および微粒子、ならびに沈降性材料の使用を教示している。いくつかの実施形態では、既存の炭化水素坑井をさらに破砕し、亀裂が形成された後に高熱伝導性材料を亀裂内へ設置することができる。このような方法は、既に存在する坑井を有利に利用することができるが、一般的に、高温の目標位置、特に乾燥した高温の岩石が存在する場所には適さない。そのため、このような方法では、地中熱による発電は一般的に達成されない。さらに、このような方法は、既に炭化水素生産井が存在する場所に限定されるため、採熱が望まれる場所への展開が大幅に制限される。さらに、そのような方法は、隣接する貯留層からの水圧隔離を必要とし、そのような隔離に失敗すると、隣接する坑井を損ない、再仕上げに悪影響を及ぼす。
【0008】
別の例として、国際公開第2022/018674号は、地熱坑井が、入口坑井、出口坑井、そしてその間に水平に延びる連通坑井を持つ、伝導熱伝達と対流熱伝達の両方を利用した地熱の環境発電(energy harvesting)を教示している。ここで、連通坑井は、亀裂のような多数の導管と流体連通しており、熱は伝導的、対流的に連通坑井に伝達される。しかし、連通坑井は、地熱坑井と周囲の地中帯との間の流体交換を防ぐシール材で密閉されなければならないため、このような構造の建設は比較的複雑である。
【0009】
地層中の熱伝達を単純化するために、黒鉛質材料をボーリング孔の底部で使用することができ、米国特許第2011/0232858号明細書に記載されているように、追加の導管をボーリング孔に隣接して掘削し、黒鉛質材料で充填することができる。概念的にはより単純であるが、このようなシステムにおける地層から作動流体への熱伝達は、一般的に望ましいものではない。
【0010】
熱伝達を増大させるために、米国特許第4,912,941号明細書に記載されているように、ボーリング孔の底部を連続的な工程で拡張することができる。ここでは、ボーリング孔の底部は、発破または破砕の連続的な工程に供され、その後、破壊された岩石が洗い流され、岩石に既に存在する通路に加えて、新たに発生された通路が生じる。次に、これらの通路は、ケイ酸質ゲルおよび/または金属粉末を含み得るセメント系材料で充填され、固化するまで放置される。その後、このように固化した材料をブラストまたはリーマ加工してほぼ円筒形のチャンバーを形成し、その中に熱交換器のケーシングを設置して所定の位置でグラウトする。このような方法は熱伝導を少なくともいくらか高めるが、熱伝導性材料の設置が面倒である。さらに、特に目標位置の温度が高い場合、熱交換ケーシングを囲むグラウトの設置が、高温のためにグラウトが目標位置に到達する前に固化してしまうため、通常問題となる。
(【0011】以降は省略されています)

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