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公開番号2025061058
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025002123,2023556346
出願日2025-01-07,2022-10-18
発明の名称セラミックス銅回路基板およびそれを用いた半導体装置
出願人株式会社東芝,東芝マテリアル株式会社
代理人弁理士法人iX
主分類C04B 37/02 20060101AFI20250403BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】Agを含まないろう材層を用いたセラミックス銅回路基板において、ろう材層がはみだし部を含むセラミックス銅回路基板およびそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】 実施形態にかかるセラミックス銅回路基板は、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の少なくとも一方の面に、それぞれがろう材層を介して接合された複数の銅回路部と、を備える。前記ろう材層は、Agを含有せず、Cuと、Tiと、SnまたはInから選ばれる1種または2種と、を含有する。前記ろう材層は、前記セラミックス基板と前記銅回路部との間に設けられた接合部と、前記接合部の周囲に設けられ、チタンの含有量が70質量%以上100質量%以下の範囲内である第1はみだし部と、を含む。前記銅回路部の厚さをDとし、隣り合う前記銅回路部の間の最短距離をPとしたとき、前記銅回路部の厚さDは0.1mm以上であり、1≦P/D≦3である箇所を含む。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
セラミックス基板と、
前記セラミックス基板の少なくとも一方の面に、それぞれがろう材層を介して接合された複数の銅回路部と、
を備えたセラミックス銅回路基板であって、
前記ろう材層は、Agを含有せず、Cuと、Tiと、SnまたはInから選ばれる1種または2種と、を含有し、
前記ろう材層は、
前記セラミックス基板と前記銅回路部との間に設けられた接合部と、
前記接合部の周囲に設けられ、チタンの含有量が70質量%以上100質量%以下の範囲内である第1はみだし部と、
を含み、
前記銅回路部の厚さをDとし、隣り合う前記銅回路部の間の最短距離をPとしたとき、前記銅回路部の厚さDは0.1mm以上であり、1≦P/D≦3である箇所を含む、セラミックス銅回路基板。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記ろう材層は、前記接合部と前記第1はみだし部との間に設けられた第2はみだし部をさらに含み、
前記第2はみだし部におけるチタンの含有量は70質量%未満である、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項3】
前記第2はみだし部は、5質量%以上60質量%以下のCuと、5質量%以上45質量%以下のSnまたはInと、を含有し、
前記第2はみだし部におけるチタンの含有量と窒素の含有量の合計は、10質量%以上90質量%未満の範囲内である、請求項2に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項4】
前記第1はみだし部におけるチタンの含有量と窒素の含有量の合計は、90質量%以上100質量%以下の範囲内である、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項5】
前記接合部から前記第1はみだし部に向かう方向における前記第1はみだし部の長さをL1、前記方向における前記ろう材層の前記接合部以外の部分の長さをL2としたとき、0.3≦L1/L2≦1、を満たす、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項6】
前記接合部から前記第1はみだし部に向かう方向における前記第1はみだし部の長さをL1、前記方向における前記ろう材層の前記接合部以外の部分の長さをL2としたとき、0.3≦L1/L2≦1、を満たす、請求項4に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項7】
前記ろう材層は炭素をさらに含有している、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項8】
前記銅回路部の側面の傾斜角が30度以上70度以下の範囲内である、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項9】
前記銅回路部の側面の傾斜角が30度以上70度以下の範囲内である、請求項6に記載のセラミックス銅回路基板。
【請求項10】
前記セラミックス基板は窒化珪素基板である、請求項1に記載のセラミックス銅回路基板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、セラミックス銅回路基板およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、産業機器の高性能化や地球環境問題から、大電流・大電圧を制御するために、電気自動車や電車などに対してパワーモジュールが使用されている。これらに実装される半導体素子から発生する熱も、増加し続けている。このため、パワーモジュール用の回路基板について、放熱性が重要となっている。高熱伝導性のセラミックス基板に銅又はアルミニウム等の金属板を接合した、セラミックス-金属接合回路基板が広く用いられている。また、セラミックス基板と銅板を接合する方法としては、ろう材を利用した活性金属接合法が広く用いられている。活性金属接合法に用いるろう材は、活性金属ろう材と呼ばれる。
例えば、特許第6158144号公報(特許文献1)には、Ag、CuおよびTiを含むろう材層を用いたセラミックス回路基板が開示されている。特許文献1では、セラミックス回路基板にろう材層はみだし部が形成されている。特許文献1によれば、ろう材層はみだし部を形成することにより、TCT特性を向上させている。特許文献1のように、Ag、CuおよびTiを含むろう材層を用いた接合方法は、活性金属接合法と呼ばれている。一般的に、活性金属接合法は、活性金属がろう材に含有されており、Ag、CuおよびTiが接合ろう材として用いられていることが多い。接合ろう材の中で、Agは高価な元素である。
例えば、特開2003-283064号公報(特許文献2)には、Agを含有しないCuSnTi系ろう材を用いることが開示されている。特許文献2のセラミックス回路基板は、ろう材にAgを用いていない。このため、ろう材層のエッチング性が良かった。特許文献2には、Agを含有しない活性金属ろう材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6158144号公報
特開2003-283064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2では、ろう材層のエッチング性が向上している。その一方で、特許文献1のようにろう材層はみだし部を形成できずにいた。ろう材層はみだし部が形成されないため、セラミックス回路基板のTCT特性が低下するといった問題が生じていた。
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板は、Agを含まないろう材層を用いたセラミックス銅回路基板においてろう材層はみだし部を制御したことを特徴とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板は、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の少なくとも一方の面に、それぞれがろう材層を介して接合された複数の銅回路部と、を備える。前記ろう材層は、Agを含有せず、Cuと、Tiと、SnまたはInから選ばれる1種または2種と、を含有する。前記ろう材層は、前記セラミックス基板と前記銅回路部との間に設けられた接合部と、前記接合部の周囲に設けられ、チタンの含有量が70質量%以上100質量%以下の範囲内である第1はみだし部と、を含む。前記銅回路部の厚さをDとし、隣り合う前記銅回路部の間の最短距離をPとしたとき、前記銅回路部の厚さDは0.1mm以上であり、1≦P/D≦3である箇所を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板の一例を示す模式図。
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板の別の一例を示す模式図。
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板のはみだし部の一例を示す模式図。
第1はみだし部の長さ及びはみだし部全体の長さを示す模式図である。
銅回路部側面の傾斜角の測定方法を例示する概念図である。
実施形態にかかる半導体装置の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板は、セラミックス基板と、前記セラミックス基板の少なくとも一方の面に、それぞれがろう材層を介して接合された複数の銅回路部と、を備える。前記ろう材層は、Agを含有せず、Cuと、Tiと、SnまたはInから選ばれる1種または2種と、を含有する。前記ろう材層は、前記セラミックス基板と前記銅回路部との間に設けられた接合部と、前記接合部の周囲に設けられ、チタンの含有量が70質量%以上100質量%以下の範囲内である第1はみだし部と、を含む。前記銅回路部の厚さをDとし、隣り合う前記銅回路部の間の最短距離をPとしたとき、前記銅回路部の厚さDは0.1mm以上であり、1≦P/D≦3である箇所を含む。
図1は実施形態にかかるセラミックス銅回路基板の一例を示す模式図である。図2は実施形態にかかるセラミックス銅回路基板の別の一例を示す模式図である。図3は実施形態にかかるセラミックス銅回路基板のはみだし部の一例を示す模式図である。図1~図3において、符号1はセラミックス銅回路基板、符号2はセラミックス基板、符号3は銅回路部、符号4はろう材層、符号5は接合部、符号6は第1はみだし部、符号7は第2はみだし部、符号8は銅放熱板である。L1は第1はみだし部6の長さ、L2ははみだし部全体の長さである。
実施形態にかかるセラミックス銅回路基板1では、セラミックス基板2の少なくとも一方の面にろう材層4を介して銅回路部3が接合された構造を有している。図1に示すように、セラミックス基板2の一方の面に銅回路部3が接合され、セラミックス基板2の他方の面に銅放熱板8が接合されてもよい。図2に示すように、セラミックス基板2の一方の面に、複数の銅回路部3が接合されていてもよい。銅放熱板8に代えて銅回路部3が設けられても良い。
【0008】
セラミックス基板2として、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板、酸化ジルコニウム基板などが挙げられる。セラミックス基板2は、窒化珪素基板または窒化アルミニウム基板のいずれかであることが好ましい。窒化珪素基板および窒化アルミニウム基板は、窒化物系セラミックス基板である。後述するように、窒化物系セラミックス基板は、活性金属接合法により、窒化チタン層を形成することができる。
酸化アルミニウム基板および酸化ジルコニウム基板は酸化物系セラミックス基板である。酸化物系セラミックス基板は、活性金属接合法により、酸化チタン層を形成することができる。窒化物系セラミックス基板と酸化物系セラミックス基板を比較すると、窒化物系セラミックス基板の方が高い熱伝導率を有する。この点からすると、窒化物系セラミックス基板を用いることが好ましい。
セラミックス基板2の厚さは、0.1mm以上3mm以下が好ましい。基板厚さが0.1mm未満では、強度が低下する可能性がある。基板厚さが3mmより厚いと、セラミックス基板が熱抵抗体となり、接合体の放熱性を低下させる可能性がある。このため、セラミックス基板2の厚さは、0.1mm以上3mm以下、さらには0.2mm以上1mm以下が好ましい。
【0009】
窒化珪素基板の3点曲げ強度は、600MPa以上であることが好ましい。窒化珪素基板の熱伝導率は、80W/m・K以上であることが好ましい。窒化珪素基板の強度を上げることにより、基板厚さを薄くすることができる。このため、窒化珪素基板の3点曲げ強度は600MPa以上、さらには700MPa以上が好ましい。窒化珪素基板の基板厚さを0.40mm以下、さらには0.30mm以下と薄くできる。
窒化アルミニウム基板の3点曲げ強度は、300~450MPa程度である。その一方、窒化アルミニウム基板の熱伝導率は、160W/m・K以上である。窒化アルミニウム基板の強度は低いため、基板厚さは0.60mm以上が好ましい。
銅回路部3および銅放熱板8には、銅板または銅合金板を用いることができる。銅回路部3および銅放熱板8は、無酸素銅からなることが好ましい。無酸素銅はJIS-H-3100(ISO1337など)に示されたように、銅純度99.96wt%以上の銅である。銅回路部3および銅放熱板8を厚くすることにより、通電容量および放熱性を向上させることができる。このため、銅回路部3および銅放熱板8の厚さは0.1mm以上、さらには0.6mm以上が好ましい。より好ましくは、銅回路部3および銅放熱板8の厚さは0.8mm以上である。
【0010】
銅回路部3および銅放熱板8は、それぞれろう材層4を介してセラミックス基板2に接合されている。ろう材層4は、接合部5を含む。接合部5は、セラミックス基板2と銅回路部3との間またはセラミックス基板2と銅放熱板8との間に設けられている。ろう材層4は、さらに、面内方向において接合部5の周囲に設けられたはみだし部を含む。面内方向は、セラミックス基板2の表面に平行な方向である。ろう材層4は、セラミックス基板2の当該表面に設けられている。はみだし部は、銅回路部3または銅放熱板8の端部から面内方向に沿ってからはみだしている。
図1に示すように、はみだし部は、第1はみだし部6を含む。第1はみだし部6では、チタンの含有量が70質量%以上100質量%以下の範囲内である。第1はみだし部6では、チタンの含有量と窒素の含有量の合計が90質量%以上100質量%以下の範囲内であることが好ましい。
図2に示すように、はみだし部は、第2はみだし部7をさらに含んでも良い。第2はみだし部7は、接合部5と第1はみだし部6との間に設けられている。第2はみだし部7では、チタンの含有量が70質量%未満である。ろう材層4は、接合部5、第2はみだし部7、および第1はみだし部6が互いにつながった構造を有する。第1はみだし部6は、はみだし部の外側に位置する。第2はみだし部7が、はみだし部の内側に位置する。
接合部5とはみだし部との境界は、図3に示すように、銅回路部3または銅放熱板8の端部を基準とする。銅回路部3または銅放熱板8の端部から、セラミックス基板2の表面に対して垂直な線を引く。その垂直線からはみでた部分がはみだし部である。ろう材層はみだし部のことを、単に、はみだし部とも呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)

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