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公開番号2025045530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023153490
出願日2023-09-20
発明の名称車両用空調装置
出願人サンデン株式会社
代理人弁理士法人エビス国際特許事務所
主分類B60H 1/22 20060101AFI20250326BHJP(車両一般)
要約【課題】暖房負荷の増加に伴って要求される放熱量を確保しホットガス暖房モードを安定的に継続させながら所望の吹出温度を実現することで乗員の快適性を向上させる。
【解決手段】冷媒回路と、空調ユニットと、冷媒回路及び空調ユニットを制御する制御装置を備えた車両用空調装置において、圧縮機で圧縮した冷媒の一部をバイパスさせて圧縮機に戻すと共に残りを冷媒の放熱により車室内を暖房するホットガス暖房モードとを実行可能であり、ホットガス暖房モードの実行中に、暖房負荷が増加したと判定した場合に、前記圧縮機の目標回転数の上昇範囲を拡大させるように制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
圧縮機と、室内熱交換部と、外部熱交換部と、前記圧縮機で圧縮した冷媒の少なくとも一部を前記室内熱交換部及び前記外部熱交換部を経由させずに減圧して前記圧縮機に戻すホットガスバイパスと、を含む冷媒回路と、
内部に前記室内熱交換部が配置され、内部に導入する空気の内外気割合を調整するエアダンパと、導入された送風する送風機とを有する空調ユニットと、
前記冷媒回路及び前記空調ユニットを制御し、前記圧縮機で圧縮した冷媒の一部を前記ホットガスバイパスに流して前記圧縮機に戻すと共に残りを前記室内熱交換部において放熱させるホットガス暖房モードを実行可能である制御装置と、を備えた車両用空調装置において、
前記制御装置は、
ホットガス暖房モードの実行中に、暖房負荷が増加したと判定した場合に、前記圧縮機の目標回転数の上昇範囲を拡大させるように制御する、車両用空調装置。
続きを表示（約 710 文字）【請求項２】
圧縮機と、室内熱交換部と、外部熱交換部と、前記圧縮機で圧縮した冷媒の少なくとも一部を前記室内熱交換部及び前記外部熱交換部を経由させずに減圧して前記圧縮機に戻すホットガスバイパスと、を含む冷媒回路と、
内部に前記室内熱交換部が配置され、内部に導入する空気の内外気割合を調整するエアダンパと、導入された送風する送風機とを有する空調ユニットと、
前記冷媒回路及び前記空調ユニットを制御し、前記圧縮機で圧縮した冷媒の一部を前記ホットガスバイパスに流して前記圧縮機に戻すと共に残りを前記室内熱交換部において放熱させるホットガス暖房モードを実行可能である制御装置と、を備えた車両用空調装置において、
前記制御装置は、
ホットガス暖房モードの実行中に、予定された走行経路における外部環境を示す外部環境情報を取得し、前記外部環境情報に基づいて暖房負荷が増加すると予測した場合に、前記圧縮機の目標回転数の上昇範囲を拡大させるように制御する、車両用空調装置。
【請求項３】
前記制御装置は、
暖房負荷の増加に基づく前記圧縮機の目標回転数に対応させて、前記室内熱交換部における放熱量を増加させるように制御することで前記上昇範囲を拡大させる、請求項１又は請求項２記載の車両用空調装置。
【請求項４】
前記制御装置は、
前記送風機による前記室内熱交換部への送風量を増加させ、
前記送風機による送風量が上限値である場合には、前記空調ユニットに導入する外気の割合を増加させるように前記エアダンパを制御する、請求項３記載の車両用空調装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用空調装置に関するものである。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、車両に搭載されたバッテリから供給される電力によって走行用モータを駆動するハイブリッド自動車や電気自動車等の車両が普及している。このような車両に搭載される車両用空調装置として、ヒートポンプ（冷媒回路）を熱源とするものが知られている。
【０００３】
ヒートポンプを利用した車両用空調装置では、暖房運転時に、室外熱交換器などの車室外に配置された外部熱交換器を吸熱器として機能させ、外気等から暖房熱源を得ている（吸熱暖房）。このため、外気温が極低温になると、外気等からの吸熱が難しくなり、暖房能力が大きく低下することになる。これに対し、極低温環境下で有効な暖房として、外気等から吸熱を行わずに、圧縮機から吐出された高温高圧冷媒を利用するホットガス暖房が知られている。
【０００４】
例えば、特許文献１の車両用空調装置では、圧縮機から吐出した高温高圧冷媒のうち、一部をバイパス流路に流して減圧した後に圧縮機に戻し、残りを室内熱交換器において車室内への送風空気と熱交換させた後に減圧させ、外部熱交換器を経由させずに圧縮機に戻す、ホットガス暖房モードを実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２３－４６６０４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述のホットガス暖房モードは、圧縮機の仕事によって生じた熱を用いて送風空気を加熱する運転モードであり、圧縮機の仕事量（入熱量）が室内熱交換器における空気の加熱能力（放熱能力）となる。このため、車両用空調装置では、ホットガス暖房モードを安定して動作させるために、圧縮機における入熱量と室内熱交換器における放熱量とをバランスさせるように各構成が制御される。
【０００７】
ところで、室内熱交換器での放熱量は、冷媒の流量が一定の場合には、送風機から送風されて室内熱交換器を通過する空気の風量に依存するので、送風機の駆動状態によって室内熱交換器における放熱量が変動する。つまり、送風機を最大回転数で駆動させると室内熱交換器を通過する空気が最大風量となり、室内熱交換機における放熱量も最大となる。
【０００８】
従って、例えば、送風機が最大回転数で駆動している状況下で暖房負荷が増加すると、圧縮機での入熱量を増加させるが、室内熱交換器での放熱量を増加させることができないため、放熱量に対して入熱量が大きくなり、入熱量と放熱量とのバランスを維持することができない。この場合、圧縮機の吸入側（低圧側）冷媒の圧力及び温度が上昇し、これに伴って、吐出側（高圧側）冷媒の圧力及び温度も上昇するので、吐出側（高圧側）冷媒の圧力が上限値を超え、ホットガス暖房モードが安定して動作できずに車両用空調装置が停止する虞がある。
【０００９】
一方で、圧縮機における入熱量と室内熱交換器における放熱量とをバランスさせるために、圧縮機における入熱量を抑制すると、暖房負荷の増加に応じた所望の暖房を行うことができない、すなわち、吹出温度を所望の温度まで上昇させることができない等の不具合がある。
【００１０】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、暖房負荷の増加に伴って要求される放熱量を確保することでホットガス暖房モードを安定的に継続させながら所望の吹出温度を実現し、乗員の快適性を向上させること、などを課題としている。
【課題を解決するための手段】
（【００１１】以降は省略されています）

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