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公開番号2025037175
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-17
出願番号2023143987
出願日2023-09-05
発明の名称光通信用受光素子及び光通信デバイス
出願人国立大学法人静岡大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類H10F 30/20 20250101AFI20250310BHJP()
要約【課題】偏波弁別性、波長分別性、高速応答性、及び薄型化に優れる光通信用受光素子の提供。
【解決手段】光通信用受光素子は、半導体層又は誘電体層と、前記半導体層又は誘電体層上に形成された半導体光吸収層と、前記半導体光吸収層上に形成された短波赤外透明層と、前記短波赤外透明層上に形成された金属回折格子と、を備え、前記金属回折格子の上方から入射された短波赤外光が入射され、該短波赤外光により前記金属回折格子と前記短波赤外透明層との界面に表面プラズモン共鳴波が励起されるように前記金属回折格子の周期pが設定され、前記金属回折格子の周期pと、前記3つの層(半導体層又は誘電体層、半導体光吸収層及び短波赤外透明層)をクラッドコア光導波路に見立てた導波路モード伝搬波長βとが、β=p×0.9~1.1である条件を満たすように前記半導体光吸収層の厚さが設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
半導体又は誘電体から構成される半導体層又は誘電体層と、
前記半導体層又は誘電体層上に形成された半導体光吸収層と、
前記半導体光吸収層上に形成された短波赤外透明層と、
前記短波赤外透明層上に形成された金属回折格子と、を備え、
前記金属回折格子の上方から入射された短波赤外光により前記金属回折格子と前記短波赤外透明層との界面に表面プラズモン共鳴波が励起されるように前記金属回折格子の周期pが設定され、
前記金属回折格子の周期pと、前記3つの層をクラッドコア光導波路に見立てた導波路モード伝搬波長βとが、β=p×0.9~1.1である条件を満たすように前記半導体光吸収層の厚さが設定された光通信用受光素子。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記周期pは、200nm~1000nmである請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項3】
前記半導体光吸収層の厚さは、100nm~600nmである請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項4】
前記短波赤外透明層の厚さは、600nm以下である請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項5】
前記金属回折格子のDuty比は0.5~0.9であり、前記金属回折格子の高さは100nm~500nmである、請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項6】
前記半導体層又は誘電体層及び前記短波赤外透明層は、それぞれ独立に、InP、InAlAs、Si及びSiO

からなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記半導体光吸収層は、InGaAs、Si

Ge
1-x
、Ge、GaN、GaAs及びSiからなる群より選択される少なくとも1つを含む請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項7】
前記金属回折格子は、Al、Ag、Au及びCuからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む請求項1に記載の光通信用受光素子。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の光通信用受光素子が配置された受光部を備える光通信デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信用受光素子及び光通信デバイスに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年の光通信事業の進展は目覚ましく、情報トラフィックは年々増加傾向にある。5G通信の次世代情報通信インフラとしてBeyond5Gの導入が検討されている。Beyond5Gでは、ペタビット級の情報容量伝送を目標としているため、高感度かつ高速応答性を有する光通信用受光デバイスの開発が求められている。また、時空間分割多重技術が進展しており、多値変調方式では位相情報の取得が求められる。
従来の導波路分岐による面内信号入出力方式では、光カプラ、分波器、偏光子、受信器、それらを接続する光導波路などを備える必要がある。このため、1チャネルあたり平方ミリメートルの面積を必要とし、多チャネルの集積化及び並列化が困難であった。
【0003】
前述の問題を解決する手法として、垂直入射型コヒーレント受信器が非特許文献1にて提案されており、近年、多値変調方式による高速光信号の受信が実証されている。この垂直入射型コヒーレント受信器は、金属回折格子の表面プラズモン共振を利用して、特定の偏光に対する透過性を向上させている。例えば、偏波弁別性を高めるために、金属回折格子の周期を1,100nmに設計すると共に、InGaAs光吸収率を高めて、高感度にするために、InGaAsの厚さを800nmに設計している。
【0004】
特許文献1では、光吸収層を含む半導体層と、前記半導体層上に設けられ、当該半導体層とショットキー接合を形成し、スリット状開口を有し、前記スリット状開口の長軸方向に垂直な偏光の入射光に対して表面プラズモンを誘起することが可能な周期と、前記スリット状開口の長軸方向に平行な偏光の入射光に対して十分な透過率が得られる厚さを有する金属周期構造体と、前記半導体層と前記金属周期構造体上に形成された反射防止膜と、前記半導体層の下部に設けられた半導体多層反射膜と、を備える半導体受光素子が提案されている。特許文献1で提案されている半導体受光素子では、スリット状開口の長軸方向に垂直な偏光であるTM(Transverse Magnetic)偏光及びスリット状開口の長軸方向に平行な偏光であるTE(Transverse Electric)偏光の両方に対して高い透過率を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2010/021073
【0006】
Takuo Tanemura et.al、「Ultra-Broadband Surface-Normal Coherent Optical Receiver with Nanometallic Polarizers」、ACS Photonics 2022 9, 2842-2849
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1にて提案されている半導体受光素子では、TM偏光及びTE偏光の両方に対して高い透過率を有し、入射光偏光方向に対する依存性を小さくすることを目的としている。一方、光信号の多重化技術の1つである多値変調方式では、位相を検出することが求められており、位相検出を可能とする観点から、特定の偏光に対する透過性を向上させる偏波弁別性に優れた半導体受光素子が求められている。
【0008】
非特許文献1にて提案されている垂直入射型コヒーレント受信器では、特定の偏光に対する透過性を向上させる偏波弁別性に優れているが、広波長範囲のTM入射光を吸収させることを目的としている。一方、特定の波長の光を選択的に吸収する波長分別性を高め、受信器毎に異なる特定の波長の光を選択的に吸収可能とすることも求められている。
【0009】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、偏波弁別性、波長分別性、高速応答性、及び薄型化に優れる光通信用受光素子及びこれに備える光通信デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 半導体層又は誘電体層と、
前記半導体層又は誘電体層上に形成された半導体光吸収層と、
前記半導体光吸収層上に形成された短波赤外透明層と、
前記短波赤外透明層上に形成された金属回折格子と、を備え、
前記金属回折格子の上方から入射された短波赤外光により前記金属回折格子と前記短波赤外透明層との界面に表面プラズモン共鳴波が励起されるように前記金属回折格子の周期pが設定され、
前記金属回折格子の周期pと、前記3つの層をクラッドコア光導波路に見立てた導波路モード伝搬波長βとが、β=p×0.9~1.1である条件を満たすように前記半導体光吸収層の厚さが設定された光通信用受光素子。
<2> 前記周期pは、200nm~1000nmである<1>に記載の光通信用受光素子。
<3> 前記半導体光吸収層の厚さは、100nm~600nmである<1>又は<2>に記載の光通信用受光素子。
<4> 前記短波赤外透明層の厚さは、600nm以下である<1>~<3>のいずれか1つに記載の光通信用受光素子。
<5> 前記金属回折格子のDuty比は0.5~0.9であり、前記金属回折格子の高さは100nm~500nmである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の光通信用受光素子。
<6> 前記半導体層又は誘電体層及び前記短波赤外透明層は、それぞれ独立に、InP、InAlAs、Si及びSiO

からなる群より選択される少なくとも1つを含み、
前記半導体光吸収層は、InGaAs、Si

Ge
1-x
、Ge、GaN、GaAs及びSiからなる群より選択される少なくとも1つを含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の光通信用受光素子。
<7> 前記金属回折格子は、Al、Ag、Au及びCuからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む<1>~<6>のいずれか1つに記載の光通信用受光素子。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載の光通信用受光素子が配置された受光部を備える光通信デバイス。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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