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公開番号2025088361
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023203028
出願日2023-11-30
発明の名称貴金属含有材料を製造する方法、貴金属含有材料、膜電極接合体及び燃料電池
出願人国立大学法人静岡大学,静岡県
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/86 20060101AFI20250604BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本開示は、微小な貴金属原子が炭素質材料を含む担体中に分散され、十分な触媒性能を発揮し得る材料を、より少ない工程で簡易に製造できる方法に関する。
【解決手段】炭素原料、貴金属原子を含むポリオキソメタレート化合物、及び、水を含む親水性溶媒を含み、炭素原料が親水性溶媒に溶解又は分散し、ポリオキソメタレート化合物が親水性溶媒に溶解している、混合液を準備することと、混合液から、炭素原料及びポリオキソメタレート化合物を含む固体混合物を取り出すことと、固体混合物を焼成することにより、炭素質材料を含む担体と貴金属原子を含む金属粒子とを含む、貴金属含有材料を形成することと、を含む、貴金属含有材料を製造する方法。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項１】
炭素原料、貴金属原子を含むポリオキソメタレート化合物、及び、水を含む親水性溶媒を含み、前記炭素原料が前記親水性溶媒に溶解又は分散し、前記ポリオキソメタレート化合物が前記親水性溶媒に溶解している、混合液を準備することと、
前記混合液から、前記炭素原料及び前記ポリオキソメタレート化合物を含む固体混合物を取り出すことと、
前記固体混合物を焼成することにより、前記炭素原料の炭素化により生成した炭素質材料を含む担体と、前記担体に担持された、前記貴金属原子を含む金属粒子とを含む、貴金属含有材料を形成することと、
を含み、
前記ポリオキソメタレート化合物が、金属置換ポリオキソメタレートと、その対イオンと、を有し、
前記金属置換ポリオキソメタレートが、１個以上の欠損サイトを有するポリオキソメタレートと、前記欠損サイトに導入された前記貴金属原子と、を有する、
貴金属含有材料を製造する方法。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記炭素原料が、窒素原子を含む有機化合物を含む、請求項１に記載の方法。
【請求項３】
前記炭素原料が、１μｍ未満の繊維径を有するナノファイバー、１μｍ以上１ｍｍ未満の繊維径を有するマイクロファイバー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の方法。
【請求項４】
前記炭素原料が前記ナノファイバーを含み、前記ナノファイバーが、キトサンナノファイバー、キチンナノファイバー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項３に記載の方法。
【請求項５】
前記貴金属原子が白金、パラジウム、ルテニウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の方法。
【請求項６】
請求項１に記載の方法により、炭素質材料を含む担体、及び貴金属原子を含む金属粒子を含む、貴金属含有材料を準備することと、
前記貴金属含有材料を含む電極触媒層を形成することと、
を含む、電極触媒層を製造する方法。
【請求項７】
炭素質材料、及び遷移金属原子を含む、担体と、
前記担体に担持された、貴金属原子を含む金属粒子と、
を含む、貴金属含有材料。
【請求項８】
繊維状である、請求項７に記載の貴金属含有材料。
【請求項９】
前記金属粒子の粒径が１００ｎｍ以下である、請求項７に記載の貴金属含有材料。
【請求項１０】
電解質膜と、前記電解質膜上に配置された電極触媒層と、を備え、
前記電極触媒層が請求項７に記載の貴金属含有材料を含む、
燃料電池用膜電極接合体。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、貴金属含有材料を製造する方法、貴金属含有材料、膜電極接合体及び燃料電池に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
燃料電池の膜電極接合体（ＭＥＡ）を構成する電極触媒層を形成する材料として、白金担持炭素材料（Ｐｔ／Ｃ）が広く適用されている。Ｐｔ／Ｃは、一般に、炭素原料の炭素化によって炭素質材料を形成することと、炭素質材料を白金を含む溶液に浸漬することと、白金を還元することにより白金粒子を炭素質材料の表面に析出させることとを含む、多段階の工程で製造される。酸化チタン粒子による光触媒反応を利用して、中空構造を有する炭素質材料に白金粒子を担持させる方法も提案されている（非特許文献１）。
【０００３】
一方、本発明者はこれまでに、白金等の貴金属原子を含むポリオキソメタレート化合物、及びその焼成体が、水素を製造するための光触媒活性を有することを見出してきた（特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特許第６７６２６０１号公報
【非特許文献】
【０００５】
Langmuir 2008, 24, 6307-6312
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本開示は、貴金属原子を含む微小な金属粒子が炭素質材料を含む担体中に分散され、十分な触媒性能を発揮し得る材料を、より少ない工程で簡易に製造できる方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本開示は以下を含む。
［１］
炭素原料、貴金属原子を含むポリオキソメタレート化合物、及び、水を含む親水性溶媒を含み、前記炭素原料が前記親水性溶媒に溶解又は分散し、前記ポリオキソメタレート化合物が前記親水性溶媒に溶解している、混合液を準備することと、
前記混合液から、前記炭素原料及び前記ポリオキソメタレート化合物を含む固体混合物を取り出すことと、
前記固体混合物を焼成することにより、前記炭素原料の炭素化により生成した炭素質材料を含む担体と、前記担体に担持された、前記貴金属原子を含む金属粒子とを含む、貴金属含有材料を形成することと、
を含み、
前記ポリオキソメタレート化合物が、金属置換ポリオキソメタレートと、その対イオンと、を有し、
前記金属置換ポリオキソメタレートが、１個以上の欠損サイトを有するポリオキソメタレートと、前記欠損サイトに導入された前記貴金属原子と、を有する、
貴金属含有材料を製造する方法。
［２］
前記炭素原料が、窒素原子を含む有機化合物を含む、［１］に記載の方法。
［３］
前記炭素原料が、１μｍ未満の繊維径を有するナノファイバー、１μｍ以上１ｍｍ未満の繊維径を有するマイクロファイバー、又はこれらの組み合わせを含む、［１］又は［２］に記載の方法。
［４］
前記炭素原料が前記ナノファイバーを含み、前記ナノファイバーが、キトサンナノファイバー、キチンナノファイバー、又はこれらの組み合わせを含む、［３］に記載の方法。
［５］
前記貴金属原子が白金、パラジウム、ルテニウム、又はこれらの組み合わせを含む、［１］～［４］のいずれかに記載の方法。
［６］
［１］～［５］のいずれかに記載の方法により、炭素質材料を含む担体、及び貴金属原子を含む金属粒子を含む、貴金属含有材料を準備することと、
前記貴金属含有材料を含む電極触媒層を形成することと、
を含む、電極触媒層を製造する方法。
［７］
炭素質材料、及び遷移金属原子を含む、担体と、
前記担体に担持された、貴金属原子を含む金属粒子と、
を含む、貴金属含有材料。
［８］
繊維状である、［７］に記載の貴金属含有材料。
［９］
前記金属粒子の粒径が１００ｎｍ以下である、［７］又は［８］に記載の貴金属含有材料。
［１０］
電解質膜と、前記電解質膜上に配置された電極触媒層と、を備え、
前記電極触媒層が［７］～［９］のいずれかに記載の貴金属含有材料を含む、
燃料電池用膜電極接合体。
［１１］
［１０］に記載の燃料電池用膜電極接合体を備える、燃料電池。
【発明の効果】
【０００８】
貴金属原子を含む微小な金属粒子が炭素材料中に分散され、十分な触媒性能を発揮し得る材料を、より少ない工程で簡易に製造することができる。廃棄物に含まれるキチン等のバイオマス材料を有効に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
貴金属含有材料を製造する方法の例を示すフローチャートである。
膜電極接合体（ＭＥＡ）の例を示す断面図である。
貴金属含有材料の透過型電子顕微鏡像である。
燃料電池の初期のＩ－Ｖカーブである。
燃料電池の耐久試験におけるＥＣＳＡと負荷応答サイクルの回数との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明は以下の例に限定されない。
（【００１１】以降は省略されています）

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