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公開番号2024175382
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023093129
出願日2023-06-06
発明の名称中性子半導体検出器及び中性子半導体検出器を製造する方法
出願人国立大学法人静岡大学
代理人個人,個人,個人
主分類G01T 3/00 20060101AFI20241211BHJP(測定;試験)
要約【課題】空間分解能を向上させる。
【解決手段】中性子半導体検出器1は、第1電極31と、第1電極31に接するように形成される主面を有し、第1電極31に電気的に接続され、P型半導体である窒化ガリウム(GaN)又はGaNと窒化ボロン(BN)とを混晶させた窒化ボロンガリウム(BGaN)を含むP層32と、P層32において主面に対して逆側の裏面に接するように形成され、真性半導体であるBGaNを含むI層33と、I層33上に形成され、N型半導体であるGaN又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含むN層34と、N層34に電気的に接続され、N層34上に配列された複数の第2電極35と、を備える。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極に接するように形成される主面を有し、前記第1電極に電気的に接続され、P型半導体である窒化ガリウム(GaN)又はGaNと窒化ボロン(BN)とを混晶させた窒化ボロンガリウム(BGaN)を含むP層と、
前記P層において前記主面に対して逆側の裏面に接するように形成され、真性半導体であるBGaNを含むI層と、
前記I層上に形成され、N型半導体であるGaN又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含むN層と、
前記N層に電気的に接続され、前記N層上に配列された複数の第2電極と、を備える、中性子半導体検出器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記P層のキャリア濃度は1×10
16
cm
-3
以上1×10
20
cm
-3
以下であり、
前記I層のキャリア濃度は0cm
-3
以上1×10
16
cm
-3
以下であり、
前記N層のキャリア濃度は1×10
16
cm
-3
以上1×10
20
cm
-3
以下である、請求項1に記載の中性子半導体検出器。
【請求項3】
前記N層の厚みは、前記I層の厚みより小さく、
前記N層の厚みは、前記P層の厚みより大きい、請求項1又は請求項2に記載の中性子半導体検出器。
【請求項4】
前記P層、前記I層及び前記N層が積層された方向から見て、前記第1電極が前記P層に接続された領域と重複する前記N層の領域に、複数の前記第2電極が設けられている、請求項1又は請求項2に記載の中性子半導体検出器。
【請求項5】
第1基板の主面に窒化ガリウム(GaN)を含むバッファ層を形成する工程と、
前記バッファ層の主面上に、N型半導体であるGaN又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含むN層と、GaNと窒化ボロン(BN)とを混晶させた真性半導体の窒化ボロンガリウム(BGaN)を含むI層と、P型半導体であるGaN又はBGaNを含むP層と、をこの順に積層する工程と、
前記P層の主面上に、前記P層に電気的に接続される第1電極を形成する工程と、
前記第1基板及び前記バッファ層を取り除くことにより、前記N層が露出した面を形成する工程と、
前記N層が露出した面に、前記N層に電気的に接続される第2電極を形成する工程と、を有する、中性子半導体検出器を製造する方法。
【請求項6】
前記バッファ層を形成する工程では、前記第1基板としてシリコンを主成分として含む基板を用いる、請求項5に記載の中性子半導体検出器を製造する方法。
【請求項7】
前記N層が露出した面を形成する工程では、ウエットエッチングを用いる、請求項6に記載の中性子半導体検出器を製造する方法。
【請求項8】
前記バッファ層を形成する工程では、前記第1基板として、多結晶窒化アルミニウム(AlN)を主成分として含む層と、前記窒化アルミニウム(AlN)を主成分として含む層の上に形成されたシリコンを主成分として含む層と、を含む複合基板を用いる、請求項5に記載の中性子半導体検出器を製造する方法。
【請求項9】
前記N層が露出した面を形成する工程では、高圧高温水エッチングを用いる、請求項8に記載の中性子半導体検出器を製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、中性子半導体検出器及び中性子半導体検出器を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、中性子検出器を開示する。特許文献1に記載の中性子検出器は、P型半導体又はN型半導体であるシリコン基板と、シリコン基板上に形成されたシリコン酸化膜と、シリコン酸化膜上に形成されたコンバータ層と、複数の検出部と、検出部に電気的に接続された配線と、を備えている。コンバータ層は、ホウ素(B)を含有することで中性子の入射に応じてα線を生成する。複数の検出部は、N型半導体又はP型半導体を有することでシリコン基板との間でPN接合を形成する。そして、複数の検出部は、コンバータ層により生成されたα線の入射に応じて電子及びホールを生成する。
【0003】
本願発明者らによる特許文献2も、中性子半導体検出器を開示する。この中性子半導体検出器は、サファイア基板上に形成されたP層、I層及びN層を含む積層体を有する。P層の主面には、I層及び第1電極が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-181065号公報
特開2018-141749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当該技術分野では、中性子半導体検出器の空間分解能の向上が望まれている。例えば、特許文献2の中性子半導体検出器9(図10(c)参照)は、絶縁体であるサファイア基板91上にP層92、I層93及びN層94を含む積層体がこの順で形成されている。検出器の機能を発揮するためには、最上層のN層94に電極94Eを設けると共に最下層のP層92にも電極92Eを設ける必要がある。最下層のP層92に電極92Eを設けるためには、まず、マスク97などを利用してN層94の一部94a及びI層93の一部93aをエッチングすることによりP層92を露出させる(図10(a)参照)。次に、露出させたP層92に対して電極92Eを設ける必要がある(図10(b)参照)。その後、パッシベーション膜98(図10(c)参照)を設けることにより中性子半導体検出器9が得られる。このエッチングにより形成された溝部は、中性子を検出する機能を奏しない。従って、中性子半導体検出器の空間分解能を向上させることが難しかった。
【0006】
本発明は、空間分解能を向上させることが可能な中性子半導体検出器及び中性子半導体検出器を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である中性子半導体検出器は、第1電極と、第1電極に接するように形成される主面を有し、第1電極に電気的に接続され、P型半導体である窒化ガリウム(GaN)又はGaNと窒化ボロン(BN)とを混晶させた窒化ボロンガリウム(BGaN)を含むP層と、P層において主面に対して逆側の裏面に接するように形成され、真性半導体であるBGaNを含むI層と、I層上に形成され、N型半導体であるGaN又は窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含むN層と、N層に電気的に接続され、N層上に配列された複数の第2電極と、を備える。
【0008】
この中性子半導体検出器は、P層に設けられた第1電極と、N層に配列された複数の第2電極と、を備えている。第1電極は、P層がI層と接する裏面とは逆側であるP層の主面に設けられている。この構成によると、第1電極を設けるために、N層及びI層をエッチングしてP層の主面を露出させる工程が不要である。その結果、中性子を検出する機能を奏しない溝部が形成されない。従って、中性子半導体検出器は、空間分解能を向上することができる。
【0009】
上記の中性子半導体検出器において、P層のキャリア濃度は1×10
16
cm
-3
以上1×10
20
cm
-3
以下であり、I層のキャリア濃度は0cm
-3
以上1×10
16
cm
-3
以下であり、N層のキャリア濃度は1×10
16
cm
-3
以上1×10
20
cm
-3
以下であってもよい。この構成によれば、中性子を良好に検出することができる。
【0010】
上記の中性子半導体検出器において、N層の厚みは、I層の厚みより小さく、N層の厚みは、P層の厚みより大きくてもよい。この構成によっても、中性子を良好に検出することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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