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公開番号2025024390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128460
出願日2023-08-07
発明の名称酸化イリジウム及びその製造方法、それを用いたプロトン交換膜型水電解槽用膜電極接合体およびプロトン交換膜型水電解槽
出願人石福金属興業株式会社
代理人弁理士法人小田島特許事務所
主分類C25B 11/042 20210101AFI20250213BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】
プロトン交換膜型水電解に好適な、高い初期活性を有し、かつ、長期運転時の安定性に優れた酸化イリジウムの提供。
【解決手段】
ルチル構造の酸化イリジウムであって前記酸化イリジウムはX線回折によるルチル構造酸化イリジウムの(110)面のピークから算出した結晶子サイズが2.0nm以上4.0nm以下であり、且つ窒素吸着測定により測定されたBET比表面積が70m2/g以上120m2/g以下であることを特徴とする酸化イリジウム。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ルチル構造の酸化イリジウムであって、X線回折によるルチル構造酸化イリジウムの(110)面のピークから算出した結晶子サイズが2.0nm以上4.0nm以下であり、且つ窒素吸着測定により測定されたBET比表面積が70m

/g以上120m

/g以下であることを特徴とする前記酸化イリジウム。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
電子顕微鏡により観察した形態が長径200nm以下、短径10nm以下の針状又は柱状構造粒子の集合体であり、前記集合体の直径が1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化イリジウム。
【請求項3】
加熱されたイリジウム含有酸性水溶液に酸化剤を添加して酸化剤含有水溶液を調製し、こうして得られた水溶液にアルカリ水溶液を加えて中和することにより水酸化イリジウムの沈澱を生じさせ、
前記沈澱を含む水溶液をろ過し、残存する沈澱を洗浄して、水酸化イリジウムのろ過ケーキを取得し、
前記ろ過ケーキに塩酸を添加処理して得られた水酸化イリジウム縣濁液を溶媒留去した後、溶媒を留去した乾固物を酸素含有雰囲気下で420~470℃で焼成することを特徴とする請求項1又は2記載の酸化イリジウムの製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の酸化イリジウムが電極に含有されていることを特徴とするプロトン交換膜型水電解用膜電極接合体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の酸化イリジウムが膜電極接合体の電極に含有されていることを特徴とするプロトン交換膜型水電解槽。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はプロトン交換膜型の水電解槽、水電解槽等に用いる酸化イリジウムに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、水電解による水素製造技術が注目されている。例えば、プロトン交換膜型水電解槽は、フィルム状のプロトン交換膜を含む電解質層を用いるのが特徴である。
【0003】
プロトン交換膜型水電解槽の構成は、一般的には、膜電極接合体(以下、「MEA」と記載する。)を1対のセパレータで挟持した単電解セルを複数積層した構造となっている。MEAは、電極触媒を高分散した電極触媒層により電解質層が挟持された構造を有する。前記電極触媒層は、電極とも呼ばれている。
【0004】
前記MEAでは、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、陽極(アノード)側に供給された水は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子、ならびに酸素となる。次に、生成したプロトンは、電極触媒層に含まれるプロトン導電性電解質、さらに電極触媒層と接触しているプロトン交換膜を通り、陰極(カソード)側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、電極触媒層を、さらに電極触媒層のプロトン交換膜と異なる側に接触している多孔質移動層、セパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子が反応し、水素を生成する。水電解では、上述した電気化学的反応を通して、水素製造が可能となる。
【0005】
従来の電極触媒では、アノードは酸化イリジウムなど貴金属酸化物を用い、カソードは、炭素を主成分とするカーボンを担体として、これに白金または白金合金等の触媒粒子を担持させた触媒担持カーボン等が用いられている。
【0006】
プロトン交換膜型水電解槽は、イリジウムを多量に使用したアノードのコストが問題となっている。イリジウムは希少かつ高価なため、プロトン交換膜型水電解槽の普及拡大に向けて、アノード触媒のイリジウム量削減に資する高活性であり、且つ長期運転を見据えた安定性に優れた触媒が求められている。
【0007】
それゆえに、従来から高い初期活性を有し、且つ安定性に優れた触媒や、長期間に亘り安定した電解性能を示すMEAに関して、様々な研究開発がなされている。
【0008】
先行特許文献1には、非晶質な酸化イリジウムが記載されているが安定性の観点から結晶性の酸化イリジウムが求められる。
【0009】
先行特許文献2には、イリジウムとルテニウムを含む触媒層が記載されているが長期運転における安定性の観点からルテニウムを含まない触媒層が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第7297962号
特開2021-045709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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