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公開番号
2025012169
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023114800
出願日
2023-07-13
発明の名称
隔膜セル及び電子顕微鏡
出願人
株式会社日立製作所
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
H01J
37/20 20060101AFI20250117BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】隔膜セルを用いた液中環境観察またはガス中環境観察において、隔膜のたわみの影響を受けることなく、高精度な計測を可能とする。
【解決手段】電子顕微鏡で観察する試料を保持するための隔膜セルであって、第1の隔膜3と、第1の隔膜を支持し第1の開口部4を有するフレームとを備える第1のチップ1と、第2の隔膜7と、第2の隔膜を支持し第2の開口部8を有するフレーム6とを備える第2のチップ5と、試料保持部材11と、を有し、第1のチップと第2のチップとは、第1の隔膜と第2の隔膜とが対向し、上面視で第1の開口部と第2の開口部とが重なるように配置され、試料保持部材は、上面視で第2の開口部の輪郭を跨るように、第2の隔膜上に設置され、試料71は、試料保持部材の上面視で第2の開口部内に位置する領域に付着させられる。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
電子顕微鏡で観察する試料を保持するための隔膜セルであって、
第1の隔膜と、前記第1の隔膜を支持し第1の開口部を有するフレームとを備える第1のチップと、
第2の隔膜と、前記第2の隔膜を支持し第2の開口部を有するフレームとを備える第2のチップと、
試料保持部材と、を有し、
前記第1のチップと前記第2のチップとは、前記第1の隔膜と前記第2の隔膜とが対向し、上面視で前記第1の開口部と前記第2の開口部とが重なるように配置され、
前記試料保持部材は、上面視で前記第2の開口部の輪郭を跨るように、前記第2の隔膜上に設置され、
前記試料は、前記試料保持部材の上面視で前記第2の開口部内に位置する領域に付着させられる隔膜セル。
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【請求項2】
請求項1において、
前記試料保持部材は、前記第2の隔膜に接する底面と前記底面に対して垂直な側面とを有し、
前記側面は、上面視で前記第2の開口部内に位置し、
前記試料は、前記試料保持部材の前記側面に付着させられる隔膜セル。
【請求項3】
請求項1において、
前記試料保持部材は、前記第2の隔膜に接する底面と前記底面に対して所定の角度を有して交わる面とを有し、
前記面は前記底面に対して平行に突出する突起部を備え、少なくとも前記突起部の頂部は上面視で前記第2の開口部内に位置し、
前記試料は、前記突起部の前記頂部に付着させられる隔膜セル。
【請求項4】
請求項3において、
前記突起部の断面形状は矩形または楔形である隔膜セル。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1の隔膜と前記第2の隔膜との間隔は、前記第1の隔膜と前記第2の隔膜との間に位置するスペーサーの厚みによって定められ、
前記試料保持部材の厚みは前記スペーサーの厚みよりも薄い隔膜セル。
【請求項6】
請求項1において、
前記試料保持部材を前記第2の隔膜上に固定する固定具を備える隔膜セル。
【請求項7】
請求項6において、
前記第2のチップは、前記第2の隔膜上に、上面視で前記第2の開口部を挟んで対向する第1の電極と第2の電極とを備え、
前記固定具は、前記第1の電極と前記試料保持部材とに接続される隔膜セル。
【請求項8】
電子源と、
前記電子源からの電子線を集束させる集束レンズと、
前記電子線を偏向する偏向器と、
上部磁極片と下部磁極片とを備える対物レンズと
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の隔膜セルを、前記上部磁極片と前記下部磁極片との間に挿入する試料ホルダと、
前記試料を透過した電子波と参照電子波を重ね合わせて電子線干渉縞を形成する電子線バイプリズムと、
前記電子線干渉縞を拡大して結像する結像レンズ系と、
前記結像レンズ系によって得られる前記電子線干渉縞の像を取得する撮影部と、を有する電子顕微鏡。
【請求項9】
請求項8において、
前記偏向器が前記電子線を偏向する方向は、前記試料を透過した電子線が前記試料保持部材を透過しない方向に設定される電子顕微鏡。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子顕微鏡で観察する試料をガスまたは液体内で保持する隔膜セルとそれを搭載可能な電子顕微鏡に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
環境分野向けの電子顕微鏡観察ニーズの一つとして、例えば、隔膜セルを用いた液中環境またはガス中環境での触媒観察がある。液中環境またはガス中環境における観察にはしばしば図1のような隔膜セルが用いられる。図1に例示する隔膜セルは、2つのシリコンチップ(以下、Siチップ)1,5を組み合わせて構成される。上側Siチップ1と下側Siチップ5の基本構成は同じであり、それぞれ隔膜3(7)と隔膜を支持するフレーム2(6)とを備えている。フレーム2(6)には開口部4(8)が形成されている。なお、フレームの厚みはおよそ200μmである。また、下側Siチップ5には、試料を封入する空間を形成するためのスペーサー9が形成されている。例えば、フレーム2(6)は単結晶Si、隔膜3(7)はSiN薄膜、スペーサー9は金(Au)などの金属とすることにより、Siチップは半導体加工技術を用いて製造することができる。ただし、これらの材料に限定するものではない。さらに、Siチップを、隔膜上に試料を加熱するためのヒータや、試料に電界を印加するための電極などを形成したMEMSチップとすることにより、観察する試料の環境をさらに多様に制御することが可能になる。
【0003】
隔膜3と隔膜7で挟まれた空間に試料71を封じ、図示しない試料ホルダから試料71が封じられた空間の環境を制御する。この状態で、電子線53を照射して、試料71の観察を行う。この観察方法の課題は、電子線53が隔膜3,7を通過する際に電子線散乱が生じ、このため、試料71の観察像に像質の劣化が生じることである。
【0004】
特許文献1は、試料の観察に最低限必要な領域を電子線が通過できる微細な穴を隔膜に設けるとともに、上下の隔膜の間の位置に試料を支持する試料支持膜を設け、試料を支持する。試料支持膜として、薄いカーボン膜もしくは穴の開いた網目状のマイクログリッドを用いることで、試料に支持膜の模様がほとんどもしくは全く重畳されない状態で、試料の高画質な観察結果を得ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-12394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、特許文献1とは異なるアプローチにより、隔膜における電子線散乱による観察像の像質の劣化を抑えて試料の観察(電子線ホログラフィー像の取得)を行う手法を考案した(国際出願番号PCT/JP2022/020935)。本手法では、電子線53を照射して得られる試料71の情報に隔膜3,7の情報が重畳されていることを積極的に利用する。本手法では、電子線53を隔膜セルに対する入射角度を変えて照射し(例えば、図1に示す電子線53a~c)、入射角度を異ならせた電子線53により観測される電子波の振幅変化と位相を3次元再構成することにより、隔膜の振幅情報及び位相情報と試料の振幅情報及び位相情報とを分離する。本手法では、観察対象とする試料71が上側隔膜3と下側隔膜7のほぼ中央に位置していることが望ましい。
【0007】
しかし、液体あるいはガスを隔膜セル内に導入すると、隔膜3(7)の両面の圧力差により、開口部4(8)において隔膜3(7)にたわみが生じる。その様子を図2に示す。隔膜のたわみにより、隔膜上に保持されている試料71は隔膜間の中央に位置しなくなってしまう。これに対して、特許文献1開示の試料支持膜により試料を保持する方法を適用して、観察対象とする試料71が上側隔膜3と下側隔膜7のほぼ中央に位置させるとすると、入射角度を変えた電子線が試料とともに試料を支持している試料支持膜を透過することにより、隔膜の振幅情報及び位相情報から分離した試料の振幅情報及び位相情報には、試料支持膜の情報も含まれてしまっており、試料だけの振幅情報及び位相情報を抽出することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態である隔膜セルは、電子顕微鏡で観察する試料を保持するための隔膜セルであって、第1の隔膜と、第1の隔膜を支持し第1の開口部を有するフレームとを備える第1のチップと、第2の隔膜と、第2の隔膜を支持し第2の開口部を有するフレームとを備える第2のチップと、試料保持部材と、を有し、第1のチップと第2のチップとは、第1の隔膜と第2の隔膜とが対向し、上面視で第1の開口部と第2の開口部とが重なるように配置され、試料保持部材は、上面視で第2の開口部の輪郭を跨るように、第2の隔膜上に設置され、試料は、試料保持部材の上面視で第2の開口部内に位置する領域に付着させられる。
【発明の効果】
【0009】
隔膜セルを用いた液中環境観察またはガス中環境観察において、隔膜のたわみの影響を受けることなく、高精度な計測が可能となる。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の課題を説明するための図である。
本発明の課題を説明するための図である。
実施例1に係る、試料保持部材を設けた隔膜セルの断面図である。
実施例1に係る、試料保持部材を設けた隔膜セルの断面図である。
実施例1に係る、試料保持部材を設けた下側Siチップの鳥瞰図である。
実施例2に係る、試料保持部材を設けた下側Siチップの鳥瞰図である。
試料保持部材の作製方法を説明するための図である。
実施例3に係る、試料保持部材を設けた下側Siチップの鳥瞰図である。
顕微鏡システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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