TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025009895
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024091784
出願日2024-06-05
発明の名称接着方法並びにトナーセット及び接着装置
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/08 20060101AFI20250109BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】接着用の画像パターンを複数のトナー層で形成した場合においても、良好な接着強度と耐高温オフセット性の両方を兼ね備えることのできる接着方法並びにトナーセット及び接着装置。
【解決手段】シートの上に、第一のトナーの層と、第二のトナーの層と、をこの順に重ね合わせたパターンを形成し、該第二のトナーの層同士が接触するように該シートを重ね合わせて該パターンを加熱することにより該シートを接着させて接着物を得る工程を有する接着方法であって、トナーの示差走査熱量測定において180℃まで昇温し、冷却において得られるDSC曲線の発熱ピークにおいて35℃から75℃の範囲での発熱量に関し、該第一のトナーの該発熱量H1[J/g]と、該第二のトナーの該発熱量H2[J/g]と、が、下記式(1)及び(2)を満たす。
6.0≦H2≦24.0 ・・・(1)
H1<H2 ・・・(2)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
接着方法であって、
該接着方法は、
シートの第一の面の上に、第一のトナーを用いて第一の未定着トナー層を形成する工程、
該第一の未定着トナー層の上に、第二のトナーを用いて第二の未定着トナー層を形成する工程、
該第二の未定着トナー層の表面から加熱を行い、該第一の未定着トナー層及び該第二の未定着トナー層を該シートに定着して、該シート上に接着用画像パターンを形成する工程、及び、
同一のシート上または異なるシート上に形成された該接着用画像パターンを重ねた状態で加熱することにより該シートを接着させて接着物を得る工程、
を有し、
該接着用画像パターンは、表面に、該第二の未定着トナー層に由来する定着トナー像を有しており、
該第一のトナーにおける発熱量をH1[J/g]とし、該第二のトナーにおける発熱量をH2[J/g]としたとき、該H1及び該H2が、下記式(1)及び(2)を満たす、
6.0≦H2≦24.0 ・・・(1)
H1<H2 ・・・(2)
ただし、該H1及び該H2は、
(i)20℃から180℃まで10℃/分の速さで昇温する昇温工程、及び
(ii)10分間、180℃で保持した後、180℃から20℃まで10℃/分の速さで冷却する冷却工程、
を経たときの該冷却工程において得られるDSC曲線の発熱ピークにおける35℃から75℃の範囲での発熱量である;
ことを特徴とする接着方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
異なるシート上に形成された前記接着用画像パターンの前記定着トナー像同士を重ねた状態で加熱することにより前記シートを接着させて前記接着物を得る工程を有する、請求項1に記載の接着方法。
【請求項3】
前記H2と前記H1の差の値(H2-H1)が、1.5[J/g]以上である、請求項1または2に記載の接着方法。
【請求項4】
前記H1が、2.0~18.0[J/g]である、請求項1または2に記載の接着方法。
【請求項5】
前記第一のトナー及び前記第二のトナーがワックスを含む、請求項1または2に記載の接着方法。
【請求項6】
前記第一のトナーが、カーボンブラックを含むブラックトナーである、請求項1または2に記載の接着方法。
【請求項7】
接着方法に用いられるトナーセットであって、
該接着方法は、
シートの第一の面の上に、第一のトナーを用いて第一の未定着トナー層を形成する工程、
該第一の未定着トナー層の上に、第二のトナーを用いて第二の未定着トナー層を形成する工程、
該第二の未定着トナー層の表面から加熱を行い、該第一の未定着トナー層及び該第二の未定着トナー層を該シートに定着して、該シート上に接着用画像パターンを形成する工程、及び、
同一のシート上または異なるシート上に形成された該接着用画像パターンを重ねた状態で加熱することにより該シートを接着させて接着物を得る工程、
を有し、
該トナーセットは、該第一のトナーと該第二のトナーとを別個に有し、
該接着用画像パターンは、表面に、該第二の未定着トナー層に由来する定着トナー像を有しており、
該第一のトナーにおける発熱量をH1[J/g]とし、該第二のトナーにおける発熱量をH2[J/g]としたとき、該H1及び該H2が、下記式(1)及び(2)を満たす、
6.0≦H2≦24.0 ・・・(1)
H1<H2 ・・・(2)
ただし、該H1及び該H2は、
(i)20℃から180℃まで10℃/分の速さで昇温する昇温工程、及び
(ii)10分間、180℃で保持した後、180℃から20℃まで10℃/分の速さで冷却する冷却工程、
を経たときの該冷却工程において得られるDSC曲線の発熱ピークにおける35℃から75℃の範囲での発熱量である;
ことを特徴とするトナーセット。
【請求項8】
前記H2と前記H1の差(H2-H1)が、1.5[J/g]以上である、請求項7に記載のトナーセット。
【請求項9】
前記H1が、2.0~18.0[J/g]である、請求項7または8に記載のトナーセット。
【請求項10】
前記第一のトナーが、カーボンブラックを含むブラックトナーである、請求項7または8に記載のトナーセット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法などを利用した接着印刷物作製に用いられる接着方法並びにトナーセット及び接着装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機などの画像形成装置を用いて、被着材であるシート上に粉体接着剤(以下、単に「トナー」とも呼ぶ)をパターン形成し、そのシートを重ね合わせて接着処理し、紙袋に加工する技術が開示されている。また、そのシートを複数重ねたシート束を後処理装置である冊子作製装置によって接着処理し、冊子とする技術が開示されている。この様な冊子作製装置が、複数色のトナーを用いたカラー画像を形成する画像形成装置に装備された場合、通常は接着用のトナー層を形成するためのトナーは予め1色に決められている。
【0003】
しかしながら、1色のトナーのみで接着用のトナー層を形成してしまうと、他の色のトナーと比べて接着用のトナーの消費量が増えてしまう。そこで、例えば特許文献1では、特定のトナーの消費量を増やさないために、カラー画像を形成する画像形成装置の複数のトナーを用いて接着用のトナー層を形成する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-209858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、本発明者らの検討により、上述したような冊子の作製において、複数のトナーを用いて接着用のトナー層を形成する場合、トナーの物性及びトナー層の積層順によっては、作製した冊子の接着強度が不十分になる場合があることがわかった。また、十分な冊子の接着強度を得られるトナー層の積層順においては、画像部が溶融してしまい、定着器に画像部の一部が移ってしまう現象(高温オフセット性)が生じる場合がある。そのため、高い接着強度を得ることと耐高温オフセットとの両立が難しいという課題がある。
【0006】
本開示は、接着用の画像パターンを複数のトナー層で形成した場合においても、良好な接着強度と耐高温オフセット性の両方を兼ね備えることのできる接着方法並びにトナーセット及び接着装置に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、接着方法であって、
該接着方法は、
シートの第一の面の上に、第一のトナーを用いて第一の未定着トナー層を形成する工程、
該第一の未定着トナー層の上に、第二のトナーを用いて第二の未定着トナー層を形成する工程、
該第二の未定着トナー層の表面から加熱を行い、該第一の未定着トナー層及び該第二の未定着トナー層を該シートに定着して、該シート上に接着用画像パターンを形成する工程、及び、
同一のシート上または異なるシート上に形成された該接着用画像パターンを重ねた状態で加熱することにより該シートを接着させて接着物を得る工程、
を有し、
該接着用画像パターンは、表面に、該第二の未定着トナー層に由来する定着トナー像を有しており、
該第一のトナーにおける発熱量をH1[J/g]とし、該第二のトナーにおける発熱量をH2[J/g]としたとき、該H1及び該H2が、下記式(1)及び(2)を満たす、
6.0≦H2≦24.0 ・・・(1)
H1<H2 ・・・(2)
ただし、該H1及び該H2は、
(i)20℃から180℃まで10℃/分の速さで昇温する昇温工程、及び
(ii)10分間、180℃で保持した後、180℃から20℃まで10℃/分の速さで冷却する冷却工程、
を経たときの該冷却工程において得られるDSC曲線の発熱ピークにおける35℃から75℃の範囲での発熱量である;
ことを特徴とする接着方法に関する。
【0008】
また、本開示は、上記接着方法に用いられるトナーセットであって、上記第一のトナーと上記第二のトナーとを別個に有する、トナーセットに関する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、接着用の画像パターンを複数のトナー層で形成した場合においても、良好な接着強度と耐高温オフセット性の両方を兼ね備えることのできる接着方法並びにトナーセット及び接着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
接着装置(画像形成装置)の概略図
シートの整合方法を説明する図
熱圧着ユニットを説明する図
接着用画像パターンの例を示す模式図
冊子接着強度の評価方法を説明する図
接着用画像パターンを説明する図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許