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公開番号
2025008334
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2023110419
出願日
2023-07-05
発明の名称
ファイバ素線固定構造、光海底中継器、及びファイバ素線固定構造の組立方法
出願人
日本電気株式会社
代理人
個人
主分類
G02B
6/46 20060101AFI20250109BHJP(光学)
要約
【課題】光海底中継器の内部に複数本のファイバ素線を固定するとき、マイクロベンディングロスを発生させないファイバ素線固定構造を提供する。
【解決手段】本開示にかかるファイバ素線固定構造100は、長さ方向に延在する複数のスリットを外周に有し、複数のスリットのそれぞれにファイバ素線200を挿入可能に構成される棒状のファイバクッション10と、中空の筒状構造を有し、ファイバクッション10が中空内の所定位置まで圧入されると、ファイバクッション10の外周からファイバクッション10を押圧して固定するように構成されるクッション固定部20とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
長さ方向に延在する複数のスリットを外周に有し、前記複数のスリットのそれぞれにファイバ素線を挿入可能に構成される棒状のクッションと、
中空の筒状構造を有し、前記クッションが前記中空内の所定位置まで圧入されると、前記クッションの前記外周から前記クッションを押圧して固定するように構成されるクッション固定部と、
を備える、ファイバ素線固定構造。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記クッションは、円柱形状を有し、
前記クッション固定部は、円筒形状を有する、
請求項1に記載のファイバ素線固定構造。
【請求項3】
前記クッション固定部の軸方向の一端側には、前記軸方向の他端側に向けて徐々に狭くなるテーパ部が設けられる、
請求項2に記載のファイバ素線固定構造。
【請求項4】
前記複数のスリットのそれぞれの断面は、略V字状又は略U字状である、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のファイバ素線固定構造。
【請求項5】
前記クッションの外周が押圧され、前記クッションが前記クッション固定部内に固定された状態では、前記複数のスリットのそれぞれに挿入された前記ファイバ素線は、前記クッション固定部に触れることなく、対応する前記スリットの断面からの押圧により前記スリット内に固定される、
請求項4に記載のファイバ素線固定構造。
【請求項6】
四角柱形状を有し、一面が蓋部となる筐体と、
平板状の2枚のクッションと、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のファイバ素線固定構造と、
を備え、
前記ファイバ素線固定構造は、前記蓋部の主面の垂直方向に対して二方向から前記2枚のクッションに押圧された状態で、前記筐体内に固定される、
光海底中継器。
【請求項7】
長さ方向に延在する複数のスリットを外周に有する棒状のクッションの前記複数のスリットのそれぞれにファイバ素線を挿入し、
複数本の前記ファイバ素線が前記複数のスリットにそれぞれ挿入された状態において、中空の筒状構造を有するクッション固定部の前記中空内の所定位置まで前記クッションを圧入する、
ファイバ素線固定構造の組立方法。
【請求項8】
前記クッションは、円柱形状を有し、
前記クッション固定部は、円管形状を有する、
請求項7に記載のファイバ素線固定構造の組立方法。
【請求項9】
前記クッション固定部の軸方向の一端側には、前記軸方向の他端側に向けて徐々に狭くなるテーパ部が設けられ、
前記複数本のファイバ素線が前記複数のスリットにそれぞれ挿入された状態の前記クッションは、前記テーパ部が設けられた側から前記クッション固定部内に圧入される、
請求項8に記載のファイバ素線固定構造の組立方法。
【請求項10】
前記複数のスリットのそれぞれの断面は、略V字状又は略U字状であり、
前記クッションを前記クッション固定部に固定した状態では、前記複数のスリットのそれぞれに挿入された前記ファイバ素線は、前記クッション固定部に触れることなく、対応する前記スリットの断面からの押圧により前記スリット内に固定される、
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のファイバ素線固定構造の組立方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ファイバ素線固定構造、光海底中継器、及びファイバ素線固定構造の組立方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、大陸間通信を含む国際通信の需要は急激に拡大している。また、近年のデータトラフィックの増加により光通信の普及が急速に進んでいる。そして、大容量伝送方式に対応するために、光海底ケーブル向けの通信装置の高機能化が要求されている。このような光海底ケーブルは相当な長さとなるため、光信号を増幅するための光海底中継器が一定間隔で設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
光海底中継器内には、上り側の光海底ケーブルから延伸する複数本のファイバ素線と、下り側の光海底ケーブルから延伸する複数本のファイバ素線とが収容される。光海底ケーブル内のファイバ素線を光海底中継器内に収容するには、低損失を実現する安定した固定構造が要求される。ここで、光海底中継器から反対の光海底ケーブル側へと引き出したファイバ素線の引っ張りによるキンク発生を防止するために、光海底中継器内でこれらのファイバ素線を確実に固定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-78677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ファイバ素線を固定する方法としては、例えば、複数本のファイバ素線をそれらの側面から2枚のクッションで挟み込み、筐体内において圧縮固定する構造が考えられる。しかしながら、2枚のクッション間に複数本のファイバ素線を単純に並べると、任意の2本のファイバ素線がクッション内で互いにクロスするおそれがある。そのような場合、2本のファイバ素線がクロスした箇所において、クッションによる過度の押さえ付けによりマイクロベンドが発生し、それによる損失(マイクロベンディングロス)が生じるおそれがある。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、複数本のファイバ素線がクロスした状態で圧縮固定されることを確実に排除することができるファイバ素線固定構造、光海底中継器、及びファイバ素線固定構造の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様によるファイバ素線固定構造は、
長さ方向に延在する複数のスリットを外周に有し、前記複数のスリットのそれぞれにファイバ素線を挿入可能に構成される棒状のクッションと、
中空の筒状構造を有し、前記クッションが前記中空内の所定位置まで圧入されると、前記クッションの前記外周から前記クッションを押圧して固定するように構成されるクッション固定部と、
を備えるものである。
【0008】
本開示の第2の態様による光海底中継器は、
四角柱形状を有し、一面が蓋部となる筐体と、
平板状の2枚のクッションと、
上記第1の態様に記載のファイバ素線固定構造と、
を備え、
前記ファイバ素線固定構造は、前記蓋部の主面の垂直方向に対して二方向から前記2枚のクッションに押圧された状態で、前記筐体内に固定されるものである。
【0009】
本開示の第3の態様によるファイバ素線固定構造の組立方法は、
長さ方向に延在する複数のスリットを外周に有する棒状のクッションの前記複数のスリットのそれぞれにファイバ素線を挿入し、
複数本の前記ファイバ素線が前記複数のスリットにそれぞれ挿入された状態において、中空の筒状構造を有するクッション固定部の前記中空内の所定位置まで前記クッションを圧入するものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数本のファイバ素線がクロスした状態で光海底中継器内に圧縮固定されることを確実に排除することができるファイバ素線固定構造、光海底中継器、及びファイバ素線固定構造の組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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