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公開番号2025005991
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106485
出願日2023-06-28
発明の名称基板積層体、回転電機、及びフレキシブル回路基板
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類H02K 3/26 20060101AFI20250109BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】回転電機の軽量化を可能としつつ効率の良い放熱が可能なフレキシブル回路基板を提供する。
【解決手段】基板積層体は、円筒の形に曲げられた複数の帯状のフレキシブル回路基板が上記円筒の径方向に重ねられて成り、複数のフレキシブル回路基板のそれぞれは、帯状の絶縁シートと、絶縁シートの2つの主面のそれぞれに形成された複数の部分配線と、帯状の絶縁シートの長手方向に延びる長辺に配された突起部を有し、突起部は、複数のフレキシブル回路基板を互いの突起部の位置が一致するように重ね合わせたときに、複数のフレキシブル回路基板間において対応する部分配線どうしが重なることとなる位置に設けられている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
円筒の形に曲げられた複数の帯状のフレキシブル回路基板が前記円筒の径方向に重ねられて構成される基板積層体であって、
複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、帯状の絶縁シートと、前記絶縁シートの相対向する2つの主面のそれぞれに形成された複数の部分配線とを含み、
複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、帯状の前記絶縁シートの長手方向に延びる2つの長辺の少なくとも一方に配された、前記絶縁シートの外に向かって前記長辺から突出する少なくとも一つの突起部を有し、
前記フレキシブル回路基板のそれぞれの前記突起部は、前記フレキシブル回路基板のそれぞれの対応する前記突起部の位置が一致するよう複数の前記フレキシブル回路基板が重ね合わされたときに、複数の前記フレキシブル回路基板の間において対応する前記部分配線どうしが重なることとなる位置に設けられている、
基板積層体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記フレキシブル回路基板の前記突起部には、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成された熱伝達パターンが設けられている、
請求項1に記載の基板積層体。
【請求項3】
前記熱伝達パターンは、前記突起部から前記絶縁シートの長辺に延在して形成されている、
請求項2に記載の基板積層体。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板の前記突起部は、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成される、
請求項1に記載の基板積層体。
【請求項5】
前記フレキシブル回路基板は、前記絶縁シートの前記長辺に沿って配された、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成された外縁板を有し、
前記突起部は、前記外縁板から延在する前記外縁板の部分である、
請求項4に記載の基板積層体。
【請求項6】
前記フレキシブル回路基板の前記突起部は、前記絶縁シートの2つの前記長辺の双方に配されている、
請求項1に記載の基板積層体。
【請求項7】
複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、前記絶縁シートに形成された少なくとも一つの連続配線を含み、
前記連続配線は、
前記絶縁シートの相対向する2つの主面のそれぞれに形成された複数の前記部分配線がビアを介して交互に縦続に接続されて形成された、前記絶縁シートの長手方向に延びる第1連続部分と第2連続部分とを含む、
請求項1に記載の基板積層体。
【請求項8】
複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれにおいて、前記第1連続部分と前記第2連続部分とは、前記絶縁シートの主面法線方向から視た投影平面視において互いに導通することなく鎖状に交差して、鎖状に連なる複数の環状部分を形成し、前記環状部分のそれぞれがコイルを形成する、
請求項7に記載の基板積層体。
【請求項9】
複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、前記絶縁シートの長手方向に沿って互いの位置をずらして形成された複数の前記連続配線を備える、
請求項7に記載の基板積層体。
【請求項10】
請求項9に記載の基板積層体を備えるステータと、
前記基板積層体が形成する円筒の内部に配されたロータと、
有する回転電機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基板積層体、これを用いた回転電機、及び基板積層体を構成するフレキシブル回路基板に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化し、車両においてもCO

排出量の削減やエネルギー効率の改善のために、電動化及び軽量化に関する研究開発が行われている。
【0003】
電動化に必要なモータを軽量化する一つの技術として、ステータのコイルをフレキシブル回路基板により構成する技術が知られている。例えば、特許文献1には、磁性体コアが挿入される複数の孔と、ぞれぞれの孔の周囲に渦巻き状に形成した複数のコイルパターンと、が長手方向に配列された帯状の絶縁シートを巻き重ねてステータを構成することが記載されている。このステータでは、巻き重ねられた絶縁フィルムにおいて互いに重なるコイルパターンを縦続接続することで、上記孔の周りに積層コイルが形成される。
【0004】
特許文献2には、ステータコアとなるティースのそれぞれを第1シート基板及び第2シート基板により挟んで構成されるモータが開示されている。第1シート及び第2シートのそれぞれの片面には、一定の間隔をおいて複数の導電パターンが形成されている。第1シート基板を凹状に折り曲げてティースに嵌め込んだのち、当該ティースを挟んで第1シート基板と第2シート基板とを向かい合わせに重ねて互いの導電パターンの端部を接合することで、ティースをコアとするコイルが形成される。
【0005】
特許文献3には、2枚のフレキシブル回路基板を重ねて円筒状に巻いた電機子を用いるコアレスモータが開示されている。フレキシブル回路基板は、片面に「く」の字形状(ドッグレッグ形状)の平行導体線群が形成されており、各平行導体線群の両端から基板外部に向かって金属導体突起列群が露出している。2枚のフレキシブル回路基板を逆向きに重ね合わせて円筒状に巻き、相対する金属導体突起列群を接合することで、2枚のフレキシブル回路基板の2つの平行導体線群のそれぞれの導体線が接続されてコイルが形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-067756号公報
特開平11-297557号公報
特開昭55-127852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、モータの軽量化に関する技術においては、フレキシブル回路基板により構成されるステータコイルの性能を高めて、エネルギー効率の高いモータを実現することが課題である。また、この課題は、モータと同様の構成を有する発電機を含む、回転電機に共通の課題となっている。
本願は上記課題の解決のため、回転電機の軽量化とエネルギー効率の向上とを両立し得る、フレキブル回路基板の基板積層体を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、円筒の形に曲げられた複数の帯状のフレキシブル回路基板が前記円筒の径方向に重ねられて構成される基板積層体であって、複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、帯状の絶縁シートと、前記絶縁シートの相対向する2つの主面のそれぞれに形成された複数の部分配線とを含み、複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、帯状の前記絶縁シートの長手方向に延びる2つの長辺の少なくとも一方に配された、前記絶縁シートの外に向かって前記長辺から突出する少なくとも一つの突起部を有し、前記フレキシブル回路基板のそれぞれの前記突起部は、前記フレキシブル回路基板のそれぞれの対応する前記突起部の位置が一致するよう複数の前記フレキシブル回路基板が重ね合わされたときに、複数の前記フレキシブル回路基板の間において対応する前記部分配線どうしが重なることとなる位置に設けられている、基板積層体である。
本発明の他の態様によると、前記フレキシブル回路基板の前記突起部には、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成された熱伝達パターンが設けられている。
本発明の他の態様によると、前記熱伝達パターンは、前記突起部から前記絶縁シートの長辺に延在して形成されている。
本発明の他の態様によると、前記フレキシブル回路基板の前記突起部は、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成される。
本発明の他の態様によると、前記フレキシブル回路基板は、前記絶縁シートの前記長辺に沿って配された、前記絶縁シートより熱伝導率が高い素材で構成された外縁板を有し、前記突起部は、前記外縁板から延在する前記外縁板の部分である。
本発明の他の態様によると、前記フレキシブル回路基板の前記突起部は、前記絶縁シートの2つの前記長辺の双方に配されている。
本発明の他の態様によると、複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、前記絶縁シートに形成された少なくとも一つの連続配線を含み、前記連続配線は、前記絶縁シートの相対向する2つの主面のそれぞれに形成された複数の前記部分配線がビアを介して交互に縦続に接続されて形成された、前記絶縁シートの長手方向に延びる第1連続部分と第2連続部分とを含む。
本発明の他の態様によると、複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれにおいて、前記第1連続部分と前記第2連続部分とは、前記絶縁シートの主面法線方向から視た投影平面視において互いに導通することなく鎖状に交差して、鎖状に連なる複数の環状部分を形成し、前記環状部分のそれぞれがコイルを形成する。
本発明の他の態様によると、複数の前記フレキシブル回路基板のそれぞれは、前記絶縁シートの長手方向に沿って互いの位置をずらして形成された複数の前記連続配線を備える。
本発明の他の態様は、前記基板積層体を備えるステータと、前記基板積層体が形成する円筒の内部に配されたロータと、有する回転電機。
本発明の他の態様は、前記基板積層体を構成するフレキシブル回路基板であって、帯状の絶縁シートと、前記絶縁シートの相対向する2つの主面のそれぞれに形成された複数の部分配線と、帯状の前記絶縁シートの長手方向に延びる2つの長辺の少なくとも一方に配された、前記絶縁シートの外に向かって前記長辺から突出する少なくとも一つの突起部を有する、フレキシブル回路基板。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回転電機の軽量化とエネルギー効率の向上とを両立し得る、フレキブル回路基板の基板積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
図2は、説明のため図1に示すフレキシブル回路基板のうちU相の連続配線のみを示し他の連続配線を省略した図である。
図3は、図2に示すA部の部分詳細図であり、図1に示すフレキシブル回路基板の接続導体部の構成を示す図である。
図4は、ビアを介した部分配線間の接続についての、関連技術に係る構成の一例を示す図である。
図5は、図1に示すフレキシブル回路基板が用いられるモータの構成の一例を示す図である。
図6は、第1の実施形態の変形例に係るフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
図7は、第2の実施形態に係る基板積層体の構成を示す図である。
図8は、図7に示す基板積層体を構成するフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
図9は、図8に示すフレキシブル回路基板のうちU相の連続配線のみ示し他の連続配線を省略した図である。
図10は、図7に示す基板積層体のX-X断面図である。
図11は、図7に示す基板積層体が用いられるモータの構成の一例を示す図である。
図12は、図11に示すモータにおいて基板積層体が配される磁性体ケースの構成の一例を示す図である。
図13は、第2の実施形態の第1の変形例に係るフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
図14は、第2の実施形態の第2の変形例に係るフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
図15は、第2の実施形態の第3の変形例に係るフレキシブル回路基板の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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