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公開番号2024175871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093946
出願日2023-06-07
発明の名称車両
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人航栄事務所
主分類B60W 10/30 20060101AFI20241212BHJP(車両一般)
要約【課題】高負荷走行時においてチップ温度を適正に維持しつつ、低負荷走行時における燃費の悪化及び低暗騒音時における騒音の発生を抑制可能な車両を提供する。
【解決手段】車両Vは、バッテリBATと、モータMOT1と、バッテリBATから出力される直流電力を交流電力に変換してモータMOT1に供給する第2インバータINV2と、バッテリBATからの直流電圧を、第2インバータINV2に入力する電圧である昇圧電圧に昇圧して第2インバータINV2に供給するコンバータVCUと、第2ポンプ621によって冷媒を流通させて第2インバータINV2及びコンバータVCUを冷却する温調回路60と、温調回路60を制御する制御装置ECUと、を備える。制御装置ECUは、コンバータVCUにより昇圧された昇圧電圧Vsに基づいて第2ポンプ621の流量を制御し、昇圧電圧Vsが閾値電圧Th0以上の場合に第2ポンプ621の流量を増加させる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
バッテリと、
モータと、
前記バッテリから出力される直流電力を交流電力に変換して前記モータに供給するインバータと、
前記バッテリからの直流電圧を昇圧した昇圧電圧を前記インバータに供給するコンバータと、
電動ポンプによって冷媒を流通させて前記インバータ及び前記コンバータを冷却する冷却装置と、
前記冷却装置を制御する制御装置と、を備える車両であって、
前記制御装置は、
前記コンバータにより昇圧された前記昇圧電圧に基づいて前記電動ポンプの流量を制御し、
前記昇圧電圧が第1所定値以上の場合に、前記電動ポンプの流量を増加させる、車両。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
請求項1に記載の車両であって、
前記モータは、前輪を駆動する第1モータと、後輪を駆動する第2モータと、を有し、
前記制御装置は、さらに前記第1モータ及び前記第2モータの合計トルクに基づいて前記電動ポンプの流量を制御し、
前記合計トルクが第2所定値以上の場合に、前記電動ポンプの流量を増加させる、車両。
【請求項3】
請求項2に記載の車両であって、
前記制御装置は、さらに前記コンバータのスイッチング素子の温度に基づいて前記電動ポンプの流量を制御し、
前記スイッチング素子の温度が第3所定値以上の場合に、前記電動ポンプの流量を増加させる、車両。
【請求項4】
請求項1に記載の車両であって、
燃費を優先する省燃費制御モードと、前記省燃費制御モードよりも消費電力が大きい通常モードと、を有し、
前記第1所定値は、前記省燃費制御モードでは到達しない値に設定される、車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球の気候変動に対する具体的な対策として、低炭素社会または脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化している。自動車などの車両においても、CO2排出量の削減やエネルギー効率の向上が要求され、駆動源の電動化が進んでいる。例えば、駆動輪を駆動する駆動源としてのモータと、このモータに電力を供給する電源としてのバッテリと、バッテリの電力を変換してモータに供給する電力変換装置と、を備える電気自動車やハイブリッド電気自動車が開発されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、モータの温調を行う第1温調回路と、電力変換装置の温調を行う第2温調回路と、第1温調回路を循環する第1温調媒体と第2温調回路を循環する第2温調媒体との間の熱交換を行う熱交換器と、を備える車両用温調システムが開示されている。第1温調媒体としては、典型的にはATF(Automatic transmission fluid)であり、第2温調媒体としては、典型的にはLLC(Long Life Coolant)である。
【0004】
電力変換装置には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのチップが搭載されており、ラジエータが冷やした第2温調媒体を電動ポンプで流すことによって冷却している。電動ポンプはデューティーを上下させることで流量をコントロールできる。
【0005】
熱交換器としては、ハイブリッド用高圧バッテリからの電圧をさらに昇圧するコンバータ、コンバータとモータとの間で直流・交流の変換を行うインバータ、などが挙げられる。そのうち、コンバータのチップは熱容量が非常に小さく、アクセル開度が最大となるWOT(Wide-Open-Throttle)時や強回生時といった瞬間的に高負荷がかかる車両動作において急速に温度が上昇するという特徴を持つ。温度上昇が非常に速いため、チップ温度が上がってから電動ポンプのデューティーを引き上げて高流量を要求した場合、流量増加の応答性がチップ温度の上昇に間に合わず、十分にチップを冷却することが困難である。
【0006】
そのため、高負荷動作が行われるよりも事前に流量を増加させておく必要があり、第2温調媒体の温度が高い場合は車両動作に関わらず電動ポンプのデューティーを高く保つという制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-108684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第2温調媒体の温度によりデューティー制御を行うと、高燃費が要求される省燃費制御モードや、騒音低減が求められる低暗騒音時にも、第2温調媒体の温度が高ければ高デューティーで電動ポンプを駆動するため、電動ポンプの電力消費や電動ポンプの作動音が課題となる。
【0009】
電動ポンプの作動音は車両走行音やエンジン音に比べて小さいが、アイドルストップ時のような車室内暗騒音がほとんどないような状況下において高デューティーで駆動し続けると課題となる場合がある。
【0010】
また、ハイブリッド自動車では車両停止時にエンジンルーム内の熱がラジエータに回り込むため第2温調媒体の温度が高くなりやすく、第2温調媒体の温度によってデューティー制御を行った場合、低負荷・低暗騒音の状況下において高デューティーで駆動してしまう場合が多くなる。
(【0011】以降は省略されています)

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