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公開番号2025004276
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-15
出願番号2023103835
出願日2023-06-26
発明の名称脈波推定装置及び脈波推定方法
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人山王内外特許事務所
主分類A61B 5/02 20060101AFI20250107BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】脈波の推定精度の低下を抑制可能な脈波推定装置を得る。
【解決手段】脈波推定装置1は、人を撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部11と、撮像画像から人の肌領域を検出する肌領域検出部12と、撮像画像における肌領域を所定に分割してなる領域を、輝度変化を示す輝度信号を抽出するための複数の計測領域として設定する計測領域設定部13と、撮像画像上の計測領域における輝度変化に基づき、輝度信号を抽出する輝度信号抽出部14と、抽出された輝度信号に基づいて人の脈波を推定する脈波推定部16と、を備え、計測領域設定部13は、設定した複数の計測領域のうち、画素数が予め定められた基準値以上である計測領域の割合が閾値未満である場合、当該割合が閾値以上となるように計測領域の再設定を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
人を撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像から前記人の肌領域を検出する肌領域検出部と、
前記撮像画像における前記肌領域を所定に分割してなる領域を、輝度変化を示す輝度信号を抽出するための複数の計測領域として設定する計測領域設定部と、
前記撮像画像上の前記計測領域における輝度変化に基づき、前記輝度信号を抽出する輝度信号抽出部と、
前記抽出された輝度信号に基づいて前記人の脈波を推定する脈波推定部と、を備え、
前記計測領域設定部は、
前記設定した複数の計測領域のうち、画素数が予め定められた基準値以上である計測領域の割合が閾値未満である場合、当該割合が閾値以上となるように計測領域の再設定を行うことを特徴とする脈波推定装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記計測領域設定部は、
前記割合が閾値未満である場合、前記撮像画像における前記肌領域の分割数を減じることにより、計測領域の再設定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の脈波推定装置。
【請求項3】
前記計測領域設定部は、
前記割合が閾値未満である場合、前記設定した複数の計測領域のうち、隣接する所定個の計測領域に跨る新たな計測領域を設定することにより、計測領域の再設定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の脈波推定装置。
【請求項4】
前記新たな計測領域は、複数設定可能であり、かつ互いに重複可能であることを特徴とする請求項3記載の脈波推定装置。
【請求項5】
前記計測領域設定部は、
前記割合が閾値未満である場合、前記撮像画像における前記肌領域の分割数を減じるとともに、当該分割数を減じることで得られた複数の計測領域のうち、隣接する所定個の計測領域に跨る新たな計測領域を設定することにより、計測領域の再設定を行う
ことを特徴とする請求項1記載の脈波推定装置。
【請求項6】
前記計測領域設定部は、
前記再設定後の計測領域あたりの画素数を、再設定前の計測領域あたりの画素数よりも増加させる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の脈波推定装置。
【請求項7】
前記輝度信号抽出部により抽出された輝度信号のうち、前記人の脈波の推定に用いる輝度信号を選定する輝度信号セグメント生成部を備え、
前記脈波推定部は、前記輝度信号セグメント生成部により選定された輝度信号に基づいて前記人の脈波を推定する
ことを特徴とする請求項1記載の脈波推定装置。
【請求項8】
前記輝度信号セグメント生成部は、
前記輝度信号抽出部により抽出された輝度信号のうち、当該輝度信号が抽出された際の前記人の顔の向きと、予め定められた基準となる顔の向きとのずれが所定範囲以内である輝度信号を、前記人の脈波の推定に用いる輝度信号として選定する
ことを特徴とする請求項7記載の脈波推定装置。
【請求項9】
脈波推定装置による脈波推定方法であって、
撮像画像取得部が、人を撮像した撮像画像を取得するステップと、
肌領域検出部が、前記撮像画像から前記人の肌領域を検出するステップと、
計測領域設定部が、前記撮像画像における前記肌領域を所定に分割してなる領域を、輝度変化を示す輝度信号を抽出するための複数の計測領域として設定するステップと、
輝度信号抽出部が、前記撮像画像上の前記計測領域における輝度変化に基づき、前記輝度信号を抽出するステップと、
脈波推定部が、前記抽出された輝度信号に基づいて前記人の脈波を推定するステップと、を有し、
前記計測領域設定部は、
前記設定した複数の計測領域のうち、画素数が予め定められた基準値以上である計測領域の割合が閾値未満である場合、当該割合が閾値以上となるように計測領域の再設定を行うことを特徴とする脈波推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、脈波推定装置及び脈波推定方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
被験者に負担を掛けず、非接触に被験者の脈波を推定する手法として、カメラで被験者の顔を撮像し、被験者の顔表面の微小な輝度変化から脈波を推定する手法がある(例えば非特許文献1)。この手法では、例えば被験者の顔画像上に複数の計測領域を設定し、設定した各計測領域で取得された輝度信号の周波数パワースペクトルが算出される。そして、各計測領域で算出された周波数パワースペクトルのピーク周波数に応じて被験者の脈波を推定する。また、推定した脈波を合成し、合成した脈波の周波数パワースペクトルのピークから脈拍数を推定することも行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
Mayank Kumar, et al. , "DistancePPG: Robust non-contact vital signs monitoring using a camera", Biomedical optics express, 6(5), 1565-1588, 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の手法では、カメラの設置レイアウトの変更等により被験者を撮像した画像の解像度が低下すると分解能が低下し、脈波の推定精度が低下する課題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、脈波の推定精度の低下を抑制可能な脈波推定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る脈波推定装置は、人を撮像した撮像画像を取得する撮像画像取得部と、撮像画像から人の肌領域を検出する肌領域検出部と、撮像画像における肌領域を所定に分割してなる領域を、輝度変化を示す輝度信号を抽出するための複数の計測領域として設定する計測領域設定部と、撮像画像上の計測領域における輝度変化に基づき、輝度信号を抽出する輝度信号抽出部と、抽出された輝度信号に基づいて人の脈波を推定する脈波推定部と、を備え、計測領域設定部は、設定した複数の計測領域のうち、画素数が予め定められた基準値以上である計測領域の割合が閾値未満である場合、当該割合が閾値以上となるように計測領域の再設定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、上記のように構成したので、脈波の推定精度の低下を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施の形態1に係る脈波推定装置の構成例を示す図である。
図2A、図2B及び図2Cは、実施の形態1における計測領域設定部による計測領域の設定方法の一例について説明するための図である。
図3A及び図3Bは、実施の形態1における計測領域設定部による計測領域の設定例について説明するための図である。
実施の形態1に係る脈波推定装置の動作例を示すフローチャートである。
実施の形態1における計測領域設定部による処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1における計測領域設定部による計測領域の再設定例について説明するための図である。
図7A、図7B、図7C及び図7Dは、実施の形態1における計測領域設定部による計測領域の再設定例について説明するための図である。
図8A及び図8Bは、実施の形態1に係る脈波推定装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る脈波推定装置1の構成例を示す図である。脈波推定装置1は、人を撮像した撮像画像に基づき、当該人の脈波を推定する。以下の説明では、脈波推定装置1が脈波を推定する対象となる人を「被験者」ともいう。
【0010】
脈波推定装置1は、予め定められたフレームレートFrで、少なくとも被験者の肌を含む領域である肌領域が存在する範囲を撮像した、一連のフレームIm(k)からなる撮像画像を取得する。ここで、kは、それぞれフレームに割り当てられるフレーム番号を示す。例えば、フレームIm(k)の次のタイミングで与えられるフレームは、フレームIm(k+1)である。そして、脈波推定装置1は、フレームIm(k)毎に、被験者の脈波を推定し、推定した脈波を示す情報(以下「脈波情報」という。)である脈波推定結果P(t)を出力する。脈波情報は、例えば、後述する脈波推定部16が推定した被験者の脈波の時系列データであってもよいし、被験者の脈拍数であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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