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公開番号2025001759
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023101411
出願日2023-06-21
発明の名称偏光膜の製造方法、及び偏光フィルムの製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241226BHJP(光学)
要約【課題】水溶性の成分が偏光膜に析出なく含侵できる、偏光膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】PVA系フィルムを長手方向に搬送しながら、少なくとも、延伸及び染色する工程を施した後に、洗浄する工程を施して、水を含有する延伸PVA系フィルムを製造する工程(I)と、得られた水を含有する延伸PVA系フィルムに、当該延伸PVA系フィルムの水分率がx重量%(40≧x≧1.1×延伸PVA系フィルムの厚み(μm))である状態で、水溶性の化合物を含む液体を塗布する工程を施して、厚みが0.3μm以上2.2μm以下である塗布液膜を有する延伸PVA系フィルムを製造する工程(II)と、得られた塗布液膜を有する延伸PVA系フィルムに、乾燥する工程を施して、偏光膜を製造する工程(III)を含む偏光膜の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
偏光膜の製造方法であって、
ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、少なくとも、延伸及び染色する工程を施した後に、洗浄する工程を施して、水を含有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムを製造する工程(I)と、
得られた水を含有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、当該延伸ポリビニルアルコール系フィルムの水分率がx重量%(40≧x≧1.1×延伸ポリビニルアルコール系フィルムの厚み(μm))である状態で、水溶性の化合物を含む液体を塗布する工程を施して、厚みが0.3μm以上2.2μm以下である塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムを製造する工程(II)と、
得られた塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、乾燥する工程を施して、偏光膜を製造する工程(III)を含むことを特徴とする偏光膜の製造方法。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記工程(II)において、前記塗布液膜の塗工ムラが0.1μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の偏光膜の製造方法。
【請求項3】
前記工程(III)において、得られた塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、前記水溶性の化合物の含侵を促進する工程を施した後、乾燥する工程を施して、偏光膜を製造する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光膜の製造方法。
【請求項4】
前記水溶性の化合物の含侵を促進する工程は、前記水溶性の化合物を含む液体を塗布する工程後に搬送された延伸ポリビニルアルコール系フィルムが、次の搬送ロールに接触するまでに施される工程であることを特徴とする請求項3に記載の偏光膜の製造方法。
【請求項5】
前記工程(III)において、塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに対し、塗布液膜の液切り工程を施さないことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光膜の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の偏光膜の製造方法で得られた偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする偏光フィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光膜の製造方法、及び偏光フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置や有機EL表示装置等の各種画像表示装置に用いる偏光膜(偏光子)としては、高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理された(ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有する)ポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光膜は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴(処理浴)中にて、例えば、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、乾燥することにより製造される。また前記偏光膜は、通常、その片面又は両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光フィルム(偏光板)として用いられている。
【0003】
偏光膜の製造方法としては、例えば、特許文献1~2では、亜鉛、銅、アルミニウム等を含む金属塩等の水溶性の成分を処理浴に添加することで、偏光膜にこれら成分を含有させ、偏光膜の耐久特性を向上させることが開示されている。また、特許文献3~4では、有機チタン化合等の水溶性の成分を処理浴に添加する、偏光膜の製造方法が開示されている。また、特許文献5では、洗浄工程にて、洗浄液をフィルム原反に塗工ロールで塗布する製造方法により、光学的に欠陥の少ない偏光膜が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/117659号
特開2006-047978号公報
特開2008-46257号公報
特開平6-172554号公報
特開2021-9203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~4の偏光膜の製造方法において、上記のような成分を処理浴に添加する場合、その使用量が膨大になること、処理液の廃液処理が必要となること等の問題があった。また、特許文献5に具体的に記載された方法は、洗浄液によりフィルム原反の表面を洗浄することが目的であり、フィルム原反に洗浄液の成分を含侵させるものではなかった。
【0006】
本発明は、以上のような事情に鑑み、水溶性の成分が偏光膜に析出なく含侵できる、偏光膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上記の偏光膜の製造方法で得られた偏光膜を用いた偏光フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、偏光膜の製造方法であって、ポリビニルアルコール系フィルムを長手方向に搬送しながら、少なくとも、延伸及び染色する工程を施した後に、洗浄する工程を施して、水を含有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムを製造する工程(I)と、得られた水を含有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、当該延伸ポリビニルアルコール系フィルムの水分率がx重量%(40≧x≧1.1×延伸ポリビニルアルコール系フィルムの厚み(μm))である状態で、水溶性の化合物を含む液体を塗布する工程を施して、厚みが0.3μm以上2.2μm以下である塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムを製造する工程(II)と、得られた塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、乾燥する工程を施して、偏光膜を製造する工程(III)を含む偏光膜の製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、前記偏光膜の製造方法で得られた偏光膜の少なくとも片面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを貼り合わせる工程を含む偏光フィルムの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の偏光膜の製造方法は、従前の偏光膜の製造方法と異なり、水を含有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムに、当該延伸ポリビニルアルコール系フィルムの水分率が特定量範囲である状態で、水溶性の化合物を含む液体を塗布する工程を施して、特定の厚みである塗布液膜を有する延伸ポリビニルアルコール系フィルムを製造する工程を含むことから、水溶性の成分が偏光膜に析出なく含侵できる。
(【0011】以降は省略されています)

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