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公開番号
2024178560
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2023096778
出願日
2023-06-13
発明の名称
モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置
出願人
株式会社熊谷組
代理人
個人
主分類
G01N
11/00 20060101AFI20241218BHJP(測定;試験)
要約
【課題】モルタルの落下時間を正確に計測する。
【解決手段】モルタルMの流動性を試験する試験装置10を、モルタルMを収納する試験容器11と、試験容器11に収納されたモルタルMが試験容器11の排出口11nから落下を開始してから落下が終了するまでの動画を撮影するカメラ14と、試験容器11のカメラ14とは反対側に設けられた、モルタルMとは明度の異なる仕切り板15と、この撮影された動画から、モルタルMが排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間Tを算出する落下時間算出手段16と、から構成した。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
モルタルを収納する試験容器の背景に前記モルタルとは明度の異なる仕切り板を設置するとともに、前記モルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影し、前記撮影された動画から、前記モルタルの落下時間を算出するモルタルの落下時間の計測方法。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
前記試験容器の直下に、前記落下したモルタルを回収するための回収容器を設置するとともに、前記回収容器の側面に前記モルタルが全て落下したと仮定したときの前記モルタルの表面の位置に目印をつけ、
前記モルタルの前記回収容器内の高さが前記目印の位置になったときに、前記試験容器内のモルタルが全て落下したと判定することを特徴とする請求項1に記載のモルタルの落下時間の計測方法。
【請求項3】
モルタルを収納する試験容器と、
前記試験容器に収納されたモルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影する撮影手段と、
前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に設けられた、前記モルタルとは明度の異なる仕切り板と、
前記撮影された動画から、前記モルタルが前記排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間を算出する落下時間算出手段と、
を備えたモルタルの流動性試験装置。
【請求項4】
前記試験容器の排出口側に、前記撮影装置の撮影開始に連動して前記排出口を開放する蓋部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載のモルタルの流動性試験装置。
【請求項5】
前記落下時間を算出したモルタルの品名と前記算出された落下時間とを記録する管理表を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のモルタルの流動性試験装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、モルタルの品質管理試験に関するもので、特に、モルタルの落下時間の計測方法とモルタルの流動性試験装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、モルタルの品質管理試験においては、漏斗状の試験容器にモルタルを摺切りまで入れた後、試験容器の下端に設けられた排出口からモルタルを落下させ、試験容器内のモルタルが試験容器の外部に排出されるまでの時間である落下時間を計測し、この落下時間を当該モルタルの流動性の指標としていた(例えば、特許文献1参照)。
実際には、作業現場の作業員が排出口の下側を塞いでいた手をどけることで、排水口を開放するとともに、ストップウォッチでモルタルが落下する時間を計測していた。
また、計測された落下時間は、作業員が野帳(field book)と呼ばれる調書を、手書きもしくはパソコンなどにより作成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平4-323538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ストップウォッチによる測定は、突出口を手で塞いでいた作業員が行う場合も、突出口を手で塞いでいた作業員とは別の作業員が行う場合でも、落下開始のタイミングをうまく把握することが困難であるため、落下時間を正確に計測できないといった問題点があった。
また、作業員が調書へ落下時間を記入するため、記入ミス(入力ミス)をするおそれがあるだけでなく、調書の作成には手間がかかっていた。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、モルタルの落下時間を正確に計測する方法と、それに用いられるモルタルの流動性試験装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、モルタルの落下時間の計測方法であって、モルタルを収納する試験容器の背景に前記モルタルとは明度の異なる仕切り板を設置するとともに、前記モルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影し、前記撮影された動画から、前記モルタルの落下時間を算出することを特徴とする。
これにより、モルタルの落下時間を正確に求めることができるので、モルタルの流動性を精度よく評価することができる。
また、前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に仕切り板を設けて、落下するモルタルの背景に落下するモルタル以外の動く物体が写らないようにしたので、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、仕切り板の明度とモルタルの明度とを異なるようにしたので、画像上、仕切り板モルタルとを明確に区別できる。したがって、モルタル落下状態を正確に撮影することができ、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、前記試験容器の直下に、前記落下したモルタルを回収するための回収容器を設置するとともに、前記回収容器の側面に前記モルタルが全て落下したと仮定したときの前記モルタルの表面の位置に目印をつけ、前記モルタルの前記回収容器内の高さが前記目印の位置になったときに、前記試験容器内のモルタルが全て落下したと判定するようにしたので、前記試験容器内にモルタルが残っているか否かを判別することができる。
【0007】
また、本発明は、モルタルの流動性試験装置を、モルタルを収納する試験容器と、前記試験容器に収納されたモルタルが前記試験容器の排出口から落下を開始してから前記落下が終了するまでの動画を撮影する撮影手段と、前記試験容器の前記撮影手段とは反対側に設けられた、前記モルタルとは明度の異なる仕切り板と、前記撮影された動画から、前記モルタルが前記排出口から落下を開始してから落下が終了するまでの時間である落下時間を算出する落下時間算出手段とから構成したので、モルタルの落下時間を正確に求めることができる。
また、前記試験容器の排出口側に、前記撮影装置の撮影開始に連動して前記排出口を開放する蓋部材を設けて、モルタルが自動的に落下するようにしたので、作業員の負担を軽減することができる。
また、前記落下時間を算出したモルタルの品名と前記算出された落下時間とを記録する管理表を記憶する記憶手段を設けたので、データの管理を効率よく行うことができるとともに、データの記入ミスをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施の形態に係るモルタルの流動性試験装置を示す図である。
蓋部材の一例を示す図である。
背景差分法を説明するための図である。
落下時間の計測方法を示すフローチャートである。
落下するモルタルの写っているフレームを抽出する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本実施形態に係るモルタルの流動性試験装置(以下、試験装置10という)を示す図で、試験装置10は、試験容器11と、蓋部材12と、回収容器13と、動画撮影手段としてのカメラ14と、仕切り板15と、落下時間算出手段16と、表示手段17と、記憶手段18とを備える。落下時間算出手段16は、例えば、CPUを備えたコンピュータのソフトウェアで構成され、表示手段17は液晶ディスプレイから構成される。また、記憶手段18はコンピュータのRAM,ROMなどから構成される。
なお、カメラ14と落下時間算出手段16~記憶手段18を一体としたタブレットやパーソナルコンピューターを用いて、撮影、演算、データ保存を行ってもよい。
【0010】
試験容器11は、流動性試験を行うモルタルMを収納する容器本体11aと、容器本体11aを支持する支持部材11bと、蓋部材12を取付けるための蓋取付け部材11cとを備える。
容器本体11aは、上側の径が下側の径よりも大きな、上側と下側とに開口する漏斗状の部材で、モルタルMは、上側の開口部である注入口11mから注入されて容器本体11aの内部に収納される。落下試験時には、注入されたモルタルMは、下側の開口部である排出口11nから容器本体11aの下側に落下する。
支持部材11bは、容器本体11aの側面に、上から見たときに上端側が容器本体11aの中心に近く、下端側が中心から離れるように取付けられた棒材で、本例では、支持部材11bとして3本の棒材111~113を容器本体11aの軸に対して対象に配置している。3本の棒材111~113は、上から見ると正三角形をなしており、この正三角形の一辺に垂直な方向を前後方向とし、辺側を前側、頂点側を後側とする。すなわち、注入口11mが棒材113に隠れない側(カメラ14を設置する側)を前側とする。
蓋部材12は、図2(a),(b)に示すように、蓋部12aと、回転部12bと、連結板12cとを備える。
(【0011】以降は省略されています)
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