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公開番号2024177694
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023095971
出願日2023-06-12
発明の名称インクジェット記録方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B41J 2/14 20060101AFI20241217BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】 酸化チタンを含有するインクの再分散性を高め、インクの吐出安定性が改善されたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】 インクを液体吐出ヘッドから吐出するインクジェット記録方法であって、前記インクは、酸化チタンを含有し、ストークスの式に基づく沈降速度が1.0×10-11m/s以上であり、前記液体吐出ヘッドは、吐出口と、圧力室と、前記インクを吐出するためのエネルギー発生素子と、前記圧力室に液体を供給するための上流側流路と、前記圧力室に連通する下流側流路と、前記上流側流路及び前記下流側流路と連通し、前記上流側流路、前記圧力室、前記下流側流路および前記上流側流路の順に前記インクが循環する循環経路を形成するポンプと、を含み、前記循環経路の最大断面積をS[mm2]、前記循環経路における前記インクの流量をQ[mL/s]としたとき、Q/Sが前記インクの前記沈降速度よりも大きい。
【選択図】 図20
特許請求の範囲【請求項1】
インクを液体吐出ヘッドから吐出するインクジェット記録方法であって、
前記インクは、酸化チタンを含有し、ストークスの式に基づく沈降速度が1.0×10
-11
m/s以上であり、
前記液体吐出ヘッドは、
前記インクを吐出するための吐出口と、
前記吐出口に前記インクを供給するための圧力室と、
前記インクを吐出するエネルギーを発生させるためのエネルギー発生素子と、
前記圧力室に液体を供給するための上流側流路と、
前記圧力室に連通する下流側流路と、
前記上流側流路及び前記下流側流路と連通し、前記上流側流路、前記圧力室、前記下流側流路および前記上流側流路の順に前記インクが循環する循環経路を形成するポンプと、
を含み、
前記循環経路の最大断面積をS[mm

]、前記循環経路における前記インクの流量をQ[mL/min]としたとき、Q/Sが前記インクの前記沈降速度よりも大きい、インクジェット記録方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記流量Qは前記ポンプの流量である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】
前記流量Qは2.0mL/min以上10mL/min以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】
前記循環経路内を流れる前記インクの体積が5mL以上30mL以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】
前記液体吐出ヘッドが、インクを付与される記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査しながら液体を吐出するように構成されている、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】
前記液体吐出ヘッドが、さらに、前記上流側流路内の液体の圧力を調整するように構成された第1圧力調整手段を有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
【請求項7】
前記第1圧力調整手段は、第1バルブ室と、第1圧力制御室と、前記第1バルブ室と前記第1圧力制御室とを連通させる第1開口と、前記第1開口を開閉可能に構成された第1バルブとを有する請求項6に記載のインクジェット記録方法。
【請求項8】
前記第1圧力制御室は、変位可能に構成された第1可撓性部材により一部の面が構成され、前記第1可撓性部材と連動して変位可能な第1圧力板と、前記第1圧力板を前記第1圧力制御室の容積が大きくなる方向に付勢する第1付勢部材とを有し、前記第1圧力板及び前記第1可撓性部材の変位に応じて前記第1バルブを開閉可能に構成されている請求項7に記載のインクジェット記録方法。
【請求項9】
前記液体吐出ヘッドが、さらに、前記下流側流路内の液体の圧力を調整するように構成された第2圧力調整手段を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【請求項10】
前記第2圧力調整手段は、第2バルブ室と、第2圧力制御室と、前記第2バルブ室と前記第2圧力制御室とを連通させる第2開口と、前記第2開口を開閉可能に構成された第2バルブとを有する請求項9に記載のインクジェット記録方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、紙や樹脂フィルムなどの記録媒体を用いた広告や展示物を出力する際に、インクジェット記録装置が広く利用されるようになってきた。例えば、透明な記録媒体においても鮮明なカラー画像を表現するために、ブラックや基本色のインク(以下、これらをまとめてカラーインクと記載することがある)に加えて、白インクが併用される。具体的には、透明な記録媒体の画像を記録する領域を含む箇所に前もって白インクを付与して下地処理を行い、その上からカラーインクを付与する、又はその逆順で各インクを付与する(いわゆるバックプリント)記録方法が用いられている。
【0003】
白インクの色材としては、低コストであるとともに、白さや隠ぺい性など白インクとして必要とされる特性に優れるため、酸化チタンが広く用いられている。しかしながら、酸化チタンは沈降しやすい、という課題があった。そこで、従来、白インクにおける酸化チタンの沈降抑制の観点から、酸化チタンを表面処理することで、分散安定性を向上させる方法が検討されてきた。例えば、特許文献1には酸化チタンをシリカで表面処理した後に、さらにシランカップリング剤で表面処理し、乾燥させることで、シランカップリング剤の一部を酸化チタンの粒子表面に共有結合させた乾燥二酸化チタン生成物の製造方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2において、アルミナで表面処理された酸化チタン、1価の金属塩、及びアルミナ微粒子を含有するインクが提案されている。
【0005】
すなわち、特許文献1や特許文献2では、酸化チタンの沈降が抑制された白インクを用いることで、白インクの安定した吐出や、記録画像における画像ムラの発生抑制が試みられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2017-521348号公報
国際公開第2018/190848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、沈降しやすい酸化チタンを含有する白インクなどのインクを用いたインクジェット記録方法において、インクの安定した吐出を達成する方法として、酸化チタンの沈降が抑制されるようにインクを構成するのではなく、再分散性の良い酸化チタン粒子を用いることを考えた。そのうえで、沈降しても再分散されるように液体吐出ヘッドを構成することを考えた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、酸化チタンを含有するインクの再分散性を高め、インクの吐出安定性が改善されたインクジェット記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、インクを液体吐出ヘッドから吐出するインクジェット記録方法であって、前記インクは、酸化チタンを含有し、ストークスの式に基づく沈降速度が1.0×10
-11
m/s以上であり、前記液体吐出ヘッドは、前記インクを吐出するための吐出口と、前記吐出口に前記インクを供給するための圧力室と、前記インクを吐出するエネルギーを発生させるためのエネルギー発生素子と、前記圧力室に液体を供給するための上流側流路と、前記圧力室に連通する下流側流路と、前記上流側流路及び前記下流側流路と連通し、前記上流側流路、前記圧力室、前記下流側流路および前記上流側流路の順に前記インクが循環する循環経路を形成するポンプと、を含み、前記循環経路の最大断面積をS[mm

]、前記循環経路における前記インクの流量をQ[mL/s]としたとき、Q/Sが前記インクの前記沈降速度よりも大きい、インクジェット記録方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、酸化チタンを含有するインクの吐出安定性が改善されたインクジェット記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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