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公開番号
2024171745
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023088926
出願日
2023-05-30
発明の名称
熱処理解析方法、熱処理解析装置、熱処理解析プログラム
出願人
株式会社神戸製鋼所
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
25/18 20060101AFI20241205BHJP(測定;試験)
要約
【課題】高精度かつ短時間で熱処理解析を実現する。
【解決手段】熱処理解析方法は、金属部材を模擬した3次元モデル100に対して有限要素法による3次元熱処理解析を実行し、3次元モデル100から評価対象とする外面または断面を評価面101,104として抽出し、推定器33に対して評価面101,104における2次元熱処理解析条件を入力することによって評価面101,104における2次元熱処理解析結果を推定することを含む処理をコンピュータにより実行する。推定器33は、評価面101,104における2次元熱処理解析条件を入力された際に、評価面101,104における2次元熱処理解析結果を出力するように、有限要素法による3次元熱処理解析の一部データを教師データとして用いた学習処理が施されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属部材を模擬した3次元モデルに対して有限要素法による3次元熱処理解析を実行し、
前記3次元モデルから評価対象とする外面または断面を評価面として抽出し、
推定器に対して前記評価面における2次元熱処理解析条件を入力することによって前記評価面における2次元熱処理解析結果を推定する
ことを含む処理をコンピュータにより実行する熱処理解析方法であって、
前記推定器は、前記評価面における前記2次元熱処理解析条件を入力された際に、前記評価面における前記2次元熱処理解析結果を出力するように、3次元熱処理解析の一部データを教師データとして用いた学習処理が施されている、熱処理解析方法。
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記2次元熱処理解析条件は、前記評価面における炭素成分濃度分布、焼入れ温度、または熱伝達率の少なくとも1つを含み、
前記2次元熱処理解析結果は、前記評価面における応力分布、変位分布、または熱処理後の組織分布の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の熱処理解析方法。
【請求項3】
前記評価面は、前記3次元熱処理解析において応力または変位が最大となる部位を含むように抽出される、請求項1に記載の熱処理解析方法。
【請求項4】
金属部材を模擬した3次元モデルに対して有限要素法による3次元熱処理解析を実行する3次元熱処理解析部と、
前記3次元モデルから評価対象とする外面または断面を評価面として抽出する断面抽出部と、
前記評価面における2次元熱処理解析条件を入力された際に、前記評価面における2次元熱処理解析結果を出力するように、有限要素法による3次元熱処理解析の一部データを教師データとして用いた学習処理が施されている推定器と
を備える、熱処理解析装置。
【請求項5】
金属部材を模擬した3次元モデルに対して有限要素法による3次元熱処理解析を実行し、
前記3次元モデルから評価対象とする外面または断面を評価面として抽出し、
推定器に対して、前記評価面における2次元熱処理解析条件を入力し、前記評価面における2次元熱処理解析結果を推定する
ことを含む処理をコンピュータに実行させる熱処理解析プログラムであって、
前記推定器は、前記評価面における前記2次元熱処理解析条件を入力された際に、前記評価面における前記2次元熱処理解析結果を出力するように、有限要素法による3次元熱処理解析の一部データを教師データとして用いた学習処理が施されている、熱処理解析プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理解析方法、熱処理解析装置、熱処理解析プログラムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
金属部材の熱処理では、金属部材が、ある温度以上に加熱され、その後に冷却されることによって改質される。このとき、金属部材には、温度差による熱収縮または相変態による変態膨張が生じ、このような熱収縮および変態膨張に起因して変形および応力が生じる。金属部材の変形は熱処理後の切削コストの増大に繋がり得るし、金属部材内の応力は金属部材の割れに繋がり得る。従って、切削コストを低減するとともに金属部材の割れを回避すべく、シミュレーションによる変形予測および応力予測が活用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、有限要素法を用いて熱処理中の変形および応力を予測するシミュレーション技術が開示されている。特許文献2には、有限要素法を用いた高周波熱処理などの特殊な熱処理に際して、シミュレーションの一部の磁場計算の回数を低減して解析時間の短縮化を図った技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-53807号公報
特開2014-81208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
有限要素法を利用したシミュレーションは、一回あたりに多くの計算時間を要する。そのため、多くの計算回数を実行する場合には著しく膨大な計算時間を要し、実際上適用困難である。従って、最適な熱処理条件の探索のような多くの計算回数を要する場合に高精度かつ短時間での熱処理解析を実現する観点で改善の余地がある。
【0006】
本発明は、高精度かつ短時間で熱処理解析を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、
金属部材を模擬した3次元モデルに対して有限要素法による3次元熱処理解析を実行し、
前記3次元モデルから評価対象とする外面または断面を評価面として抽出し、
推定器に対して前記評価面における2次元熱処理解析条件を入力することによって前記評価面における2次元熱処理解析結果を推定する
ことを含む処理をコンピュータにより実行する熱処理解析方法であって、
前記推定器は、前記評価面における前記2次元熱処理解析条件を入力された際に、前記評価面における前記2次元熱処理解析結果を出力するように、有限要素法による3次元熱処理解析の一部データを教師データとして用いた学習処理が施されている、熱処理解析方法を提供する。
【0008】
この方法によれば、計算コストの高い有限要素法によるシミュレーションと比べて推定器を利用するために低い計算コストで熱処理解析結果を取得でき、短時間での熱処理解析を実現できる。また、有限要素法による3次元熱処理解析の一部データ(評価面におけるデータ)を教師データとして用いているために、学習データサイズを低減しつつ、有限要素法と同等の高精度の推定が可能である。換言すれば、有限要素法によるシミュレーションを機械学習で代替するサロゲートモデルと称される手法を採用することにより、最適な熱処理条件の探索を可能とするような高精度かつ短時間での熱処理解析を実現できる。また、推定器の入力および出力は2次元熱処理解析のデータであるため、取り扱うデータサイズを3次元熱処理解析と比べて小さくできる。例えば、上記方法は、焼割れ回避、残留応力低減、または熱処理変形低減などのための最適な熱処理条件の探索に活用できる。
【0009】
前記2次元熱処理解析条件は、前記評価面における炭素成分濃度分布、焼入れ温度、または熱伝達率の少なくとも1つを含んでいてもよく、
前記2次元熱処理解析結果は、前記評価面における応力分布、変位分布、または熱処理後の組織分布の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0010】
この構成によれば、2次元熱処理解析結果に大きく影響を与える因子である炭素成分濃度分布、焼入れ温度、または熱伝達率の少なくとも1つについて短時間で最適な熱処理条件を探索できる。
(【0011】以降は省略されています)
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