特許ウォッチ

公開番号2024171413
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023088394
出願日2023-05-30
発明の名称PLCシステム
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類G05B 19/05 20060101AFI20241205BHJP(制御;調整)
要約【課題】複数の記憶装置に変更指示の履歴が記憶される場合に、設定値の変更の履歴と画像データなどとを時刻に対応付けて表示させるための技術を提供すること。
【解決手段】PLCと、演算処理部と、記憶部と、通信部と、を備え、記憶部は、PLC用プログラムデータと画像データとタイムチャートデータとを記憶し、演算処理部は、通信部が接続するネットワークを通じて受け付けた対象装置の制御に用いる設定値の変更履歴である第1変更履歴を記憶部に記憶させる履歴管理部と、操作盤を介して受け付けた変更履歴である第2変更履歴を記憶する操作盤記憶部に記憶されている第2変更履歴を取得する通信実行部と、第1変更履歴と第2変更履歴との少なくともいずれか一方とPLC用プログラムと画像とタイムチャートとを、時刻と対応付けて一覧表示するための一覧表示画像データを作成する画像作成部とを有するPLCシステム。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
ＰＬＣシステムであって、
ＰＬＣと、
演算処理部と、
記憶部と、
装置受付部と、を備え、
前記ＰＬＣは、ＰＬＣ用プログラムを実行して対象装置を制御し、
前記記憶部は、
前記ＰＬＣ用プログラムと、前記ＰＬＣ用プログラムが実行された時刻とが対応付けられたＰＬＣ用プログラムデータと、
前記対象装置を撮像した画像データであって、前記対象装置を含む画像と、前記画像が撮像された時刻とが対応付けられた画像データと、
前記ＰＬＣ用プログラムのタイムチャートの時間軸と、前記ＰＬＣ用プログラムが実行された時刻とが対応付けられたタイムチャートデータと、を記憶し、
前記装置受付部は、操作画面を表示するための操作画面データを提供し、前記対象装置の制御に用いる設定値の受け付けと、前記操作画面の表示態様の指示の受け付けとの少なくともいずれか一方を行い、
前記対象装置は、前記対象装置に対する操作を受け付ける少なくとも１つの操作盤を備え、
前記演算処理部は、
前記装置受付部が受け付けた前記設定値の変更と、前記操作画面の表示態様の変更との少なくともいずれか一方の変更履歴である第１変更履歴を前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、
前記操作画面を表示して、前記操作盤を介して受け付けた前記設定値の変更と、前記操作画面の表示態様の変更との少なくともいずれか一方の変更履歴である第２変更履歴を記憶する操作盤記憶部に記憶されている前記第２変更履歴を取得する通信実行部と、
（ｉ）前記第１変更履歴と前記第２変更履歴との少なくともいずれか一方と、（ｉｉ）前記ＰＬＣ用プログラムと、（ｉｉｉ）前記画像と、（ｉｖ）前記タイムチャートとを、時刻と対応付けて一覧表示するための一覧表示画像データを作成する画像作成部と、を有する、ＰＬＣシステム。
続きを表示（約 1,700 文字）【請求項２】
請求項１に記載のＰＬＣシステムであって、
ネットワークを通じた通信を行う通信部をさらに備え、
前記装置受付部は、前記ネットワークと通信可能に接続されている表示入力装置に前記操作画面データを提供する、ＰＬＣシステム。
【請求項３】
請求項１に記載のＰＬＣシステムであって、
前記演算処理部は、前記設定値の変更を受け付ける受付装置を前記操作盤と前記操作画面データが提供される表示入力装置とのいずれかに設定する装置設定部をさらに備え、
前記画像作成部は、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、
前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記装置設定部が前記受付装置を前記表示入力装置と設定した場合には、前記第１変更履歴の受け渡しを前記履歴管理部に要求して、受け取った前記第１変更履歴を前記画像作成部に引き渡し、前記装置設定部が前記受付装置を前記操作盤と設定した場合には、前記第２変更履歴の転送を前記操作盤に依頼して、受け取った前記第２変更履歴を前記画像作成部に引き渡す、ＰＬＣシステム。
【請求項４】
請求項１に記載のＰＬＣシステムであって、
前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とは、前記対象装置に対する操作を受け付けた時刻と、受け付けた前記設定値とが対応付けられたデータであり、
前記画像作成部は、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、
前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記第１変更履歴の受け渡しを前記履歴管理部に要求するととともに、前記第２変更履歴の転送を前記操作盤に依頼し、受け取った前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とを前記画像作成部に引き渡し、
前記画像作成部は、前記第１変更履歴に含まれる前記設定値と、前記第２変更履歴に含まれる前記設定値とをそれぞれに対応付けられた時刻に従って時系列に並べ替えて統合変更履歴を作成し、前記統合変更履歴が表示されるように前記一覧表示画像データを作成する、ＰＬＣシステム。
【請求項５】
請求項１に記載のＰＬＣシステムであって、
前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とは、前記対象装置に対する操作を受け付けた時刻と、受け付けた前記設定値とが対応付けられたデータであり、
前記対象装置は、前記操作盤を複数備え、
前記画像作成部は、前記一覧表示画像データを作成する場合、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、
前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記第２変更履歴の転送を前記複数の操作盤のそれぞれに依頼し、前記複数の操作盤のそれぞれから転送された前記第２変更履歴を複数受け取り、
前記画像作成部は、前記複数の前記第２変更履歴のそれぞれに含まれる前記設定値をそれぞれに対応付けられた時刻に従って時系列に並べ替えて統合変更履歴を作成し、前記統合変更履歴が表示されるように前記一覧表示画像データを作成する、ＰＬＣシステム。
【請求項６】
請求項１から５のいずれかに記載のＰＬＣシステムであって、
前記画像作成部は、前記対象装置にて発生した異常信号と、予め設定されたトリガ信号との少なくともいずれか一方を受け取った場合に、前記一覧表示画像データを作成する、ＰＬＣシステム。
【請求項７】
請求項１から５のいずれかに記載のＰＬＣシステムであって、
前記操作盤は、操作盤操作画面と、操作ボタンとを有し、
前記第２変更履歴には、前記操作盤操作画面に対する操作と、前記操作ボタンに対する操作とが含まれる、ＰＬＣシステム。
【請求項８】
請求項１に記載のＰＬＣシステムであって、
前記通信実行部は、前記装置受付部が受け付けたバックアップ要求であって、前記操作盤が記憶している前記対象装置のバックアップデータの転送要求であるバックアップ要求を受け付けた場合に、前記操作盤に前記バックアップデータの転送を依頼する、ＰＬＣシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本開示は、ＰＬＣシステムに関する。
続きを表示（約 4,500 文字）【背景技術】
【０００２】
ＰＬＣ（Programmable Logic Controller）によって制御される装置において、トラブルが発生した場合に、トラブルの発生原因を解析し易くするための技術がある（例えば、特許文献１）。特許文献１には、例えば画像データと、デバイス値とを時刻と対応付けて表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０－１３５２６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、装置の稼働中に、オペレータから設定値の変更指示を受け付ける場合がある。そこで、トラブルの発生原因の解析のために、設定値の変更履歴と、画像データなどとを時刻に対応付けて表示させることが考えられる。また、設定値の変更指示は、装置に取り付けられた操作盤で受け付ける形態の他に、装置と通信可能な情報処理装置を用いて、遠隔で受け付ける形態も考えられる。そして、操作盤で受け付けた変更指示の履歴を記憶する記憶装置と、情報処理装置で受け付けた変更指示の履歴を記憶する記憶装置とが異なる場合がある。このように、設定値の変更指示を受け付ける形態が複数あり、複数の記憶装置に変更指示の履歴が記憶される場合に、設定値の変更の履歴と、画像データなどとを時刻に対応付けて表示させるための技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【０００６】
（１）本開示の一形態によれば、ＰＬＣシステムが提供される。このＰＬＣシステムは、ＰＬＣと、演算処理部と、記憶部と、装置受付部と、を備え、前記ＰＬＣは、ＰＬＣ用プログラムを実行して対象装置を制御し、前記記憶部は、前記ＰＬＣ用プログラムと、前記ＰＬＣ用プログラムが実行された時刻とが対応付けられたＰＬＣ用プログラムデータと、前記対象装置を撮像した画像データであって、前記対象装置を含む画像と、前記画像が撮像された時刻とが対応付けられた画像データと、前記ＰＬＣ用プログラムのタイムチャートの時間軸と、前記ＰＬＣ用プログラムが実行された時刻とが対応付けられたタイムチャートデータと、を記憶し、前記装置受付部は、操作画面を表示するための操作画面データを提供し、前記対象装置の制御に用いる設定値の受け付けと、前記操作画面の表示態様の指示の受け付けとの少なくともいずれか一方を行い、前記対象装置は、前記対象装置に対する操作を受け付ける少なくとも１つの操作盤を備え、前記演算処理部は、前記装置受付部が受け付けた前記設定値の変更と、前記操作画面の表示態様の変更との少なくともいずれか一方の変更履歴である第１変更履歴を前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、前記操作画面を表示して、前記操作盤を介して受け付けた前記設定値の変更と、前記操作画面の表示態様の変更との少なくともいずれか一方の変更履歴である第２変更履歴を記憶する操作盤記憶部に記憶されている前記第２変更履歴を取得する通信実行部と、（ｉ）前記第１変更履歴と前記第２変更履歴との少なくともいずれか一方と、（ｉｉ）前記ＰＬＣ用プログラムと、（ｉｉｉ）前記画像と、（ｉｖ）前記タイムチャートとを、時刻と対応付けて一覧表示するための一覧表示画像データを作成する画像作成部と、を有する。この形態によれば、変更履歴が、記憶部と操作記憶部との互いに異なる記憶部に記憶されている場合であっても、一覧表示画像データを作成することができる。
（２）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、ネットワークを通じた通信を行う通信部をさらに備え、前記装置受付部は、前記ネットワークと通信可能に接続されている表示入力装置に前記操作画面データを提供してもよい。この形態によれば、ＰＬＣシステムは、ネットワークに接続されている表示入力装置に操作画面を表示することができる。
（３）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記演算処理部は、前記設定値の変更を受け付ける受付装置を前記操作盤と前記操作画面データが提供される表示入力装置とのいずれかに設定する装置設定部をさらに備え、前記画像作成部は、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記装置設定部が前記受付装置を前記表示入力装置と設定した場合には、前記第１変更履歴の受け渡しを前記履歴管理部に要求して、受け取った前記第１変更履歴を前記画像作成部に引き渡し、前記装置設定部が前記受付装置を前記操作盤と設定した場合には、前記第２変更履歴の転送を前記操作盤に依頼して、受け取った前記第２変更履歴を前記画像作成部に引き渡してもよい。この形態によれば、受付装置が、操作盤と表示入力装置とのいずれかに設定される場合に、画像作成部は、通信実行部に履歴作成依頼を出すことによって、第１変更履歴または第２変更履歴を収集することができる。
（４）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とは、前記対象装置に対する操作を受け付けた時刻と、受け付けた前記設定値とが対応付けられたデータであり、前記画像作成部は、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記第１変更履歴の受け渡しを前記履歴管理部に要求するととともに、前記第２変更履歴の転送を前記操作盤に依頼し、受け取った前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とを前記画像作成部に引き渡し、前記画像作成部は、前記第１変更履歴に含まれる前記設定値と、前記第２変更履歴に含まれる前記設定値とをそれぞれに対応付けられた時刻に従って時系列に並べ替えて統合変更履歴を作成し、前記統合変更履歴が表示されるように前記一覧表示画像データを作成してもよい。この形態によれば、変更履歴が、記憶部と操作盤記憶部とのいずれにも記憶されている場合においても、画像作成部は、通信実行部に履歴作成依頼を出すことによって、第１変更履歴と第２変更履歴とのいずれも収集することができる。
（５）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記第１変更履歴と前記第２変更履歴とは、前記対象装置に対する操作を受け付けた時刻と、受け付けた前記設定値とが対応付けられたデータであり、前記対象装置は、前記操作盤を複数備え、前記画像作成部は、前記一覧表示画像データを作成する場合、前記通信実行部に履歴作成依頼を出し、前記通信実行部は、前記履歴作成依頼を受け取ると、前記第２変更履歴の転送を前記複数の操作盤のそれぞれに依頼し、前記複数の操作盤のそれぞれから転送された前記第２変更履歴を複数受け取り、前記画像作成部は、前記複数の前記第２変更履歴のそれぞれに含まれる前記設定値をそれぞれに対応付けられた時刻に従って時系列に並べ替えて統合変更履歴を作成し、前記統合変更履歴が表示されるように前記一覧表示画像データを作成してもよい。この形態によれば、変更履歴が、複数の操作盤のそれぞれの操作盤記憶部に記憶されている場合においても、画像作成部は、通信実行部に履歴作成依頼を出すことによって、複数の第２変更履歴を収集することができる。
（６）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記画像作成部は、前記対象装置にて発生した異常信号と、予め設定されたトリガ信号との少なくともいずれか一方を受け取った場合に、前記一覧表示画像データを作成してもよい。この形態によれば、異常信号が発生した場合やトリガ信号が発生した場合に、オペレータによる操作を要することなく、一覧表示画像データを作成することができる。
（７）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記操作盤は、操作盤操作画面と、操作ボタンとを有し、前記第２変更履歴には、前記操作盤操作画面に対する操作と、前記操作ボタンに対する操作とが含まれてもよい。この実施形態によれば、操作盤操作画面に対する操作だけではなく、操作ボタンに対する操作によって、変更された設置値が、第２変更履歴に含まれるため、異常信号が発生した原因の解析に必要な情報量を増やすことができる。
（８）上記形態のＰＬＣシステムにおいて、前記通信実行部は、前記装置受付部が受け付けたバックアップ要求であって、前記操作盤が記憶している前記対象装置のバックアップデータの転送要求であるバックアップ要求を受け付けた場合に、前記操作盤に前記バックアップデータの転送を依頼してもよい。この形態によれば、操作盤とは離れた場所から、操作盤が記憶しているバックアップデータを取得することができる。
本開示は、種々の形態で実現することが可能であり、上記のＰＬＣシステムの他に、例えば一覧表示画像の表示方法や表示プログラムなどの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
装置制御システムの構成を示す図。
装置制御システムの電気的構成を示す図。
一覧表示画像を説明する図。
一覧表示画像データの作成手順を示すシーケンス図。
第２実施形態に係る一覧表示画像データの作成手順を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
Ａ．第１実施形態：
Ａ１．装置制御システムの構成：
図１は、装置制御システム１の構成を示す図である。図２は、装置制御システム１の電気的構成を示す図である。
【０００９】
図１に示すように、装置制御システム１は、ＰＬＣ（Programmable Logic Controller）システム２と、操作盤５０と、表示入力装置としてのＰＣ７０と、ＨＵＢ８１と、カメラ８２とを備える。ＰＬＣシステム２は、解析装置１０と、制御装置３０とを有する。装置制御システム１は、対象装置１００を制御するとともに、対象装置１００の稼働中における種々のデータを収集し解析する。対象装置１００は、数値制御可能な装置である。対象装置１００は、例えば、マシニングセンターや切削機などの工作機械である。対象装置１００には、操作盤５０が取り付けられている。
【００１０】
対象装置１００は、例えばサーボモータなどの数値制御されるＮＣ(numerical control)装置１０１を備える。そして、対象装置１００が備えるＮＣ装置１０１は、制御装置３０が備える後述する数値演算部３２（図２）から送信される制御信号に従って動作する。また、対象装置１００は、ＮＣ装置１０１以外のセンサーを含む周辺機器１０２を備える。そして、対象装置１００が備える周辺機器１０２は、制御装置３０が備える後述するＰＬＣ３４（図２）からの制御信号に従って動作するとともに、周辺機器１０２に含まれるセンサーから出力される出力信号を出力する。
（【００１１】以降は省略されています）

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