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公開番号2024167543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083692
出願日2023-05-22
発明の名称ノイズ解析方法
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類G06F 30/398 20200101AFI20241127BHJP(計算;計数)
要約【課題】ノイズを解析するノイズ解析方法を提供する。
【解決手段】ノイズ解析方法は、基板に形成する回路の回路情報を取得する取得ステップ(#21)と、回路情報に基づいて、基板に含まれる閉回路及び伝搬回路を抽出する抽出ステップ(#22)と、抽出した閉回路及び伝搬回路を等価回路に変換する変換ステップ(#23)と、等価回路に基づいて、回路パラメータを算定するパラメータ算定ステップ(#24)と、回路パラメータに基づいて、観測点を設定する設定ステップと、観測点で観測したノイズを算定するノイズ算定ステップと、算定したノイズを、閉回路及び伝搬回路の評価基準に基づいて評価する評価ステップと、を含む。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
ノイズを解析するノイズ解析方法であって、
基板に形成する回路の回路情報を取得する取得ステップと、
前記回路情報に基づいて、前記基板に含まれる閉回路及び伝搬回路を抽出する抽出ステップと、
抽出した前記閉回路及び前記伝搬回路を等価回路に変換する変換ステップと、
前記等価回路に基づいて、回路パラメータを算定するパラメータ算定ステップと、
前記回路パラメータに基づいて、観測点を設定する設定ステップと、
前記観測点で観測したノイズを算定するノイズ算定ステップと、
算定した前記ノイズを、前記閉回路及び前記伝搬回路の評価基準に基づいて評価する評価ステップと、
を含むノイズ解析方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記回路パラメータとして、前記閉回路及び前記伝搬回路の等価回路におけるZパラメータと前記伝搬回路の等価回路におけるSパラメータとが算定される請求項1に記載のノイズ解析方法。
【請求項3】
前記評価基準として、前記Zパラメータと前記Sパラメータとにより算定したノイズの夫々に許容値が設定される請求項2に記載のノイズ解析方法。
【請求項4】
前記評価基準は、前記ノイズを発信するノイズ源を示すノイズ源情報及び前記ノイズを受信する最終ノイズ情報に基づいて設定される請求項1から3のいずれか一項に記載のノイズ解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズを解析するノイズ解析方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、回路が形成された基板が利用されており、例えばスイッチング素子や発振器等のように振幅する信号を出力する部品が基板内に実装される場合がある。このような部品が実装される基板では、スイッチングノイズや発振時のノイズ(以下「ノイズ」とする)が生じるため、基板の周囲の装置(例えばラジオやディスプレイ等)の出力に影響を与えないかを試験にて必ず確認する必要がある。また、設計段階で不要なノイズを低減することが望まれる。このようなノイズを簡易に解析する技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、ノイズ解析方法について記載されている。このノイズ解析方法では、回路情報を取得するステップと、回路情報からスイッチング素子を含む閉回路の情報を抽出するステップと、閉回路の情報のうち、スイッチング素子の情報を等価回路の情報に置き換えることにより、閉回路の情報を等価閉回路情報とするステップと、等価閉回路情報に基づいて、観測点を設定するステップと、等価閉回路情報が示す回路について観測点で観測した場合のノイズ量を算出するステップと、をコンピュータが実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-024574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のノイズ解析方法では、基板に含まれる回路のうち、閉回路に関してノイズ量を算出している。しかしながら、実際のノイズ試験においては、閉回路のノイズ量を測定しているのではなく、閉回路の先にある回路を伝搬した際のノイズ量を最終的に測定している。この閉回路から最終ノイズの測定点までの回路のことをここでは伝搬回路と称す。この伝搬回路によってノイズ量が減少または増加することに加えて、閉回路と伝搬回路の相互作用によってもノイズ量が変化する場合がある。よって、ノイズ試験として良否判定する場合は、閉回路だけでなく伝搬回路も含めたノイズ解析を行う必要がある。このため、特許文献1に記載のノイズ解析方法では、精度よくノイズ解析を行うことができず、最終的には実機を用いたノイズ試験によりノイズの良否を見極めることになる。また、実機を用いたノイズ試験によりノイズの良否を見極めるので、ノイズが規格を満足しない場合に備えて、ノイズ対策部品の実装スペースや基板周囲のGND配線スペースを確保しておかなければならず、本来不要な面積を有するため、基板を小型化することができない。
【0006】
そこで、伝搬回路を含めてノイズを精度よく解析することが可能なノイズ解析方法が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るノイズ解析方法の特徴構成は、ノイズを解析するノイズ解析方法であって、基板に形成する回路の回路情報を取得する取得ステップと、前記回路情報に基づいて、前記基板に含まれる閉回路及び伝搬回路を抽出する抽出ステップと、抽出した前記閉回路及び前記伝搬回路を等価回路に変換する変換ステップと、前記等価回路に基づいて、回路パラメータを算定するパラメータ算定ステップと、前記回路パラメータに基づいて、観測点を設定する設定ステップと、前記観測点で観測したノイズを算定するノイズ算定ステップと、算定した前記ノイズを、前記閉回路及び前記伝搬回路の評価基準に基づいて評価する評価ステップと、を含む点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、基板に形成する回路の回路情報に基づいて、閉回路だけでなく、伝搬回路も考慮してノイズを算定し、この算定結果に基づいてノイズの良否を見極めることで、基板の作製前であっても、ノイズを精度よく解析することができる。また、ノイズが試験規格を満たすように基板を設計することができるので、基板に対してノイズを低減するための対策部品を実装するスペースや基板周囲にGND配線するスペースを余分に設ける必要がない。したがって、基板の小型化を行うことが可能となる。
【0009】
また、前記回路パラメータとして、前記閉回路及び前記伝搬回路の等価回路におけるZパラメータと前記伝搬回路の等価回路におけるSパラメータとが算定されると好適である。
【0010】
Zパラメータは、ノイズ源と回路との接続点を端子とした一端子対回路にて表現され、ノイズ源の直近でどれだけノイズを閉じ込めることができるかを示すパラメータになる。また、Sパラメータは、ノイズ源と回路との接続点の端子と、最終ノイズの測定点と回路との接続点の端子とで構成される二端子対回路にて表現され、ノイズ源から最終ノイズの測定点までの伝搬回路にて、どれだけノイズを減衰させることができるかを示すパラメータになる。そこで、このようなZパラメータ及びSパラメータによる回路パラメータにて、閉回路だけでなく伝搬回路も含めたノイズ解析(最終ノイズの解析)を行う構成とすれば、ノイズを精度よく算定することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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