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公開番号2024167089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2024080736
出願日2024-05-17
発明の名称フェノールフォーム用の発泡安定剤
出願人エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー,Evonik Operations GmbH
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 61/06 20060101AFI20241122BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】従来のポリエーテル変性シロキサンを用いて製造されたフェノールフォームと同様の使用特性、特に断熱特性を有するが、環状シロキサンの形成に関連するエミッションに関してD4、D5および/またはD6、特にD4および/またはD5がまったくまたはわずかにしか形成されないフェノールフォームを提供する。
【解決手段】フェノールフォーム製造用の組成物であって、少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒と、式1、すなわちMaMb 1DcDd 1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンとを含む、組成物。
式中、
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024167089000010.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">34</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">169</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フェノールフォーム製造用の組成物であって、前記組成物は、少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒と、式1










(式1)
[式中、
TIFF
2024167089000008.tif
34
169
a=0~2であり、
b=0~2であり、
c=0~100、有利には0~75、特に好ましくは0~50であり、
d=1~100、有利には1~75、特に好ましくは1~50であり、
a+b=2であり、
a+b+c+d>4、好ましくは>7であり、
(a+b+c+d)/(b+d)<5、有利には1~4、特に好ましくは1~3であり、
R=それぞれ互いに独立して、1~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、6~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基、Hまたは-O-R

、好ましくはメチル、エチル、フェニルまたはH、特にメチルであり、


=それぞれ互いに独立して、1~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、6~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基、またはHであり、


=それぞれ互いに独立して、6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、または同一のもしくは異なるポリエーテル基、好ましくは6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、または式2
TIFF
2024167089000009.tif
17
169
による同一のもしくは異なるポリエーテル基であり、


=それぞれ互いに独立して、2~15個の炭素原子を有する同一のまたは異なる2価のアルキル基、好ましくは3~6個の炭素原子を有する同一のまたは異なる2価のアルキル基、特に好ましくは-(CH



-であり、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、


=それぞれ互いに独立して、R

およびC(O)R

からなる群から選択される同一のまたは異なる基であり、ここで、メチル、ブチル、HまたはC(O)Meが好ましく、
e=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
f=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
g=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
h=0~100、好ましくは0~60、特に好ましくは0であり、
前記値e、f、gまたはhの少なくとも1つは>0である]による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンとを含み、
式1によるポリエーテルシロキサン中の前記基R

の最大で50%が、それぞれ互いに独立して、6~18個の炭素原子を有する同一のまたは異なるアルキル基であり、前記式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンが、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~20重量部、有利には0.5~10重量部、特に好ましくは0.5~8重量部の総量で含まれている、組成物。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンが、R

について前記一般式2の少なくとも1つのポリエーテル基を含み、ここで、
e=6~16であり、
f=g=h=0であるか、
または
e+f+g=8~50であり、
h=0であり、
(f+g)/(e+f+g)>0~0.9、特に好ましくは0.1~0.6である
ことを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンが、R

について前記一般式2の少なくとも2つの異なるポリエーテル基を含み、少なくとも1つのポリエーテルが、カテゴリー1に対応し、少なくとも1つのポリエーテルが、カテゴリー2に対応し、ここで、
a=0~2、特に好ましくは2であり、
b=0~2、特に好ましくは0であり、
c=0~10、好ましくは0~5、特に好ましくは0であり、
d=1~80、有利には1~50、特に好ましくは5~40であり、
a+b=2であり、
a+b+c+d>4、好ましくは>7であり、かつ
カテゴリー1:
e+f+g=10~60、特に好ましくは14~40であり、
h=0であり、
(f+g)/(e+f+g)≧0.6、特に好ましくは≧0.8、特に=1であり、かつ
カテゴリー2:
e=6~16であり、
f=g=h=0であるか、
または
e+f+g=8~50であり、
h=0であり、
(f+g)/(e+f+g)>0~0.5、特に好ましくは0.1~0.3であり、当該ポリエーテルシロキサン中の前記カテゴリー1のポリエーテルと前記カテゴリー2のポリエーテルとの好ましい比が、10:90~90:10重量%、特に好ましくは20:80~80:20重量%、特に25:75~75:25重量%に相当することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンが、少なくとも2つの異なる基R

を含み、少なくとも1つの基R

が、式2によるポリエーテル基であり、1つの基R

が、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、式1によるポリエーテルシロキサン中の前記基R

の最大で50%が、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの発泡剤が、以下:
- 3、4または5個の炭素原子を有する炭化水素、好ましくはシクロ-、イソ-および/またはn-ペンタン
ならびに
- 3、4または5個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素、好ましくは塩化イソプロピル、ハイドロフルオロオレフィンおよび/またはハイドロハロオレフィン、好ましくは1234ze、1234yf、1224yd、1233zd(E)および/または1336mzz
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのケイ素不含界面活性剤が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~15重量部、有利には1~10重量部の総量でさらに含まれていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つのアルコキシル化、好ましくはエトキシル化植物油、好ましくはヒマシ油が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~15重量部、有利には1~10重量部の総量でさらに含まれていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの触媒が、有機酸および無機酸からなる群から選択され、有利には、前記少なくとも1つの触媒が、硫酸、リン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、クメンスルホン酸およびフェノールスルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの触媒が、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して1~30重量部、有利には1~25重量部、特に好ましくは3~20重量部の総量で含まれていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフェノール樹脂が、使用される全フェノール樹脂に対して1~25重量%、好ましくは4~19重量%の含水率を有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェノールフォームの分野に関する。本発明は特に、フェノールフォームを製造するための組成物、フェノールフォームの製造方法、本発明により製造されたフェノールフォームおよびその使用に関する。本発明の範囲において、フェノールフォームとは特に、発泡剤および発泡安定剤の添加下にフェノール樹脂を触媒としての酸と反応させることにより得られるフォームを意味すると理解される。フェノールフォームは当業者に公知であり、例えば、欧州特許出願公開第3830174号明細書、欧州特許第602004006376号明細書独語翻訳文、欧州特許出願公開第2898005号明細書、欧州特許出願公開第1922357号明細書、国際公開第2022043561号、欧州特許出願公開第4073155号明細書、豪国特許出願公開第2021238847号明細書または国際公開第2006114777号に記載されている。フェノールフォームは、フェノール樹脂フォームとも呼ばれる。これは、本発明にも該当する。
続きを表示(約 3,300 文字)【0002】
フェノールフォームの製造においては、一般にセル安定化添加剤あるいはフォーム安定化添加剤を使用することができ、これらの添加剤は、微細なセルで均一かつ乱れの少ないフォーム構造を得ることを目的としており、したがってフォームの使用特性、特に例えば断熱性能に大きな好影響を与える。この目的のためには通常、発泡安定剤を使用することができ、例えば欧州特許出願公開第3830174号明細書に記載されているように、エトキシル化植物油、例えばヒマシ油をベースとする発泡安定剤を使用することができる。例えば国際公開第2022043561号に記載されているようなポリエーテル変性シロキサン(PES)の使用は、使用特性をさらに改善するのに特に有効であることが証明されている。特に、エトキシル化植物油とポリエーテル変性シロキサンとの組み合わせは、優れた使用特性をもたらす。したがって、この組み合わせは、フェノールフォームの製造において一般的に好ましいタイプの発泡安定剤である。
【0003】
国際公開第2004/056911号には、特に、熱伝導率の経時変化を改善するための発泡安定剤としてポリエーテルシロキサンコポリマーを使用した独立気泡型フェノールフォームの製造が記載されており、該コポリマーは、一般的なポリシロキサン、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドの含有量を使用して記載されている。
【0004】
国際公開第2022/043561号には、特に、エトキシル化ヒマシ油と、ポリエチレンオキシド含有量が50%未満のポリエーテルシロキサンコポリマーとの混合物をベースとする発泡安定剤、好ましくは分子量が9,500~25,000g/molでHLB値が9~13のポリエーテルシロキサンコポリマーを使用したフェノールフォームの製造が記載されている。
【0005】
発泡安定剤およびその構造がフォームのエミッションに及ぼす影響、ならびにそれを低減または回避する方法については、これまでにまだ記載されていない。
【0006】
触媒として酸の存在下で発泡安定剤としてポリエーテル変性シロキサンを使用すると、ポリエーテル変性シロキサンの分解、ならびにそれに続く環状シロキサン、有利にはオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)およびドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、特にD4およびD5の形成が生じることがあり、これらはフェノールフォームの特性、特にエミッションに悪影響を及ぼす。
【0007】
このような背景から、本発明の課題は、従来のポリエーテル変性シロキサンを用いて製造されたフェノールフォームと同様の使用特性、特に断熱特性を有するが、環状シロキサンの形成に関連するエミッションに関してD4、D5および/またはD6、特にD4および/またはD5がまったくまたはわずかにしか形成されないフェノールフォームを提供することであった。
【0008】
この課題は、本発明の対象によって解決される。本発明の対象は、フェノールフォーム製造用の組成物であって、該組成物は、少なくとも1つのフェノール樹脂と、少なくとも1つの発泡剤と、少なくとも1つの触媒と、式1










(式1)
[式中、
TIFF
2024167089000001.tif
34
169
a=0~2であり、
b=0~2であり、
c=0~100、有利には0~75、特に好ましくは0~50であり、
d=1~100、有利には1~75、特に好ましくは1~50であり、
a+b=2であり、
a+b+c+d>4、好ましくは>7であり、
(a+b+c+d)/(b+d)<5、有利には1~4、特に好ましくは1~3であり、
R=それぞれ互いに独立して、1~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、6~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基、Hまたは-O-R

、好ましくはメチル、エチル、フェニルまたはH、特にメチルであり、


=それぞれ互いに独立して、1~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、6~16個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基、またはHであり、


=それぞれ互いに独立して、6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、または同一のもしくは異なるポリエーテル基、好ましくは6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基、または式2
TIFF
2024167089000002.tif
17
169
による同一のもしくは異なるポリエーテル基であり、


=それぞれ互いに独立して、2~15個の炭素原子を有する同一のまたは異なる2価のアルキル基、好ましくは3~6個の炭素原子を有する同一のまたは異なる2価のアルキル基、特に好ましくは-(CH



-であり、


=それぞれ互いに独立して、1~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアルキル基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、または6~18個の炭素原子を有する同一のもしくは異なるアリール基であって、任意にエーテル官能基を有するもの、またはH、好ましくはH、メチル、エチルまたはベンジルであり、


=それぞれ互いに独立して、R

およびC(O)R

からなる群から選択される同一のまたは異なる基であり、ここで、メチル、ブチル、HまたはC(O)Meが好ましく、
e=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
f=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
g=0~100、好ましくは0~80、特に0~60であり、
h=0~100、好ましくは0~60、特に好ましくは0であり、
値e、f、gまたはhの少なくとも1つは>0である]による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンとを含み、
式1によるポリエーテルシロキサン中の基R

の最大で50%が、それぞれ互いに独立して、6~18個の炭素原子を有する同一のまたは異なるアルキル基であり、式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンが、使用される全フェノール樹脂100重量部に対して0.1~20重量部、有利には0.5~10重量部、特に好ましくは0.5~8重量部の総量で含まれている、組成物である。
【0009】
本発明による対象は、様々な利点を有する。例えば、本発明による対象により、公知の要求を満たすフェノールフォームの提供が可能になる。特に、該フェノールフォームは、非常に良好な断熱特性を有し、優れた長期挙動および高い表面品質を示す。有利なことに、これは、材料の他の特性を損なうことなく、そして、環状シロキサン、有利にはD4、D5および/またはD6、特にD4および/またはD5がまったくまたはわずかにしか形成されることなく可能となる。さらに、特に微細なセルで、均一で、乱れの少ないフォーム構造が可能となる。また本発明により、先行技術から知られているアルコキシル化植物油との併用も可能となる。
【0010】
本発明による組成物は、式1による少なくとも1つのポリエーテルシロキサンを含む。本発明の趣意において特に好ましく使用できるポリエーテルシロキサンは、本発明の以下の3つの好ましい実施形態に記載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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