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公開番号2024164847
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023080493
出願日2023-05-16
発明の名称交流消耗電極アーク溶接制御方法
出願人株式会社ダイヘン
代理人
主分類B23K 9/073 20060101AFI20241121BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】交流消耗電極アーク溶接において、スパッタの発生を抑制して溶接状態を安定化すること。
【解決手段】溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、アーク期間の時間長さが電流降下時間に達すると溶接電流Iwを降下させ、短絡期間になるまでの小電流アーク期間へと移行させ、電極極性を少なくとも1回のアーク期間を含む時刻t1~t4の電極プラス極性期間Tepと時刻t4~t7の電極マイナス極性期間Tenとに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接制御方法において、電極マイナス極性期間Ten中の時刻t5~t53の電極マイナス極性電流降下時間を、電極プラス極性期間Tep中の時刻t2~t23の電極プラス極性電流降下時間よりも長い値に設定する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、
前記アーク期間の時間長さが電流降下時間に達すると溶接電流を降下させ前記短絡期間になるまでの小電流アーク期間へと移行させ、
電極極性を少なくとも1回の前記アーク期間を含む電極プラス極性期間と電極マイナス極性期間とに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接制御方法において、
前記電流降下時間を、前記電極マイナス極性期間中は前記電極プラス極性期間中よりも長い値に設定する、
ことを特徴とする交流消耗電極アーク溶接制御方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記電極マイナス極性期間中の前記電流降下時間を、前記電極マイナス極性期間中の前記小電流アーク期間の時間長さが0.1~2msの範囲となるように設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法。
【請求項3】
前記電極マイナス極性期間中の前記小電流アーク期間の前記溶接電流の値を、前記電極プラス極性期間中の前記小電流アーク期間の前記溶接電流の値よりも小さな値に制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法。
【請求項4】
前記短絡期間中にアークの再発生の前兆現象である溶滴のくびれを検出すると前記溶接電流を減少させて低レベル電流値に維持し、
前記アークが再発生すると前記溶接電流を前記低レベル電流値から高アーク電流値まで傾斜を有して上昇させ、
前記傾斜中の前記溶接電流の上昇率を、前記電極マイナス極性期間中は前記電極プラス極性期間中よりも小さな値に設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、電極極性を電極プラス極性期間と電極マイナス極性期間とに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接制御方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、短絡期間中にアークの再発生の前兆現象である溶滴のくびれを検出すると溶接電流を減少させて低レベル電流値に維持し、アークが再発生すると溶接電流を低レベル電流値から高アーク電流値まで傾斜を有して上昇させ、アーク期間の時間長さが電流降下時間に達すると溶接電流を降下させて小電流アーク期間へと移行させて溶接する消耗電極アーク溶接方法が慣用されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
また、電極極性を、複数周期の短絡期間及びアーク期間を含む電極プラス極性期間と電極マイナス極性期間とに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接方法が慣用されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5918051号公報
特開2021-84120号公報
特許第6601870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、電極極性を電極プラス極性期間と電極マイナス極性期間とに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接においては、電極マイナス極性期間中に多くのスパッタが発生して溶接状態が不安定になるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明では、交流消耗電極アーク溶接において、スパッタの発生を抑制して溶接状態を安定化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
溶接ワイヤと母材との間で短絡期間とアーク期間とを繰り返し、
前記アーク期間の時間長さが電流降下時間に達すると溶接電流を降下させ前記短絡期間になるまでの小電流アーク期間へと移行させ、
電極極性を少なくとも1回の前記アーク期間を含む電極プラス極性期間と電極マイナス極性期間とに周期的に切り換えて溶接する交流消耗電極アーク溶接制御方法において、
前記電流降下時間を、前記電極マイナス極性期間中は前記電極プラス極性期間中よりも長い値に設定する、
ことを特徴とする交流消耗電極アーク溶接制御方法である。
【0008】
請求項2の発明は、
前記電極マイナス極性期間中の前記電流降下時間を、前記電極マイナス極性期間中の前記小電流アーク期間の時間長さが0.1~2msの範囲となるように設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法である。
【0009】
請求項3の発明は、
前記電極マイナス極性期間中の前記小電流アーク期間の前記溶接電流の値を、前記電極プラス極性期間中の前記小電流アーク期間の前記溶接電流の値よりも小さな値に制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法である。
【0010】
請求項4の発明は、
前記短絡期間中にアークの再発生の前兆現象である溶滴のくびれを検出すると前記溶接電流を減少させて低レベル電流値に維持し、
前記アークが再発生すると前記溶接電流を前記低レベル電流値から高アーク電流値まで傾斜を有して上昇させ、
前記傾斜中の前記溶接電流の上昇率を、前記電極マイナス極性期間中は前記電極プラス極性期間中よりも小さな値に設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の交流消耗電極アーク溶接制御方法である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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