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公開番号
2024161911
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-20
出願番号
2024075513
出願日
2024-05-07
発明の名称
アトピー性皮膚炎の重症度の検出方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C12Q
1/6883 20180101AFI20241113BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】アトピー性皮膚炎の重症度を検出するための遺伝子又はその発現産物の測定方法を提供する。
【解決手段】被験者におけるアトピー性皮膚炎の重症度を検出するために、当該被験者から採取された生体試料について、C1QB、DIAPH1、LCE1A、CTSV、CTSZ、KRT72、SPINK5、KRT23、KLK5、LCE1B、SPRR1A、PKP1、KRT74、APRT、KRT25及びS100Bからなる16種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程を含む、当該被験者における遺伝子又はその発現産物の測定方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
被験者におけるアトピー性皮膚炎の重症度を検出するために、当該被験者から採取された生体試料について、C1QB、DIAPH1、LCE1A、CTSV、CTSZ、KRT72、SPINK5、KRT23、KLK5、LCE1B、SPRR1A、PKP1、KRT74、APRT、KRT25及びS100Bからなる16種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程を含む、当該被験者における遺伝子又はその発現産物の測定方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記遺伝子がC1QB、DIAPH1、LCE1A、CTSV、CTSZ、KRT72、SPINK5、KRT23及びKLK5からなる9種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遺伝子がLCE1A、CTSV、KRT72、SPINK5、KRT23、KLK5、LCE1B、SPRR1A、PKP1、KRT74及びKRT25からなる11種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子であり、該遺伝子又はその発現産物の発現レベルが低いほど、前記被験者のアトピー性皮膚炎の重症度が高いと検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
重症度が異なる2群を判別するための参照値をあらかじめ定めておき、アトピー性皮膚炎患者の遺伝子又はその発現産物の発現レベルが該参照値以上であればより重症度が低い群、該参照値以下であれば重症度が高い群であると判別する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記遺伝子がC1QB、DIAPH1、CTSZ、APRT及びS100Bからなる5種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子であり、該遺伝子又はその発現産物の発現レベルが高いほど、前記被験者のアトピー性皮膚炎の重症度が高いと検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
重症度が異なる2群を判別するための参照値をあらかじめ定めておき、アトピー性皮膚炎患者の遺伝子又はその発現産物の発現レベルが該参照値以下であればより重症度が低い群、該参照値以上であれば重症度が高い群であると判別する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
重症度が症状なし、軽中等度及び重度から選ばれる1以上である、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
重症度が異なるアトピー性皮膚炎患者由来の標的遺伝子又はその発現産物の発現レベル及び健常人由来の標的遺伝子又はその発現産物の発現レベルの測定値を教師サンプルとして構築した判別式に、被験者における標的遺伝子又はその発現産物の発現レベルの測定値を代入し、被験者におけるアトピー性皮膚炎の重症度を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記遺伝子又はその発現産物の発現レベルがmRNAの発現量である、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記遺伝子又はその発現産物が前記被験者の皮膚表上脂質に含まれるRNAである、請求項1~6のいずれか1項記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アトピー性皮膚炎の重症度マーカーを用いたアトピー性皮膚炎の重症度の検出方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎(以下、「AD」とも称する)は、アトピー素因を有する者に主に発症する湿疹性皮膚疾患である。アトピー性皮膚炎の典型的な症状は、左右対側性に発生する、慢性及び反復性の痒み、皮疹、紅斑等、ならびに角化不全、バリア能低下、乾燥肌などである。アトピー性皮膚炎の多くは乳幼児に発症し、成長と共に軽快傾向を示すが、近年では成人型や難治性のアトピー性皮膚炎も増加している。
【0003】
アトピー性皮膚炎の発症の有無や重症度は、皮膚の目視観察や皮膚表面の画像解析によりある程度の評価ができる。また、最近では、アトピー性皮膚炎の重症度を客観的に判断することができる方法として、血中のTARC(thymus and activation-regulated chemokine)値やSCCA2(Squamous cell carcinoma antigen 2)値を指標とする検査法が用いられている。これらはアトピー性皮膚炎の重症度に依存して血中存在量が増加するため、病勢を鋭敏に反映する指標として用いられ、アトピー性皮膚炎の発症の有無や重症度を評価するだけでなく、患者の教育や治療方針の決定にも用いられる(非特許文献1、2、3参照)。
しかしながら、血中のTARC値やSCCA2値を指標とする検査法は採血を必要とするため、侵襲的な方法である。さらに、結果が出るまでに時間を要するなどの課題がある。
【0004】
一方、生体試料中のDNAやRNA等の核酸の解析によりヒトの生体内の現在さらには将来の生理状態を調べる技術が開発されている。核酸を用いた解析は、網羅的な解析方法が確立されており一度の解析で豊富な情報を得られる、及び一塩基多形やRNA機能等に関する多くの研究報告に基づいて解析結果の機能的な紐付けが容易であるといった利点を有する。生体由来の核酸は、血液等の体液、分泌物、組織等から抽出することができるが、最近、皮膚表上脂質(skin surface lipids;SSL)に含まれるRNAを生体の解析用の試料として用いること、SSLから表皮、汗腺、毛包及び皮脂腺のマーカー遺伝子が検出できることが報告されている(特許文献1)。さらにSSLからアトピー性皮膚炎のマーカー遺伝子が検出できることが報告されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開公報第2018/008319号
特開2020-74769号公報
【非特許文献】
【0006】
Sugawara et al., Allergy (2002) 57:180-181.
Ohta et al., Ann Clin Biochem.(2012) 49:277-84.
佐伯ら、日本皮膚科学会誌(2021)131: 2691-2777.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アトピー性皮膚炎の重症度を検出するための遺伝子又はその発現産物の測定方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、重症度が異なるアトピー性皮膚炎患者と健常人からSSLを採取し、SSL中に含まれるRNAの発現状態をシーケンス情報として網羅的に解析した結果、特定の遺伝子の発現レベルが、重症度が異なる患者間及び軽中等症患者と健常人の間で有意に異なり、これを指標としてアトピー性皮膚炎の重症度が検出できることを見出した。
従来、健常人とアトピー性皮膚炎患者の間で発現が変動する遺伝子が存在することは知られているが、その全ての遺伝子が、血中TARCのように健常人に比べて軽中等症患者で、軽中等症患者に比べて重症患者でというように重症度に依存して発現が変動するか否かは知られていない。また、健常人に比べて軽中等症患者又は重症患者で発現が変化している遺伝子であっても、必ずしも軽中等症患者に比べて重症患者で、すなわち重症度に依存して発現が変動するとは限らない。したがって、本発明に係る特定の遺伝子を指標としてアトピー性皮膚炎の異なる重症度を検出できたことは全く意外なことである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)被験者におけるアトピー性皮膚炎の重症度を検出するために、当該被験者から採取された生体試料について、C1QB、DIAPH1、LCE1A、CTSV、CTSZ、KRT72、SPINK5、KRT23、KLK5、LCE1B、SPRR1A、PKP1、KRT74、APRT、KRT25及びS100Bからなる16種の遺伝子群より選択される少なくとも1つの遺伝子又はその発現産物の発現レベルを測定する工程を含む、当該被験者における遺伝子又はその発現産物の測定方法。
2)前記遺伝子又はそれに由来する核酸と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、又は前記遺伝子の発現産物を認識する抗体を含有する、1)の方法に用いられるアトピー性皮膚炎の重症度を検出するための検査用キット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アトピー性皮膚炎の重症度を精度よく客観的に検出することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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