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公開番号2024160696
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-14
出願番号2024071340
出願日2024-04-25
発明の名称化学強化用ガラス、化学強化ガラス、電子機器及び化学強化ガラスの製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C03C 21/00 20060101AFI20241107BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】本発明は、電子機器等のディスプレイのカバーガラスに用いた際に、ディスプレイの異常発光現象を抑制できる化学強化用ガラス及び化学強化ガラスを提供することを目的とする。
【解決手段】特定の組成範囲を有し、Al2O3の含有量に対するLi2O、Na2O及びK2Oの含有量の合計の比(R2O/Al2O3)が式(A)0.8≦(R2O/Al2O3)≦30を満たす化学強化用ガラス、下記で定義されるK-DOLが4.2μm以上、またはK-CSareaが4000Pa・m以上であり、かつ、表面抵抗率が11[logΩ/sq]以上である化学強化ガラス。
K-CS0(MPa):ガラス表面応力計により測定されるガラス表面における圧縮応力値
K-DOL(μm):カリウムイオンによる圧縮応力層のガラス表面からの深さの値
K-CSarea(Pa・m):K-CS0とK-DOLの積
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
酸化物基準のモル百分率表示で、
SiO

を50%以上、




を0~10%
Al



を1~30%、




を0~10%、




を0~10%、
Li

Oを0~25%、
Na

Oを0~25%、


Oを0~25%、
MgOを0~10%、
CaOを0~10%、
SrOを0~10%、
BaOを0~10%、
ZnOを0~10%、
ZrO

を0~5%、
TiO

を0~5%、
SnO

を0~5%、
Fe



を0~0.5%含有し、
Al



の含有量に対するLi

O、Na

O及びK

Oの含有量の合計の比(R

O/Al



)が下記式(A)を満たす化学強化用ガラス。
(A)0.8≦(R

O/Al



)≦30
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
酸化物基準のモル百分率表示で、
Li

Oを7~12%、
Na

Oを1.5~6%、


Oを0~1.5%含有する、請求項1に記載の化学強化用ガラス。
【請求項3】
下記で定義されるK-DOLが4.2μm以上であり、かつ、
表面抵抗率が11[logΩ/sq]以上である化学強化ガラス。
K-DOL(μm):カリウムイオンによる圧縮応力層のガラス表面からの深さの値
【請求項4】
下記で定義されるK-CSareaが4000Pa・m以上であり、かつ、
表面抵抗率が11[logΩ/sq]以上である化学強化ガラス。
K-CSarea(Pa・m):K-CS

とK-DOLの積
K-CS

(MPa):ガラス表面応力計により測定されるガラス表面における圧縮応力値
K-DOL(μm):カリウムイオンによる圧縮応力層のガラス表面からの深さの値
【請求項5】
前記K-CS

が800MPa以上である、請求項4に記載の化学強化ガラス。
【請求項6】
ガラス表面から深さ3μmにおけるK

O濃度であるK

O@3μmの、板厚中心におけるK

O濃度であるK

O@centerに対する比率が5.3以上であり、
表面抵抗率が11[logΩ/sq]以上である化学強化ガラス。
【請求項7】
ガラス表面から深さ5μmにおけるLi

O濃度であるLi

O@5μmの、板厚中心におけるLi

O濃度であるLi

O@centerに対する比率が0.85以下であり、
表面抵抗率が11[logΩ/sq]以上である化学強化ガラス。
【請求項8】
下記で定義されるYの値が9.4以上である、請求項3に記載の化学強化ガラス。
Y=0.00018x

+4.319×10
-7


+8.5


:K-CS

とK-DOLの積K-CSarea(Pa・m)


:Na-CS

とNa-DOLの積Na-CSarea(Pa・m)
K-CS

(MPa):ガラス表面応力計により測定されるガラス表面における圧縮応力値
K-DOL(μm):カリウムイオンによる圧縮応力層のガラス表面からの深さの値
Na-CS

(MPa):散乱光光弾性応力計で測定されるガラス表面における圧縮応力値
Na-DOL(μm):Naイオンによる圧縮応力層のガラス表面からの深さの値
【請求項9】
請求項1若しくは2に記載の化学強化用ガラス又は請求項3~8のいずれか1項に記載の化学強化ガラスを備える電子機器。
【請求項10】
化学強化用ガラスを第1溶融塩組成物に接触させる第1イオン交換処理と、
前記第1イオン交換処理後に、前記化学強化用ガラスに第2溶融塩組成物を接触させる第2イオン交換処理と、を含む、化学強化ガラスの製造方法であって、
前記第2溶融塩組成物は、KNO

の含有量が94質量%以上、リチウムイオンの含有量が300質量ppm未満である、化学強化ガラスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化学強化用ガラス、化学強化ガラス、電子機器及び化学強化ガラスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
携帯端末のカバーガラス等には、化学強化ガラスが用いられている。化学強化ガラスは、ガラスを硝酸ナトリウムなどの溶融塩組成物に接触させて、ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンと、溶融塩組成物に含まれるよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンとの間でイオン交換を生じさせ、ガラスの表面部分に圧縮応力層を形成したものである。
【0003】
特許文献1には、化学強化されたカバーガラスの表面抵抗率が低いほど、カバーガラス上に形成される防汚層の耐久性が高いことが開示されている。表面抵抗率はガラス表面の電気伝導度と相関があり、表面抵抗率が小さい状態は、ガラス表面の電気伝導度が高いことを表す。つまり、ガラス表面の電気伝導度を高くすることが、防汚層の耐久性を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/010376号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯端末等の電子機器について、有機ELディスプレイ(OLED)の一部分が意図せず持続的に発光するという「異常発光現象」が発生することが問題となっている。異常発光現象は、ディスプレイを長時間擦ることで生じる静電気帯電と関係がある考えられる。
【0006】
特許文献1は、化学強化ガラスの表面抵抗率と、その表面に形成される防汚層の密着性との関係に着目したものであるが、異常発光現象に関しては何ら検討されていない。
【0007】
本発明は、電子機器等のディスプレイのカバーガラスに用いた際に、ディスプレイの異常発光現象を抑制できる化学強化用ガラス及び化学強化ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、異常発光現象は、静電気帯電により電荷移動が生じやすいことと関係していると考え、ガラスの電気抵抗(以下、単に「抵抗」という場合がある。)が異常発光現象の発現しやすさと関連していることを見出した。より具体的には、ガラスの電気抵抗が比較的大きいほど、異常発光現象を抑制しやすいことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本開示は、以下に関する。
1.酸化物基準のモル百分率表示で、
SiO

を50%以上、




を0~10%
Al



を1~30%、




を0~10%、




を0~10%、
Li

Oを0~25%、
Na

Oを0~25%、


Oを0~25%、
MgOを0~10%、
CaOを0~10%、
SrOを0~10%、
BaOを0~10%、
ZnOを0~10%、
ZrO

を0~5%、
TiO

を0~5%、
SnO

を0~5%、
Fe



を0~0.5%含有し、
Al



の含有量に対するLi

O、Na

O及びK

Oの含有量の合計の比(R

O/Al



)が下記式(A)を満たす化学強化用ガラス。
(A)0.8≦(R

O/Al



)≦30
2.酸化物基準のモル百分率表示で、
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電子機器等のディスプレイのカバーガラスに用いた際に、ディスプレイの異常発光現象を抑制できる化学強化ガラスを提供できる。また、化学強化により高抵抗な化学強化ガラスを得やすい化学強化用ガラスを提供する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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