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公開番号
2024156876
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2024127839,2022177448
出願日
2024-08-02,2018-02-13
発明の名称
核酸ライブラリーの調製方法ならびにその方法を行うための組成物及びキット
出願人
タカラ バイオ ユーエスエー, インコーポレイテッド
代理人
個人
,
個人
主分類
C40B
40/08 20060101AFI20241029BHJP(コンビナトリアル技術)
要約
【課題】免疫細胞レセプターレパートリーライブラリーを含む核酸ライブラリーの調製方法を提供する。
【解決手段】方法の態様は、RNA試料を伴うテンプレートスイッチング反応を通じて作製した二本鎖相補的DNA(cDNA)から、例えば発現ライブラリー及び/または免疫細胞レセプターレパートリーライブラリーを含む1つ以上のライブラリーを作製することを含む。いくつかの態様では、この方法は、単一細胞からライブラリーを調製したり、及び/または単一細胞レベルでインデックスを付加したライブラリーを調製したりすることを含む。この方法を行う際に用いる組成物及びキットも提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
5’増幅プライマーと、
免疫細胞レセプター特異的増幅プライマーと、
末端増幅プライマーと
を含む、キット。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
5’アダプター配列及び単一細胞を特定するインデックス付与配列を含むテンプレートスイッチングオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
タグメンテーション反応を行うための1つ以上の成分をさらに含み、
前記1つ以上の成分は、
タグメンテーション後増幅プライマー結合ドメインを含むトランスポゾン核酸、
タグメンテーション後増幅プライマー結合ドメインにハイブリダイズするタグメンテーション後増幅プライマー、
トランスポザーゼ、または
これらを組み合わせたもの
を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
5’アダプター配列及び単一細胞を特定するインデックス付与配列を含むテンプレートスイッチングオリゴヌクレオチドと、
前記5’アダプター配列を含む5’増幅プライマーと、
免疫細胞レセプター特異的増幅プライマーと
を含む、キット。
【請求項5】
前記5’増幅プライマー及び末端増幅プライマーそれぞれは、1つ以上のシークエンシングプラットフォームアダプターコンストラクトを含む、請求項1または4に記載のキット。
【請求項6】
免疫細胞レセプターは、T細胞レセプター(TCR)またはB細胞レセプター(BCR)である、請求項1または4に記載のキット。
【請求項7】
ポリ(dT)プライマーをさらに含む、請求項1または4に記載のキット。
【請求項8】
少なくとも1つのポリメラーゼをさらに含む、請求項1または4に記載のキット。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリメラーゼは、逆転写酵素である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
dNTPをさらに含む、請求項1または4に記載のキット。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
次世代シークエンシング(NGS)技術の開発によって、有益なゲノム情報及びトランスクリプトーム情報を、作製した核酸ライブラリーから迅速に抽出可能になっている。ハイスループットなNGS技術(lllumina(Solexa)シークエンシング、Roche 454シークエンシング、Ion torrent(Proton/PGMシークエンシング)及びSOLiDシークエンシングなど)によって、それまで使われてきたサンガーシークエンシングよりも迅速かつ安価に核酸分子をシークエンシング可能になるので、これらの技術は、バイオテクノロジーと生物医学的な研究とに大変革をもたらしている。
続きを表示(約 5,200 文字)
【0002】
これらの強力なシークエンシング技術では、ライブラリーの調製が特に重視される。様々な目的で、NGS技術を用いて、良好に調製した逆転写相補的DNA(cDNA)ライブラリーを解析できる。例えば、ライブラリーの調製手法に応じて、トランスクリプトームデータを利用して、特定の状況でアップレギュレートまたはダウンレギュレートされる遺伝子を特定するための発現差解析を行うことができる。
【0003】
cDNAライブラリーは、NGSによるT細胞レセプター(TCR)プロファイリングにも用いることができる。TCRは、T細胞のセレクション、機能及び活性化を制御するとともに、そのT細胞が、どの抗原ペプチド-主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の複合体に応答するかを判断する。
【0004】
各細胞においては、TCR遺伝子の可変部セグメント、多様性セグメント及び結合セグメント(V(D)J)の体細胞組み換えから、TCRのα鎖遺伝子とβ鎖遺伝子とが導き出されるので、個体のTCRレパートリーは、非常に多様性が高い。TCRのこの多様性をプロファイリングすると、免疫レパートリーダイナミクスに対する理解が促進され、免疫応答の性質と免疫障害の病態との知識が深まる。上記のような知見により、急速に進歩しているイムノオンコロジー分野を含む様々な療法が進化する。
【発明の概要】
【0005】
核酸ライブラリーの調製方法を提供する。この方法の態様は、RNA試料を伴うテンプレートスイッチング反応を通じて作製した二本鎖相補的DNA(cDNA)から、例えば発現ライブラリー及び/または免疫細胞レセプターレパートリーライブラリーを含む1つ以上のライブラリーを作製することを含む。いくつかの態様では、この方法は、単一細胞からライブラリーを調製したり、及び/または単一細胞レベルでインデックスを付加したライブラリーを調製したりすることを含む。この方法を行う際に用いる組成物及びキットも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の実施形態に従って、単一のRNA試料から2つの核酸ライブラリーを調製する方法の概略図を示している。
本開示の実施形態に従って、単一のRNA試料から発現ライブラリーと免疫細胞レセプターレパートリーライブラリーとを調製する方法の概略図を示している。
テンプレートスイッチング反応を用いて、産物二本鎖核酸を作製する概略図を示している。
ライブラリーの調製法でタグメンテーションを使用する例であって、本開示の方法での使用に適合できる例を示している。
本開示の実施形態に従って、遺伝子発現差解析とTCRプロファイリングとを複合する際に用いるライブラリーを作製する際に用いるプロセス全体を示す全体概略図を示している。
本明細書に示されている関連実施例で説明されているように、単一T細胞からTCRプロファイリング用ライブラリーを調製する際に用いるプロセス全体を示す全体概略図を示している。
図6に示されている実施例に関連するように、96ウェルプレートにおけるインデックス付与オリゴの分布と試料のプールとを図示している。
免疫細胞プロファイリングワークフローの性能を試験したデータを示しており、単一のJurkat細胞または単一細胞当量のJurkat RNAのいずれかから作製したシークエンシングリードのうち、TCR-α CRD3領域またはTCR-β CDR3領域にマッピングされたシークエンシングリードの割合(%)を示している。
免疫細胞プロファイリングワークフローの性能を試験したさらなるデータを示しており、予想されるJurkatクロノタイプにマッピングされたシークエンシングリードの割合(%)を示している。
マルチサンプルナノディスペンサー(MSND)形態で試験した単一細胞TCRプロファイリングワークフローの全体概略図を示している。
単一のJurkat細胞由来のシークエンシングリードであって、TCR-αまたはTCR-βのCDR3領域にマッピングされたシークエンシングリードのアラインメント解析の結果を示している。
本発明の実施形態に従って、マルチサンプルナノディスペンサー(MSND)形態で試験した単一細胞TCRプロファイリングワークフローの全体的な詳細を示している。
本発明の実施形態に従って、マルチサンプルナノディスペンサー(MSND)形態で試験した単一細胞TCRプロファイリングワークフローの全体的な詳細を示している。
本発明の実施形態に従って、マルチサンプルナノディスペンサー(MSND)形態で試験した単一細胞TCRプロファイリングワークフローの全体的な詳細を示している。
本発明の実施形態に従って、マルチサンプルナノディスペンサー(MSND)形態で試験した単一細胞TCRプロファイリングワークフローの全体的な詳細を示している。
下記の実験部分に説明されているように、図12A~12Dのプロトコールを用いて作製した免疫細胞レセプターシークエンシングライブラリー由来のαレセプターリードカウントとβレセプターリードカウントとを示している。
下記の実験部分に説明されているように、図12A~12Dのプロトコールを用いて作製した分割WTAライブラリー由来の例示的なデータを示している。遺伝子本体のカバレッジデータを示しており、X軸は、全遺伝子にわたる正規化カバレッジであり、Y軸は、マッピングされた全エキソンリードである。図には、CCRF-CEM細胞の一例が示されている。
下記の実験部分に説明されているように、図12A~12Dのプロトコールを用いて作製した分割WTAライブラリー由来の例示的なデータを示している。主要成分解析を示しており、図13に示されているように、TALL、CCRF及び処理(PMA)CCRF細胞由来の5’DEライブラリーからマッピングされたリードである(矢印は、別々の群を示している)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用する場合、「ハイブリダイゼーション条件」という用語は、プライマーまたはその他のポリヌクレオチドが、標的核酸の領域のうち、そのプライマーまたはその他のポリヌクレオチドとある程度の相補性を有する領域に特異的にハイブリダイズする条
件を意味する。プライマーが標的核酸に特異的にハイブリダイズするか否かは、そのポリマーと標的核酸との相補性の程度、ハイブリダイゼーションが行われる温度(そのプライマーの融解温度(TM)によって明らかにできる)などの因子によって決まる。融解温度とは、プライマーと標的核酸との二本鎖の半数がハイブリダイズしたままであり、その二本鎖の半数が一本鎖に解離する温度を指す。二本鎖のTmは、実験によって求めても、Tm=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(G+C含量)-(60/N)という式(式中、Nは鎖長であり、[Na+]は1M未満である)を用いて予測してもよい。Sambrook and Russell(2001;Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold
Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor N.Y.,Ch.10)を参照されたい。様々なパラメーターに左右される、さらに進化した他のモデルを用いて、様々なハイブリダイゼーション条件に応じた、プライマー/標的二本鎖のTmを予測してもよい。特異的核酸ハイブリダイゼーションを行うためのアプローチは、例えばTijssen,Laboratory Techniques in
Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes,part I,chapter 2,“Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic
acid probe assays,”Elsevier(1993)に見ることができる。
【0008】
「相補的な」及び「相補性」という用語は、本明細書で使用する場合、標的核酸の全体または領域(例えば、産物核酸の領域)への非共有結合によって塩基対形成するヌクレオチド配列を指す。カノニカルなワトソン・クリック塩基対形成では、DNAにおいて、アデニン(A)はチミン(T)と塩基対を形成し、グアニン(G)はシトシン(C)と塩基対を形成する。RNAでは、チミンは、ウラシル(U)に置き換えられる。したがって、Aは、Tと相補的であり、Gは、Cと相補的である。RNAでは、Aは、Uと相補的であり、Uは、Aと相補的である。典型的には、「相補的な」とは、少なくとも部分的に相補的であるヌクレオチド配列を指す。「相補的」という用語には、一方の鎖のすべてのヌクレオチドが、対応する位置において、もう一方の鎖のすべてのヌクレオチドと相補的であるように、完全に相補的である二本鎖も含まれる。特定のケースでは、ヌクレオチド配列は、標的と部分的に相補的であってよく、この場合、すべてのヌクレオチドが、すべての対応する位置において、標的核酸のすべてのヌクレオチドと相補的であるわけではない。例えば、プライマーは、標的核酸と完全に(すなわち100%)相補的であってもよく、あるいは、プライマーと標的核酸は、完全ではない、ある程度の相補性(例えば、70%、75%、85%、90%、95%、99%)を有してよい。
【0009】
2つのヌクレオチド配列の同一性(%)は、最適に比較する目的でそれらの配列をアラインメントすることによって求めることができる(例えば、最適なアラインメントのために、第1の配列の配列にギャップを導入することができる)。そして、対応する位置のヌクレオチドを比較するのだが、2つの配列の同一性(%)は、それらの配列が共有している同一の位置の数から導き出す(すなわち、同一性(%)=同一の位置の数/位置の総数×100)。一方の配列のある位置が、もう一方の配列における対応する位置と同じヌクレオチドによって占められているときには、その分子は、その位置において同一である。このような数学的なアルゴリズムの非限定的な例は、Karlin et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:5873-5877(1993)に記載されている。このようなアルゴリズムは、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:389-3402(1997)に記載されているように、NBLAST及びXBLASTのプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。BLASTとGapped BLASTとのプログラムを用いるときには、各プロ
グラム(例えばNBLAST)のデフォルトパラメーターを用いることができる。一態様では、配列比較のためのパラメーターは、スコア=100、ワード長=12に設定することができ、あるいは、変更することができる(例えば、ワード長=5またはワード長=20)。
【0010】
ドメインとは、複数のヌクレオチドで構成されている、核酸の伸長部分または長さ部分であって、明確な機能をその核酸に付与する伸長部分または長さ部分を指す。ドメインの例としては、バーコード付きユニークモレキュラーアイデンティファイアー(BUMI)ドメイン、プライマー結合ドメイン、ハイブリダイゼーションドメイン、バーコードドメイン(ソースバーコードドメインなど)、ユニークモレキュラーアイデンティファイアー(UMI)ドメイン、次世代シークエンシング(NGS)アダプタードメイン、NGSインデックス付与ドメインなどが挙げられる。いくつかのケースでは、「ドメイン」及び「領域」という用語は、同義的に用いられている場合があり、例えば、免疫レセプター鎖のドメイン/領域(例えば、免疫レセプター定常ドメイン/定常領域など)を説明している場合が挙げられる。ある所定のドメインの長さは、様々であってよいが、いくつかのケースでは、その長さは、2~100nt(5~50ntなど)、例えば5~30ntの範囲である。
(【0011】以降は省略されています)
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