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公開番号2024154906
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069123
出願日2023-04-20
発明の名称加工寸法管理システム
出願人株式会社FUJI
代理人個人
主分類B23Q 15/04 20060101AFI20241024BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】作業者が直接測定する測定器を使用した加工寸法管理システムを提供すること。
【解決手段】制御装置に格納された加工プログラムに従い工具を備えた加工装置の駆動制御によってワークの自動加工を行う工作機械と、前記工作機械で加工された加工済みのワークを作業者が測定して得られた測定値を測定データとして前記工作機械側に転送する転送機能を備えた測定器と、を有し、前記制御装置は、前記測定器から転送された測定データに基づき、前記加工プログラムに従った前記加工装置の駆動制御について自動補正を実行する補正処理プログラムを備え、その補正処理プログラムでは、例えば前記測定値とワーク加工における設計値との差をズレ量として算出し、そのズレ量が公差を超えない範囲で設定された第1閾値を基準に自動補正を判断する加工寸法管理システム。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
制御装置に格納された加工プログラムに従い工具を備えた加工装置の駆動制御によってワークの自動加工を行う工作機械と、
前記工作機械で加工された加工済みのワークを作業者が測定して得られた測定値を測定データとして前記工作機械側に転送する転送機能を備えた測定器と、
を有し、
前記制御装置は、前記測定器から転送された測定データに基づき、前記加工プログラムに従った前記加工装置の駆動制御について自動補正を実行する補正処理プログラムを備えた加工寸法管理システム。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記補正処理プログラムは、前記測定値とワーク加工における設計値との差をズレ量として算出し、そのズレ量が公差を超えない範囲で設定された第1閾値を基準に自動補正を判断する請求項1に記載の加工寸法管理システム。
【請求項3】
前記補正処理プログラムは、前記ズレ量が公差の範囲を超えた異常値を示した場合に、異常の内容に従って予め設定された任意の閾値と前記ズレ量とを比較することにより異常の内容を判断する請求項2に記載の加工寸法管理システム。
【請求項4】
前記補正処理プログラムは、作業者による測定ミスを判断するために設定された第2閾値を基に、前記ズレ量と前記第2閾値とを比較することにより測定ミスを判断する請求項2に記載の加工寸法管理システム。
【請求項5】
前記補正処理プログラムは、前記加工装置の工具による刃先の折損を判断するために設定された第3閾値を基に、前記ズレ量と前記第3閾値とを比較することにより工具交換を判断する請求項2に記載の加工寸法管理システム。
【請求項6】
前記補正処理プログラムは、前記加工装置の工具による刃先の溶着を判断するために設定された第4閾値を基に、前記ズレ量と前記第4閾値とを比較することにより工具交換を判断する請求項2に記載の加工寸法管理システム。
【請求項7】
前記補正処理プログラムは、作業者が加工済みのワークを複数個所測定して得られた複数の測定データを基に、各箇所において算出されたズレ量から自動補正を判断する請求項2に記載の加工寸法管理システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が測定したワークの寸法に応じて、工作機械における加工装置の駆動制御を自動補正する加工寸法管理システムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
工作機械におけるワークの加工は、その加工寸法が厳しく管理されている。そのため、多くのワークについて工作機械で自動加工が行われる場合、常に加工済みのワークについて加工寸法の測定が行われ、その測定値に基づく加工制御の自動補正が行われている。下記特許文献1に記載の工作機械の場合、加工プログラムに従った送り指令によりワークを加工する目標寸法が与えられて刃物台の移動制御が行われる。その際、計測手段が加工処理されたワークの実寸法を測定することにより、ワークに対して加工が行われた加工部分の寸法が確認される。そして、データフィードバック手段により、目標寸法と測定値との差が求められ、その差を補正量として工作機械に対するフィードバック制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-210632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来例の計測手段は、工作機械とは別に設けられた機外計測機であり、加工済みのワークが搬送装置によって機外計測機へと運ばれることにより、そこで加工寸法の測定が行われる。そのため、従来の加工ラインは、工作機械とともに機外計測機が並べられることにより、全体のコストが上がってしまうほか、機外計測機を配置するだけの設置スペースが必要であった。また、機外計測機は、測定対象となるワークに合わせて構成されるため、自動で行われる測定動作の調整おおび設定が必要になる。また、そうした機外計測機は、形状の異なる様々なワークに対応することが難しく、更にはワークに対する複数の測定箇所にも制限が生じる、
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、作業者が直接測定する測定器を使用した加工寸法管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加工寸法管理システムは、制御装置に格納された加工プログラムに従い工具を備えた加工装置の駆動制御によってワークの自動加工を行う工作機械と、前記工作機械で加工された加工済みのワークを作業者が測定して得られた測定値を測定データとして前記工作機械側に転送する転送機能を備えた測定器と、を有し、前記制御装置は、前記測定器から転送された測定データに基づき、前記加工プログラムに従った前記加工装置の駆動制御について自動補正を実行する補正処理プログラムを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
前記構成によれば、作業者が取り扱い可能な測定器を使用して加工処理されたワークの加工寸法を測定するようにしたため、前記従来例で示すような機外計測機に比べて大幅な費用削減を図ることが可能である。また、計測機は、作業者が手に取って扱うことができるため、機外計測機のような設置スペースを必要とすることもない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
加工寸法管理システムの一実施形態を工作機械と測定器で示した概念図である。
工作機械を制御する制御システムを示したブロック図である。
補正処理プログラムの工程を示したフローチャート図である。
測定器で測定した値を基に設計値と加工寸法との誤差をグラフで示し図である。
図4と同じグラフであってズレ量が異常値を示した場合を示した図である。
加工寸法管理システムの一実施形態を工作機械と測定器で示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る加工寸法管理システムの一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施形態の加工寸法管理システムを構成する工作機械と測定器を示した概念図である。加工寸法管理システムは、工作機械1が実行する加工プログラムにおいて設定された工具の加工位置を自動補正するものである。工作機械1ではミクロン単位の加工精度が要求されるため、前記従来例と同様に、加工済みのワークWについて加工寸法を測定することにより加工精度の確認が行われる。そして、設計値を外れるような場合には、工具の加工位置の調整を行うため刃物台の駆動に対する補正が行われる。
【0010】
従来例では加工済みのワークWに関する加工寸法測定に機外計測機が使用されているが、本実施形態では、作業者がデジタルマイクロメータなどの測定器3を使用してワークWを直接測定する方法がとられている。ただ、本実施形態の加工寸法管理システムは、データ転送機能付きの測定器3が使用され、工作機械1および測定器3は測定データの転送を可能にする通信機能を有している。そこで、作業者が測定器3を使用して得たワークWの測定値は、測定データとして工作機械1に転送されるようになっている。なお、測定器3は、図面に示すデジタルマイクロメータに限らず、転送機能を有するものであればデジタルノギス、デジタルダイヤルゲージなども対象となる。
(【0011】以降は省略されています)

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