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公開番号2024154861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069021
出願日2023-04-20
発明の名称3軸力覚センサーを用いた入力装置
出願人NISSHA株式会社
代理人
主分類G06F 3/0338 20130101AFI20241024BHJP(計算;計数)
要約【課題】 温度ドリフト又は湿度ドリフトよる動作不良を抑制することができる、3軸力覚センサーを用いた入力装置を提供する
【解決手段】 本発明に係る入力装置は、筐体、3軸力覚センサー、制御部を備える。3軸力覚センサーは、筐体の表面に配置され、操作面に指や掌で加えられたせん断力及び押圧力を検出する。制御部は、操作面の面内に割り当てられた複数の入力方向の各々についてせん断力の分力F1~F4を計算する。さらに制御部は、せん断力の分力F1~F4及び押圧力FZについて時間変化量を計算する。そして、制御部は、例えば、分力F1で時間変化量DF1がその閾値Th1を超えたとき、その時刻t11~t12の押圧力FZの時間変化量DFZが正の値であるという基準を満たしているので、この分力F1の割り当てられた方向について、入力が行なわれたとしてイベントを発動させる。
【選択図】 図4
特許請求の範囲【請求項1】
筐体と、
前記筐体の表面に配置されて操作面を有し、前記操作面に指や掌で加えられた力に応じて変化する抵抗値、静電容量値又は出力電荷に基づいて、前記力のうち前記操作面の面方向に働くせん断力の向き及び大きさと前記操作面に対して垂直な方向に働く押圧力の大きさとを検出する3軸力覚センサーと、
前記3軸力覚センサーと電気的に接続されて前記筐体の内部に収納され、前記3軸力覚センサーで検出された前記せん断力と前記押圧力とに基づいてイベントを発動させる制御部と、を備え、
前記制御部が、
前記操作面の面内に割り当てられた複数の入力方向の各々について、前記せん断力の分力を計算し、
さらに前記割り当て方向における前記分力及び前記押圧力について時間変化量を計算し、
前記割り当て方向における前記分力の1以上で前記時間変化量がそれぞれの閾値を超えたとき、そのときの前記押圧力の前記時間変化量の正負を基準にして前記閾値を超えた前記割り当て方向の中から選択された方向について、入力が行なわれたとして前記イベントを発動させる、
3軸力覚センサーを用いた入力装置。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記閾値が正の値である、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項3】
前記閾値が負の値である、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項4】
前記基準が、前記押圧力の前記時間変化量が正の場合のみである、請求項1~3のいずれかに記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項5】
前記基準が、前記押圧力の前記時間変化量が負の場合のみである、請求項1~3のいずれかに記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項6】
前記基準が、前記押圧力の前記時間変化量が正、負いずれの場合もである、請求項1~3のいずれかに記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項7】
前記割り当て方向における前記分力のうち複数で前記時間変化量が時間的に重複してそれぞれの前記閾値を超えたとき、最初に前記閾値を超えた前記割り当て方向についてのみ、入力が行なわれたとして前記イベントを発動させる、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項8】
前記割り当て方向における前記分力の全てで前記時間変化量がそれぞれの前記閾値を超えず、前記押圧力のみで前記時間変化量がその閾値を超えたとき、押し込み方向について、入力が行なわれたとして前記イベントを発動させる、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項9】
各々の前記時間変化量が、微分値又はハイパスフィルタをかけた値である、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。
【請求項10】
前記3軸力覚センサーが、フレキシブルなフィルム型のセンサーである、請求項1記載の3軸力覚センサーを用いた入力装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、正確な荷重検出を行なうことのできる、温度ドリフト又は湿度ドリフトよる動作不良を抑制することができる、3軸力覚センサーを用いた入力装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ジョイスティック、十字キー、マウスやタッチパネルでは実現できない新しいアイデアをユーザーインタフェース(UI)の開発現場に提供するものとして、フィルム型3軸力覚センサーが知られている(非特許文献1,2参照)。
フィルム型3軸力覚センサーは、3軸(XYZ軸)方向の力を接触点で測定することで、押す力(圧力)や滑る力(摩擦・せん断力)を検知することができ、ねじる、回す、ずらすなど、従来のコントローラーでは制御できなかった動作を指1点で入力することが可能である。on/off判定にとどまらない力量(ボリューム)測定が可能なので、スピードや移動量などのコントロールにも対応できる。ジョイスティックや十字キーに比べて、ほんのわずかの指の動きで方向と移動量を同時に入力することができる。また、薄くて軽いフィルム型のセンサーなので、曲面にも実装できる。なお、3軸方向の力をすべて測定しなくてもよく、例えば、XY軸方向の力だけを測定するセンサーもあり得る。
【0003】
上記したようなフィルム型3軸力覚センサーとしては、空気層又は弾性層を間に挟んで上部電極と下部電極とを対向する形で配置し、力を加えたときに電極間の距離が変動することによって発生する静電容量値の変化を利用して、加えられたせん断力や押圧力を算出する静電容量方式のものが挙げられる(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
“摩擦・せん断力センサー|NISSHA”,[online],NISSHA株式会社,connect.nissha.com,[令和5年 4月 4 日検索],インターネット<URL:https://connect.nissha.com/filmdevice/shear-force-sensor/>
“UI向けフィルム型3軸力覚センサー|NISSHA”,[online],NISSHA株式会社,connect.nissha.com,[令和5年 4月 4 日検索],インターネット<URL:https://connect.nissha.com/filmdevice/shear-force-sensor/ui/>
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/059766号
特開2017-156126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したような3軸力覚センサーを用いた入力装置においては、操作者は、3軸力覚センサーの操作面に指で力を加え、力のうち操作面の面方向に働くせん断力の向き及び大きさに応じて電子機器を操作する。例えば、3軸力覚センサーで検出されたせん断力の大きさが閾値を超えたタイミングで音楽再生機の音量を上げるなどのイベントを発動させる。
しかし、3軸力覚センサーを用いたせん断力の検出値が温度や湿度の変化などによるドリフトを起こすことで、誤検出や入力できないなどの動作不良を生じることがある。例として、図10を使って説明する。図10の上段は、操作者が操作面にせん断力を加えたときのせん断力の時間推移を示している。図10の中段及び下段は、3軸力覚センサーで検出された検出値の時間推移を示している。3軸力覚センサーを用いた入力装置が正常に動作しているときは、図10の中段に示すように、設定された閾値を超えるせん断力が検出されるとイベント(上述の例では音量が上がる)が発動する。ところが、温度や湿度の変化でせん断力の検出値がドリフトを起こしてしまうと、図10の下段に示すように、より小さな力で閾値に達してイベントを発動させてしまうばかりでなく、押圧していなくても閾値に達してイベントを発動させてしまうという問題を生じる。
【0007】
したがって、本発明は、上記の課題を解決し、温度ドリフト又は湿度ドリフトよる動作不良を抑制することができる、3軸力覚センサーを用いた入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0009】
本発明の一見地に係る入力装置は、筐体と、3軸力覚センサーと、制御部とを備えている。
3軸力覚センサーは、筐体の表面に配置され、操作面を有している。また、3軸力覚センサーは、操作面に指や掌で加えられた力に応じて変化する抵抗値、静電容量値又は出力電荷に基づいて、力のうち操作面の面方向に働くせん断力の向き及び大きさと操作面に対して垂直な方向に働く押圧力の大きさとを検出するものである。
制御部は、3軸力覚センサーと電気的に接続されて筐体の内部に収納される。また、制御部は、3軸力覚センサーで検出されたせん断力と押圧力とに基づいてイベントを発動させる。より具体的には、制御部は、操作面の面内に割り当てられた複数の入力方向の各々について、せん断力の分力を計算する。さらに、制御部は、割り当て方向における分力及び押圧力について時間変化量を計算する。また、制御部は、割り当て方向における分力の1以上で時間変化量がそれぞれの閾値を超えたとき、そのときの押圧力の時間変化量の正負を基準にして閾値を超えた割り当て方向の中から選択された方向について、入力が行なわれたとしてイベントを発動させる。
【0010】
上記の入力装置において、閾値が正の値であってもよい。また、上記の入力装置において、閾値が負の値であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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