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公開番号2024142496
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054650
出願日2023-03-30
発明の名称オルガノイドの製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 5/071 20100101AFI20241003BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】オルガノイドの製造方法及び当該方法により製造されたオルガノイドを提供することを目的とする。
【解決手段】細胞を20時間以上100時間以下の培養時間で培養し、スフェロイドを形成する工程と、前記スフェロイド形成工程において得られたスフェロイドをゲルに包埋する工程と、前記ゲル包埋工程で包埋したスフェロイドをゲル内で培養する工程とを含む、オルガノイドの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞を20時間以上100時間以下の培養時間で培養し、スフェロイドを形成する工程と、
前記スフェロイド形成工程において得られたスフェロイドをゲルに包埋する工程と、
前記ゲル包埋工程で包埋したスフェロイドをゲル内で培養する工程と、
を含む、オルガノイドの製造方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記ゲル内培養工程において、培養上清中の細胞遊走性タンパク質の濃度を測定することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
オルガノイドが、脳オルガノイド、小脳オルガノイド、内耳オルガノイド、甲状腺オルガノイド、胸腺オルガノイド、T細胞成熟リンパ官オルガノイド、心筋オルガノイド、肺オルガノイド、肝臓オルガノイド、膵臓オルガノイド、腎臓オルガノイド、胃腺オルガノイド、腸オルガノイド、上皮オルガノイド、卵巣オルガノイド、精巣オルガノイド及びこれらのオルガノイドを含む融合オルガノイドから成る群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
細胞が、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、神経前駆細胞、間葉系幹細胞及びこれらの細胞から分化した細胞から成る群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法により製造されたオルガノイドと、該オルガノイドの表面上及び/又は内部に凝集した及び/又は沈着した凝集性タンパク質とを含む、凝集性タンパク質が凝集した及び/又は沈着したオルガノイド。
【請求項6】
生存した状態である、請求項5記載のオルガノイド。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオルガノイドの製造方法及び当該方法により製造されたオルガノイドに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(Alzheimer's disease:本明細書では、しばしば「AD」と略称する)は、不可逆的な進行性中枢神経疾患の一種であり、認知機能障害(認知症)、行動障害、又は人格変化等の症状を伴う。全世界における認知症の患者数は、2019年時点で5,000万人以上と推定されているが、約70%がAD患者と考えられており、その発症率は増加傾向にある。AD患者の増加に伴う医療費の増大や介護問題は、国や患者関係者達にとって経済的又は精神的負担になる等、近年大きな社会的問題となっている。
【0003】
ADは、患者脳内で疎水性のペプチドであるアミロイドβタンパク質(本明細書では、しばしば「Aβ」と表記する)の凝集及び蓄積に始まり、その後、微小管結合タンパク質であるタウタンパク質が過リン酸化されて線維化した後に、神経細胞が破壊され、脳が萎縮することによって発症する(非特許文献1~3)。
【0004】
このADの発症機序に基づき、in vitroで添加した被験物質のAβ凝集阻害効果を評価し、AD治療の候補化合物をスクリーニングする技術が開発されている。例えば、量子ドットナノプローブを用いたアミロイドβタンパク質凝集阻害物質の微量ハイスループットスクリーニング(Microliter-scale High-throughput Screening:本明細書では、「MSHTS」と表記する)法は、PBS溶媒中でアミロイドβタンパク質の凝集阻害効果を有する候補化合物を探索できるCell-free Assays (無細胞試験)系を基盤技術としたスクリーニング技術である(非特許文献4)。
【0005】
MSHTSの例として、例えば、特許文献1には、アミロイド形成を評価する方法、装置及びプログラムが開示されており、具体的には、PBS中で、被験物質の存在下又は非存在下で、アミロイドβタンパク質等のアミロイド形成性タンパク質と、当該アミロイド形成性タンパク質の重合により形成されるアミロイドへの結合能を有する蛍光プローブ(量子ドットを蛍光色素として含む、又は量子ドット等)とを反応させる凝集反応ステップと、凝集反応ステップにおいて得た凝集反応生成物の蛍光を撮像する撮像ステップと、撮像ステップにおいて撮像した蛍光画像内の関心領域に含まれる各画素の輝度値から標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、標準偏差算出ステップにおいて算出した被験物質存在下での輝度値標準偏差の値と被験物質非存在下での輝度値標準偏差の値との比較から、被験物質存在下での輝度値標準偏差の値が被験物質非存在下での輝度値標準偏差の値より小さい場合に、被験物質がアミロイド形成阻害活性を有すると判定する活性判定ステップとを含む、被験物質のアミロイド形成阻害活性を判定する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、タンパク質やペプチドのアミロイド凝集性を評価するための汎用性量子ドットナノプローブ、及び当該量子ドットナノプローブを用いたアミロイド形成阻害剤の評価方法が開示され、具体的には、アミロイド形成ペプチドのN末端又はC末端にシステインを介して量子ドットが結合した量子ドットナノプローブが開示されている。
【0007】
しかしながら、Cell-free Assays系で得られた候補化合物はCell-Based Assays(細胞を使用した試験)系では、その阻害効果が認められない場合が多い。これはCell-free Assays系が生体環境を必ずしも反映していないことが原因と考えられる。また、Cell-Based Assays(細胞を使用した試験)系においても2次元環境の培養細胞では、細胞とECM(人細胞外マトリックス)の間の複雑のシグナルのやりとりが再現できないため、そのまま臨床試験に反映させることができない問題なども挙げられている(非特許文献5)。3次元環境の培養細胞であるオルガノイド(3次元組織細胞)は、細胞とECMの間の複雑のシグナルのやりとりが再現でき、in vivoの生理学的環境により近い組織細胞が調製できると期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開2020/138265号
特開2017-007990号公報
【非特許文献】
【0009】
Hardy J. and Selkoe D.J., 2002, Science, 297(5580): 353-356
Jack C.R.Jr., et al., 2010, Lancet Neurol. 9(1): 119-128
玉岡晃, 2017, 老年期認知症研究会誌, Vol.22, No.3, p.19-23
Ishigaki et al., 2013, PLOS ONE,8(8): e72992
Antoni, Burckel, Josset and Noel, Int J Mol Sci., 2015, 16(3): 5517-5527
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の実情に鑑み、疾病の予防又は治療に有用な候補化合物の、よりin vivoに近い環境下でのスクリーニングを可能とする、オルガノイドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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