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公開番号2024131586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023041942
出願日2023-03-16
発明の名称トナー及びトナーの製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/097 20060101AFI20240920BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】高速印刷時における低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性と両立し、低い定着温度であっても定着性にきわめて優れ、かつ画像光沢性に優れたトナーの提供。
【解決手段】結晶性樹脂を主成分として含むマトリクスと、該非晶性樹脂を主成分として含むドメインとで構成されるマトリクスドメイン構造を有し、示差走査熱量測定(DSC)において該結晶性樹脂に由来する融点Tcが40℃以上70℃以下であり、
該トナーに含まれる粒子を除いたトナーの軟化点Tmが、Tm≧Tc+20の関係を満たし、
該ドメインの個数平均径が50nm以上3000nm以下であり、
該粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
該透過型電子顕微鏡により観察される該トナー粒子表面から0.30μmより内部の領域における、マトリクス中に含有されている該粒子の合計面積のマトリクスの総面積に対する面積率(%)をSM、ドメイン中に含有されている該粒子の合計面積のドメインの総面積に対する面積率(%)をSDとしたとき、
SD/SM≦0.50
SM>5.0
であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂及び粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が結晶性樹脂および非晶性樹脂を有し、
透過型電子顕微鏡により観察される該トナーの断面において、該結晶性樹脂を主成分として含むマトリクスと、該非晶性樹脂を主成分として含むドメインとで構成されるマトリクスドメイン構造を有し、
該トナーは、示差走査熱量測定(DSC)において該結晶性樹脂に由来する融点Tcが40℃以上70℃以下であり、
該トナーに含まれる該粒子を除いたトナー成分(溶媒添加~遠心分離で抽出した成分)の軟化点Tm(℃)が、
Tm≧Tc+20
の関係を満たし、
該ドメインの個数平均径が50nm以上3000nm以下であり、
該粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
該透過型電子顕微鏡により観察される該トナーの断面において、該トナー粒子表面から0.30μmより内部の領域における、該結晶性樹脂を含むマトリクス中に含有されている該粒子の合計面積のマトリクスの総面積に対する面積率(%)をSM
該非晶性樹脂を含むドメイン中に含有されている該粒子の合計面積のドメインの総面積に対する面積率(%)をSDとしたとき、
SD/SM≦0.50
SM≧5.0(%)
であることを特徴とするトナー。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記結晶性樹脂がモノマー(1)であらわされるユニットを含有しており、前記非晶性樹脂がポリエステル樹脂を有している請求項1に記載のトナー。
TIFF
2024131586000018.tif
45
78
(式(1)中、R
Z1
は、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数18以上36以下のアルキル基を表す。)
【請求項3】
前記結晶性樹脂が下記式(1)で示されるモノマーユニット、下記式(2)で示されるモノマーユニット、及び下記式(3)で示されるモノマーユニットを含有する請求項1に記載のトナー。
TIFF
2024131586000019.tif
45
78
(式(1)中、R
Z1
は水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数18以上36以下のアルキル基を表す。)
TIFF
2024131586000020.tif
32
79
(式(2)中、R
1
は-C≡Nを表し、R
2
は水素原子又はメチル基を表す。)
TIFF
2024131586000021.tif
62
78
(式(3)中、Xは酸素原子またはNHを表し、R
2
は水素原子又はメチル基を表し、R
3
は炭素数2以上6以下のアルキレン基を表す。)
【請求項4】
前記粒子の前記トナー粒子中の含有量が、10質量%以上30質量%以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項5】
前記粒子は、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アゾ顔料(PY74、PY180、ナフトール系)、イソインドリン顔料(PY185)、カーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタン酸金属塩からなる群から選ばれる1つまたは複数の粒子である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項6】
前記粒子は、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、アゾ顔料(PY74、PY180、ナフトール系)、イソインドリン顔料(PY185)、カーボンブラックからなる群から選ばれる1つまたは複数の粒子と、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタン酸金属塩からなる群から選ばれる1つまたは複数の粒子とを、含有する粒子である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項7】
前記SMと前記SDが、
SD/SM≦0.10
SM≧10.0
である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項8】
前記ドメインの個数平均径が、500nm以上3000nm以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項9】
前記粒子の個数平均径が、50nm以上1000nm以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項10】
前記ドメイン粒子の個数平均径をRD、前記粒子の個数平均径をRFとしたとき、
RF/RD≦0.2
である請求項1または2に記載のトナー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナー及び該トナーの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高速印刷化や省エネルギー対応への要求がさらに高まっている。特に国連において採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」のもと、CO
2
をはじめとした温室効果ガス抑制への取り組みが世界各国で行われており、省エネルギー化に対する要求はますます強くなっている。省エネルギー対応策として、定着工程での消費電力を低下させるために、トナーをより低い温度で定着させる技術が検討されている。
トナーの結着樹脂の主成分を、シャープメルト性を有する結晶性樹脂にすることで、主成分が非晶性樹脂であるトナーに比べて優れた低温定着性を有することが知られている。例えば、特許文献1や特許文献2では、結晶性樹脂をマトリクス、非晶性樹脂をドメインとして存在させることで優れた低温定着性と耐熱保存性を両立させるトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-066994号公報
特開2019-215527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような結晶性樹脂をマトリクス、非晶性樹脂をドメインとしたトナーにより従来よりも低い定着温度でトナーを定着することが可能になってきたものの、写真画像等の高品位な画像形成に求められる画像光沢性が従来のトナーよりも劣るという新たな課題を見出した。
本発明は、低い定着温度であっても定着性にきわめて優れ、かつ画像光沢性に優れたトナーを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結着樹脂及び粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が結晶性樹脂および非晶性樹脂を有し、
透過型電子顕微鏡により観察される該トナーの断面において、該結晶性樹脂を主成分として含むマトリクスと、該非晶性樹脂を主成分として含むドメインとで構成されるマトリクスドメイン構造を有し、
該トナーは、示差走査熱量測定(DSC)において該結晶性樹脂に由来する融点Tcが40℃以上70℃以下であり、
該トナーに含まれる該粒子を除いたトナー成分(溶媒添加~遠心分離で抽出した成分)の軟化点Tm(℃)が、
Tm≧Tc+20
の関係を満たし、
該ドメインの個数平均径が50nm以上3000nm以下であり、
該粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
該透過型電子顕微鏡により観察される該トナーの断面において、該トナー粒子表面から0.30μmより内部の領域における、該結晶性樹脂を含むマトリクス中に含有されている該粒子の合計面積のマトリクスの総面積に対する面積率(%)をSM、該非晶性樹脂を含むドメイン中に含有されている該粒子の合計面積のドメインの総面積に対する面積率(%)をSDとしたとき、
SD/SM≦0.50
SM>5.0(%)
であることを特徴とするトナーである。
また、本発明は、上記構成のトナーの製造方法であって、
前記結晶性樹脂と前記粒子を含む第一混合物を溶融混練し、第一溶融混練物を得る第一溶融混練工程と、
該第一溶融混練物を粉砕して第一粉体を得る第一粉砕工程と、
該第一粉体、及び、非晶性樹脂を含む第二混合物を溶融混練し、第二溶融混練物を得る第二溶融混練工程と、
該第二溶融混練物を粉砕して第二粉体を得る第二粉砕工程を有し、
前記結晶性樹脂と前記粒子を含む第一混合物は、結晶性樹脂と前記粒子の合計質量%が前記結晶性樹脂と前記粒子を含む第一混合物に対して80質量%以上であることを特徴とするトナーの製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低い定着温度であっても定着性に優れ、画像光沢性に優れたトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0008】
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
【0009】
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0010】
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。ビニル系モノマーとは下記式(Z)で示すことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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