TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024126972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035779
出願日2023-03-08
発明の名称硬質皮膜の成膜方法および切削工具の製造方法
出願人ユニオンツール株式会社
代理人個人
主分類C23C 14/06 20060101AFI20240912BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】金属窒化物層にWを添加するにあたり、酸化タングステンを含むターゲットを用いることで、アークイオンプレーティング法により基材上に設けられた硬質皮膜にドロップレットが発生することを可及的に抑制できる、硬質皮膜の成膜方法を提供する。
【解決手段】アークイオンプレーティング法により、基材1上に、Wを含む金属窒化物層からなる硬質皮膜を成膜する方法であって、酸化タングステンを含んで構成されるターゲット2を準備する準備工程と、窒素ガス雰囲気中において前記ターゲット2を用いてアークイオンプレーティング法により前記基材1上に前記Wを含む金属窒化物層を形成する被覆工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アークイオンプレーティング法により、基材上に、Wを含む金属窒化物層からなる硬質皮膜を成膜する方法であって、
酸化タングステンを含んで構成されるターゲットを準備する準備工程と、
窒素ガス雰囲気中において前記ターゲットを用いてアークイオンプレーティング法により前記基材上に前記Wを含む金属窒化物層を形成する被覆工程と、
を含むことを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
請求項1記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記ターゲットは、三酸化タングステン(WO

)を含んで構成されるものであることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項3】
請求項1記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記Wを含む金属窒化物層は、少なくともAlとCr若しくはTiとを含むものであることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項4】
請求項2記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記Wを含む金属窒化物層は、少なくともAlとCr若しくはTiとを含むものであることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記ターゲットには、Wが前記ターゲットの金属成分全体に対して1mol%以上含まれていることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項6】
請求項5記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記被覆工程において、前記基材上に、Wが金属成分全体に対して5mol%以上含まれる金属窒化物層を形成することを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項7】
請求項6記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記ターゲットは、AlとCrと三酸化タングステン(WO

)とを含んで構成されたものであり、前記被覆工程は、前記基材上にAlCrWN層を形成する工程であることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項8】
請求項6記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記ターゲットは、AlとTiと三酸化タングステン(WO

)とを含んで構成されたものであり、前記被覆工程は、前記基材上にAlTiWN層を形成する工程であることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法。
【請求項9】
請求項1~4いずれか1項に記載の硬質皮膜の成膜方法を用い、切削工具の基材上に、Wを含む金属窒化物層からなる硬質皮膜を設けることを特徴とする切削工具の製造方法。
【請求項10】
請求項5記載の硬質皮膜の成膜方法を用い、切削工具の基材上に、Wを含む金属窒化物層からなる硬質皮膜を設けることを特徴とする切削工具の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質皮膜の成膜方法および切削工具の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
エンドミルやドリル等の切削工具に被覆される切削工具用硬質皮膜としては、AlCrNやAlTiN等の金属窒化物層が知られている。そして、これらの金属窒化物層に第三金属元素を添加することで、内部応力や組織を操作し、硬さ・靭性等の物性を改善しようとすることも行われている。特許文献1においては、AlCrNへWを添加したAlCrWNが高温での硬度の増大および良好な酸化挙動を示し、耐摩耗性を向上させ得ることが開示されている。
【0003】
ところで、切削工具への硬質皮膜の被覆に利用される最も一般的な成膜手法として、アークイオンプレーティング法が知られている。この成膜手法は、アーク放電を利用するため、イオン化率が非常に高く、したがって、雰囲気ガスとの反応性が高くなり、ターゲット組成の転写性が高い等の利点がある反面、アークをターゲット表面に落とす必要があるため、ターゲットにはある程度の導電性が必要であるなどの制限がある。
【0004】
また、ターゲットの導電性が高くとも、WやTaといった高融点・高沸点な材料が含まれる場合には、硬質皮膜に多くのドロップレットが発生することが知られており、単体のWを含むターゲットを用いてアークイオンプレーティング法によりAlCrWN層を成膜する場合においても、多くのドロップレットが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2008-505771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
硬質皮膜へのドロップレットの発生は、外観上の問題とは別に、ドロップレットを起点とする硬質皮膜の剥離や亀裂の進展の原因となったり、切り屑の排出性を悪化させたりする等、工具性能に悪影響を及ぼすため、可能な限り抑制する必要がある。
【0007】
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、金属窒化物層にWを添加するにあたり、酸化タングステンを含むターゲットを用いることで、アークイオンプレーティング法により基材上に設けられた硬質皮膜にドロップレットが発生することを可及的に抑制できる、硬質皮膜の成膜方法および切削工具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨を説明する。
【0009】
アークイオンプレーティング法により、基材1上に、Wを含む金属窒化物層からなる硬質皮膜を成膜する方法であって、
酸化タングステンを含んで構成されるターゲット2を準備する準備工程と、
窒素ガス雰囲気中において前記ターゲット2を用いてアークイオンプレーティング法により前記基材1上に前記Wを含む金属窒化物層を形成する被覆工程と、
を含むことを特徴とする硬質皮膜の成膜方法に係るものである。
【0010】
また、請求項1記載の硬質皮膜の成膜方法において、前記ターゲット2は、三酸化タングステン(WO

)を含んで構成されるものであることを特徴とする硬質皮膜の成膜方法に係るものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
マイクロ波プラズマCVD装置
1か月前
株式会社Gaianixx
成膜装置
3か月前
個人
マイクロ波プラズマCVD装置
2か月前
メック株式会社
銅のエッチング剤
3か月前
個人
ダイヤモンド合成用プラズマCVD装置
3か月前
日東電工株式会社
銅層付フィルム
3か月前
株式会社昭和真空
成膜装置
28日前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法
1か月前
株式会社レゾナック
成膜装置
2か月前
三浦工業株式会社
蒸気ボイラ装置用水処理剤
2か月前
トヨタ自動車株式会社
部材及びその製造方法
2か月前
株式会社川本製作所
ポンプ
3か月前
株式会社アルバック
真空蒸着方法
4日前
株式会社カネカ
気化装置及び蒸着装置
18日前
東京エレクトロン株式会社
基板処理方法
4日前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
1か月前
住友重機械工業株式会社
成膜装置
2か月前
株式会社アルバック
スパッタリング装置
3か月前
AGC株式会社
マグネトロンスパッタ装置
2か月前
クアーズテック合同会社
半導体熱処理部材
2か月前
伯東株式会社
冷却水系に設けられた金属の腐食抑制方法
1か月前
北京科技大学
溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法
18日前
上村工業株式会社
めっき析出状況の測定装置
21日前
マクセル株式会社
部分めっき部品の製造方法
1か月前
マクセル株式会社
部分メッキ部品の製造方法
2か月前
学校法人関東学院
無電解ニッケルめっき浴の再生方法
4日前
ノリタケ株式会社
添加剤および金属の製造方法
29日前
株式会社サンギ
膜形成装置
2か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法及び成膜装置
3か月前
東京エレクトロン株式会社
成膜方法及び成膜装置
1か月前
キヤノントッキ株式会社
成膜装置
3か月前
大阪富士工業株式会社
ボイラー管のリコート方法
3か月前
東京エレクトロン株式会社
処理装置及び処理方法
3か月前
大陽日酸株式会社
供給方法および供給装置
25日前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
22日前
株式会社アルバック
真空蒸着装置用の蒸着源
22日前
続きを見る