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公開番号
2024126837
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023035518
出願日
2023-03-08
発明の名称
サージ回避制御装置、内燃機関システム、サージ回避制御方法、及びプログラム
出願人
株式会社小松製作所
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
F02D
17/04 20060101AFI20240912BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】EGR方式を採用しない内燃機関であってもサージを回避することができるサージ回避制御装置、内燃機関システム、サージ回避制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】内燃機関本体と、排気タービン過給機とを備える内燃機関に対して、前記排気タービン過給機において発生するサージを回避する制御を行うサージ回避制御装置であって、前記内燃機関本体の状態が、前記排気タービン過給機においてサージが発生すると推定される所定の減速状態に状態遷移したか否かを判定する状態遷移判定部と、前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記排気タービン過給機のタービンに供給される排気ガスの流量が、前記タービンの回転速度を低下させる流量になるようにする流量制御部と、を備えるサージ回避制御装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
内燃機関本体と、排気タービン過給機とを備える内燃機関に対して、前記排気タービン過給機において発生するサージを回避する制御を行うサージ回避制御装置であって、
前記内燃機関本体の状態が、前記排気タービン過給機においてサージが発生すると推定される所定の減速状態に状態遷移したか否かを判定する状態遷移判定部と、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記排気タービン過給機のタービンに供給される排気ガスの流量が、前記タービンの回転速度を低下させる流量になるようにする流量制御部と、
を備えるサージ回避制御装置。
続きを表示(約 2,700 文字)
【請求項2】
前記状態遷移判定部は、
前記内燃機関本体に関わるパラメータを時系列順に順次取得し、所定時間前の前記パラメータが、前記サージが発生する前提条件を示すサージ発生前提条件を満たし、かつ直近の前記パラメータが、前記サージを回避する制御の開始条件を示すサージ回避制御開始条件を満たす場合、前記内燃機関本体の状態が前記所定の減速状態に遷移したと判定する、
請求項1に記載のサージ回避制御装置。
【請求項3】
前記内燃機関本体に関わるパラメータには、アクセル開度、燃料噴射量、前記内燃機関本体の回転速度のうち、少なくとも1つ以上が含まれる、
請求項2に記載のサージ回避制御装置。
【請求項4】
前記排気タービン過給機は、
前記内燃機関本体から排出される排気ガスによって回転する前記タービンと、前記タービンに連動して回転して前記内燃機関本体に吸気される吸気ガスを圧縮する圧縮機とを備え、
前記内燃機関は、
前記タービンに供給される前記排気ガスの流量を調整する流量調整器と、
前記タービンの下流側に接続される出口側排気通路を通過する前記排気ガスの流量を調整する流量調整器と、
前記内燃機関本体に接続する内燃機関側吸気通路を通過する前記吸気ガスの流量を調整する流量調整器とのうち少なくとも1つ以上の流量調整器を備え、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記タービンに供給される前記排気ガスの流量が、前記タービンの回転速度を低下させる流量になるように、前記流量調整器に対して流量を調整する指令値を出力する、
請求項1に記載のサージ回避制御装置。
【請求項5】
前記タービンに供給される前記排気ガスの流量を調整する流量調整器は、前記内燃機関本体と前記タービンとを接続する内燃機関側排気通路から分岐して前記タービンをバイパスするバイパス通路に挿入されるバイパスバルブであり、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記バイパスバルブを開く方向に駆動させる前記指令値を前記バイパスバルブに出力することにより、前記バイパス通路を通過する前記排気ガスの流量を増加させる、
請求項4に記載のサージ回避制御装置。
【請求項6】
前記排気タービン過給機は、
前記内燃機関本体から排出される排気ガスによって回転する第1タービンと、前記第1タービンに連動して回転して前記内燃機関本体に吸気される吸気ガスを圧縮する第1圧縮機とを有する第1排気タービン過給機と、
前記第1タービンから排出される排気ガスによって回転する第2タービンと、前記第2タービンに連動して回転して前記第1圧縮機に圧縮した前記吸気ガスを供給する第2圧縮機とを有する第2排気タービン過給機とを備え、
前記内燃機関は、
前記第1タービンに供給される前記排気ガスの流量を調整する流量調整器と、
前記第2タービンの下流側に接続される出口側排気通路を通過する前記排気ガスの流量を調整する流量調整器と、
前記内燃機関本体に接続する内燃機関側吸気通路を通過する前記吸気ガスの流量を調整する流量調整器とのうち少なくとも1つ以上の流量調整器を備え、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記第1タービン及び前記第2タービンのいずれか一方のタービンに供給される前記排気ガスの流量が、当該タービンの回転速度を低下させる流量になるように、前記流量調整器に対して流量を調整する指令値を出力する、
請求項1に記載のサージ回避制御装置。
【請求項7】
前記第1タービンに供給される前記排気ガスの流量を調整する流量調整器は、前記内燃機関本体と前記第1タービンとを接続する内燃機関側排気通路から分岐して前記第1タービンをバイパスするバイパス通路に挿入されるバイパスバルブであり、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記第1タービンにおいて前記サージが発生することが既知であるとき、前記バイパスバルブを開く方向に駆動させる前記指令値を前記バイパスバルブに出力することにより、前記バイパス通路を通過する前記排気ガスの流量を増加させ、前記第2タービンにおいて前記サージが発生することが既知であるとき、前記バイパスバルブを閉じる方向に駆動させる前記指令値を前記バイパスバルブに出力することにより、前記バイパス通路を通過する前記排気ガスの流量を減少させる、
請求項6に記載のサージ回避制御装置。
【請求項8】
前記出口側排気通路を通過する前記排気ガスの流量を調整する流量調整器は、前記出口側排気通路に挿入される排気スロットルバルブであり、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記排気スロットルバルブを閉じる方向に駆動させる前記指令値を前記排気スロットルバルブに出力することにより、前記出口側排気通路を通過する前記排気ガスの流量を減少させる、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のサージ回避制御装置。
【請求項9】
前記内燃機関側吸気通路を通過する前記吸気ガスの流量を調整する流量調整器は、前記内燃機関側吸気通路に挿入される吸気スロットルバルブであり、
前記流量制御部は、
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記吸気スロットルバルブを閉じる方向に駆動させる前記指令値を前記吸気スロットルバルブに出力することにより、前記内燃機関側吸気通路を通過する前記吸気ガスの流量を減少させる、
請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のサージ回避制御装置。
【請求項10】
前記状態遷移判定部が前記所定の減速状態に遷移したと判定した場合、前記内燃機関本体において噴射される燃料噴射量が、所定量未満になった場合に所定量以上になるように、前記燃料噴射量を調整する燃料噴射量制御部
を備える請求項1に記載のサージ回避制御装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、サージ回避制御装置、内燃機関システム、サージ回避制御方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
図22は、排気タービン過給の方式と、排気再循環(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)という)の方式とを採用した内燃機関であるエンジン200の一例を示す概略ブロック図である。エンジン200において、排気タービン過給機201は、例えば、タービン211の回転に用いる排気ガスの流速を調整する調整ノズルを有するVGT(Variable Geometry Turbo)などのタービン211と、圧縮機213と、タービン211と圧縮機213とを連結してタービン211の回転の駆動力を圧縮機213に伝えるシャフト212とを備える。
【0003】
エンジン本体203から排出される排気ガスが、タービン側排気通路223を通過してタービン211に流入すると、タービン211が回転し、タービン211の回転に連動して圧縮機213が回転する。圧縮機213は、入口側吸気通路221から流入する空気、すなわち吸気ガスを回転によって圧縮し、圧縮した吸気ガスをエンジン本体側吸気通路222に吐出する。エンジン本体側吸気通路222を通過する吸気ガスは、アフタークーラ202によって冷却され、冷却後にエンジン本体203に吸気される。その一方で、エンジン本体203から排出される排気ガスの一部が、EGR側排気通路231に流入する。EGR側排気通路231を通過する排気ガスは、EGRクーラ204によって冷却され、エンジン本体203に吸気される。
【0004】
エンジン200に対して、例えば、急な減速の操作が行われて、エンジン本体203のエンジン回転速度が急激に低下したとする。この場合に、エンジン本体203は、吸気をあまり必要としないにも関わらず、タービン211と、圧縮機213とは、自らの慣性によって高速に回り続けるため、エンジン本体側吸気通路222に存在する吸気ガスの圧力が上昇する。この圧力の上昇のために、圧縮機213を流れる吸気ガスに脈動が発生して、排気タービン過給機201が振動したりする現象、いわゆるサージと呼ばれる現象が発生する。
【0005】
特許文献1では、サージを回避するために、以下のような技術が提案されている。すなわち、特許文献1に開示される技術では、燃料噴射量が0(mg/stroke)になると、EGR側排気通路231に挿入されているEGRバルブ205を全開にすると共に、タービン211の調整ノズルを全開にする。これにより、図23に示すように、エンジン本体側吸気通路222を通過する吸気ガスの一部が、EGR側排気通路231に流入する。EGR側排気通路231に流入した吸気ガスは、図22の排気ガスが流れる方向とは逆の方向に、EGR側排気通路231を通過し、タービン側排気通路223を経由してタービン211に流入し、出口側排気通路224に流出する。
【0006】
これにより、エンジン本体側吸気通路222に存在する吸気ガスの圧力が低下して、サージを回避することが可能になる。図24は、いわゆるブロワマップやコンプレッサーマップと呼ばれる圧縮機213の特性を示すグラフである。図24において、縦軸は、圧縮機213の圧力比、すなわち圧縮機213の出口圧力/入口圧力の値を示しており、下から上に向かう方向で圧力比が大きくなる。横軸は、単位「kg/s(second(秒))」で表された、正規化された圧縮機213を流れる空気流量、すなわち吸気ガスの流量を示しており、左から右に向かう方向で空気流量が大きくなる。
【0007】
符号300~309で示される10個の曲線の各々は、等回転速度の線であり、圧縮機213の回転速度が、それぞれ異なる一定速度である場合の特性を示している。圧力比の最大値が最大である符号300で示す特性が、圧縮機213の回転速度が最も大きい状態の特性であり、圧力比の最大値が小さくなる順に圧縮機213の回転速度が小さくなっていく。したがって、符号309で示す特性が、圧縮機213の回転速度が最も小さい場合の特性になる。符号400で示される線、すなわち符号300~309の10個の特性の各々の空気流量が最小値である位置を結ぶことによって表される線は、サージラインと呼ばれている。サージライン400の左側の領域、すなわち符号300~309で示される曲線が存在しない領域で、圧縮機213が作動すると、サージが発生する。
【0008】
例えば、圧縮機213が作動している作動点が、符号500で示す位置である場合に、上記したエンジン200に対して急な減速の操作が行われて、エンジン本体203のエンジン回転速度が急激に低下したとする。この場合、圧縮機213の作動点は、作動点500を始点として符号501で示される線上を矢印の方向に向かって移動し、作動点がサージライン400を超えるとサージが発生する。これに対して、作動点がサージライン400を超える前に、特許文献1に開示されている技術が適用されると、EGRバルブ205と、タービン211の調整ノズルとが全開にされるので、圧縮機213の空気流量が増加する。これにより、圧縮機213の作動点が進む方向が、例えば、符号502の矢印の方向に変わり、圧縮機213の作動点がサージライン400を超えなくなるので、サージを回避することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2011/108549号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図22及び図23に示すエンジン200、すなわちEGRの方式を採用する内燃機関の場合、EGR側排気通路231が存在するので、特許文献1に開示されているサージ回避の手段を用いることができる。しかしながら、近年、EGR方式を採用しない内燃機関が用いられるようになってきている。このようなEGR方式を採用しない内燃機関の場合、特許文献1に開示されているサージ回避の手段を用いることができないという課題がある。
(【0011】以降は省略されています)
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