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公開番号2024126414
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034779
出願日2023-03-07
発明の名称内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法
出願人日立Astemo株式会社
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類F02D 41/40 20060101AFI20240912BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】算負荷を増加させることなく、内燃機関の排気や燃費悪化の要因となる燃圧変動による噴射量ばらつきを防止することができる内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法を提供する。
【解決手段】内燃機関制御装置は、燃料噴射制御計画部と、圧力値取得部と、を備えている。圧力値取得部は、第一燃料圧力値60と、第二燃料圧力値61と、演算燃料圧力値62と、を取得する。第一燃料圧力値60は、燃料ポンプの加圧動作タイミングから、それ以降で初めて燃料噴射弁から燃料が噴射される第一期間で取得される。第二燃料圧力値61は、第一期間の後に、加圧タイミングまでの期間となる第二期間で取得される。演算燃料圧力値62は、第一燃料圧力値61と第二燃料圧力値62で演算される。そして、燃料噴射制御計画部は、第一燃料圧力値60及び第二燃料圧力値61、演算燃料圧力値62のうち少なくとも1種以上の圧力値を選択し、選択した圧力値に応じて、燃料噴射弁の制御量を補正する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
燃料を間欠加圧して燃料配管内に吐出する往復動型燃料ポンプと、前記間欠加圧されている燃料を噴射するための燃料噴射弁とを備えた内燃機関を制御するための内燃機関制御装置において、
前記内燃機関の運転状態に応じて、前記燃料噴射弁の開弁または閉弁に係る制御内容を計画する燃料噴射制御計画部と、
前記内燃機関に設けた圧力センサから圧力値を取得する圧力値取得部と、を備え、
前記圧力値取得部は、
前記燃料ポンプの加圧動作タイミングから、それ以降で初めて前記燃料噴射弁から燃料が噴射される第一期間で取得された第一燃料圧力値と、
前記第一期間の後に、加圧タイミングまでの期間となる第二期間で取得された第二燃料圧力値と、
前記第一燃料圧力値と前記第二燃料圧力値で演算される演算燃料圧力値とを取得し、
前記燃料噴射制御計画部は、前記第一燃料圧力値及び前記第二燃料圧力値、前記演算燃料圧力値のうち少なくとも1種以上の圧力値を選択し、選択した圧力値に応じて、前記燃料噴射弁の制御量を補正する
内燃機関制御装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記圧力値取得部は、
前記第一期間中に取得される複数の燃料圧力値の平均値から、前記第一燃料圧力値を演算し、
前記第二期間中に取得される複数の燃料圧力値の平均値から、前記第二燃料圧力値を演算する
請求項1に記載の内燃機関制御装置。
【請求項3】
前記圧力値取得部は、
前記内燃機関の複数行程に渡る複数回の前記第一期間中に取得された複数の燃料圧力値の平均から、前記第一燃料圧力値を演算し、
前記内燃機関の複数行程に渡る複数回の前記第二期間中に取得された複数の燃料圧力値の平均から、前記第二燃料圧力値を演算し、
請求項2に記載の内燃機関制御装置。
【請求項4】
記演算燃料圧力値は、前記第一燃料圧力値と前記第二燃料圧力値の平均値である
請求項1に記載の内燃機関制御装置。
【請求項5】
前記燃料噴射弁の第1の噴射タイミングにおいて、前記内燃機関の運転状態に応じて求められる要求噴射量の過半が噴射される主噴射が実行され、前記第1の噴射タイミングの後に行わる第2の噴射タイミングにおいて、前記主噴射よりも少量で噴射される副噴射が実行され、
前記燃料噴射制御計画部は、
前記副噴射の実行が前記第一期間で計画される場合は、前記第一燃料圧力値に基づいて前記副噴射のための前記燃料噴射弁の制御量を補正し、
前記副噴射の実行が前記第二期間で計画される場合は、前記第二燃料圧力値に基づいて前記副噴射のための前記燃料噴射弁の制御量を補正する
請求項1に記載の内燃機関制御装置。
【請求項6】
燃料を間欠加圧して燃料配管内に吐出する往復動型燃料ポンプと、前記間欠加圧されている燃料を噴射するための燃料噴射弁とを備えた内燃機関を制御する内燃機関制御方法において、
前記燃料ポンプの加圧動作タイミングから、それ以降で初めて前記燃料噴射弁から燃料が噴射される第一期間で取得された第一燃料圧力値として取得する処理と、
前記第一期間の後に、加圧タイミングまでの期間となる第二期間で取得された第二燃料圧力値として取得する処理と、
前記第一燃料圧力値と前記第二燃料圧力値を用いて演算燃料圧力値を演算する処理と、
前記第一燃料圧力値及び前記第二燃料圧力値、前記演算燃料圧力値のうち少なくとも1種以上の圧力値を選択し、選択した圧力値に応じて、前記燃料噴射弁の制御量を補正する処理と、
を含む内燃機関制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
車両用エンジンの複数の気筒に燃料を供給する装置として、蓄圧式(コモンレール式)の燃料噴射制御装置が知られている。これは、燃料を供給する配管に、高圧燃料ポンプ等を用いて加圧した燃料を蓄圧し、燃料配管に設けられた燃料噴射弁により噴射するものである。そして、内燃機関制御装置は、内燃機関の運転状態に合わせて、燃料配管内に蓄圧する燃料圧力および噴射弁による燃料噴射量が所望の値となるよう制御している。この際、制御には例えば圧力センサにより所定の周期でサンプリングした圧力値を用いることが知られている。
【0003】
上述した蓄圧式の燃料噴射制御を行う場合には、高圧燃料ポンプから燃料配管への供給(吐出)と燃料噴射弁からの燃料噴射により、燃料配管内の燃料圧力は時々刻々と変動する。特に、近年多くの内燃機関で行われる、高速な分割噴射を行った際には燃料圧力変動(燃圧変動)の増大が懸念される。一方、前述の圧力サンプリング方法ではこれらの変動を逐次捉えることができない可能性があり、燃圧変動が直接燃料噴射量に影響を及ぼしてしまう懸念がある。これにより、エンジンに供給される空気と燃料の混合状態が変化し、排気や燃費の悪化を引き起こしてしまう可能性がある。
【0004】
このような課題を解決するため、例えば、特許文献1に記載されているような技術が開示されている。特許文献1には、燃料噴射中の燃圧変化を算出して、燃圧変化量と噴射開始時の燃圧に基づいて、燃料噴射パルス幅を補正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-38857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、燃料噴射中の燃圧変化(燃圧変動)を求めるためには、圧力センサによりサンプリングした燃料噴射開始時の燃料圧力をもとに、燃料ポンプの吐出量と燃料噴射弁の噴射量を用いて逐次演算する必要がある。その結果、特許文献1に記載された技術では、演算負荷および演算回数が増大する、という問題を有していた。特に高速分割噴射を行う際には、特許文献1に記載された技術は、実装上の観点から好ましくなかった。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、演算負荷を増加させることなく、内燃機関の排気や燃費悪化の要因となる燃圧変動による噴射量ばらつきを防止することができる内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるなら、本発明の内燃機関制御装置は、燃料を間欠加圧して燃料配管内に吐出する往復動型燃料ポンプと、間欠加圧されている燃料を噴射するための燃料噴射弁とを備えた内燃機関を制御するための内燃機関制御装置である。また、内燃機関制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて、燃料噴射弁の開弁または閉弁に係る制御内容を計画する燃料噴射制御計画部と、内燃機関に設けた圧力センサから圧力値を取得する圧力値取得部と、を備えている。
圧力値取得部は、第一燃料圧力値と、第二燃料圧力値と、演算燃料圧力値と、を取得する。第一燃料圧力値は、燃料ポンプの加圧動作タイミングから、それ以降で初めて燃料噴射弁から燃料が噴射される第一期間で取得される。第二燃料圧力値は、第一期間の後に、加圧タイミングまでの期間となる第二期間で取得される。演算燃料圧力値は、第一燃料圧力値と第二燃料圧力値で演算される。そして、燃料噴射制御計画部は、第一燃料圧力値及び第二燃料圧力値、演算燃料圧力値のうち少なくとも1種以上の圧力値を選択し、選択した圧力値に応じて、燃料噴射弁の制御量を補正する。
【0009】
また、本発明の内燃機関制御方法は、燃料を間欠加圧して燃料配管内に吐出する往復動型燃料ポンプと、前記間欠加圧されている燃料を噴射するための燃料噴射弁とを備えた内燃機関を制御する内燃機関制御方法において、以下(1)から(4)に示す処理を含む。
(1)燃料ポンプの加圧動作タイミングから、それ以降で初めて燃料噴射弁から燃料が噴射される第一期間で取得された第一燃料圧力値として取得する処理。
(2)第一期間の後に、加圧タイミングまでの期間となる第二期間で取得された第二燃料圧力値として取得する処理。
(3)第一燃料圧力値と第二燃料圧力値を用いて演算燃料圧力値を演算する処理。
(4)第一燃料圧力値及び第二燃料圧力値、演算燃料圧力値のうち少なくとも1種以上の圧力値を選択し、選択した圧力値に応じて、燃料噴射弁の制御量を補正する処理。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の内燃機関制御装置及び内燃機関制御方法によれば、演算負荷を増加させることなく、内燃機関の排気や燃費悪化の要因となる燃圧変動による噴射量ばらつきを防止することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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