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公開番号2024122124
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029489
出願日2023-02-28
発明の名称熱疲労寿命予測装置、熱疲労寿命予測システム、熱疲労寿命予測方法、及びプログラム
出願人株式会社小松製作所
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類F02D 45/00 20060101AFI20240902BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】熱疲労の度合いを正確に予測して、精度の高い寿命の予測を行う熱疲労寿命予測装置、熱疲労寿命予測システム、熱疲労寿命予測方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】熱疲労が生じる部分の温度の時間変化を示す温度履歴データを取得する温度履歴データ取得部と、前記温度履歴データから前記熱疲労の蓄積に関与する温度サイクルを検出するサイクル検出部と、前記熱疲労の蓄積の進行を示す尺度となる熱疲労蓄積進行尺度値を検出する熱疲労蓄積進行尺度検出部と、前記温度サイクルごとの最高温度と、最低温度とを用いて、前記温度サイクルごとの塑性ひずみ振幅値を検出する塑性ひずみ振幅検出部と、前記蓄積進行尺度検出部が検出する前記熱疲労蓄積進行尺度値と、前記塑性ひずみ振幅検出部が検出する前記塑性ひずみ振幅値とを用いて、前記熱疲労が生じる部分の寿命に関する情報を算出する予測部と、を備える熱疲労寿命予測装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱疲労が生じる部分の温度の時間変化を示す温度履歴データを取得する温度履歴データ取得部と、
前記温度履歴データから前記熱疲労の蓄積に関与する温度サイクルを検出するサイクル検出部と、
前記熱疲労の蓄積の進行を示す尺度となる熱疲労蓄積進行尺度値を検出する熱疲労蓄積進行尺度検出部(稼働時間検出部15)と、
前記温度サイクルごとの最高温度と、最低温度とを用いて、前記温度サイクルごとの塑性ひずみ振幅値を検出する塑性ひずみ振幅検出部と、
前記蓄積進行尺度検出部が検出する前記熱疲労蓄積進行尺度値と、前記塑性ひずみ振幅検出部が検出する前記塑性ひずみ振幅値とを用いて、前記熱疲労が生じる部分の寿命に関する情報を算出する予測部と、
を備える熱疲労寿命予測装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記温度履歴データ取得部は、
前記熱疲労が生じる部分を備える建設機械の稼働データを取得し、取得した稼働データから前記温度履歴データを生成して取得する、
請求項1に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項3】
前記温度履歴データ取得部は、
前記稼働データから前記建設機械が備える内燃機関の回転数及びトルクを取得し、取得した前記回転数及び前記トルクと、予め生成される前記回転数、前記トルク、及び前記熱疲労が生じる部分の温度の関係を示す温度履歴生成テーブルとを用いて、前記温度履歴データを生成して取得する、
請求項2に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項4】
前記温度履歴データ取得部は、
前記稼働データから前記内燃機関に関する温度を示すデータを取得し、取得した前記内燃機関に関する温度を示すデータに基づいてフィルタを生成し、生成した前記フィルタを前記温度履歴データに適用する、
請求項3に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項5】
前記内燃機関に関する温度を示すデータとは、前記内燃機関の排気ガス温度を示すデータ、及び、前記内燃機関の冷却水の水温を示すデータのいずれか一方、または、両方である、
請求項4に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項6】
前記温度履歴データ取得部は、
予め準備される教師データであって、ある測定時刻における前記建設機械が備える内燃機関の回転数、トルク、冷却水の水温、排気ガス温度、及び前記熱疲労が生じる部分の温度を訓練データとし、前記訓練データが示す条件が適用された場合の1測定時刻後の前記熱疲労が生じる部分の温度を正解ラベルとする教師データを用いて学習処理を行うことにより、温度履歴予測モデルを生成し、生成した前記温度履歴予測モデルに、取得する前記稼働データであって前記内燃機関の回転数、トルク、冷却水の水温、及び排気ガス温度を含む稼働データを時系列順に与えると共に、1測定時刻前の前記温度履歴予測モデルの出力値とを与えることにより、前記温度履歴データを生成して取得する、
請求項2に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項7】
前記温度履歴データ取得部は、
前記熱疲労が生じる部分の温度を示すデータを取得し、取得した前記熱疲労が生じる部分の温度を示すデータを時系列順に並べたデータを前記温度履歴データとする、
請求項1に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項8】
前記サイクル検出部は、
前記温度履歴データにP/V差法を適用して前記温度サイクルを検出する、
請求項1に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項9】
前記塑性ひずみ振幅検出部は、
前記温度サイクルごとの前記最高温度及び前記最低温度と、予め生成される前記最高温度と、前記最低温度と、前記塑性ひずみ振幅値との関係を示す塑性ひずみ振幅テーブルとを用いて、前記温度サイクルごとの前記塑性ひずみ振幅値を検出する、
請求項1に記載の熱疲労寿命予測装置。
【請求項10】
前記塑性ひずみ振幅検出部は、
前記温度サイクルごとに、前記最高温度及び前記最低温度の各々における全ひずみ量と、前記最高温度における0.2%耐力時の弾性ひずみ量とを検出し、検出した前記最高温度及び前記最低温度の各々における全ひずみ量と、前記最高温度における0.2%耐力時の弾性ひずみ量とに基づいて、前記温度サイクルごとの前記塑性ひずみ振幅値を検出する、
請求項1に記載の熱疲労寿命予測装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、熱疲労寿命予測装置、熱疲労寿命予測システム、熱疲労寿命予測方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関において、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排ガス循環)というシステムが採用されている。このシステムを採用する内燃機関では、例えば、図18に示すように、エンジン本体100に、EGRクーラ101が装着される。EGRクーラ101は、エンジン本体100が排出する排気ガスの一部を取り込み、取り込んだ排気ガスを冷却して、エンジン本体100の吸気側に戻す。これにより、エンジン本体100における燃焼温度が低下して、例えば、NOxを低減することが可能になる。
【0003】
EGRクーラ101は、エンジン本体100の排気ガスの循環の役割を担っていることから、EGRクーラ101が故障すると、エンジン本体100や、後処理装置102に冷却水が侵入することになる。そのため、エンジン本体100、及びエンジン本体100が排出する排気ガスの後処理を行う後処理装置102において、被害が生じる恐れがある。
【0004】
図19は、EGRクーラ101を排気ガスが流れる方向に沿って断面した断面図の一例である。EGRクーラ101において、ケース110には、排気ガスが流入する排気ガス流入口301と、排気ガスが流出する排気ガス流出口302と、エンジン冷却水が流入する冷却水流入口311と、エンジン冷却水が流出する冷却水流出口312とが設けられている。図20は、排気ガス流入口301からケース110の内部を観察した図である。ケース110の内部には、図20に示す複数のチューブ200-1~200-9と、図19に示すヘッダプレート111,112とが収容されている。ヘッダプレート111は、図20に示す形態で、チューブ200-1~200-9の一方の端部に接合されており、ヘッダプレート112は、ヘッダプレート111と同様の形態で、チューブ200-1~200-9の他方の端部に接合されている。
【0005】
ヘッダプレート111,112と、チューブ200-1~200-9とは、溶接されている。そのため、ケース110の内部の空間は、ヘッダプレート111,112によって、空間400-1,400-2,400-3の3つの空間に仕切られる。エンジン冷却水が、冷却水流入口311から供給されることにより、ケース110の空間400-2に冷却水が蓄積され、蓄積された冷却水は、冷却水流出口312から排出される。
【0006】
図19では、一例として、チューブ200-1~200-9のうち、チューブ200-1の断面のみが示されている。チューブ200-1内の空間は、複数の薄板210-1-1~210-1-6によって仕切られている。複数の薄板210-1-1~210-1-6によって仕切られたチューブ200-1内の空間の各々において、排気ガスが破線の矢印で示す方向に通過する。なお、図19に示す薄板210-1-1~210-1-6の枚数である7枚は、一例であり、7枚以外の枚数であってもよい。チューブ200-2~チューブ200-9の内部構成は、チューブ200-1と同一であり、チューブ200-1~200-9の個数の9個は、一例であり、9個以外の個数であってもよい。
【0007】
エンジン本体100から排出される高温の排気ガスが、EGRクーラ101の排気ガス流入口301から供給されると、排気ガスは、ケース110の空間400-1を経由してチューブ200-1~200-9内の空間を通過する。チューブ200-1~200-9内の空間を通過していく途中で、600℃程度の高温の排気ガスと、EGRクーラ101のケース110の空間400-2に蓄積された80℃程度の冷却水との間で熱交換が行われ、排気ガスが冷却される。その結果、100℃程度に冷却された排気ガスが、ケース110の空間400-3を経由して排気ガス流出口302から排出され、エンジン本体100の吸気側に戻される。
【0008】
ヘッダプレート111の空間400-1側の面と、チューブ200-1~200-9の空間400-1に突出している先端部分とは、排気ガス流入口301から供給される高温の排気ガスに曝されることになる。図21は、図20において符号290で示す矩形部分の構造の拡大図である。図21に示すように、チューブ200-1の先端部分220-1R,220-1L、及びチューブ200-2の先端部分220-2R,220-2Lは、空間400-1に突出しており、これらの部分が、直接、高温の排気ガスによって曝されることになる。
【0009】
チューブ200-1,200-2において、冷却水が蓄積される空間400-2に存在する部分、及びヘッダプレート111に挟まれている部分(以下、この2つの部分を非先端部分という)は、その一部が冷却水によって冷却されることから、先端部分220-1R,220-1L,220-2R,220-2Lに比べると、温度が低くなる。そのため、排気ガス流入口301から高温の排気ガスが供給されると、先端部分220-1R,220-1L,220-2R,220-2Lの温度は、非先端部分の温度に比べると非常に高くなり、大きな温度勾配が生じる。逆に、排気ガス流入口301から供給される排気ガスの温度が低下すると、先端部分220-1R,220-1L,220-2R,220-2Lの温度は、高温の排気ガスが供給されている場合の温度に比べると低くなる。
【0010】
先端部分220-1R,220-1L,220-2R,220-2Lは、温度が上昇すると熱膨張しようとする。その一方で、チューブ200-1,200-2は、ヘッダプレート111と溶接されており、固定された状態になっているので熱膨張が阻害される。そのため、先端部分220-1R,220-1L,220-2R,220-2Lに圧縮応力が生じる。この圧縮応力は、高温の排気ガスに曝される全てのチューブ200-1~200-9の先端部分(以下、単に「チューブ先端部分」ともいう)において同様に生じる。温度の上昇によってチューブ先端部分の長手方向に生じる大きな温度勾配も、圧縮応力が生じる要因である。この温度勾配により、チューブ先端部分の高温の部分は熱膨張が大きくなり、チューブ先端部分の低温の部分は、熱膨張が小さくなる。この熱膨張量の差から、チューブ先端部分の高温の部分の熱伸びは、チューブ先端部分の低温の部分に拘束されて、熱膨張が阻害され、圧縮応力が生じることになる。
(【0011】以降は省略されています)

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