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公開番号
2024120708
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023027701
出願日
2023-02-24
発明の名称
光センサ、バッテリーの異常検知システム
出願人
古河AS株式会社
,
古河電気工業株式会社
代理人
個人
主分類
G01K
11/32 20210101AFI20240829BHJP(測定;試験)
要約
【課題】 環境温度の影響を抑制し、感度よく熱異常を検知することが可能な光センサ及びこれを用いたバッテリーの異常検知システムを提供する。
【解決手段】 光センサ1は、温度異常を検知可能であって、主に、電源3、スイッチ4、光源5、受光器7、検知部9、プラスチックファイバ11等から構成される。光源5は、例えばLED光源であり、互いに波長の異なる複数の光源5が用いられる。光源5には、プラスチックファイバ11の一端が光接続される。複数の光源5にはスイッチ4が配置され、使用する光源5を切り替えることが可能である。すなわち、スイッチ4を切り替えることで、プラスチックファイバ11へ入射させる光の波長を切り替えることが可能である。プラスチックファイバ11の他端には受光器7が光接続される。受光器7には検知部9が接続される。検知部9は、受光器7で受光した光強度に基づいて、異常を検知することが可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
温度異常を検知可能な光センサであって、
光源と、
一端が前記光源と光接続されるプラスチックファイバと、
前記プラスチックファイバの他端と光接続される受光器と、
前記受光器で受光した光強度に基づいて異常を検知することが可能な検知部と、
を具備し、
前記受光器で受光する光の波長を切り替えることが可能であることを特徴とする光センサ。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
互いに波長の異なる複数の前記光源と、
使用する前記光源を切り替えるスイッチと、
を具備し、
前記光源を切り替えることで、前記受光器で受光する光の波長を切り替えることが可能であることを特徴とする請求項1記載の光センサ。
【請求項3】
前記プラスチックファイバの外径が450μm以上であり、波長400nm以上460nm以下の前記光源を選択可能であることを特徴とする請求項2記載の光センサ。
【請求項4】
前記プラスチックファイバの外径が250μm±13μmであり、波長500nm以上560nm以下の前記光源を選択可能であることを特徴とする請求項2記載の光センサ。
【請求項5】
前記プラスチックファイバの外径が125μm±7μmであり、波長630nm以上700nm以下の前記光源を選択可能であることを特徴とする請求項2記載の光センサ。
【請求項6】
前記スイッチを制御する制御部と、
使用する前記プラスチックファイバの種類又は前記プラスチックファイバの最小曲げ半径の情報を入力可能な入力部と、
を有し、
前記制御部は、前記入力部で入力された前記プラスチックファイバの種類又は前記プラスチックファイバの最小曲げ半径に紐づけられた前記光源を選択して、前記スイッチを切り替えることが可能であることを特徴とする請求項2記載の光センサ。
【請求項7】
前記スイッチを制御する制御部と、
使用する前記プラスチックファイバの種類又は前記プラスチックファイバの最小曲げ半径の情報を入力可能な入力部と、
前記光源の波長ごとの光出力の温度依存情報と、前記プラスチックファイバの種類による透過光強度の温度依存情報又は前記プラスチックファイバの曲げ半径による透過光強度の温度依存情報とを有する記憶部を有し、
前記制御部は、前記入力部で入力された情報に基づいて、前記受光器が受光する光強度の温度による影響が最も小さくなる前記光源を選択して、前記スイッチを切り替えることが可能であることを特徴とする請求項2記載の光センサ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の光センサを用いたバッテリーの異常検知システムであって、
前記プラスチックファイバが、バッテリーのセルに沿って配置され、
前記検知部は、いずれかの前記セルの温度異常に伴う損失の増加によって、バッテリーの温度異常を検知可能であることを特徴とするバッテリーの異常検知システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーの熱異常を検知することが可能な光センサ及びこれを用いたバッテリーの異常検知システムに関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、電気機器や電気自動車の需要が増加しており、バッテリーについても開発が進んでいる。例えば、リチウムイオンバッテリーは、正極側と負極側を別々の電解液で満たし、これらがセパレータで仕切られた構造を有する。充放電の際には、リチウムイオンがセパレータを通過することで反応が進み、充電及び放電を行うことができる。
【0003】
ここで、何らかの原因(過充電、内部短絡、外部発熱など)がトリガーとなり、電池温度が上昇すると、セパレータのメルトダウンに至る場合がある。セパレータがメルトダウンすると、全面短絡が生じ、セル全体の発熱が進み、いわゆる熱暴走が生じる恐れがある。
【0004】
このような熱暴走に起因して、電気自動車の火災事故も発生しており、例えば、2020年には、国連のUN規則において、乗員室に危険が発生する前に脱出を可能とする時間、又は5分前に事前警告表示を行うことが規定された。このため、バッテリーの異常を迅速に検知することが可能な方法が要求される。
【0005】
このようなバッテリーの異常検知方法としては、例えば、バッテリーの温度を測定する温度センサ、圧力を測定する圧力センサ、およびガス濃度を測定するガスセンサを用いたバッテリー異常検知装置が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2022-529401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、通常、複数のセルが連結されてバッテリースタックが構成され、バッテリーは、複数のバッテリースタックが集合されて構成される。また、セルの温度を測定する温度センサとしては、一般的にセルに接触するサーミスタが使用される。しかし、すべてのセルごとにサーミスタを配置するのは配策面やコスト面から問題がある。
【0008】
これに対し、光ファイバ(光センサ)を用いてスタック全体を一括して温度測定する方法もある。光センサを用いて温度測定を行うことで、セルの個々に温度センサを配置する必要がない。しかし、例えば、後方散乱光を計測するようなOTDRは、どのセルが異常であるかの位置も特定はできるものの、装置が大型であり高価である。
【0009】
一方、光ファイバの透過光の減衰・遮断により異常を検知する光センサを用いれば、どのセルが異常であるかは把握できないが、構造が簡易であり異常検知にも適用可能である。しかし、このような光センサを用いて温度測定を行った際には、各部材の周囲の環境温度の変化の影響を受けるため、必ずしも精度の良い測定が容易ではなかった。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、環境温度の影響を抑制し、感度よく熱異常を検知することが可能な光センサ及びこれを用いたバッテリーの異常検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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