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公開番号2024120497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027321
出願日2023-02-24
発明の名称ブラシレスDCモータの制御方法、および、ブラシレスDCモータの制御装置
出願人国立大学法人信州大学,シナノケンシ株式会社
代理人個人,個人
主分類H02P 6/10 20060101AFI20240829BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流リップルを抑制でき、騒音を低減させてブラシレスDCモータを矩形波駆動で速度制御することが可能なブラシレスDCモータの制御方法を提案する。
【解決手段】このブラシレスDCモータの制御方法は、ブラシレスDCモータ10の通電相を切り替え可能に構成されたインバータ回路30を用い、離散時間系制御により目標回転速度vrでブラシレスDCモータ10を矩形波駆動させる制御方法であって、目標回転速度vrに追従するための目標電流値Isを設定する目標電流値設定ステップST2と、矩形波駆動中のブラシレスDCモータ10の通電相電流値Iu,Iv,Iwを計測する電流値計測ステップST3と、通電相電流値Iu,Iv,Iwを目標電流値Isに追従させるようゲート信号を生成するゲート信号生成ステップST4と、ゲート信号に基づき通電相を切り替える通電相切り替えステップST5と、を実行する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ゲート信号に基づきブラシレスDCモータの通電相を切り替え可能に構成されたインバータ回路を用い、離散時間系制御により目標回転速度で当該ブラシレスDCモータを矩形波駆動させるブラシレスDCモータの制御方法であって、
前記目標回転速度に追従するための目標電流値を生成する目標電流値設定ステップと、
前記矩形波駆動中の前記ブラシレスDCモータの通電相電流値を計測する電流値計測ステップと、
前記通電相電流値を前記目標電流値に追従させるようゲート信号を生成するゲート信号生成ステップと、
前記ゲート信号に基づき前記通電相を切り替える通電相切り替えステップと、を実行する、ブラシレスDCモータの制御方法。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
更に、前記矩形波駆動中の前記ブラシレスDCモータを計測して得た回転速度情報から回転速度を算出する回転速度算出ステップを実行し、
前記目標電流値設定ステップにおいて、前記目標回転速度と前記回転速度算出ステップで算出した前記回転速度との差から前記目標電流値を生成する、請求項1記載のブラシレスDCモータの制御方法。
【請求項3】
前記離散時間系制御が離散時間系PI制御であり、前記目標電流値設定ステップにおいて、前記目標電流値(Is[z])を次の式1を用い生成する、請求項2記載のブラシレスDCモータの制御方法。
TIFF
2024120497000007.tif
43
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【請求項4】
前記ゲート信号生成ステップにおいて、電流方向が正の通電相電流値と前記目標電流値とを比較し、その大小により通電相が切り替わるよう前記ゲート信号を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラシレスDCモータの制御方法。
【請求項5】
前記ゲート信号生成ステップにおいて、前記インバータ回路において同時に開くトランジスタの数を変更して前記通電相を切り替えるように前記ゲート信号を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラシレスDCモータの制御方法。
【請求項6】
前記ゲート信号生成ステップにおいて、
前記通電相電流値が前記目標電流値より小さい場合には、通電相のコイルに電流を流入させる側のトランジスタのゲートと前記コイルから電流を流出させる側のトランジスタのゲートとを共に開けるための前記ゲート信号を生成し、
前記通電相電流値が前記目標電流値より大きい場合には、前記コイルに電流を流入させる側のトランジスタのゲートを閉じ、前記コイルから電流を流出させる側のトランジスタのゲートを開けるための前記ゲート信号を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブラシレスDCモータの制御方法。
【請求項7】
ブラシレスDCモータを離散時間系制御により目標回転速度で矩形波駆動させるブラシレスDCモータの制御装置であって、
ゲート信号の切り替わりにより前記ブラシレスDCモータの通電相の切り替え制御を行うように構成されたインバータ回路と、
前記目標回転速度の入力を受け付ける目標回転速度入力部と、
外付けまたは内蔵の電流センサにより計測された前記矩形波駆動中の前記ブラシレスDCモータの通電相電流値を取得する通電相電流値取得部と、
前記ブラシレスDCモータの回転速度を、前記目標回転速度入力部で受け付けた前記目標回転速度に追従させるために、各相の通電相電流値の目標電流値を生成する目標電流値生成部と、
前記通電相電流値取得部が取得した前記通電相電流値を、前記目標電流に追従させるための制御指令を生成し、当該制御指令を、前記インバータ回路による前記通電相の切り替えを行うための前記ゲート信号として、前記インバータ回路に向けて出力するゲート信号生成部と、を備えている、ブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項8】
更に、前記矩形波駆動中の前記ブラシレスDCモータの計測された測定回転速度情報の入力を受け付ける回転速度情報入力部を備え、
前記目標電流値生成部は、前記目標回転速度と前記回転速度とに基づき、前記目標電流値を生成する、請求項7記載のブラシレスDCモータの制御装置。
【請求項9】
前記離散時間系制御が離散時間系PI制御であり、前記目標電流値生成部は、前記目標電流値(Is[z])を次の式1を用い生成する、請求項8記載のブラシレスDCモータの制御装置。
TIFF
2024120497000008.tif
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【請求項10】
前記ゲート信号生成部は、
前記通電相電流値が前記目標電流値より小さい場合には、通電相のコイルに電流を流入させる側のトランジスタのゲートと前記コイルから電流を流出させる側のトランジスタのゲートとを共に開けるための前記ゲート信号を生成し、
前記通電相電流値が前記目標電流値より大きい場合には、前記コイルに電流を流入させる側のトランジスタのゲートを閉じ、前記コイルから電流を流出させる側のトランジスタのゲートを開けるための前記ゲート信号を生成する、請求項7~9のいずれか一項に記載のブラシレスDCモータの制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスDCモータの制御方法、および、ブラシレスDCモータの制御装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ブラシレスDCモータは、小型・高効率・長寿命・低騒音等の特長を活かし工業製品やコンピュータ周辺機器など様々な分野で多用されており、近年においては、より高い基準の騒音低減が求められている。ブラシレスDCモータの騒音として、ベアリングの振動や部品の傷による機械騒音および電磁トルクリップルやコギングトルクによる電磁騒音が知られている。ここで一般的には、ブラシレスDCモータを駆動させるために、電圧を正弦波状に変化させロータを回転させる正弦波駆動制御(180度制御)、又は、電気角が60度毎に電流の向きを変化させロータを回転させる矩形波駆動制御(120度制御)が行われる。特に、矩形波駆動制御として、ON/OFFのスイッチングを繰り返し行い、出力される電力を制御するPWM(Pulse Width Modulation)速度制御(以降、「PWM制御」と記載する。)が多用されている。PWM制御においては、ON/OFFのデューティ比を変化させ、電圧の実効値を調節して目標回転速度に追従させる。矩形波駆動制御は、正弦波駆動制御に対し、制御システムを簡易に構成でき、コストも安価にできる点で採用するメリットがあるが、スイッチング時の電磁トルクリップルにより比較的騒音が大きくなる傾向にある。そこで従来、矩形波駆動制御で駆動させるブラシレスDCモータの騒音を低減させるためのさまざまな提案がなされてきた(例えば特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
特許文献1で開示されている制御装置(モータ制御装置)は、モータを起動し、その回転速度が目標回転速度と一致するように制御する。具体的には、制御演算部が回転速度偏差に応じてモータの回転速度が目標回転速度と一致するようにq軸電流指令値を出力し、駆動回路部がこのq軸電流指令値に基づいて生成したPWM電圧制御信号をインバータ回路に出力する(引用文献1の段落[0006]参照)。
【0004】
特許文献2で開示されている制御装置(ブラシレスDCモータの駆動装置)は、台形波生成手段と、三角波を発振する三角波発振回路と、台形波と三角波とからPWM変調波を生成するPWM変調回路と、PWM変調波に基づいて制御信号を生成する駆動回路と、を有し、インバータ回路に出力された制御信号に基づきブラシレスDCモータを駆動する(引用文献2の段落[0006]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-295672号公報
特開2006-006067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている制御装置で採用されているPWM制御は、デューティ比の変化が激しい場合、電流リップルと呼ばれる電流の脈動が発生し、それによる振動が電磁騒音の原因となる。PWM制御では、ON/OFFのスイッチングにより電圧を調整するため、電流リップルを抑制することが困難である。
【0007】
本発明の主目的は、このような点に鑑みて、電流リップルを抑制でき、騒音を低減させてブラシレスDCモータを矩形波駆動で速度制御することが可能なブラシレスDCモータの制御方法を提案することにある。併せて、本発明の目的は、この制御方法を応用したブラシレスDCモータの制御装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]上記課題を解決すべく、本発明に係るブラシレスDCモータの制御方法は、ゲートに基づきブラシレスDCモータの通電相を切り替え可能に構成されたインバータ回路を用い、離散時間系制御により目標回転速度で当該ブラシレスDCモータを矩形波駆動させるブラシレスDCモータの制御方法であって、目標回転速度に追従するための目標電流値を生成する目標電流値設定ステップと、矩形波駆動中のブラシレスDCモータの通電相電流値を計測する電流値計測ステップと、通電相電流値を目標電流値に追従させるようゲート信号を生成するゲート信号生成ステップと、ゲート信号に基づき通電相を切り替える通電相切り替えステップと、を実行する。
【0009】
[2]本発明に係るブラシレスDCモータの制御方法では、更に、矩形波駆動中のブラシレスDCモータを計測して得た回転速度情報から回転速度を算出する回転速度算出ステップを実行し、目標電流値設定ステップにおいて、目標回転速度と回転速度算出ステップで算出した回転速度との差から目標電流値を生成することが好ましい。
【0010】
[3]本発明に係るブラシレスDCモータの制御方法では、離散時間系制御が離散時間系PI制御であり、目標電流値設定ステップにおいて、目標電流値(Is[z])を次の式1を用い生成することが好ましい。
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(【0011】以降は省略されています)

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