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公開番号2024115941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-27
出願番号2023021864
出願日2023-02-15
発明の名称撮像装置、制御方法およびプログラム
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人大塚国際特許事務所
主分類H04R 1/02 20060101AFI20240820BHJP(電気通信技術)
要約【課題】ユーザの耳からマイクまでの距離の変化によらずバイノーラル録音の効果が得られる技術を実現する。
【解決手段】撮像装置は、撮像手段と、ユーザの首部に装着される装着部と、第1から第4のマイクと、音声処理手段と、を有する。第1および第2のマイクは、撮像装置を装着しているユーザの左側の音声を収音する位置に設けられる。第1のマイクは、第2のマイクよりもユーザの左耳に近い位置に設けられる。第3および第4のマイクは、撮像装置を装着しているユーザの右側の音声を収音する位置に設けられる。第3のマイクは、第4のマイクよりもユーザの右耳に近い位置に設けられる。音声処理手段は、第1および第2のマイクにより取得した音声信号からユーザの左耳に適した向性を持つ第1の音声信号を生成し、第3および第4のマイクにより取得した音声信号からユーザの右耳に適した指向性を持つ第2の音声信号を生成する。
【選択図】図7A
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザの首部に装着可能な撮像装置であって、
撮像手段と、
前記撮像装置が前記ユーザに装着された場合に、前記ユーザの首部を囲うように配置される装着部と、
前記装着部に設けられた第1のマイク、第2のマイク、第3のマイクおよび第4のマイクと、
音声処理手段と、を有し、
前記第1のマイクおよび前記第2のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの左側の音声を収音する位置に設けられ、
前記第1のマイクは、前記第2のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの左耳に近い位置に設けられ、
前記第3のマイクおよび前記第4のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの右側の音声を収音する位置に設けられ、
前記第3のマイクは、前記第4のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの右耳に近い位置に設けられ、
前記音声処理手段は、
前記第1のマイクおよび前記第2のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの左耳に適した向性を持つ第1の音声信号を生成し、
前記第3のマイクおよび前記第4のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの右耳に適した指向性を持つ第2の音声信号を生成することを特徴とする撮像装置。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記音声処理手段は、前記第2のマイクまたは前記第4のマイクが取得した音声信号に対して前記第1のマイクまたは前記第3のマイクが取得した音声信号の位相を遅延させる処理を行い、
前記第1のマイクまたは前記第3のマイクが取得した音声信号の遅延量にゲインをかけて補正することにより前記第1の音声信号および前記第2の音声信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置を装着しているユーザが観察している方向を検出する顔方向検出手段を有し、
前記顔方向検出手段は、前記ユーザの顔の第1の部分から第2の部分までの距離を求め、
前記音声処理手段は、前記距離に基づいて前記ゲインを補正することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記顔方向検出手段は、
前記ユーザの顔の下部に向けて赤外光を照射する赤外光照射手段と、
前記赤外光の反射光を検出する赤外光検出手段と、
前記赤外光検出手段により検出した前記反射光から距離の分布を求め、前記距離の分布に基づいて前記ユーザが観察している方向を検出することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記音声処理手段は、
前記第1のマイクおよび前記第2のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの左耳に適した指向性を持つ第1の音声信号を生成する第1の音声処理手段と、
前記第3のマイクおよび前記第4のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの右耳に適した指向性を持つ第2の音声信号を生成する第2の音声処理手段と、を有し、
前記第1の音声処理手段は、前記距離に基づいて前記第1のマイクが取得した音声信号のゲインを変更し、
前記第2の音声処理手段は、前記距離に基づいて前記第3のマイクが取得した音声信号のゲインを変更することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の音声処理手段および前記第2の音声処理手段は、
前記距離が閾値より大きい場合は前記遅延量が増加するように前記ゲインを変更し、
前記距離が閾値以下の場合は前記遅延量が減少するように前記ゲインを変更することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記距離は、前記顔方向検出手段から前記撮像装置を装着しているユーザの首元から顎先までの距離であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1のマイクの音孔と前記第2のマイクの音孔の間の距離が所定の距離以下に設定され、
前記第3のマイクの音孔と前記第4のマイクの音孔の間の距離が所定の距離以下に設定され、
前記所定の距離は、前記第1の音声信号および前記第2の音声信号の1波長未満の距離に対応することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
ユーザの首部に装着可能な撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、
撮像手段と、
前記撮像装置が前記ユーザに装着された場合に、前記ユーザの首部を囲うように配置される装着部と、
前記装着部に設けられた第1のマイク、第2のマイク、第3のマイクおよび第4のマイクと、
音声処理手段と、を有し、
前記第1のマイクおよび前記第2のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの左側の音声を収音する位置に設けられ、
前記第1のマイクは、前記第2のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの左耳に近い位置に設けられ、
前記第3のマイクおよび前記第4のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの右側の音声を収音する位置に設けられ、
前記第3のマイクは、前記第4のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの右耳に近い位置に設けられ、
前記制御方法は、
前記音声処理手段が、前記第1のマイクおよび前記第2のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの左耳に適した向性を持つ第1の音声信号を生成し、
前記第3のマイクおよび前記第4のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの右耳に適した指向性を持つ第2の音声信号を生成するステップを有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載された撮像装置として機能させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの身体に装着可能な撮像装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ユーザの活動を記録できるように、ユーザの身体に装着して撮影を行うことができるウェアラブルカメラが知られている。また、臨場感のある音声を録音する方法として、バイノーラル録音という手法が知られている(特許文献1)。バイノーラル録音は、人間の耳に取り付けられた2つのマイクにより録音することにより、録音された音声をヘッドフォンを用いて聴いたときに、ユーザは録音現場にいるような臨場感溢れる音声を聞くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-54440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェアラブルカメラを装着した状態でユーザがバイノーラル録音を行う場合、マイクが目立たないようにユーザに装着できることが望ましい。この場合、マイクを装着する態様やユーザの身体的な差異によりマイクが耳から遠い位置に配置されてしまうと、バイノーラル録音の効果が得られない場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザの耳からマイクまでの距離の変化によらずバイノーラル録音の効果が得られる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ユーザの首部に装着可能な撮像装置であって、撮像手段と、前記撮像装置が前記ユーザに装着された場合に、前記ユーザの首部を囲うように配置される装着部と、前記装着部に設けられた第1のマイク、第2のマイク、第3のマイクおよび第4のマイクと、音声処理手段と、を有し、前記第1のマイクおよび前記第2のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの左側の音声を収音する位置に設けられ、前記第1のマイクは、前記第2のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの左耳に近い位置に設けられ、前記第3のマイクおよび前記第4のマイクは、前記撮像装置を装着しているユーザの右側の音声を収音する位置に設けられ、前記第3のマイクは、前記第4のマイクよりも前記撮像装置を装着しているユーザの右耳に近い位置に設けられ、前記音声処理手段は、前記第1のマイクおよび前記第2のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの左耳に適した向性を持つ第1の音声信号を生成し、前記第3のマイクおよび前記第4のマイクにより取得した音声信号に基づいて前記ユーザの右耳に適した指向性を持つ第2の音声信号を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの耳からマイクまでの距離の変化によらずバイノーラル録音の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態のウェアラブルカメラの外観図。
本実施形態のウェアラブルカメラを装着した状態を示す図。
本実施形態のウェアラブルカメラのバッテリ部を図1Aの後方から見た図。
本実施形態の表示装置の外観図。
本実施形態のウェアラブルカメラのカメラ本体部の正面図。
図2Aのカメラ本体部の接続部の形状を示す図。
本実施形態のウェアラブルカメラのカメラ本体部の背面図。
本実施形態のウェアラブルカメラのカメラ本体部の上面図。
本実施形態のウェアラブルカメラのカメラ本体部の内部構成示す図。
本実施形態のウェアラブルカメラのカメラ本体部の左側面図。
本実施形態のウェアラブルカメラのバッテリ部の背面図。
本実施形態のウェアラブルカメラのバッテリ部の上面図。
本実施形態のウェアラブルカメラのバッテリ部の正面図。
本実施形態のウェアラブルカメラの機能構成を示すブロック図。
本実施形態のウェアラブルカメラのハードウェア構成を示すブロック図。
本実施形態の表示装置のハードウェア構成を示すブロック図。
本実施形態のウェアラブルカメラの音声処理部の構成を示すブロック図。
図7Aの音声処理部のビームフォーミング部の構成を示すブロック図。
本実施形態のウェアラブルカメラおよび表示装置の制御処理を示すフローチャート。
図8Aの準備処理を示すフローチャート。
図8Aの顔方向検出処理を示すフローチャート。
図8Aの撮影処理における録音処理を示すフローチャート。
本実施形態のウェアラブルカメラの顔方向検出方法を説明する図。
本実施形態のウェアラブルカメラの顔方向検出方法を説明する図。
本実施形態のウェアラブルカメラの顔方向検出方法を説明する図。
本実施形態のウェアラブルカメラのビームフォーミング処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでするものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本実施形態のシステムは、図4で後述するように、少なくともウェアラブルカメラ1と表示装置2とから構成される。そして、ウェアラブルカメラ1と表示装置2とが無線通信可能に接続されている。ウェアラブルカメラ1は、撮影者であるユーザの身体(例えば、首部)に装着可能である。ウェアラブルカメラ1は、ユーザが観察している方向に存在する被写体を撮影し、撮影した動画や静止画などの映像を表示装置2に送信する。また、ウェアラブルカメラ1は、撮影中にユーザの左右の音声を取得して記録することが可能である。また、ウェアラブルカメラ1は、記録された音声を撮影された映像と関連付けて表示装置2に送信する。表示装置2は、ユーザまたは第三者が所持しているスマートフォンやタブレットコンピュータなどの携帯通信機器であり、ウェアラブルカメラ1から送信される映像を表示し、音声を再生する。ユーザは、表示装置2によりカメラ1により撮影された映像および録音された音声を視聴することができる。本実施形態のシステムは、ウェアラブルカメラ1と表示装置2が別体に構成されている例を説明するが、一体的に構成されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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