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公開番号2024112217
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-20
出願番号2023017138
出願日2023-02-07
発明の名称回転電機及び制御プログラム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02P 21/22 20160101AFI20240813BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】弱め界磁制御を適切に実施することができる回転電機及び制御プログラムを提供すること。
【解決手段】モータ10は、電流位相差βを補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値Id*,Iq*を決定する電流指令部101と、電圧位相差δvを補正して3相座標系から座標変換される第2のdq座標系におけるq軸電圧Vq´に基づいて、弱め磁束制御における弱め界磁電流ΔIdを決定する弱め磁束制御部110と、を備える。電流指令部101は、弱め磁束制御部110から入力した弱め界磁電流ΔIdを考慮して、d軸電流の電流指令値Id*を決定する。
【選択図】 図10
特許請求の範囲【請求項1】
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子(40)と、多相の固定子巻線(32)、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティース(T1~T18)を有する固定子鉄心を有する固定子(30)と、を備える回転電機(10)であって、
前記固定子巻線には、第1のインバータ(51)から3相の電流が供給される第1の固定子巻線(32a)と、第2のインバータ(52)から3相の電流が供給される第2の固定子巻線(32b)と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差(β)を有し、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備える回転電機において、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定する電流指令部(101)と、
前記第1の固定子巻線における各相の電圧と前記第2の固定子巻線における各相の電圧との電圧位相差(δv)を補正して3相座標系から座標変換される第2のdq座標系におけるq軸の指令電圧(Vq´)に基づいて、弱め磁束制御における弱め界磁電流(ΔId)を決定する弱め磁束制御部(110)と、を備え、
前記電流指令部は、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸の電流指令値を決定する回転電機。
続きを表示(約 4,900 文字)【請求項2】
各相電流を取得し、取得した各相電流を座標変換して第1のdq座標系における検出電流を取得する電流変換部(102)と、
第1のdq座標系において、電流指令値と検出電流に基づいて電流フィードバック制御を行い、第1のdq座標系におけるd軸の指令電圧及びq軸の指令電圧を決定する指令電圧決定部(103、104)と、
第1のdq座標系におけるd軸の指令電圧及びq軸の指令電圧を、第2のdq座標系におけるd軸の指令電圧及びq軸の指令電圧に変換する電圧座標変換部(111)と、を備え、
前記弱め磁束制御部は、前記電圧座標変換部から第2のdq座標系におけるq軸の指令電圧を取得する請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
各相電流を取得し、取得した各相電流を座標変換して第2のdq座標系における検出電流を取得する電流変換部(202)と、
第1のdq座標系におけるdq軸の電流指令値を、第2のdq座標系におけるdq軸の電流指令値に変換する電流座標変換部(211)と、
第2のdq座標系において、電流指令値と検出電流に基づいて電流フィードバック制御を行って第2のdq座標系におけるdq軸の指令電圧を決定する指令電圧決定部(203,204)と、
前記弱め磁束制御部は、前記指令電圧決定部から第2のdq座標系におけるq軸電圧を取得する請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子(40)と、多相の固定子巻線(32)、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティース(T1~T18)を有する固定子鉄心を有する固定子(30)と、を備える回転電機(10)であって、
前記固定子巻線には、第1のインバータ(51)から3相の電流が供給される第1の固定子巻線(32a)と、第2のインバータ(52)から3相の電流が供給される第2の固定子巻線(32b)と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差(β)を有し、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備える回転電機において、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定する電流指令部(101)と、
前記第1のdq座標系におけるd軸の指令電圧(Vd)とq軸の指令電圧(Vq)の2乗和に基づいて前記固定子巻線の誘起電圧の絶対値を算出する絶対値算出部(311)と、
前記絶対値に基づいて弱め磁束制御における弱め界磁電流(ΔId)を決定する弱め磁束制御部(310)と、を備え、
前記電流指令部は、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸電流の電流指令値を決定する回転電機。
【請求項5】
各相のコイル体Ua,Va,Waの起磁力に対する各相のコイル体Uc,Vc,Wcの起磁力の各位相差と、各相のコイル体Uc,Vc,Wcの起磁力に対する各相のコイル体Ub,Vb,Wbの起磁力の各位相差と、が電気角で20度を含む所定の位相範囲内となるように、
又は、各相のコイル体Ua,Va,Waの起磁力に対する各相のコイル体Ub,Vb,Wbの起磁力の各位相差と、各相のコイル体Ub,Vb,Wbの起磁力に対する各相のコイル体Uc,Vc,Wcの起磁力の各位相差と、が電気角で20度を含む所定の位相範囲内となるように、前記第3ティースに巻回される前記第1の固定子巻線の部分巻線により発生する起磁力と当該第3ティースに巻回される前記第2の固定子巻線の部分巻線により発生する起磁力との合算位相差、若しくは、前記第3ティースに巻回される前記第1の固定子巻線の部分巻線に流れる電流と当該第3ティースに巻回される前記第2の固定子巻線の部分巻線に流れる電流との合算位相差が設定されている請求項1~4のうちいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項6】
各相のコイル体Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wb,Uc,Vc,Wcの起磁力が所定の振幅範囲内となるように、前記第1ティースに巻回される前記第1の固定子巻線の巻回数、又は前記第2ティースに巻回される前記第2の固定子巻線の巻回数に対して、前記第3ティースに巻回される前記第1の固定子巻線の巻回数及び前記第2の固定子巻線の巻回数を異ならせている請求項5に記載の回転電機。
【請求項7】
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子(40)と、多相の固定子巻線(32)、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティース(T1~T18)を有する固定子鉄心を有する固定子(30)と、を備える回転電機(10)の制御装置(50)が実施する制御プログラムであって、
前記固定子巻線には、第1のインバータ(51)から3相の電流が供給される第1の固定子巻線(32a)と、第2のインバータ(52)から3相の電流が供給される第2の固定子巻線(32b)と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差(β)を有し、
前記回転電機は、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備え、
前記制御装置に、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定させる電流指令処理(101)と、
前記第1の固定子巻線における各相の電圧と前記第2の固定子巻線における各相の電圧との電圧位相差(δv)を補正して3相座標系から座標変換される第2のdq座標系におけるq軸の指令電圧(Vq´)に基づいて、弱め磁束制御における弱め界磁電流(ΔId)を決定させる弱め磁束制御処理(110)と、を実施させ、
前記電流指令処理では、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸の電流指令値を決定させる制御プログラム。
【請求項8】
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子(40)と、多相の固定子巻線(32)、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティース(T1~T18)を有する固定子鉄心を有する固定子(30)と、を備える回転電機(10)の制御装置(50)が実施する制御プログラムであって、
前記固定子巻線には、第1のインバータ(51)から3相の電流が供給される第1の固定子巻線(32a)と、第2のインバータ(52)から3相の電流が供給される第2の固定子巻線(32b)と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差(β)を有し、
前記制御装置は、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備え、
前記制御装置に、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定させる電流指令処理(101)と、
前記第1のdq座標系におけるd軸電圧(Vd)とq軸電圧(Vq)の2乗和に基づいて誘起電圧の絶対値を算出させる絶対値算出処理(311)と、
前記絶対値に基づいて弱め磁束制御における弱め界磁電流(ΔId)を決定させる弱め磁束制御処理(310)と、を実施させ、
前記電流指令処理では、前記弱め磁束制御処理で決定された前記弱め界磁電流を考慮して、d軸電流の電流指令値を決定させる制御プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機及び制御プログラムに関するものである。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、3相電流が第1のインバータから供給される第1の電機子巻線と、3相電流が第2のインバータから供給される第2の電機子巻線と、を備える回転電機が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の回転電機は、第1の電機子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるコイル体Ua,Va,Waと、第2の電機子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるコイル体Ub,Vb,Wbと、第1の電機子巻線及び第2の電機子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるコイル体Uc,Vc,Wcと、を備えている。そして、各相のコイル体Ua,Va,Waの起磁力に対する各相のコイル体Ub,Vb,Wbの起磁力の各位相差と、各相のコイル体Ub,Vb,Wbの起磁力に対する各相のコイル体Uc,Vc,Wcの起磁力の各位相差と、が電気角で20度となるように、第3ティースに巻回される第1の電機子巻線に流れる電流と当該第3ティースに巻回される第2の電機子巻線に流れる電流との位相差が設定されている。これにより、6次又は12次の高調波成分を打消し、トルクリプルを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7103299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の回転電機において、従来の方法で弱め界磁制御を実施しようとしても適切に実施できないことがわかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、弱め界磁制御を適切に実施することができる回転電機及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子と、多相の固定子巻線、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティースを有する固定子鉄心を有する固定子と、を備える回転電機であって、
前記固定子巻線には、第1のインバータから3相の電流が供給される第1の固定子巻線と、第2のインバータから3相の電流が供給される第2の固定子巻線と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差を有し、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備える回転電機において、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定する電流指令部と、
前記第1の固定子巻線における各相の電圧と前記第2の固定子巻線における各相の電圧との電圧位相差を補正して3相座標系から座標変換される第2のdq座標系におけるq軸の指令電圧に基づいて、弱め磁束制御における弱め界磁電流を決定する弱め磁束制御部と、を備え、
前記電流指令部は、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸の電流指令値を決定する。
【0007】
上記課題を解決するための第2の手段は、
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子と、多相の固定子巻線、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティースを有する固定子鉄心を有する固定子と、を備える回転電機であって、
前記固定子巻線には、第1のインバータから3相の電流が供給される第1の固定子巻線と、第2のインバータから3相の電流が供給される第2の固定子巻線と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差を有し、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備える回転電機において、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定する電流指令部と、
前記第1のdq座標系におけるd軸の指令電圧とq軸の指令電圧の2乗和に基づいて前記固定子巻線の誘起電圧の絶対値を算出する絶対値算出部と、
前記絶対値に基づいて弱め磁束制御における弱め界磁電流を決定する弱め磁束制御部と、を備え、
前記電流指令部は、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸電流の電流指令値を決定する。
【0008】
上記課題を解決するための第3の手段は、
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子と、多相の固定子巻線、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティースを有する固定子鉄心を有する固定子と、を備える回転電機の制御装置が実施する制御プログラムであって、
前記固定子巻線には、第1のインバータから3相の電流が供給される第1の固定子巻線と、第2のインバータから3相の電流が供給される第2の固定子巻線と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差を有し、
前記回転電機は、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備え、
前記制御装置に、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定させる電流指令処理と、
前記第1の固定子巻線における各相の電圧と前記第2の固定子巻線における各相の電圧との電圧位相差を補正して3相座標系から座標変換される第2のdq座標系におけるq軸の指令電圧に基づいて、弱め磁束制御における弱め界磁電流を決定させる弱め磁束制御処理と、を実施させ、
前記電流指令処理では、前記弱め磁束制御部から入力した前記弱め界磁電流を考慮して、d軸の電流指令値を決定させる。
【0009】
上記課題を解決するための第4の手段は、
周方向に極性が交互となる複数の磁極を有する回転子と、多相の固定子巻線、及び周方向に所定間隔で複数設けられ、前記固定子巻線が巻回されるティースを有する固定子鉄心を有する固定子と、を備える回転電機の制御装置が実施する制御プログラムであって、
前記固定子巻線には、第1のインバータから3相の電流が供給される第1の固定子巻線と、第2のインバータから3相の電流が供給される第2の固定子巻線と、があり、
前記第1のインバータから供給される3相の電流と、前記第2のインバータから供給される3相の電流とは、それぞれ所定の電流位相差を有し、
前記制御装置は、
前記3相のうちU相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Uaと、
前記3相のうちV相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vaと、
前記3相のうちW相の前記第1の固定子巻線が第1ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Waと、
前記U相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ubと、
前記V相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vbと、
前記W相の前記第2の固定子巻線が第2ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wbと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるU相のコイル体Ucと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるV相のコイル体Vcと、
前記3相のうちいずれか1相の前記第1の固定子巻線及び前記3相のうちいずれか1相の前記第2の固定子巻線が第3ティースに巻回されることにより形成されるW相のコイル体Wcと、を備え、
前記制御装置に、
前記電流位相差を補正して3相座標系から座標変換される第1のdq座標系における電流指令値を決定させる電流指令処理と、
前記第1のdq座標系におけるd軸電圧とq軸電圧の2乗和に基づいて誘起電圧の絶対値を算出させる絶対値算出処理と、
前記絶対値に基づいて弱め磁束制御における弱め界磁電流を決定させる弱め磁束制御処理と、を実施させ、
前記電流指令処理では、前記弱め磁束制御処理で決定された前記弱め界磁電流を考慮して、d軸電流の電流指令値を決定させる。
【0010】
上記手段よれば、適切に弱め界磁制御を実施できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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