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公開番号2024107908
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023012093
出願日2023-01-30
発明の名称ハブユニット軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B60B 35/02 20060101AFI20240802BHJP(車両一般)
要約【課題】ハブユニット軸受の軽量化を図りつつ、ハブフランジに丸フランジに近い周方向や軸方向の剛性を与えて、操安性の向上や、ホイールやブレーキロータの取り付け部の応力低減効果が得られるハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】内輪部材30は、ハブ軸31、内輪32及び補強部材40を有する。ハブ軸31は、環状部分34、及び環状部分34から径方向外側へ延び、周方向に間隔を空けて設けられる複数の外向きフランジ部33を有し、補強部材40は、環状部分34の内側に設けられる軸部41と、軸部41から径方向外側に延びる補強フランジ部42を有する。外向きフランジ部33の周方向側面33bに形成された凸部と補強フランジ部42の周方向側面42aに形成された凹部とが係合することによって、互いに接続される。凸部の先端部の少なくとも一部と補強フランジ部42の周方向側面42aとは、周方向から見てオーバーラップしている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
内周面に複列の外輪軌道を有する外輪部材と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、軸方向一方側にホイール及びブレーキロータが取り付けられるハブフランジを有する内輪部材と、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受であって、
前記内輪部材は、
環状部分、及び前記環状部分から径方向外側へ延び、周方向に間隔を空けて設けられると共に、径方向外側に向かうにつれて円周方向幅が狭くなる先細り形状の複数の外向きフランジ部を有するハブ軸と、
前記環状部分及び前記複数の外向きフランジ部の内側に設けられる軸部、及び前記軸部から径方向外側に延び、周方向に隣り合う前記外向きフランジ部の周方向側面を覆うように前記外向きフランジ部と同じ軸方向位置に配置され、前記複数の外向きフランジ部とともに円盤状の前記ハブフランジを構成する補強フランジ部を有し、前記ハブ軸より軽量の材料からなる補強部材と、
を有し、
前記外向きフランジ部の周方向側面に形成された凸部と前記補強フランジ部の周方向側面に形成された凹部とが係合することによって、前記外向きフランジ部と前記補強フランジ部とが互いに接続される、
ハブユニット軸受。
続きを表示（約 590 文字）【請求項２】
前記凸部の先端部の少なくとも一部と前記補強フランジ部の周方向側面とは、周方向から見てオーバーラップしている、請求項１に記載のハブユニット軸受。
【請求項３】
前記ハブ軸は、前記環状部分の内周面の軸方向両側に、径方向外側に凹んだ段部をそれぞれ備え、
前記補強部材の軸部は、軸方向両側に前記段部にそれぞれ係止される係止部を有する、請求項１に記載のハブユニット軸受。
【請求項４】
前記補強部材は、前記外向きフランジ部の外周面をさらに覆う、請求項１に記載のハブユニット軸受。
【請求項５】
前記補強部材は、前記補強フランジ部に対して前記軸部と反対側に延在するパイロット部を備え、
前記パイロット部は、周方向に間隔を空けて切り欠かれた複数の切欠き部を有する、請求項１に記載のハブユニット軸受。
【請求項６】
前記凹部は、断面逆ハの字状のあり溝或いはＴ字溝であり、
前記凸部は、前記あり溝或いは前記Ｔ字溝に係合する断面ハの字状またはＴ字状の突条部である、請求項１に記載のハブユニット軸受。
【請求項７】
前記凸部は、前記内輪部材の成形時に前記外向きフランジ部の周方向側面に形成され、軸方向に傾斜するように曲げ加工されたフラッシュである、請求項１に記載のハブユニット軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、ハブユニット軸受に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
ハブユニット軸受はバネ下荷重であるため、ハブユニット軸受の軽量化は、省エネ及び省資源に寄与するだけでなく、乗り心地の向上にも大きく影響する。ハブユニット軸受の軽量化のためには、径が大きく、結果的に質量が大きくなるハブフランジの軽量化の効果が大きく、これにより、イナーシャ減少による省燃費効果も得られる。
【０００３】
特許文献１には、冷間側方押し出しにより、ハブフランジを間欠的に設けて、即ち、複数の外向きフランジ部を周方向に間隔を空けて設けて、ハブフランジの軽量化を図ったハブユニット軸受が開示されている。この様な構造にあっては、冷間鍛造による加工硬化の効果によりハブフランジを細くできる効果も加わり、ハブフランジの軽量化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１１－２０１４２１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載のハブユニット軸受によると、ハブフランジとブレーキロータの接触面積が減少するため、取り付け部の応力が上昇してハブフランジより強度が低い鋳物製のブレーキロータにクラックが発生する虞がある。また、間欠的（十字形や星形）に形成されたハブフランジは、連続的に形成された、所謂丸フランジに比べて周方向や軸方向の剛性が低くなるため、操安性に悪影響を及ぼすと共に、ブレーキロータやホイールの取り付け部の応力を高める虞がある。
【０００６】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量化を図りつつ、ハブフランジに丸フランジに近い周方向や軸方向の剛性を与えて、操安性の向上や、ホイールやブレーキロータの取り付け部の応力低減効果が得られるハブユニット軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
［１］内周面に複列の外輪軌道を有する外輪部材と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、軸方向一方側にホイール及びブレーキロータが取り付けられるハブフランジを有する内輪部材と、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受であって、
前記内輪部材は、
環状部分、及び前記環状部分から径方向外側へ延び、周方向に間隔を空けて設けられると共に、径方向外側に向かうにつれて円周方向幅が狭くなる先細り形状の複数の外向きフランジ部を有するハブ軸と、
前記環状部分及び前記複数の外向きフランジ部の内側に設けられる軸部、及び前記軸部から径方向外側に延び、周方向に隣り合う前記外向きフランジ部の周方向側面を覆うように前記外向きフランジ部と同じ軸方向位置に配置され、前記複数の外向きフランジ部とともに円盤状の前記ハブフランジを構成する補強フランジ部を有し、前記ハブ軸より軽量の材料からなる補強部材と、
を有し、
前記外向きフランジ部の周方向側面に形成された凸部と前記補強フランジ部の周方向側面に形成された凹部とが係合することによって、前記外向きフランジ部と前記補強フランジ部とが互いに接続される、
ハブユニット軸受。
【発明の効果】
【０００８】
本発明のハブユニット軸受によれば、軽量化を図りつつ、ハブフランジに丸フランジに近い周方向や軸方向の剛性を与えて、操安性の向上や、ホイールやブレーキロータの取り付け部の応力低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
図１は、本発明の第１実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。
図２は、図１に示すハブフランジを左方から見た正面図である。
図３は、外向きフランジ部の周方向側面と補強フランジ部の周方向側面との係合状態を示すハブフランジの要部側面図である。
図４（ａ）は、外向きフランジ部の周方向側面と補強フランジ部の周方向側面との他の係合状態を示すハブフランジの要部側面図、図４（ｂ）は、外向きフランジ部の周方向側面と補強フランジ部の周方向側面とのさらに他の係合状態を示すハブフランジの要部側面図、図４（ｃ）は、外向きフランジ部の周方向側面と補強フランジ部の周方向側面とのさらに他の係合状態を示すハブフランジの要部側面図である。
図５は、本発明の第２実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。
図６は、図５に示すハブフランジの正面図である。
図７は、本発明の第３実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。
図８は、図７に示すハブフランジの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
（第１実施形態）
本発明の第１実施形態に係るハブユニット軸受について、図１～図３に基づいて詳細に説明する。
なお、本明細書において、「インボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受１０の車体側を表し、図１中の右側である。「アウトボード側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受１０の車輪側を表し、図１中の左側である。
（【００１１】以降は省略されています）

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