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公開番号
2024106337
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-07
出願番号
2024009491
出願日
2024-01-25
発明の名称
フルオロリン酸イオンを含有する溶液からリン及びフッ素を除去する方法
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C02F
1/58 20230101AFI20240731BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】強酸を使用せずとも、温和な条件で、フルオロリン酸イオンを含有する溶液からリン及びフッ素を十分に除去する方法を提供する。
【解決手段】(1)50~120℃において、フルオロリン酸イオンを含有する溶液にイオン性アルミニウム化合物を添加して前記フルオロリン酸イオンを分解させる工程と、
(2)アルカリ化合物の存在下に、リン及びフッ素を含む沈殿を形成する工程と、
を備える、前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液から前記フルオロリン酸イオンに由来するリン及びフッ素を除去する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(1)50~120℃において、フルオロリン酸イオンを含有する溶液にイオン性アルミニウム化合物を添加して前記フルオロリン酸イオンを分解させる工程と、
(2)アルカリ化合物の存在下に、リン及びフッ素を含む沈殿を形成する工程と、
を備える、前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液から前記フルオロリン酸イオンに由来するリン及びフッ素を除去する方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記工程(1)における反応を0.5~12時間行った後、前記溶液を室温まで冷却し、前記工程(2)を実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(1)において前記イオン性アルミニウム化合物とともに前記アルカリ化合物も添加し、前記工程(1)及び前記工程(2)を同時に50~120℃において0.5時間以上実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フルオロリン酸イオン中に前記アルカリ化合物が含まれており、前記工程(1)及び工程(2)を同時に50~120℃において0.5時間以上実施する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(2)を実施後、さらにアルカリ化合物を追加添加する、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記イオン性アルミニウム化合物が、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム及び臭化アルミニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記アルカリ化合物が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸水素塩及び炭酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記フルオロリン酸イオンが、PF
6
-
、PO
3
F
2-
及びPO
2
F
2
-
よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液に添加する前記イオン性アルミニウム化合物の添加量が、アルミニウムイオン当量で、前記溶液1リットル当たり0.005~2.5モルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(1)における前記イオン性アルミニウム化合物の添加量をアルミニウム当量でAモルとするとき、前記アルカリ化合物の量は、水酸化物イオン当量換算し、前記工程(2)において添加する量と前記フルオロリン酸イオンを含有する溶液中に含まれる量との総量で、A×3モル~A×10モルである、請求項2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロリン酸イオンを含有する溶液からリン及びフッ素を除去する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
昨今、各種の環境規制物質の処理方法はある程度確立されている。なかでも、リン、フッ素、ホウ素等は排水規制が厳しく、例えばリンは0.5mmol/L未満、フッ素は0.4mmol/L未満まで低減することが求められているため、リン化合物、フッ素化合物等の無害化のための処理が行われている。
【0003】
リン化合物は、リン酸排水の工業処理を、塩化第二鉄、水酸化カルシウム等によって、リン酸塩として固体沈殿を形成する方法が知られている。
【0004】
フッ素化合物は、塩化カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシウム塩によって、フッ化カルシウムの固体沈殿を形成する方法等が知られている。
【0005】
リン化合物やフッ素化合物の製造業以外にも、リチウムイオン二次電池等の各種電池には電解質としてLiPF
6
に代表される、リン及びフッ素の双方を含むフルオロリン酸イオンを有するフルオロリン酸化合物が含まれていることが多く、リチウムイオン二次電池をはじめとする各種二次電池の失活処理を湿式で行う際には、フルオロリン酸イオンを含有する廃液が排出される。
【0006】
フルオロリン酸イオンは水中での安定性が高いため、一旦、PO
4
3-
イオンやF
-
イオン等へ分解した後に、リンやフッ素を除去する必要性があった。しかしながら、フルオロリン酸イオンは水中での安定性が高いため、PO
4
3-
イオンやF
-
イオンへの分解速度が極めて遅い。このため、例えばカルシウム塩を添加しても、リン酸カルシウムやフッ化カルシウムの生成速度が遅く、リンやフッ素を高度に除去することが困難である。
【0007】
このため、フルオロリン酸イオンからリンやフッ素を除去するためには、通常、フルオロリン酸イオンを含む溶液に対して強酸を添加したり、高温で加熱したりして分解させた後に、フッ素及びリンを固定化するという多段階の方法が採用されており(例えば、特許文献1~4参照)、高濃度の強酸を用いることで分解工程で有害で腐食性のあるフッ化水素酸やフッ化水素ガスが発生するために反応槽等に耐酸性部材が必要であり、加えて一工程のみでフルオロリン酸イオンからリンやフッ素を除去することは困難であるうえに、フルオロリン酸イオンからリンを十分に除去できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2013/054875号
特開平06-170380号公報
特開平08-010775号公報
特開2000-229280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決しようとするものであり、強酸を使用せずとも、温和な条件で、フルオロリン酸イオンを含有する溶液からリン及びフッ素を十分に除去する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、フルオロリン酸イオンの分解速度が遅いことに着目し、50~120℃において、フルオロリン酸イオンを含有する被処理溶液に対してイオン性アルミニウム化合物を添加することでフルオロリン酸イオンを分解させることができ、さらに、アルカリ化合物を添加することで沈殿を形成し、被処理溶液から十分にリン及びフッ素を除去できることを見出した。この方法によれば、強酸を使用せずとも、フルオロリン酸イオンを含有する被処理溶液から前記フルオロリン酸イオンに由来するリン及びフッ素を除去することが可能である。これらの知見に基づいて、本発明者らは、さらに研究を重ね、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の態様を包含する。
(【0011】以降は省略されています)
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