TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024103292
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023007555
出願日2023-01-20
発明の名称還元剤噴射制御方法及び還元剤噴射装置
出願人ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング,ROBERT BOSCH GMBH
代理人個人,個人,個人
主分類F01N 3/08 20060101AFI20240725BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】車両起動時における迅速性を損なうことなく、従来に比して、さらなる信頼性、安全性を備えた還元剤噴射装置を提供する。
【解決手段】還元剤噴射弁12の固着検出を可能とする噴射弁プレテストと、還元剤噴射弁12の電磁コイルへの通電による電磁コイル加熱が制御装置100により実行可能に構成されてなる還元剤噴射装置50において、制御装置100は、内燃機関1の始動後の噴射弁プレテストの結果に基づく電磁コイル加熱により還元剤噴射弁12の固着解消が検出され、さらに、内燃機関1がコールドスタートであると判定された場合、2回目以降の噴射弁プレテストを実行し、還元剤噴射弁12の固着が検出された場合、電磁コイル加熱を実行し、その後、還元剤噴射弁12の固着解消が検出された場合に、還元剤の噴射の実行を可能とするよう構成されてなることで、さらなる信頼性、安全性の確保が図られる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
選択還元触媒(3)の上流側に設けられた還元剤噴射弁(12)を介して還元剤の噴射を可能に構成されると共に、内燃機関(1)の始動後に、少なくとも前記還元剤噴射弁(12)の電磁コイルへの通電による通電電流の変化を基にした前記還元剤噴射弁(12)の固着の有無判定の実行を含む噴射弁プレテストを実行すると共に、前記噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記還元剤噴射(12)の電磁コイルに通電することで前記還元剤噴射弁(12)への加熱を可能とする電磁コイル加熱が実行されるように構成されてなる還元剤噴射装置(50)における還元剤噴射制御方法であって、
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストの結果に基づいて行われた前記電磁コイル加熱により前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定し、コールドスタートであると判定された場合、2回目以降の前記噴射弁プレテストを実行し、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記電磁コイル加熱を実行し、しかる後、前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合に、前記還元剤の噴射の実行を可能とすることを特徴とする還元剤噴射制御方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出されなかった場合にも、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の還元剤噴射制御方法。
【請求項3】
前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かの判定により、コールドスタートではないと判定された場合、又は、前記2回目以降の前記噴射弁プレテストの実行により、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出されなかった場合、前記還元剤の噴射の実行を可能とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の還元剤噴射制御方法。
【請求項4】
前記コールドスタートか否かの判定は、前記内燃機関(1)からの排気ガスの温度が、前記還元剤噴射弁(12)への前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回るか否かの判定により行われ、前記排気ガスの温度が、前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回る場合に、コールドスタートであると判定すること特徴とする請求項1又は請求項2記載の還元剤噴射制御方法。
【請求項5】
前記コールドスタートか否かの判定は、前記内燃機関(1)からの排気ガスの温度が、前記還元剤噴射弁(12)への前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回るか否かの判定により行われ、前記排気ガスの温度が、前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回る場合に、コールドスタートであると判定すること特徴とする請求項3記載の還元剤噴射制御方法。
【請求項6】
選択還元触媒(3)の上流側に還元剤噴射弁(12)が設けられる一方、前記還元剤噴射弁(12)の動作制御を実行する制御装置(100)を有し、当該制御装置(100)の動作制御により前記還元剤噴射弁(12)を介しての還元剤の噴射を可能とすると共に、前記制御装置(100)は、内燃機関(1)の始動後に、少なくとも前記還元剤噴射弁(12)の電磁コイルへの通電による通電電流の変化を基にした前記還元剤噴射弁(12)の固着の有無判定の実行を含む噴射弁プレテストを実行すると共に、前記噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記還元剤噴射(12)の電磁コイルに通電することで前記還元剤噴射弁(12)への加熱を可能とする電磁コイル加熱が実行されるように構成されてなる還元剤噴射装置(50)であって、
前記制御装置(100)は、
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストの結果に基づいて行われた前記電磁コイル加熱により前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定し、コールドスタートであると判定された場合、2回目以降の前記噴射弁プレテストを実行し、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記電磁コイル加熱を実行し、しかる後、前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合に、前記還元剤の噴射の実行を可能とするよう構成されてなることを特徴とする還元剤噴射装置。
【請求項7】
前記制御装置(100)は、
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出されなかった場合にも、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項6記載の還元剤噴射装置。
【請求項8】
前記制御装置(100)は、
前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かの判定により、コールドスタートではないと判定された場合、又は、前記2回目以降の前記噴射弁プレテストの実行により、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出されなかった場合、前記還元剤の噴射の実行を可能とするよう構成されてなることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の還元剤噴射装置。
【請求項9】
前記制御装置(100)は、
前記コールドスタートか否かの判定を、前記内燃機関(1)からの排気ガスの温度が、前記還元剤噴射弁(12)への前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回るか否かを判定することで実行し、前記排気ガスの温度が、前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回る場合に、コールドスタートであると判定するよう構成されてなること特徴とする請求項6又は請求項7記載の還元剤噴射装置。
【請求項10】
前記制御装置(100)は、
前記コールドスタートか否かの判定を、前記内燃機関(1)からの排気ガスの温度が、前記還元剤噴射弁(12)への前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回るか否かを判定することで実行し、前記排気ガスの温度が、前記還元剤の圧送開始温度を所定温度幅下回る場合に、コールドスタートであると判定するよう構成されてなること特徴とする請求項8記載の還元剤噴射装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気通路に還元剤を噴射する還元剤噴射装置に係り、特に、還元剤の結晶化に起因する還元剤噴射弁の固着解消を、従来に比して、より確実にして、信頼性、安定性の向上等を図ったものに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両の排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を除去し、排気ガスの浄化を図る手段の一つとして、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが用いられていることは、良く知られている通りである(例えば、特許文献1等参照)。
かかる尿素SCRシステムにおいては、車両の運転停止後に還元剤噴射弁に対する冷却機能が停止した際に、還元剤噴射弁の尿素水溶液が加熱されて結晶化し、その結果、還元剤噴射弁の弁体が動作できなくなる固着状態となることがある。
【0003】
そのため、車両の起動前に上述のような固着の有無を検出する方法や、さらには、固着回避のための方策等が、種々提案、実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-127960号公報
特開2022-110637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、還元剤噴射弁の固着検出や固着解消の実行は、単に信頼性、確実性が高いだけでなく、車両起動時の迅速性を極力損なうことがないものであることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、車両起動時における迅速性を損なうことなく、従来に比して、より信頼性、安全性の高い還元剤噴射装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る還元剤噴射制御方法は、
選択還元触媒(3)の上流側に設けられた還元剤噴射弁(12)を介して還元剤の噴射を可能に構成されると共に、内燃機関(1)の始動後に、少なくとも前記還元剤噴射弁(12)の電磁コイルへの通電による通電電流の変化を基にした前記還元剤噴射弁(12)の固着の有無判定の実行を含む噴射弁プレテストを実行すると共に、前記噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記還元剤噴射(12)の電磁コイルに通電することで前記還元剤噴射弁(12)への加熱を可能とする電磁コイル加熱が実行されるように構成されてなる還元剤噴射装置(50)における還元剤噴射制御方法であって、
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストの結果に基づいて行われた前記電磁コイル加熱により前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定し、コールドスタートであると判定された場合、2回目以降の前記噴射弁プレテストを実行し、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記電磁コイル加熱を実行し、しかる後、前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合に、前記還元剤の噴射の実行を可能に構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る還元剤噴射装置は、
選択還元触媒(3)の上流側に還元剤噴射弁(12)が設けられる一方、前記還元剤噴射弁(12)の動作制御を実行する制御装置(100)を有し、当該制御装置(100)の動作制御により前記還元剤噴射弁(12)を介しての還元剤の噴射を可能とすると共に、前記制御装置(100)は、内燃機関(1)の始動後に、少なくとも前記還元剤噴射弁(12)の電磁コイルへの通電による通電電流の変化を基にした前記還元剤噴射弁(12)の固着の有無判定の実行を含む噴射弁プレテストを実行すると共に、前記噴射弁プレテストにより前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記還元剤噴射(12)の電磁コイルに通電することで前記還元剤噴射弁(12)への加熱を可能とする電磁コイル加熱が実行されるように構成されてなる還元剤噴射装置(50)であって、
前記制御装置(100)は、
前記内燃機関(1)の始動後に実行された噴射弁プレテストの結果に基づいて行われた前記電磁コイル加熱により前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合、前記内燃機関(1)がコールドスタートか否かを判定し、コールドスタートであると判定された場合、2回目以降の前記噴射弁プレテストを実行し、前記還元剤噴射弁(12)の固着が検出された場合、前記電磁コイル加熱を実行し、しかる後、前記還元剤噴射弁(12)の固着の解消が検出された場合に、前記還元剤の噴射の実行を可能とするよう構成されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電磁コイル加熱により固着が一旦解消された後にも、環境条件等により再び還元剤噴射弁の固着が生じた場合を確実に検出し、解消可能とするため、一度の固着解消の検出のみの従来に比して、車両起動時の迅速性を極力損なうことなく、固着の検出と解消を確実、安定に実現し、より信頼性、安定性の高い還元剤噴射装置を提供することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態における還元剤噴射装置の構成例を示す構成図である。
本発明の実施の形態における還元剤噴射装置において実行される還元剤噴射制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
還元剤噴射弁の固着発生時における従来装置の概略動作と、本発明の実施の形態における還元剤噴射装置の概略動作を模式的に示した模式図で、図3(A)は排気ガスの温度変化を模式的に示した模式図、図3(B)は従来装置の概略動作を模式的に示した模式図、図3(C)は本発明の実施の形態における還元剤噴射装置の概略動作を模式的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における還元剤噴射装置が設けられた尿素SCRシステムSの概略構成について、図1を参照しつつ説明する。
尿素SCRシステムSは、例えば、ディーゼルエンジン等を用いた内燃機関1に接続された排気管2の途中に配設された選択還元触媒3と、選択還元触媒3の上流側で排気管2内に還元剤を噴射する還元剤噴射装置50とを具備してなるものである。かかる尿素SCRシステムSの構成自体は、従来装置と基本的に同様のものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社SUBARU
燃料分離装置
18日前
トヨタ自動車株式会社
PCVバルブ
18日前
ダイハツ工業株式会社
排気浄化装置
22日前
フタバ産業株式会社
消音器
1か月前
トヨタ自動車株式会社
ブローバイガス処理装置
18日前
フタバ産業株式会社
排気部品
18日前
トヨタ自動車株式会社
フィルタの異常検出装置
22日前
フタバ産業株式会社
排気系部品
19日前
マツダ株式会社
車両の冷却装置
1か月前
いすゞ自動車株式会社
暖機システム
1か月前
ダイハツ工業株式会社
冷却水制御用サーモバルブ
28日前
ダイハツ工業株式会社
サーモバルブ用ハウジング
28日前
株式会社日立建機ティエラ
建設機械
18日前
日立Astemo株式会社
可変油圧制御システム
6日前
日本碍子株式会社
排熱回収制御システム
7日前
三菱自動車工業株式会社
内燃機関
12日前
三菱重工業株式会社
静翼の補修方法
15日前
東京濾器株式会社
オイルセパレータ
5日前
三菱重工業株式会社
静翼組品の製造方法
19日前
株式会社SUBARU
排気ガス浄化装置
28日前
株式会社小松製作所
システム及び制御方法
12日前
株式会社小松製作所
システム及び制御方法
12日前
株式会社アイシン
温度管理装置
15日前
本田技研工業株式会社
ラジアルタービンインペラ
15日前
トヨタ自動車株式会社
車両の制御装置
21日前
本田技研工業株式会社
ラジアルタービンインペラ
19日前
本田技研工業株式会社
ラジアルタービンインペラ
18日前
株式会社豊田自動織機
内燃機関のオイルパン
18日前
株式会社デンソー
バルブタイミング調整装置
7日前
日立造船株式会社
ごみ焼却設備の発電システム
15日前
株式会社ユタカ技研
排ガス流路開閉装置、及び、熱交換器
7日前
三菱重工コンプレッサ株式会社
車室及び車室の製造方法
18日前
株式会社豊田自動織機
内燃機関のブローバイガス還流装置
12日前
三菱重工業株式会社
蒸気タービン設備および蒸気タービン設備の制御方法
1日前
トヨタ自動車株式会社
リザーブタンクおよびこれを備えた冷却システム
21日前
株式会社東芝
タービン発電システム
1か月前
続きを見る