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公開番号2024114373
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-23
出願番号2023020101
出願日2023-02-13
発明の名称ラジアルタービンインペラ
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類F01D 5/04 20060101AFI20240816BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】ラジアルタービンインペラのタービン翼の支持剛性を確保しつつ、タービンの断熱効率を高める。
【解決手段】ラジアルタービンインペラ58は、略円錐形状のハブと、ハブの外周面に回転方向に間隔をおいて設けられた複数のタービン翼とを有する。子午面断面において、ハブの外周面によって形成されるハブラインは、径方向外側の上流端から径方向内側の下流端にかけて(全区間に亘って)単調減少する径を有し、且つ径方向外側に向けて凸の凸部分を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
略円錐形状のハブと、前記ハブの外周面に回転方向に間隔をおいて設けられた複数のタービン翼とを有するラジアルタービンインペラであって、
子午面断面において、前記ハブの前記外周面によって形成されるハブラインが、径方向外側の上流端から径方向内側の下流端にかけて(全区間に亘って)単調減少する径を有し、且つ前記径方向外側に向けて凸の凸部分を含む、ラジアルタービンインペラ。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記子午面断面における前記凸部分の前記ハブライン上の位置が、前記ハブラインの全長に対して前記上流端から50%よりも下流側にある、請求項1に記載のラジアルタービンインペラ。
【請求項3】
前記子午面断面において、当該ラジアルタービンインペラの軸方向の前記下流端に向く方向を0°とし、前記上流端から内側に向く前記ハブの径方向を-90°としたときに、前記ハブラインの接線の傾斜角が、前記ハブラインの全長に対して前記上流端から50%よりも下流側に少なくとも1つの極値を有する、請求項2に記載のラジアルタービンインペラ。
【請求項4】
前記極値が1つの極大値と1つの極小値とからなり、
前記極大値における前記傾斜角(θ2)から前記極小値における前記傾斜角(θ3)を減じた角度差(Δθ2)が0°より大きく25°より小さい、請求項3に記載のラジアルタービンインペラ。
【請求項5】
前記下流端における前記傾斜角(θ1)から前記極大値における前記傾斜角(θ3)を減じた角度差(Δθ3)が0°より大きく25°より小さい、請求項4に記載のラジアルタービンインペラ。
【請求項6】
前記極値が1つの極大値からなり、
前記極大値における前記傾斜角(θ2)から前記下流端における前記傾斜角(θ1)を減じた角度差(Δθ1)が0°よりも大きく25°よりも小さい、請求項3に記載のラジアルタービンインペラ。
【請求項7】
前記タービン翼が、周方向に交互に配置された、当該ラジアルタービンインペラの軸方向の所定位置に後縁を有する複数の長翼及び、前記所定位置よりも上流側に前記後縁を有する複数の短翼を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のラジアルタービンインペラ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の過給などに利用されるラジアルタービンインペラに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンに代表されるタービン機械に用いられるラジアルタービンにおいては、高温ガス等の圧縮された流体(以下、圧縮流体と言う)が、静翼(ベーン)により画定されたタービンノズルからタービンインペラへ供給される。圧縮流体はタービンノズルを通過するときに体積膨張することにより流速を増加し、タービンインペラを高速で回転させる。タービンインペラでより多くの仕事をさせるためには、タービンの膨張比を高めるだけでなく、タービンインペラのタービン翼間により多くの圧縮流体を流す必要がある。
【0003】
一方、高温の燃焼ガスがタービンインペラに多く供給されると、タービン翼の負荷が大きくなるため、タービン翼に十分な強度が要求される。この対応としてタービン翼の厚みを厚くすることでタービン翼に必要な強度を確保することができる。また、タービン翼の数を増やしたりタービン翼の高さを高くしたりすることでタービンの断熱効率(以下、単に効率ということがある。)を高めることができる。しかしながら、単にタービン翼の数を増やしたりタービン翼の厚みを厚くしたりすると、タービン翼間の出口付近の最峡部(スロート)の面積が小さくなるために効率の低下を招き、必要な流量の流体を流通させることができなくなる。
【0004】
また、一般に、ラジアルタービンのタービン翼は高温になるうえ、翼の高さが出口部において入口部よりも高い。そのため、タービン翼の支持剛性を高めるために、タービン翼の基部(付け根付近)の厚み(ハブ側の翼厚)が厚く設定される、或いは、タービン翼の側面とハブ面(ハブの外周面)とを接続するフィレット(曲面)の曲率半径が大きく設定される。しかしながら、そのような設定では、回転方向に隣接するフィレット同士が干渉(重畳)することになるため、タービン翼の数を単に増やすことは困難であった。
【0005】
それを解決するために、軸方向における後縁部までの長さが互いに異なる第1タービン翼(長翼或いはフルブレード)及び第2タービン翼(短翼或いはスプリッタブレード)の2種類のタービン翼が設けられたラジアルタービンインペラが提案されている(特許文献1)。このラジアルタービンインペラでは、負荷の大きいタービン翼の前縁部(入口側)において長翼の間に短翼が配置されることで、翼枚数が多くなり、翼1枚あたりの負荷が軽減される。一方、負荷の低い後縁部(出口側)では、短翼が軸方向において長翼のスロート位置よりも短くされることで、最大流量を規定する出口付近のスロートの面積が確保される。それにより、インペラが長翼のみを備える構成の場合よりも入口側の翼枚数を増やすことができ、効率と最大流量とのトレードオフの関係が低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2011-117344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来技術では、短翼がない長翼の後縁部では隣接する長翼のフィレット同士の重畳が回避される。しかしながら、短翼がある部分では長翼と短翼との距離は近く、両者のフィレットも近いため、適切な曲率半径のフィレットを形成することができない。適切な曲率半径のフィレットを形成し、且つタービン翼の枚数を増やすためには、短翼の長さを制限する必要がある。したがって、タービン翼の枚数を増やしたとしても効率を向上させることは困難であった。この対応として、タービン翼の下流部分において翼の付け根にあるハブ面(ハブの外周面)を盛り上げる(下流部分のハブの径を大きくする)ことが考えられるが、この対応ではタービンの出口付近のスロート面積が減少するため、やはり効率を向上させることは困難である。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑み、タービン翼の支持剛性を確保しつつ、断熱効率を高めることができるラジアルタービンインペラを提供することを課題とし、延いてはエネルギーの効率化に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、略円錐形状のハブ(64)と、前記ハブの外周面(64)に回転方向に間隔をおいて設けられた複数のタービン翼(68)とを有するラジアルタービンインペラ(58)であって、子午面断面において、前記ハブの前記外周面によって形成されるハブライン(78)が、径方向外側の上流端(78a)から径方向内側の下流端(78b)にかけて単調減少する径を有し、且つ前記径方向外側に向けて凸の凸部分(80)を含む。ここで、子午面断面は、ラジアルタービンインペラの回転軸線に沿って切断した断面において、タービン翼を回転軸線に沿って回転投影してタービン翼の形状を示すものである。
【0010】
この態様によれば、ハブラインが径方向外側に向けて凸の凸部分を含むことにより、凸部分がない場合に比べ、凸部分におけるハブラインの径が大きくなり、凸部分における翼間距離が大きくなる。よって、適切な曲率半径のフィレットを形成することが可能になり、タービン翼の支持剛性を確保することができる。また、凸部分の下流部及び凸部分よりも下流の部分では、ハブラインの径が大きくならずに済むため、ラジアルタービンインペラの出口付近のスロート面積が減少しない。よって、スロート面積に依存する最大流量を確保しつつ翼枚数を増加させることが可能であり、効率低下を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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